圧電型加速度センサー
圧電型加速度センサーは、圧電効果を利用して、加速、振動、機械的衝撃などの現実世界の刺激の動的な変動を測定します。MEMS技術は幅広い振動センシング・アプリケーションをカバーできますが、高ダイナミック・レンジ、広帯域幅、または極めて高い温度が必要な特定のケースでは、ピエゾタイプの加速度センサーを使用する必要があります。
状態基準保全(Conditional Based Maintenance)向けソリューションの性能は、振動センサーで決まる
不均衡、位置ずれ、転がり軸受の欠陥、ギアの不良は高性能の振動センサーによって検出/診断できる不具合のうち、ほんの一部にすぎません。

次世代の状態基準保全(Conditional Based Maintenance)
問題になる前にマシーン・ヘルスを予測および診断するには、正確で信頼できるデータからのみ得られるインサイトが求められます。どのように状態基準保全(Conditional Based Maintenance)テクノロジーがアップタイム、生産性、品質を著しく向上するのかご覧ください。

リファレンス設計
CN0535

データ・アクイジション(DAQ)システムでは、温度、力、加速度、振動などの実世界の物理現象が測定され、これらの測定値はデジタル値に変換されてデータ処理が行われたり、保存されたり、遠隔地に伝送されたりします。代表的な DAQ システムは、センサー、アナログ・フィルタリング/シグナル・コンディショニング回路、A/D コンバータ(ADC)、およびデジタル・コントローラで構成されています。DAQ ソリューション用の構成要素は、アプリケーションごとに選択されます。DAQ システムの中には、制御ループやマルチプレクス・アプリケーション向けに高速のセトリング・フィルタを使用して、システム全体でセンサーからの DC 誤差を最小限に抑えるように設計されるシステムもあります。また一方で、歪みを低く抑えると共に周波数応答を平坦にして、優れた AC 性能を実現するように設計されるシステムもあります。
図 1 に示す DAQ システムは、これらの設計課題の多くを 1 つの柔軟な DAQ プラットフォーム内に簡素化したもので、広範なAC アプリケーションと DC アプリケーションで使用できます。
入力電圧範囲が広く、入力インピーダンスが高く、しかも入力コモンモード電圧が高いため、シグナル・コンディショニングを付加することなしに、ほとんどのセンサーや信号源を入力に直接接続できます。ADC の入力範囲を最適に利用できるよう、システムには入力信号を減衰または増幅するプログラマブルなゲイン・ブロックが備わっています。
このシステムでは DC 性能と AC 性能が最適化されているため、アナログ入力帯域幅全体にわたって極めて高い性能を発揮することができます。入力バイアス電流が低いため、センサーの出力インピーダンスに起因する DC 誤差が最小限に抑えられます。また、同相ノイズ除去比(CMRR)が高いため、特にセンサーが DAQ システムから離れている場合に、周囲から侵入する同相ノイズの影響が最小限に抑えられます。これらの効果により、コンバータの AC 性能を犠牲にすることなく、DC 誤差が最小に保たれます。
ADC には帯域幅とデータ・レートを調整できる完全にプログラマブルなデジタル・フィルタが備えられているため、特定のシステム条件に適合することができます。システムのアナログ・フィルタによって、サンプリング周波数の倍数の周波数が除去されるため、エイリアシングの問題が解消されます。

対象となる製品
AD7768-1
DC 〜 204 kHz、ダイナミック・シグナル分析、電力スケーリングによる高精度 24 ビット ADC
ADA4945-1
高速で ±0.1 µV/°Cのオフセット・ドリフトの完全差動ADC用ドライバ
ADR444
電圧リファレンス、出力電圧4.096V、LDO型 XFET®、超低ノイズ、電流シンク / ソース機能付き
AD8628
オペアンプ、ゼロ・ドリフト、単電源動作、レールtoレール入力 / 出力
LT3095
2チャネル低ノイズ・バイアス・ジェネレータ
ADP2300
