ノイズ・フィギュアとログアンプ[Dr. Leifの機知と知恵―6*]

[編集者注:今世紀に入るずっと前のことですが、Leif は30歳前後でIC設計者としてアナログ・デバイセズに入社しました。Leifはこの仕事と自分の年齢に見合う十分な経験を積んでおり、測定計測器と制御システムについての豊かな知識を身につけていましたが、その源は10代のころにtelak企業(「tele-acquisition」から生まれた新語で、今世紀に入ってから使われ出した)を通じて購入した余剰部品を用いて無線受信機、無線送信機、テレビを作成したことにあります。

Leif は、設計に直接携わった時間と同じぐらい多くの時間をアナログ回路の原理を教えることに費やしてきました。これまで彼は多数の「メモ」(小論文)を作成し、これらは一時期、同僚の設計者の参考書として広く使用され、また、新しく入社する社員に熱心に読まれたものです。その後、これらの多くは電子化されましたが、のちの「情報化時代」と呼ばれる時期に失われました。その理由は、「書き言葉」が徐々に陳腐化しつつあった世代のストレージ方式と媒体に委ねられたせいです。それは、誰もが過剰な「データ」のもとで息を詰らせると同時に、アナログ設計についての深遠な知識が欠乏していた時代でした。つまり、「ファンダメント」(Newton Leifは、物理現象の根源である基本原理をこう呼んでいる)が不足していたのです。

近年、Niku Chenという若いエンジニアがソールナ(スウェーデン)にあるアナログ・デバイセズのデザイン・センターの一員となった時、Leif は彼女に、この宝の山からできる限りのものを再生してみてはどうかと声をかけました。ここに掲載するのは、2008年に書かれた記事の1つを再現したものです。見出しからは、その当時のLeif(現在もソールナの事業所に勤務し、現場で活躍中です)がノイズの「ファンダメント」に精通していたことは明らかです。ただし、この小さな記事の中で話がかなり本題から外れているところもあります。なお、このような編集者注が挿入されることがあります。]

Leif 2698:060508 ログアンプのノイズ

ログアンプのノイズ・フィギュアについての問い合わせを受けることが時々あります。これが電力測定エレメントとしての一般的用途に有用な指標であるかどうかは、ユーザの判断によります。しかし、ログ・リミット・アンプが信号パス(PMまたはFMアプリケーション)で使用される場合は、ノイズ・フィギュアが重要であることは明らかです。というのも、ノイズ・フィギュアはノイズの存在下でシステムが信号から情報を抽出する能力を示すからです。したがって、ユーザによるシステム性能のスプレッドシート算定に組み入れる必要がある場合に備えて、この指標を提供する必要があります。この小論文は、フィールド・アプリケーション・エンジニアだけでなく、ユーザにも役立ちます。

アナログ・デバイセズの過去20年間にわたる開発成果である、キャリブレーションされたモノリシック・ログアンプは、最新製品においてDCに近い低周波数から最大12GHzの周波数までのRF測定エレメントとしてよく用いられます。このログアンプの価値の高さは、広い「ダイナミック・レンジ」と、測定値をデシベル量として直接出力できる点にあります。このログアンプは温度安定性を備え、「対数法則」への適合性も優れています。この小論文では、基本的なノイズ・メカニズムがもたらす制限を中心に扱います。いつものように根本的原因まで掘り下げるには、いくつかの寄り道が必要となります。

ログアンプには、3つの基本的な形式があります。しかし、RF電力測定デバイスとしての容量面から、ここでは主として最初の2つのタイプを取り上げます。

  1. 多段増幅と逐次制限1 を用いたタイプでは、区分法的な方法で対数への密接な近似が得られます。製品によっては、最終的なリミット・アンプ段の出力を時間符号化された情報(PMまたはFM、ベースバンド・ビット・ストリーム)の抽出に使用できます。このような製品には、AD608AD640/AD641、広範なAD8306 /AD8307 /AD8309 /AD8310 /AD8311 /AD8312 /AD8313 /AD8314 /AD8315 /AD8316 /AD8317 /AD8318 /AD8319ファミリーに加えて、AD8302(位相も測定します)や、今までにない1kHz ~ 10GHzの計測範囲を持つADL5519などのデュアル・ログアンプが含まれます。†

    これらのプログレッシブ圧縮ログアンプは、それぞれ5 ~ 10の低ゲイン(8 ~ 12dB)段を備えた整流器(検出器)を内蔵します。各ゲイン段の出力を加算して、平均電力のデシベルスケール尺度でフィルタされた電圧が得られます。そこではハード的に制限された最終的な信号も提供されます(100dBレンジの製品AD8306/AD8309と同様)。この対数尺度は、通常は補助的なものと見なされ、受信信号強度インジケータ(RSSI:Received Signal Strength Indicator)と呼ばれます。
  2. 60dB(typ)のゲイン幅を持つ指数ゲイン・アンプ(X-AMP®アーキテクチャ)2 と、それに続く単一検出器(このフィルタ済み出力を基準レベルと比較)を使用するタイプ。その積分誤差によって生成される電圧は、アンプ・ゲインを調整して誤差をゼロにします(図6の説明を参照)。その電圧は、正確な指数(「デシベル・リニア」とも呼ばれます)ゲイン関数に起因する印加信号のデシベル値を表し、検出器に2乗応答を与えることで、測定される印加信号の電力等価(rms)値が得られます。

