BGAを使用した設計

プラスチック・ボール・グリッド・アレイ(PBGA)パッケージの表面実装アセンブリに関する推奨事項

マザーボードの設計とアセンブリに関する推奨事項:

  1. ボードのキャプチャ・パッド/キャプチャ・パッド開口部は、プロセッサのハンダ・マスク開口部またはボール・パッド・サイズのいずれか小さい方と同じにする必要があります。
  2. BGAパッケージを使用するアナログ・デバイセズのいくつかのプロセッサについて、ハンダ・マスク開口部の寸法とボール・パッドのサイズを下に示します。

N注:2005年6月以降に発行された改訂データシートには、外形寸法の図に推奨ハンダ・マスク開口部とボール・パッド・サイズに関する情報が記載されています。

Processor  Number of 
Solder Balls
Solder Ball
Diameter (mm) 
 Solder Mask
Opening (mm)
 Ball
Pad Size (mm)
ADSP-BF531  169  0.60  0.43  0.56
ADSP-BF532  169
 0.60
 0.43
 0.56
ADSP-BF533  169
 0.60
 0.43
 0.56
ADSP-BF534  182  0.45  0.4  0.55
ADSP-BF534  208  0.45  0.4  0.55
ADSP-BF536  182  0.45
 0.4
 0.55
ADSP-BF536  208  0.45
 0.4
 0.55
ADSP-BF537  182  0.45
 0.4
 0.55
ADSP-BF537  208  0.45
 0.4
 0.55
ADSP-BF561  297  0.6  0.43  0.58 
ADSP-BF561  256  0.4  0.3  0.43
ADSP-21060  225  0.76  0.65  0.9
ADSP-21060L  225  0.76
 0.65
 0.9
ADSP-21061L  225
 0.76
 0.65
 0.9
ADSP-21062  225
 0.76
 0.65
 0.9
ADSP-21062L  225
 0.76
 0.65
 0.9
ADSP-21065L  196  0.6  0.43  0.53
ADSP-21160M  400  0.76  0.65  0.9
ADSP-21161N  225  0.6  0.43  0.56
ADSP-21262  136  0.46  0.4  0.53
ADSP-21266  136
 .045  0.4
 0.53
ADSP-21363  136
 .045
 0.4
 0.53
ADSP-21364  136
 .045
 0.4
 0.53
ADSP-21365  136
 .045
 0.4
 0.53
ADSP-21366  136
 .045
 0.4
 0.53
ADSP-21367  256  0.75  0.63  0.73
ADSP-21368  256
 0.75
 0.63  0.73
ADSP-21369  256
 0.75
 0.63  0.73
ADSP-TS101SAB1-000  625  0.6  0.45  0.6
ADSP-TS101SAB2-000  484  0.5  0.4  0.53
ADSP-TS101SAB1-100  625  0.6  0.45  0.6
ADSP-TS101SAB2-100  484  0.5  0.4  0.53
ADSP-TS201S**  576  0.65  0.69  0.56
ADSP-2183  144  0.5
 0.4  0.5
ADSP-2186  144  0.5
 0.4  0.5
ADSP-2186L  144  0.5
 0.4  0.5
ADSP-2185L  144  0.4  0.3  0.4

 注:ADSP-TS201Sを除くすべてのパッケージはハンダ・マスク定義(SMD)です。

**非ハンダ・マスク定義(NSMD)

  • ボール・パッド・サイズは、ハンダ・マスクの位置合わせ許容差によって異なります(このサイズの違いは、ドライフィルム/液体塗布の別、塗布の方法、厚さなどによってかなり大きくなることがあります)。
  • ボール・パッドの仕上げは、Entek、金(電解または無電解)、もしくはHASL(ホットエア・レベリング)などの保護用酸化防止化学コーティングを施した銅とすることができます。
  • スクリーン印刷に適したハンダ・ペーストは、共晶ハンダ63/37:SnPb、60/40:SnPb、または62/36/2:SnPbAgです。
  • 無洗浄/低残渣タイプのフラックスを推奨します。
  • スクリーン印刷後のハンダ・ペースト高さは0.008"を推奨しますが、PBGAはペーストの高さ/体積に極めて敏感というわけではないので、0.004"でも良好な結果が得られます。ペースト高さは、一般に、同一工程でマザーボード上にファイン・ピッチで配置される部品のスクリーン印刷/アセンブリによって決定されます。ハンダ・ペーストの粒子サイズも、ファイン・ピッチ部品のアセンブリの必要性に応じて決定されます。
  • SHARC PBGAの場合、ボール・グリッドの中心部分にあるボールのグループは、その電気的目的に加えて「サーマル・ボール」としての役目を担います。評価用ボードでは、サーマル・ボールとボード内のプレーンをつなぐ熱抵抗の小さいパスを使用できることが求められます。これは通常、サーマル・ボールの電気的接続にも使用するビアのグリッドによって実現されます。放熱に使用するプレーンは、PBGAからの熱伝導性を上げるために、銅の量が少なくとも2オンスとなるように設計する必要があります。この構成はサーマル・ヒート・スプレッダとして機能し、設計の熱性能を大幅に改善することができます。
  • 部品のピック・アンド・プレース。PBGAはJEDEC仕様のシッピング・トレイからピックアップされます。PBGAの位置合わせは、エッジその他のパッケージ形状の認識と機械的な中央寄せによって行います。目標を定めてマザーボード上にPBGAを配置するには、PBGA用のアライメント・マーキングと基準点が必要です。
  • 窒素(および酸素含有量制御)を使用したIR対流リフローを推奨します(特に無洗浄フラックスの場合)。
  • 洗浄を必要とするフラックスをリフローに使用する場合は、テルペン溶液による洗浄を推奨します。
  • PBGAアセンブリおよびマザーボードへの最終組み付け後のハンダ・ボール高さの合計減少値は、上記に示したハンダ・マスク/キャプチャ・パッド/ハンダ・ボール寸法の場合で約25%です。例えば、高さ0.76mmのハンダ・ボールは、最終リフロー後に高さ0.56mmになります。
  • PBGAは、接着剤を使用するか(フル・ハンダ・ボール・アレイには使用できません)、IRリフロー時のハンダの表面張力を利用することによって(BGAのサイズと重量に依存)、両面表面実装工程で組み付けることができます。
  • シェア・テスト、X線テスト、および電気的テストによって、ハンダ結合の品質や出来高をモニタします。
  • リワーク - 不良品は、熱風による不良部品取り外し、ハンダ除去、および局部的なハンダ・ペーストの再塗布を行って、新しいものに交換します。PBGA交換手順の実行時は、0.20インチの部品クリアランス・ゾーンを保つ必要があります。

その他の参考資料

  • Ball Grid Array Technology, John H. Lau, McGraw-Hill Inc., @1995, Washington D.C.
  • Mastering & Implementing BGA Technology, ed. Douglas J. Peck, AEIC Inc., @1995, Haverhill, M.A.
  • Solder Joint Reliability of BGA, CSP, Flip Chip and Fine Pitch SMT Assemblies, John H. Lau and Yi-Hsin Pao, McGraw-Hill, @1997, Washington D.C.
  • Proceedings of Seventh (June 1996) and Eighth (June 1997) Annual Electronics Packaging Symposium, BGA, Flip Chip and Chip Scale Packaging Developments.
  • Electronic Packaging & Interconnection Handbook, 2nd Edition, ed. by Charles H. Harper, @1997, McGraw-Hill, Washington D.C.
  • Microelectronics Packaging Handbook, ed. Rao R. Tummala and Eugene Rymaszewski, @1989, Van Nostrand Reinhold, New York, NY.