LT8697を使用した自動車用パワーUSB VBUS
携帯機器が普及するにつれて、USBソケットを搭載した自動車が増加しています。USBインタフェースは、5VのVBUSラインとグランド・ラインを介して携帯機器に電力を供給します。USBのバージョンと携帯機器にもよりますが、VBUSは最大2.1Aをソースします。自動車の場合、このVBUSの大電流が問題になります。多くの場合、VBUSレギュレータなどの車載電子機器はダッシュボード内のボックスに収められていますが、USBソケットの中には後席に設置されているものもあります。VBUSレギュレータとソケットの間のケーブル配線は数メートルになる可能性があり、往復で2倍になります。長い配線は大きな抵抗になるので、USBデバイスに大電流が流れると5VのVBUS電源が低下します。 LT8697はこのような問題を解決します。このデバイスは、5VのUSBアプリケーションに電力を供給する目的で設計された、小型、高効率、高速の同期整流式モノリシック降圧スイッチング・レギュレータです。高精度(初期許容誤差が1%未満)の出力電圧とプログラム可能なケーブル降下補償機能により、長いケーブルの端にあるUSBソケットで高精度の5Vレギュレーションが維持されます。高精度でプログラム可能な出力電流制限、パワーグッド・インジケータ・ピンおよび出力電流モニタ・ピンによってシステムの信頼性と安全性が向上するので、USBスイッチICが不要になります。これらの機能により、ユーザがラッチオフ機能や自動再試行機能を実装できます。ケーブル降下補償機能を備えながら、二重の入力帰還によって出力電圧が5.85Vに制限されるので、USBデバイスを保護し、USBスイッチの出力を5Vに安定化することができます。