ステップダウン・スイッチング・レギュレータ、1.2 A、20 V
ADP7182
リニア・レギュレータ、-28 V / − 200 mA、低ノイズ
CN0540

図 1 に示すリファレンス設計は、高分解能、広帯域幅、高ダイナミック・レンジを特長とし、IC 圧電(ICP®)/集積化電子圧電型(IEPE)センサーとインターフェース接続する、IEPE 対応インターフェースのデータ・アクイジション(DAQ)システムです。最も一般的な IEPE センサーは、通常、振動測定アプリケーションで使用されますが、温度、歪み、衝撃、変位などのパラメータを測定する IEPE センサーも数多くあります。
この回路ノートでは、このソリューションを特に状態基準保全の領域で振動を扱うアプリケーションに適用する例に焦点を置いていますが、計測器や工業用オートメーションにおける広範なアプリケーションも、同様の方法で IEPE センサーを使用し、同様のシグナル・チェーンによって処理されています。
状態基準保全では、とりわけ、機械の状態の変化を予測する手助けとしてセンサー情報を使用しています。機械の状態を追跡する方法は数多くありますが、中でも振動解析は最も一般的に使用される手段です。振動解析データの時間変動を追跡することで、誤動作や故障をその原因と共に予測することができます。
工業環境での振動センシングには、堅牢で信頼性の高いセンシング手法が求められるため、更なる課題が伴います。機械の状態を知ることで、効率や生産性を高め、より安全な作業環境を作ることができます。
市販の圧電センサーとインターフェース接続するソリューションの大半は AC 結合で、DC やサブヘルツの計測機能がありません。このCN-0540 リファレンス設計は、DC およびサブヘルツの精度が実現できる DC 結合ソリューションです。
周波数ドメイン(DC~50kHz)の IEPE 振動センサーからの全データ・セットを調べ、その高速フーリエ変換(FFT)スペクトルに見られる高調波の位置、振幅、数を使用することで、機械の故障のタイプや原因をより正確に予測できます。
データ・アクイジション・ボードは Arduino 互換のフォーム・ファクタで、ほとんどの Arduino 互換開発ボードと直接インターフェース接続し、そこから給電できます。

対象となる製品
ADG5421F
±60Vの故障保護検出、11Ω RON、デュアルSPSTスイッチ
AD7768-1
DC 〜 204 kHz、ダイナミック・シグナル分析、電力スケーリングによる高精度 24 ビット ADC
ADA4807-1
オペアンプ、3.1nV/√Hz、1mA、180MHz、レールtoレール入力/出力
LT3092
プログラム可能な200mA 2端子電流源
LTC2606
I2Cインタフェースを備えた16ビット、レール・トゥ・レールDAC
ADA4945-1
高速で ±0.1 µV/°Cのオフセット・ドリフトの完全差動ADC用ドライバ
AD8605
オペアンプ、シングル、高精度、ローノイズ、入/出力レールtoレール、CMOS
ADR4540
4.096Vリファレンス電圧、超低ノイズ、高精度
LTC3459
10Vマイクロパワー同期整流式昇圧コンバータ
LT3494
出力切断付きマイクロパワー低ノイズ昇圧コンバータ
LT3008
消費電流3μAの20mA、45V低損失リニア・レギュレータ
ADP7118
20V、200mA、低ノイズ、CMOS LDOリニア電圧レギュレータ
Applications
主な製品
ADAQ7768-1

ADAQ7768-1は、 シグナル・コンディショニング、変換、処理ブロックを1つのシステム・イン・パッケージ(SiP)設計にカプセル化した24ビット高精度データ・アクイジション(DAQ)μModule®システムです。極めてコンパクトで高性能、かつ高精度なDAQシステムの迅速な開発が可能になります。
ADAQ7768-1の構成要素は次のとおりです。
- 低ノイズ、低バイアス電流、高帯域幅のプログラマブル・ゲイン計装アンプ(PGIA)。高入力インピーダンスを維持しながら信号増幅と信号減衰にも対応します。
- 低ノイズ、線形位相の4次アンチエイリアス・フィルタ。