    これは、自動ゲイン制御(AGC)アンプの一般的な形式として認識されます。したがって、これらをAGCスタイルのログアンプと呼ぶことができます。AD8362 、AD8363AD8364はこのタイプであり、後者の2つは2つの入力信号の同時測定と差分を与えます。このタイプには、一般に増幅された信号にアクセスする機能はありません。例外はAD607(実際にはシングル・チップのスーパーヘテロダイン・レシーバ)であり、そのデシベル・スケーリングされたRSSI出力は100dBに及び、その信号出力は復調されたIFのI/Q成分です。
  3. バイポーラ接合トランジスタ(BJT)の驚くほど信頼性の高いトランスリニア特性に基づくタイプ。最大10ディケードの電流範囲(200dB)にわたって、そのベースエミッタ電圧(VBE)とそのコレクタ電流(IC)との間に正確な対数関係があります。オペアンプと組み合わせたこの特性の初期利用はPaterson3によるものです。

    最新式の製品(現在はトランスリニア・ログアンプと呼ばれています)も同様であり、実装の詳細だけが異なります。この別個のクラスのログアンプは、光ファイバ通信システムにおいて光パワーの測定と光モード・アンプのゲイン制御に使用され、1ピコアンペアから数ミリアンペアまでの範囲で、基本的に静電流のみを測定します。あるいは、外部入力抵抗を用いて、広い範囲の振幅をもつ電圧も測定できます。こうした製品には、AD8304 、AD8305 、ADL5306ADL5310などがあります。

背景

システムの内部ノイズは、基本的な熱エネルギーkT、その絶対動作温度Tによって生じます(ここで、k はボルツマン定数)。参考例として、根本原因がアンテナである場合を考えます。ノイズは、アンテナが信号を受け取る自由空間抵抗(基本値:377Ω)に電磁気が結合することで生じます。信号とノイズは、アンテナの設計によって生じる最初のインピーダンス変換によってシステムに等しく結合し、そこから同じインピーダンスのケーブルによって伝達されます。例えば300Ωの平衡(「ツイン」または「リボン」)フィーダ、あるいは50Ω(または75Ω)の同軸ケーブルが相当します。

余談ですが、同軸ケーブルの損失が最小になるのは、その特性インピーダンスが71Ωの時です。これを上回ると、薄くなる内部導体の抵抗によって損失が増えます。これを下回ると、薄くなる誘電体層によって損失が増えます。最適ではありませんが、主として便宜上の理由と標準化のために、測定用の抵抗基準レベルは50Ωになりました。特に明記しない限り、ノイズ・フィギュアを指定する際にはこの値を使用します。

電源(実際には、電磁力から電力へのトランスデューサ)として、アンテナは複素インピーダンスZA=Re(ZA)+ jIm(ZA)を示します。それにもかかわらず、一般には狭いレンジの周波数にわたって純抵抗として機能します。電源からは有効電流が抽出されないため、理想的な電圧応答素子などのオープン・サーキットに供給できる電力はゼロです。同様に、どの電圧振幅も使用されないため、理想的な電流応答素子などのショート・サーキットへの電力もゼロです。電力伝送定理によれば、この電源に接続されている負荷に供給できる電力は、負荷インピーダンスの抵抗性部分がRA=Re(ZA)(例えば50Ω)に等しくなった時に最大となります(図1)。

Figure 1
図1. ボルテージ・フォロワ(a)または電流帰還型アンプ(b)を使用すると、
どのソース電力も利用されません。
しかし、固定ゲインの反転モード・アンプ(c)を使用し、帰還抵抗RFを補うと、
RFがRA (1+AV) に等しい時にRINはRに等しくなり、
√(2+AV)/(1+AV) のノイズ指数が得られます。

RF電力測定用のログアンプ(通常、単にRF検出器と呼ばれます)は極端に低いノイズ・フィギュアを必要としません。むしろ、最初のアンプ段の設計で重要視されるのは、電圧ノイズ・スペクトル密度(VNSD)を最小限に抑えることです。VNSDは、一般に数nV/√Hzで規定されます。このVNSDがログアンプのRF帯域幅(検出後帯域幅やビデオ帯域幅ではありません)の全域で積分されると、rmsノイズは数十マイクロボルトに達します。この電圧が入力でのインピーダンス・レベルを基準とする場合のみ、デバイスの内部ノイズをパワー・レベルdBm(1mWを基準にしたデシベル値)と表すことができます。積分されたノイズ電圧は、測定できる最小入力電圧に制限を加えます。
したがって、最小信号電力も間接的に制限されます。

