製造の生産性を大幅に向上する高精度な位置エンコーダ・ソリューション

製造の生産性を大幅に向上する高精度な位置エンコーダ・ソリューション

正確な位置およびトルクの制御は、複雑な部品のより高品質で高速な加工を実現し、スループットと製造生産性を向上すると共に、エネルギーの使用も最適化します。アナログ・デバイセズは、高性能の位置エンコーダ・ソリューションを提供すると共に、お客様が市場投入までの時間を短縮するために役立つ主要な実現技術を備えています。これらの技術には、高度な制御ループ性能を実現する高精度コンバータ、スペースに制約がある筐体の熱の課題を克服する高効率、高集積パワー・マネージメント技術、過酷な産業用配備での使用に最適な堅牢な接続ソリューションなどがあります。

製造の生産性を大幅に向上する高精度な位置エンコーダ・ソリューション

光学式および磁気エンコーダ

ADP320LT3023LT3029などのマルチレール低ノイズLDOは、光学式および磁気エンコーダのシグナル・チェーンの全部品への給電に使用されます。RS-485トランシーバーのADM3066Eは、トランスミッタおよびレシーバの超低スキュー性能を備えているため、高精度クロックの送信に最適です。4 MSPS SAR ADCのAD7380は、高スループット・レートと同時サンプリング機能によりオンチップのオーバーサンプリングが可能で、角度位置精度が向上します。アプリケーションの必要に応じた、代替のADCオプションを表1に示します。12ビット以下の分解能を必要とするアプリケーションの場合、12ビット1 MSPS ADCを内蔵し、強化されたセキュリティ、ペリフェラル、およびパワー・マネージメント・インターフェースを備えた、超低消費電力Arm Cortex-M4FマイクロコントローラのMAX32672も使用できます。

ADC 分解能(ビット)
AD7760 24
AD7380 / MAX11198 24
MAX11195 14
AD7866 / MAX11192 12

表1:ADCのオプション

クワッド・レールtoレール・オペアンプのADA4622-4

クワッド・レールtoレール・オペアンプのADA4622-4は、信号の堅牢性を高める入力EMIフィルタを備えており、光学式エンコーダに最適です。強力な出力駆動能力を備えているため、セトリング・タイム性能が向上し、SAR ADCのAD7380の入力を直接駆動できます。

異方性磁気抵抗(AMR)センサーのADA4571

磁気エンコーダの場合、異方性磁気抵抗(AMR)センサーのADA4571は信号調整アンプとADCドライバを内蔵しており、サイズと重量の削減に加えて、信頼性も向上します。角度誤差0.1度(代表値)という角度精度によりクローズドループ制御が強化され、モータのトルク・リップルとノイズを低減します。

レゾルバ式エンコーダ

レゾルバ式エンコーダの場合、AD2S1210は広い温度範囲(-40℃~125℃)を備えた完全なモノリシックのレゾルバ/デジタル・コンバータです。AD8694アンプは、AD2S1210へのレゾルバ信号を通過させる3次バターワース・ローパス・フィルタを作成するために使用されます。SPIエクステンダのLTC4332はシステムの分割を可能にし、マイクロコントローラをエンコーダではなくサーボ・ドライブに配置するオプションを提供することにより、スペースを節約して設計の複雑さを軽減します。

レゾルバ式エンコーダ

堅牢なコネクティビティ

長いケーブル上で高データ・レートで高信頼性のデータ伝送を行うには、ジッターおよびスキュー性能が非常に重要です。ハーフデュプレックス/フルデュプレックスRS-485トランシーバーのADM3066E/ADM3067Eは、SSI、BiSS、EnDat 2.2、Hiperface DSLなどの一般的なモータ・エンコーディング・プロトコルでの使用に適しています。超低トランスミッタおよびレシーバ・スキュー性能と、高いコモンモード過渡耐性(CMTI)を備えているため、過酷な産業環境での使用に最適です。

推奨電源製品

パワー・マネージメント

より多くのエンコーダ付きモータを利用する、より高度な製造機能の配備が増加しているため、エンコーダの外形サイズを縮小する必要があります。コンパクトな実装面積のICで複数の電圧レールに対応し、高い周囲温度での動作と高い効率を備えた高集積パワー・マネージメント・ソリューションは、エンコーダ内の熱の課題を軽減するために役立ちます。

低ノイズ電圧レギュレータ

次世代の機能

位置エンコーダは、より高度な機能を実現し生産性を向上させるための新しい機能を備えるようになっています。振動シグネチャの検出によるモータの健全性監視を実現するために、ADXL371などのMEMS振動センサーがエンコーダに内蔵され、さらに状態ベースの監視や予知保全機能での使用が可能です。隣接するモータの障害は、業界をリードする低ノイズMEMS加速度センサーのADXL359を使用して監視されます。CNCマシンなどの一部のアプリケーションでは、エンコーダからサーボ・ドライブに送信されるMEMS振動データを使用して、システムの性能をリアルタイムで最適化できます。

リファレンス・デザイン