- 低ノイズ、低歪み、高帯域幅のADCドライバ、およびオプションの線形性向上バッファ。
- 設定可能なデジタル・フィルタを備えた高性能、中帯域幅の24ビットΣ-Δ ADC。
- 低ノイズ、低ドロップアウトのリニア電圧レギュレータ。
- リファレンス・バッファ。
- シグナル・チェーンに必要な重要な受動部品。
ADAQ7768-1は、最大±12.6Vの完全差動入力信号をサポートします。入力コモンモード電圧範囲は±12Vで、優れた同相ノイズ除去比(CMRR)を備えています。
入力信号は、2pA(代表値)という極めて低い入力バイアス電流で完全にバッファリングされます。これにより入力インピーダンスのマッチングが容易になり、高い出力インピーダンスを持つセンサーにADAQ7768-1を直接接続することができます。
ピン設定可能な7つのゲイン設定はシステムのダイナミック・レンジを拡張し、より低振幅の入力信号に対するシグナル・チェーンのノイズ性能を向上させます。
4次ローパス・アナログ・フィルタとユーザ設定可能なデジタル・フィルタを組み合わせることにより、入力ノードで発生する高周波ノイズと帯域外トーンがエイリアシングによって対象帯域に混ざってしまうことを防ぎ、シグナル・チェーンを完全に保護します。アナログ・ローパス・フィルタは、位相直線性を高め、インバンド振幅応答を最大限に平坦化できるよう注意深く設計されています。アナログ・ローパス・フィルタ内で使用されている抵抗ネットワークは、アナログ・デバイセズのiPASSIVES™技術を用いて構築され、絶対値においても温度範囲全体においても優れた抵抗マッチング特性を備えています。その結果、温度変化によるドリフトを最小限に抑えながらシグナル・チェーンの性能が維持されます。またADAQ7768-1は、デバイス間での位相不整合がほとんどありません。
高性能ADCドライバ・アンプによって、最大サンプリング・レートにおけるADC入力の完全なセトリングが確保されます。ドライバ回路は、安定性を維持しながら、付加ノイズ、誤差、歪みを最小限に抑えるように設計されています。完全な差動アーキテクチャは、シグナル・チェーンのダイナミック・レンジを最大限に引き出します。
ADAQ7768-1内のA/Dコンバータ(ADC)は、高性能、24ビット精度、シングルチャンネルのシグマデルタ・コンバータです。優れたAC性能とDC精度を備え、16.384MHzのMCLKから256kSPSのスループット・レートを実現しています。
シグナル・チェーンの直線性は、オプションの線形性向上バッファによって更に向上します。
ADAQ7768-1は入力リファレンス電圧4.096Vで仕様規定されていますが、このデバイスは、VDD_ADCから1Vまでのリファレンス電圧をサポートできます。
ADAQ7768-1には2種類のリファレンス・バッファがあります。1つはリファレンス入力の駆動要件を緩和するプリチャージ・リファレンス・バッファ、もう1つは高インピーダンスのリファレンス入力を提供するフル・リファレンス・バッファです。どちらのバッファもオプションであり、レジスタ設定でオフにすることができます。
ADAQ7768-1は、水晶発振器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、低電圧差動伝送(LVDS)という3種類のクロック入力をサポートしています。
ADAQ7768-1には3種類のデジタル・ローパス・フィルタがあります。広帯域フィルタは、理想的なブリック・ウォール・フィルタに近いフィルタ・プロファイルを備えており、周波数の分析に最適です。sinc5フィルタは、良好なエイリアシング除去レベルを維持しながら低遅延経路とスムーズなステップ応答を両立します。また、16.384MHzのMCLKで最大1.024MSPSの出力データ・レートをサポートしているsinc5フィルタは、低遅延のデータ収集と時間領域分析に最適です。sinc3フィルタは幅広いデシメーション・レシオをサポートし、16.384MHzのMCLKで最小50SPSまでの出力データ・レートを生成できます。更に、50Hz/60Hzの同時除去ポスト・フィルタと組み合わせることで、sinc3フィルタは、高精度DC測定で特に有益な機能を果たします。ADAQ7768-1の3つのデジタル・フィルタはいずれも、線形位相応答を持つFIRフィルタです。フィルタの帯域幅は、DAQシグナル・チェーンの帯域幅と直接対応しており、レジスタを使用して完全に設定することができます。