図2 は、このダイナミック・レンジの下限を、さまざまなインピーダンス選択に対する電力として表す方法を示します。なお、20mV/dB(400mV /ディケード)という代表的スケーリングに対して示す応答は、特にサイン波入力を対象としています。0dBV入力は、1Vのrms振幅をもつサイン波入力を示します。各軸マーカーの下には、50Ωまたは316Ωの終端抵抗に電圧が印加されたときの対応するパワー・レベルを示します。

Figure 2
図2. 入力電圧へのログアンプ応答:
ダイナミック・レンジの下限と代替スケール間の対応関係を示します。

以前の小論文(LEIF 2131:080488*)では、他のさまざまな波形への応答について、基本的なRFログアンプ・タイプを比較しています。長年にわたり、信号の波形が対数インターセプト(「オフセット」と呼ばれて誤解を招くこともあります)に与える影響はほとんど見過ごされてきました。なぜなら、初期のログアンプは性能にばらつきが多く、その場で手動調整する必要があったからです。AD640は、完全にキャリブレーションされた最初のマルチステージ・ログアンプとして、このような状況を一新しました。別の論文で4、私はログアンプ設計がもはやかつてのように経験主義に基づく必要がなくなったことについて述べています5

*[編集者注:後日、この文書を入手して(Niku Chenが発見した場合)、「Analog Dialogue」に掲載できるかもしれません。]

ジョンソン・ナイキスト・ノイズ

理想的に入力を整合されたアンテナは、それ自身のノイズを追加することなく、最大の有効電力を得ます。しかし、周囲で自然発生するノイズ源は別として、抵抗がノイズを生成するように、アンテナには一般に50Ωのインピーダンス・レベルを基準とするそれ自身のノイズがあります。なお、これは特定の製造技術に起因するものではありません。ただし、大部分の現実的な抵抗では、大なり小なり稼動中にノイズ要因は増えます。

抵抗ノイズは、ジョンソン6によって初めて確認され、その後でナイキスト7によって解析および定量化されました。これは導電媒体における電流キャリアのランダム運動が電気的に現れたものです。ナイキストは、この運動のエネルギーがボルツマン定数kと絶対温度Tに基づいて表記でき、ノイズ電力PN(つまり、エネルギー/単位時間)という形で現れることに気づきました。時間は、システム帯域幅B(ヘルツ)として逆数形式で表すのが慣例です。その結果、導体に関係するノイズ電力は単にkTB(ワット)と簡単に表現されます。

次に、等しい値の理想的なノイズフリー抵抗ROに接続された、絶対温度Tにおける実際の抵抗Rを考えてみます。ここでは、抵抗Rのノイズ電圧EN は負荷ROによって半減します(後者はノイズを生成しません)。そこで、Rでのノイズ電力は単に(EN/2)2/Rとなります。これはkTBノイズ電力と等しくなる必要があります。つまり、EN2/(4R) = kTBとなるため、EN = √4kTRB V rmsです。

ノイズ・フィギュア仕様では、アンテナが290K(16.85℃)の温度で「動作する」と(やや独断的に)想定します。ここで実際に意味していることは、アンテナを構成する金属部の実際の温度でも、その周囲の気温でもありません。まして、指向性の狭い信号源の温度でもありません。むしろこれは、アンテナの「視野」に収まるすべての物質の平均温度を、その極線図(感度と方向)によって修正したものです。冬季のストックホルム近郊の周辺温度(したがってkT)でも、暖かい建物の向こうにある発信源に向けられたアンテナによって感知された場合は、ネバダ州の空に向けたアンテナの場合より実際には高いことがあります(実際には、気温がアンテナの固有ノイズ・フィギュアに与える影響は小さなものです)。

290Kでは、50Ωアンテナのオープン・サーキットVNSDは、他の抵抗の場合と同様に894.85pV/√Hzです。50Ωのノイズフリー負荷に印加すると、負荷でのノイズ電圧は447.43pV/√Hzに半減されるため、ノイズ電力は、この電圧を2乗して50Ωで割った値、つまり4×10-21W/Hz です(注:ここではもう√Hzではありません)。これをミリワット単位の電力スペクトル密度として表すと−173.975dBm/Hzとなります。当然のことながら、これは熱ノイズ・フロアと呼ばれます。

インピーダンス・レベルが任意であることに注意してください。このアンテナが75Ω 負荷に整合された場合でも、ノイズ・フロアは依然として−174dBm/Hzです。このことは、上の計算において、量√4kTRをまず2分して負荷電圧として√kTRが与えられ、2乗してkTRとなり、同じ抵抗で除算し(整合を想定)、kTに戻ったことから明らかです。