また、ADAQ7768-1は、2つのデバイス設定方法をサポートしています。SPIを介したレジスタ書込みによってデバイスを設定する方法と、単純なハードウェア・ピン・ストラッピングにより、事前定義された複数のモードのいずれかで動作するようにデバイスを設定する方法です。
レジスタ・アクセスとサンプル・データ・リードバックの両方の機能が単一のSPIでサポートされます。ADAQ7768-1は常にSPIターゲットとして機能します。複数のインターフェース・モードをサポートし、このデバイスとの通信には最低でも3つのIOチャンネルが必要です。
加えて、システムの信頼性を高めるために、ADAQ7768-1には、動作中の多様なエラーを検出する一連の内部診断機能が備わっています。
ADAQ7768-1デバイスは、動作温度範囲が −40°C~+85°Cで、12.00mm × 6.00mmの84ボールCSP_BGAパッケージ(ボール・ピッチ0.80mm)を採用しており、多チャンネルのアプリケーションに最適です。ADAQ7768-1の基板スペースはわずか75mm2です。つまり、750mm2を使用するディスクリート・ソリューションの1/10の面積となっています。
アプリケーション
- 汎用入力測定プラットフォーム
- 電子テストおよび計測
- サウンドと振動、音響、および素材科学の研究開発
- 制御およびハードウェア・イン・ザ・ループ検証
- 予防メンテナンスのための状態監視
- オーディオ試験
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
センサー・インターフェース
AD7768

AD7768/AD7768-4は8/4チャンネル、同時サンプリングΣ-Δ A/Dコンバータ(ADC)で、Σ-Δ変調器、チャンネルごとのデジタル・フィルタ、AC信号とDC信号の同期サンプリングのイネーブル機能を備えています。
AD7768/AD7768-4は最大入力帯域幅の110.8 kHzで108 dBのダイナミック・レンジを実現するとともに積分非直線性(INL)±2 ppm、オフセット誤差±50 μV、ゲイン誤差±30 ppmの標準性能が得られます。
AD7768/AD7768-4を使用することにより入力帯域幅、出力データ・レート、消費電力のいずれかを優先することができます。3つのパワーモードの1つを選び、目標ノイズと消費電力を最適化してください。AD7768/AD7768-4の柔軟性により、低消費電力DC測定モジュールと高精度AC測定モジュールの再利用できるプラットフォームが可能になります。
AD7768/AD7768-4には3つのモードがあります:高速モード(256 kSPS max、入力帯域幅110.8 kHz、51.5 mW/チャンネル)、中間モード(128 kSPS max、入力帯域幅55.4 kHz、27.5 mW/チャンネル)、低消費電力モード(32 kSPS max、入力帯域幅13.8 kHz、9.375 mW/チャンネル)。
AD7768/AD7768-4は広帯域、低リップル(±0.005 dB)通過帯域、急峻なロールオフのアンチ・エイリアシング・ローパス・フィルタ、ナイキスト周波数での減衰度105 dBのような多様なデジタル・フィルタ処理能力を提供します。
周波数領域の測定には広帯域リニア位相フィルタが使用できます。このフィルタは256 kSPSではDC~102.4 kHz、128 kSPSではDC~51.2 kHz、32 kSPSではDC~12.8 kHzで通過帯域が平坦(リップル±0.005 dB)になっています。
AD7768/AD7768-4は、又sinc5フィルタを介したsinc応答、低帯域幅向け低遅延経路、低ノイズ測定を提供します。広帯域幅とsinc5フィルタを選択でき、チャンネル・ベースごとに駆動できます。
これらのフィルタ・オプションの中で、デシメーション・レートを×32、×64、×128、×256、×512、×1024の中から選択してダイナミック・レンジを改善することができます。デシメーション・フィルタを変更する機能により、希望の入力帯域幅に対してノイズ性能を最適化できます。
アナログ入力電流を低減する各アナログ入力のプリチャージ・バッファやリファレンス入力端子の入力電流/グリッジを低減するチャンネルごとのプリチャージ・リファレンス・バッファのような各ADCに組み込まれたアナログ機能により設計が容易になります。
この製品はAVDD1A = AVDD1B = 5V、AVDD2A = AVDD2B = 2.25 V ~ 5.0 V 、IOVDD = 2.5 V ~ 3.3 V 又は1.8 V (IOVDD=1.8 Vでの動作が必要になる特殊の場合は「1.8 V IOVDD動作セクション」を参照してください)の電源で動作します。
この製品には外部リファレンスが必要です。絶対入力リファレンス電圧範囲は、1V~AVDD1 − AVSSです。
アプリケーション
- データ・アクイジション・システム:USB/PXI/イーサネット
- 計装および工業用制御ループ
- オーディオのテストおよび測定
- 振動と資産状態の監視
- 3相電力品質解析
- ソナー
- 高精度の医療脳波図(EEG)/筋電図(EMG)/心電図(ECG)
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
AD7768-1

AD7768-1 は、低消費電力、高性能な Σ-Δ A/D コンバータ(ADC)で、AC 信号と DC 信号の両方を正確に変換するための Σ-Δ 変調器とデジタル・フィルタを実装しています。AD7768-1 は、AD7768( 8 チャンネル、同時サンプリング、Σ-Δ ADC)のシングル・チャンネル・バージョンです。AD7768-1 は、単一の設定可能で再利用可能なデータ・アクイジション(DAQ)フットプリントを提供します。これによって、統合された AC/DC 性能における新たな業界標準を打ち立て、計測器と産業システムの設計者は絶縁型と非絶縁型の両方のアプリケーションのさまざま計測タイプを対象に設計することができます。
AD7768-1 は、256 kSPS での低リップル有限有限インパルス応答(FIR)デジタル・フィルタの使用時に、108.5 dB のダイナミック・レンジに達し、±1.1 ppm 積分非直線性(INL)、±30µ V オフセット誤差、および ±30 ppm ゲイン誤差を備えた110.8 kHz 入力帯域幅(BW)を提供します。
sinc5 フィルタを使用すると最大 500 kHz ナイキスト(204 kHz の −3 dB ポイントをフィルタ)のより広い帯域幅が使用可能で、広い範囲を一目で把握できます。
AD7768-1 では、出力データ・レート(ODR)および消費電力に対して、入力帯域幅を柔軟に設定し、最適化できます。AD7768-1 の柔軟性によって常に変化する入力信号のダイナミック分析が可能となるため、デバイスは汎用の DAQ システムで特に役立ちます。3 つの使用可能な電源モードのいずれかを選択することで、設計者は、消費電力を最小限に抑えながら、必要なノイズ目標値を達成することができます。AD7768-1 の設計は、低消費電力 DC モジュールと高性能な AC 測定モジュールの再利用可能で柔軟なプットフォームになる点でユニークです。
AD7768-1 は、優れた電力効率で、DC 性能と AC 性能の最適なバランスを実現します。次の 3 つの動作モードによって、入力帯域幅と消費電力バジェットのどちらを優先するか決定できます。
- 高速モードは、最大 256 kSPS で、帯域幅が 52.2 kHz、消費電力が 26.4 mW の sinc フィルタ、または最大 256 kSPS で、帯域幅が 110.8 kHz、消費電力が 36.8 mW の FIR フィルタの両方を提供します。
- 中間モードは、最大 128 kSPS で、帯域幅が 55.4 kHz、消費電力が 19.7 mW の FIR フィルタを提供します。