[編集者注:これは最低値です。もちろん、アンテナの後に続くアクティブ・デバイスの温度は下げることが可能です。今日のコスモトロニクスでは、ザイゴメーザー(極低温で動作するデュアルパス・メーザー)は、低ノイズ・アンプとして使用されます。しかし、このようなメーザー・ペアは安くないため、一般的なHSIO Municatorに採用されることはありません。]

ノイズ・フィギュアとノイズ・メカニズム

初段のアンプが理想的でない限り、それ自身のノイズが信号に追加されます。そこで、非常にノイズの少ないオペアンプが電圧モード・アンプとして使用されると想定します。ソース(例えば、アンテナ)が適切に終端されるように、このアンプの信号入力ポート側に50Ω 抵抗を配置します。オペアンプ自身の内部ノイズを考慮する前に、ノイズ・フィギュアを3dBまで下げました。次に理由を説明します。まず、定義を示します。

Equation 1

前述のように、オープン・サーキット化された信号電圧(VIN)は、システム帯域幅の全域で積分されたオープン・サーキット・ノイズ電圧、例えばEN―電圧ノイズ・スペクトル密度(VNSD)に関係します。また、50Ω のノイズフリー・インピーダンスによって生成された負荷を想定すると、この負荷の両端での信号電圧は2分されてVIN/2になり、ノイズ電圧も2分されてEN/2になります。したがって、信号対ノイズ電圧比と信号対ノイズ電力比は影響を受けません。ノイズ指数はユニティであり、ノイズ・フィギュア(以後はNFと表記)は0dBです。

もちろん、これにはノイズフリーの負荷を使用する必要があります。負荷がリアクタンスから生成される場合は、このように理想的な性質があり得ます。例えば、√L/Cには抵抗の軸がありますが、L/Cネットワークには原則として損失がありません。現実のL/Cネットワークでも、基本的に無損失であり、損失は非常にわずかです。(対照的に、抵抗は電力を熱に変換して外界に逃がします)。しかし、LとCによるマジックの効果があった場合でも、電力ゲインの提供に不可欠な要素であるアクティブ・デバイスには固有のオーム抵抗があり、NFを劣下させます。

ショット・ノイズ

接合デバイスの場合も、原理的にショット・ノイズ現象が生じます。こうした現象は確率的メカニズムの相違、つまりポテンシャル障壁を横切る電流の細分性によって生じます。これはショットキー8によって、真空ダイオードのカソードから放出された電子において発見されました。電子はランダムに放出されるため、ポアソン型のシーケンス・オブ・イベントが形成されます。各電子はミツバチのように、q=1.602×10-19クーロンというごく小さな電荷パケットを忠実に伝達します。

エミッタからBJTのベースにキャリアを注入する際にも、類似のプロセスが発生します。放出/注入の変動は、カソードの仕事関数に基づくキャリア・エネルギー、または半導体接合部のバンドギャップ・エネルギーの継続的な小さな変化に起因します。後者の場合(真空ダイオードとは異なり)、注入されたキャリアの一部はベース領域で再結合します。ベース領域には他の小さなノイズ・メカニズムも存在し、コレクタのノイズは適宜修正されます。したがって、これはコレクタ・ショット・ノイズと呼ばれます。しかし紛らわしいことに、根本的原因は最初の注入サイトにあるのです。

注意すべきは、ジョンソン・ノイズの原因は、導電媒体におけるキャリアのランダム運動であるのに対して、ショット・ノイズの原因は、これらのキャリアがバリアに遭遇したときのランダムな発生にあるということです。

ショット・ノイズ電流のスペクトル密度の大きさ(A/√Hz 単位)が√2qIであることはすぐにわかります。ここで、qは電子電荷です。Iは平均バイアス電流であり、トランジスタの場合はICとなります。例えば、1mAのコレクタ電流では、このノイズは17.9pA/√Hzに達します。しかし、抵抗のノイズとは異なり、ショット・ノイズは温度に依存しません(トランジスタに関して、相互コンダクタンスの温度依存性など、すべての詳細なローカル・メカニズムを結び付けた時)。これは電流の細分性の徴候にすぎません。さらに、抵抗ノイズが直接的に電力を表すのに対して、ショット・ノイズは電流の変動にすぎないため、インピーダンスに流れる場合にのみ、通常は何らかの「出力」で何らかの電力に対応します。

現在、「コレクタ出力抵抗」ではなく、このようなインピーダンスがトランジスタ内に存在します。これは、小信号相互コンダクタンスの逆数である「増分エミッタ抵抗」reであり、kT/qICと等しくなります。これによって、ベースエミッタ・ポートを基準とするノイズ電圧が発生します。そのスペクトル密度はノイズ電流とこの抵抗の積であり、kT/qIC×√2qICに達しますが、kT√2qICまで減少します。