- 低消費電力モードは、最大 32 kSPS で、帯域幅が 13.85 kHz、消費電力が 6.75 mW の FIR フィルタを提供します。
AD7768-1 は、広範なシステム条件を満たす幅広いデジタル・フィルタ処理機能を備えています。フィルタ・オプションによって、周波数のタイトなゲイン誤差での周波数領域測定、線形位相応答条件(ブリック・ウォール・フィルタ)、制御ループ・アプリケーションで使用するための低遅延経路(sinc5 または sinc3)、50 Hz または 60 Hz のいずれかのライン周波数を除去するための sinc3 フィルタを設定する機能をもつ DC 入力の測定などの構成が可能になります。すべてのフィルタが、プログラマブルなデシメーションを提供します。
1.024 MHz sinc5 フィルタ経路は、低リップル FIR フィルタを使用して達成可能な ODR より高い ODR を求めるユーザーに対して用意されています。この経路は、量子化ノイズが制限されています。そのため、制御ループでの遅延を最小限にする必要がある顧客や、外部フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)にカスタム・デジタル・フィルタ処理を実装している顧客にとって最適です。
フィルタ・オプションは次のとおりです。
- 低リップル FIR フィルタ、通過帯域リップルは ±0.005 dB 〜 102.4 kHz。
- 低遅延 sinc5 フィルタ、制御ループの応答性を最大化するための最大 1.024 MHz のデータ・レート
- 低遅延 sinc3 フィルタ、フル・プログラマブル、50Hz/60Hz 除去機能
AD7768-1 を使用すると、AD7768-1 内の埋め込みアナログ機能によって、アプリケーション範囲全体の設計負荷が大幅に削減されます。各アナログ入力のプリチャージ・バッファによって、競合する製品に比べ、入力アナログ電流が低減されるため、アナログ入力を駆動するための外付けアンプのタスクが簡素化されます。
リファレンスでのフル・バッファ入力により入力電流が削減されるため、外部リファレンス・デバイス、またはレシオメトリック計測で使用される任意のリファレンス検出抵抗シナリオでのバッファリングで、高インピーダンス入力を提供します。
このデバイスは、5.0 V の AVDD1 − AVSS 電源、2.0 V 〜 5.0 V の AVDD2 − AVSS 電源、および 1.8 V 〜 3.3 V の IOVDD − DGND 電源で動作します。
低消費電源モードでは、AVDD1、AVDD2、および IOVDD 電源は、3.3 V の単電源から駆動できます。
デバイスには、外部リファレンスが必要です。絶対入力リファレンス(REFIN)電圧範囲は、1 V 〜 AVDD1 − AVSSです。
仕様規定された温度範囲は、−40°C 〜 +125°C です。デバイスには 4 mm × 5 mm、28 ピン LFCSP が採用されています。
このデータシートでは、XTAL2/MCLK などの複数機能を持つピンは、全機能を表すピン名で表記するか、あるいは特定の機能のみが該当するところでは MCLK のようにピンの 1 つの機能で表記しています。
アプリケーション
- 計測およびセンサー・タイプの上位セットに対応するためのプラットフォーム ADC
- サウンドと振動、音響、および素材科学の研究開発
- ループ検証における制御とハードウェア
- 予防メンテナンスのための状態監視
- 電子テストおよび計測
- オーディオ・テストおよび電圧と電流の測定
- 臨床的な脳波図(EEG)、筋電図(EMG)、および心電図(ECG)などのバイタル・サイン・モニタリング
- USB、PXI、およびイーサネットベースのモジュラ DAQ
- チャンネル間絶縁モジュラ DAQ 設計
Applications
インテリジェント・ビル
- ビル・オートメーション・システム
- ビルディング・オートメーション・コントローラおよびネットワーク
- 環境モニタリング・ソリューション
- 建物の安全性およびセキュリティ・ソリューション
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
AD7134

AD7134は、機能、性能、使いやすさを提供するクワッド・チャンネル、低ノイズ、同時サンプリング、高精度のA/Dコンバータ(ADC)です。
AD7134は、連続時間シグマ-デルタ(CTSD)変調方式に基づき、従来Σ-Δ変調器の前に必要だったスイッチド・キャパシタ回路サンプリングをなくし、ADC入力駆動条件を緩和します。また、CTSDアーキテクチャは、基本的にADCエイリアシング周波数帯域周辺の信号を拒否し、デバイスに固有のアンチエイリアシング機能を提供して、複雑な外部アンチエイリアシング・フィルタの必要性をなくします。
AD7134は、4つの独立した並列コンバータ・チャンネルを備え、それぞれがCTSD変調器とデジタル・デシメーションおよびフィルタリング・パスを備えています。AD7134 では、4つの個別の信号ソースの同時サンプリングを行え、それそれが 391.5kHz の最大入力帯域幅をサポートし、位相整合を使った、これら4つの信号測定の間の厳格な位相整合が達せられます。高レベルのチャンネル統合と、簡素化されたアナログ・フロントエンド条件により、AD7134は、小さいフォームファクタの高密度マルチチャンネル・データ・アクイジション・ソリューションを提供します。
また、通常はアナログ・フロント・エンド回路によって導入されるノイズ、エラー、不一致、歪みを低減することにより、AD7134のシグナル・チェーンの簡素化特性はシステム・レベルの性能も向上させます。
AD7134は優れたDCおよびAC性能を提供します。各ADCチャンネルの帯域幅はDC~391.5kHzであり、デバイスは、温度や圧力から振動や衝撃までの幅広いセンサー・タイプをサポートする汎用の高精度データ・アクイジション・ソリューションとして理想的となります。
AD7134では多くの機能と設定オプションを利用でき、特定のアプリケーションのための帯域幅、ノイズ、精度、電力の最適なバランスを達成する柔軟性を提供します。
AD7134は、内蔵の非同期サンプル・レート・コンバータ(ASRC)により、インターポレーションとリサンプリング技術を使って、デシメーション・レシオと出力データ・レート(ODR)を正確に制御できます。AD7134 は、0.01kSPS ~ 1496kSPS まで広いレンジの ODR 周波数をサポートし、調整分解能は 0.01 SPS 未満であるため、お客様はサンプリング速度を高い精細度で変化させて首尾一貫したサンプリングを達成することができます。ODR値は、ODR_VAL_INT_x および ODR_VAL_FLT_xレジスタ(レジスタ 0x16~レジスタ 0x1C、ASRCマスター・モード)または外部クロック源(ASRCスレーブ・モード)を使用して、制御できます。ASRCスレーブ・モード動作により、複数のAD7134デバイスと単一システム・クロック間の同期サンプリングを行うことができます。ASRCは、デジタル・バック・エンドから各ADCにルーティングされる、高周波数、低ジッタのマスタ・クロックを必要としないため、中帯域幅のデータ・アクイジション・システム内のクロック分配条件を簡素化します。
ASRCはデジタル・フィルタとして機能し、より高い精度を得るために、オーバーサンプリングされた Σ-Δ 変調器からのデータを低いレートにデシメートします。次に、ADCデータはユーザーが選択可能なAD7134のデジタル・フィルタ・プロファイルのいずれかによって更に処理され、帯域外信号とノイズを更に除去し、最終的に必要なODR値にデータ・レートを低減します。
AD7134には、3つの主なデジタル・フィルタ・プロファイルのオプションがあります。広帯域低リップル・フィルタは、ブリック・ウォール周波数プロファイルと、2.5kSPS~374kSPSのODR範囲を備え、周波数領域分析に適しています。高速応答のsinc3フィルタは、0.01kSPS~1496kSPSのODR範囲を備え、低遅延の時間領域分析および低周波数、高ダイナミック・レンジの入力タイプに適しています。バランスのとれたsinc6フィルタは、2.5kSPS~1.496MSPSのODR範囲を備え、最適なノイズ性能と応答時間を提供します。