IC=1mA、+27℃では、これは463pV/√HzのVNSDに達します(図3)。reはオーム抵抗ではなく、単に偏導関数∂VBE/∂ICであるため、ノイズフリーであることを忘れないでください(そのため、独特の記号で表記されています)。しかし興味深いことに、ショット・ノイズ電流とこの抵抗の前述の積は、その値の半分の実抵抗によって生成されたノイズ電圧に等しくなります。例えば、reは25.86Ωであり、実際の12.93Ω 抵抗のノイズも463pV/√Hzです。その理由は、単に「ショット・ノイズ×re」を2√(kT)2/qI=√2kTreと書くことができ、これは√4kT(re/2)となるからです。この量はR=re/2のときにのみ、抵抗Rのジョンソン・ノイズである√4kTRに等しくなります。これは明らかに「うまくいく」はずです。しかし、いくつかの疑問が残されます。これら2つの基本的なノイズ・プロセスは明らかに大きく異なるにもかかわらず、このような面白い一致があるのはなぜでしょうか。それは、もう1つの(長い)テーマです。

Figure 3
図3. 中程度周波数におけるBJTの主要ノイズ源

低ノイズ・アンプ設計の側面

整合インピーダンス低ノイズ・アンプの設計は、それ自体が大きなテーマです。しかし、不可避な接触抵抗(RBB'とREE')の影響をレシピに組み込む前であっても、BJT(現代の技術では、SiGeやその他のエキゾチックなヘテロ接合トランジスタはステロイドに関してBJTである点に注意)の基本的側面によって、ノイズ・フィギュアの基本的な下限がどう設定されるかを考えることは有益です。

図4に示す回路は、一見したところきわめて原始的かつ不完全であり、ベースに抵抗RFを備え、電流源によってバイアスされたダイオード接続トランジスタにすぎません。驚くべきことに、これは(最適ではありませんが)実用に耐える低ノイズアンプ(LNA)です。そのVCE(VBEと、RF の両端の電圧降下との和)は、このような解説のためには十分であり、この解析の妥当性を維持しながら、この基本形を改良するには多くの方法があります。

Figure 4
図4. 基本理論を示す、原始的なトランスリニアLNA

この方法は、LNAのトランスリニア的視点と呼ぶことができます。なぜなら、理想的な抵抗のないトランジスタ・モデル(「Foundation Design」、Leif 1677:011284を参照)*から始まり、最後には美しさと複雑さの両面を兼ね備えた動作に対して深い洞察が得られるからです。

*[編集者注:これに続いてDr. Leif の小論文では、ソースと負荷への相互マッチングが必要な場合に、帰還抵抗RFの値がRA2/reに等しい必要があるということが、数学的根拠ではなく、ある意味哲学的に説明されています。その説明のポイントは、回路の抵抗で重要なのは、未知RF、既知RA、BJTのreという、3つの抵抗だけだということです。(Leifによれば)これらのリンクには、次元的に正しい方法が2つだけあります。つまり、RF =re2/RAまたはRF=RA2/reです。前者は明らかに誤りです。]

ところで、この小さな回路で奇妙なことは、IC のゼロ以上のすべての値に対して正確にマッチングが保たれていることです。これは、前述のようにreを追跡するためにRFを準備することを前提にします。つまり、アルゴリズム値qICRA2/kTを与えることを意味します。したがって、このマッチングを維持し、温度安定性ゲインが1−qICRA/kTという符号付き値を持つには、ICは絶対温度(PTAT)に比例する必要があります。

これを確認するには、RF がゼロでなければならない時に、IC=0に設定します。これによって、トランジスタの相互コンダクタンスが無くなり、0値の抵抗RFは、ソースを単に負荷に接続して×1のゲイン(つまり、0dB)が得られます。IC=kT/qRAという電流の臨界値、つまり517.2μA=25.86mV/50Ωにおいて、RA=50Ωの時、ゲインはゼロ(つまり、−∞dB)になり、その後で上昇し、正確に1.034mA(T=300Kの場合)のICで−1と交差します
(再び0dBに戻ります)。

その値以降では、ゲインは増加します。その間ずっと、入力インピーダンスは値RA(ここでは50Ω)で固定されたままです。図5は、入力インピーダンス、電圧ゲイン(相互にマッチングされた時は電力ゲインでもあります)、ノイズ・フィギュアを示します。この理想的なシミュレーションでは、NFは10mAのICでは0.4dB未満であり、その時にゲインは×18.33(反転)、つまり25.3dBです。

Figure 5
図5. トランスリニア低ノイズ・アンプの独特な動作

この解析は、楽観的であると同時に悲観的でもあります。トランジスタ抵抗のノイズ影響分(特にRBB'とREE')、および有限の小信号電流ゲイン(βAC)の結果を無視するという点で楽観的です。後者は、実効ソース・インピーダンス(RBBを含む)に流れ込むノイズ電流(√2qICAC)を生成します。高周波でのβACは、DCでの場合に比べてきわめて低いことを忘れないでください。その大きさは、特定の形状とバイアスに対するデバイスのfTを信号周波数(fS)で除算した値にほぼ等しくなります(そして位相は+90°です)。したがって、10GHzのfT(ピーク値まで上昇することはありません)と2GHzのfS の場合は、このBJTのコモン・エミッタ電流ゲインは5という悲惨な値になります。

この例では、IC=10mAの時にコレクタ・ショット・ノイズの5分の1、つまり、0.2√2qIC=11.3pA/√Hz がベースに現れます。これは合計ベース・インピーダンスに影響するため、少なくとも50Ωのソース・インピーダンス(抵抗性である必要はありません)に作用し、566pV/√HzのVNSDを生成します。これは、この電流においてreにより誘起されたショット・ノイズに起因する46.3pV/√Hzの12倍以上です。

しかし、これらの数値は、アクティブ・デバイスの周囲でリアクタンス素子を通じて実現されるすべての精妙な出来事を無視するという点においては悲観的です。このため、NFは大幅に低下しますが、常に歪みを犠牲にすることになります。歪みは、一般には入力換算されたツートーン3次高調波インターセプト(IIP3)によって表され、あまり有用性はありませんが、1dBのゲイン圧縮ポイント(P1dB)によって表されることもあります。

[編集者注:Dr. Leif の小論文の該当ページの上部には、次の鉛筆書きのメモがあります。「Niku:余談ですが、奇妙なことがあります。IC=517μAでベース接地トポロジを使用してRINを50Ωに設定し、50Ωソースをマッチングさせると、P1dBポイントには到達しないことがスペクトル解析によってわかります。ゲイン誤差は、特定の入力レベルで−0.9dBに接近してから、漸近的に0dBに戻ります。面白いじゃありませんか。
ここで何が起きているかわかりますか?」]

それでもなお、他の特性(直線性など)を緩和できる場合は、室温における高ゲイン・トランジスタ・アンプでは0.3dBという低いNFを実現できます。例えば、図1(c)のアンプは、無視できるほどの電圧/電流ノイズを持つアンプを使用して√(2+AV)/(1+AV)というノイズ指数を示します。ゲインAV を20V/V(26dB)に設定した場合は、たとえ50Ωソース(つまり1.05kΩ)にマッチングするように選択して、帰還抵抗によるノイズが4.18nV/Hzに増大しても、NFは0.2dB(つまり20 log10 √22/21)に抑えることができます。ここは電圧領域であるため、最初の係数は20です。もちろん残念なことに、実際にはアンプの入力ノイズを無視することはできません。

ログ・ディテクタの電力キャリブレーション

電力に直接反応する電子素子は、ほとんど存在しません。直接反応するとすれば、抵抗のようにソース電力の一部を正確かつ完全に吸収し、その際に生じる熱量がそれに比例して高い精度で測定可能でなければなりません。この理想的な電圧モード・アンプの入力端子間に抵抗が組み込まれると、ソースから供給された電力によって抵抗がわずかだけ加熱されます。一例として、信号電力が−30dBm(つまり、1マイクロワット)で負荷の熱抵抗が例えば100℃ /Wであった場合は、100マイクロ度だけ加熱されます。

これは小さな温度変化です。それにもかかわらず、いくつかのパワー・ディテクタは、きわめて高い熱抵抗(おそらく100,000℃ /W)を持つように極薄の繊維上につるされた低質量抵抗の温度を直接に測定するプロセスを採用しています。その場合にも、温度変化はわずか数ミリ度のレベルです。こうしたきわめて基本的な電力応答素子は、高マイクロ波周波数ではいまだに使用されていますが、今世紀に入ってからは、DCから12GHz超の範囲で簡単に使える高精度で安価なICディテクタが提供されるようになっています。

AD8361およびADL5500/ADL5501クラスのいくつかのTruPwrTMディテクタは、アナログ演算技術によって信号の瞬間的な波形値を振幅2乗することで、中間出力VSQ=kVSIG2を生成します。この重要な第1ステップに続いて平均および平方根演算が行われ、最終的に2乗平均(rms)値が得られます。このような製品の設計に際しては、どのステップにおいても低周波数精度の維持に細心の注意を払うと同時に、マイクロ波波形に関して正確な回路技術を使用する必要があります。

アナログ・デバイセズがTruPwrカテゴリで製造する新しいrms測定製品の多くは、高精度のAGC技術を採用しています(図6)。具体的には、わずか数ミリボルトの入力レベルから信号を増幅して、この信号を1つの2乗セルに印加します。その出力は、固定入力(「ターゲット」電圧:VT)で動作している同一のセルの出力と比較されます。その後、これらの出力のアンバランス統合によってゲインを必要に応じて増減することで、スクエアラ出力間の正確なバランスを復元します。使用した可変ゲイン・アンプではX-AMPアーキテクチャを採用しているため、制御電圧に応じて本質的に正確な逆指数ゲインを提供します。これによって、入力でのrms 振幅は正確にスケーリングされたデシベル量として示されます。

Figure 6
図6. AGCスタイルのログアンプの一般的な構造

現在では一般に「ログアンプ」として知られる初期のタイプのパワー・ディテクタは、通常は測定機能だけを実行して入力の平均電圧振幅の対数振幅に比例した出力を提供し、ハード、リミッティング型のゲイン段をカスケード接続して使用します。各セルの出力が合計値を徐々に増加させている場合は、区分的近似として対数関数が自然に登場することになります。4なお、この動作は、入力の「平均2乗」や「真の電力」に反応するニーズに本質的に対処するものではありません。ただし、面白い問題として、ノイズに似た信号への応答では、それらのrms 値を実際に綿密に追跡します。図7は、このタイプ(プログレッシブ圧縮ログアンプ)の回路図例を示します。

Figure 7
図7. プログレッシブ圧縮ログアンプの実例

ノイズ・フィギュアとログ・ディテクタ

そろそろ、これらのディテクタは、入力において吸収される信号の電力に反応しないことがきわめて明白になってきます。むしろ、反応は信号の電圧波形に対するものです。すべての信号の電力は、入力インピーダンスの抵抗成分によって吸収されます。抵抗成分の一部はICの内部に存在し、一部はこのインピーダンスを一般には50Ωまで低下させるために外部から追加されます。このことは、NF仕様の値に疑問を投げかけます。理論的には、このようなタイプのログアンプの感度および計測範囲は、1mWを上回るデシベル単位での電力を意味する「dBm」単位ではなく、常に「dBV」(1V rms を基準とする電圧のデシベル・レベル)単位で仕様規定する必要があります。この振幅の信号は50Ω の抵抗性負荷で20mWを消費します。これは50Ω 基準(「50Ω 負荷基準」)で13.01dBmになります。

それにもかかわらず、ログアンプ入力での正味シャント抵抗が既知である場合は、その振幅応答のグラフでは、図2に示すようにdBmとdBVの両方でスケーリングされ、固定量(50Ω の場合は13dB)だけオフセット調整された共通の水平軸を使用できます。残念ながら、RFの分野では一般にdBVの概念が用いられないため、この方法が厳密に適用されることはありません。多くのデータシートではdBmスケールだけが掲載され、これまで重ねて指摘してきたとおり、RF電力センサには決して適していると言えない、見かけ上の純粋な電力レスポンスが用いられる結果になるのです。

たとえログアンプの入力段がソース・インピーダンスにマッチングするように設計されている場合(すべての有効電力をうまく利用して、ノイズ・フロアを効果的に下げます)でも、依然として入力ポートに生じる電圧に対する応答が重要です。もちろん、このことは電力測定デバイスとしての有用性を損ないません。低周波数では、負荷に関連する電圧と電流を明示的にサンプリングするICを設計することは簡単です。その実例がADM1191です。

50Ω抵抗の負荷をかけた50Ωソースの場合、3dBまでのノイズ・フィギュアの低下は、完全に終端抵抗のノイズ追加に起因することを思い出してください。測定デバイスがソースにオープン・サーキットを生じさせると、50Ω 抵抗によって入力が分流されて実効電力応答スケールが設定されるか、入力がログアンプの有限なRINから50Ωまでパッドダウンされます。入力ポートに関係するノイズ電圧は、もはやこの抵抗のジョンソン・ノイズだけではなく、そのノイズ電圧と測定デバイスの入力ノイズ電圧のベクトル和になります。さらに、ログアンプの固有の入力ノイズ電流は、この正味シャント抵抗によって乗算され、大きな電圧が得られた場合には、ベクトル和に組み込む必要があるかもしれません。しかし、通常これは、すでに入力換算VNSD仕様に間接的に組み込まれています。

後者が1nV/√Hzと指定されているとします。次に、25Ω(正味50Ωの外部負荷抵抗とログアンプのRINに並列に置かれた50Ωソース)でのジョンソン・ノイズの300K(27℃)値(PCボードの代表的な動作温度)を√4kTR=√4k×300×25=643.6pV/√Hzとします。以上で、これらのベクトル和は1.19nV/√Hzです。「信号」に単位振幅を任意に割り当てると、次式が得られます(50Ωソースに対する300Kノイズは910pV/√Hzであることに注意)。

Equation 2

50Ωソースと50Ω 負荷のケースのより一般的な形式は、20 log10(2.2×109√0.64362 +VNSD2)です。下の表は、50Ωソースとログアンプ入力における50Ω の正味抵抗性負荷を想定した場合の、ログアンプの入力における電圧ノイズ・スペクトル密度のいくつかの値に対するノイズ・フィギュア(NF)を示します。

VNSD (nV/√Hz) NF (dB)
0.00 3.012
0.60 5.728
1.00 8.345
1.20 9.521
1.50 11.095
2.00 13.288
2.50 15.077

ログ・ディテクタのベースライン感度

前述のように、ノイズ・フィギュアは定量化されているログアンプがマルチステージ・リミット・アンプ(ディテクタとしても使える信号出力を提供し、AD8309などではRSSI 出力を提供)である場合の関連指標です。このデバイスは、終端された50Ωソース(つまり、その入力ポートの両端で正味25Ωの抵抗を持つ)から駆動された時、1.28nV/√Hzの入力換算ノイズ(VNSD)を持つと仕様規定されます。上の式から、これは9.963dBのNFになります。NFのデータシート値(1ページ)は6dB低い3dBとなります(1.28nVに対する50ΩVNSD時の0.91nVの比をデシベルで表すと、20 log10 (1.28/0.91)=2.96dB)。

ログアンプのベースライン感度は、その帯域幅によって制限されます。例えば、ログアンプ(プログレッシブ圧縮タイプまたはAGCタイプにかかわらず)の入力における合計VNSDを1.68nV/√Hz、実効ノイズ帯域幅を800MHzと想定します。この帯域幅で積分されたRTIノイズは47.5μV rms(つまり、1.68nV/√Hz × √8×108Hz)です。50Ω基準のdBmで表すと、10 log10 (ノイズ電力)=10 log10 (47.5mV2/50Ω)=−73.46dBmです。

この「測定フロア」は、このレベルを下回る信号電力の測定値が不正確であることを示すため、NFよりも役立つ指標です。ここでは、ノイズ波形がガウス分布することを想定して、−73.46dBmのフロア近くの実際のシングルトーン・サイン波入力に対する指示電力が同じ値ときわめて近いことがわかります。もう1つの例として、AD8318の入力換算ノイズ・スペクトル密度は(Rev. Bデータシートの11ページの最初の列から)1.15nV/√Hzであることがわかります。これは、そのデバイスの10.5GHz 帯域幅では118μV rmsという積分ノイズ電圧になります。これは50Ω基準で−66dBmのノイズ電力です。数段が少なすぎるプログレッシブ圧縮ログアンプでは、測定フロアは(ノイズではなく)単に不十分なゲインによって決定される場合があることもユーザは知っておく必要があります。





参考資料

1www.analog.com/jp/analog-dialogue/articles/monolithic-dc-to-120-mhz-log-amp.html

2www.analog.com/jp/analog-dialogue/articles/low-noise-wideband-amp-linear-in-db-gain.html

3Paterson, W. L. “Multiplication and Logarithmic Conversion by Operational-Amplifier-Transistor Circuits.” Rev. Sci. Instr. 34-12, Dec. 1963.

4Gilbert, B. “Monolithic Logarithmic Amplifiers.” Lausanne, Switzerland. Mead Education S.A. Course Notes. [1988?]

5Hughes, R. S. Logarithmic Amplification: with Application to Radar and EW. Dedham, MA: Artech, 1986.

6Johnson, J. B. “Thermal Agitation of Electricity in Conductors.” Phys. Rev. 32, 1928, p. 97.

7Nyquist, H. “Thermal Agitation of Electronic Charge in Conductors.” Phys. Rev. 32, 1928, p. 110.

8Van der Ziel, A. Noise. Prentice Hall, 1954.

*[編集者注−このシリーズの最初の2つの文書「The Four Dees of Analog, circa 2025」(1)と「The Fourth Dee: Turning Over a New Leif」(2)は、公開当初には番号が付けられませんでした。]

†ここに記載した全製品の情報とデータシートについては、アナログ・デバイセズのウェブサイト(www.analog.com/jp)をご覧ください。

著者

Barrie Gilbert

Barrie Gilbert

Barrie Gilbertは、アナログ・デバイセズ初のフェローであり、「アナログ・エレガンスの追求」に生涯を費やしてきました。1972 年にアナログ・デバイセズに入社し、1979 年にはフェローに選ばれました。現在、オレゴン州ビーヴァートンにあるNorthwest Labの責任者を務めています。1937 年に英国ボーンマスで生まれ、1954 年にSRDEで第1世代のトランジスタの開発に携わった後、Mullard,Ltd.、Tektronix Lab、Plessey Research Labで勤務しました。1984年からIEEEフェローを務め、数々の受賞歴もあります。保有する特許は約50 件に上り、発表した論文は40 件以上、共同執筆による著作も複数あります。また、いくつかの定期刊行物の校閲を担当しています。1997 年にはオレゴン州立大学から名誉工学博士号を授与されています。