AD7134 はまた、オンボードで、その入力チャンネルの2つまたは4つから平均を作成することができます。その結果、帯域幅を維持しながら、2つのチャンネルが接続されているときは、ほぼ 3dB、4つ全てのチャンネルが接続されているときは 6dB のダイナミック・レンジの改善が得られます。
AD7134は、2つのデバイス構成スキームをサポートします。シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)およびハードウェア・ピン配置(ピン・コントロール・モード)です。SPI コントロール・モードでは、AD7134で利用可能なすべての機能と構成オプションにアクセスできます。SPI コントロール・モードでは、堅牢なシステム設計を可能にするように設計された、オンボード診断機能にもアクセスできます。ピン・コントロール・モードは、デバイス構成を簡素化するメリットを提供し、デバイスは起動後にスタンドアロン・モードで自律的に動作できます。
AD7134は、オプションのSPIに加えて、ADC出力データの送信のための、柔軟で独立したデータ・インターフェースを備えています。データ・インターフェースは、バス・マスタまたはスレーブとして機能し、様々なクロック・オプションを備え、複数の通信バス・プロトコルをサポートします。また、データ・インターフェースは、デイジーチェーンおよびオプションの最小入出力(I/O)モードもサポートします。最小入出力モードは、分離アプリケーションで必要なデジタル・アイソレータ・チャンネルの数を最小限に抑えるように設計されています。
AD7134 の動作周囲温度範囲は、0°C ~ 85°C です。デバイスは、56 ピン、8 mm × 8 mm のリード・フレーム・チップ・スケール・パッケージ(LFCSP)で提供されます。
このデータシートでは、FORMAT1/SCLKなどの多機能ピンについてはすべてのピン名を表記しますが、特定の機能のみが該当するような説明箇所では、SCLKのように1つのピン機能だけを表記しています。
アプリケーション
- 電気テストおよび計測
- オーディオテスト
- 3相電力の品質解析
- ループ検証における制御とハードウェア
- ソナー
- 予防メンテナンスのための状態監視
- 音響および素材科学の研究開発
Applications
エネルギー
- 計測および電力量モニタリング
センサー・インターフェース
ADG5421F

ADG5421Fは、ソース・ピンでの過電圧保護、電源オフ保護、過電圧検出を備えたデュアルSPSTの低オン抵抗スイッチです。
電源入力がないとき、スイッチはオフ状態を維持し、スイッチ入力は高インピーダンスになります。電源供給時、いずれかのSxピンのアナログ入力信号レベルがVDDまたはVSSをスレッショールド電圧(VT)分上回った場合、両方のスイッチがオフになり、オープンドレイン故障フラグ(FF)ピンがロジック・ローまで低下します。電源ありの状態および電源なしの状態で、グラウンドに対して+60Vまたは−60Vまでの入力信号レベルが阻止されます。
スイッチは、ロジック1入力でオンになり、双方向に等しく良好に導通します。デジタル入力は、全動作電源範囲で1.8Vロジック入力と互換性があります。
アプリケーション
- アナログ入力/出力モジュール
- プロセス制御システムと分散型制御システム
- データ・アクイジション
- 計測器
- 航空電子機器
- ATE(自動試験装置)
- 通信システム
- リレーからの置き換え
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
高精度シグナル・チェーン(狭帯域幅)
高精度シグナル・チェーン(狭帯域幅)
LTC2606

LTC2606/LTC2616/LTC2626はシングルの16、14、12ビット、2.7V~5.5V動作、レール・トゥ・レール電圧出力DACで、10ピンDFNパッケージで供給されます。高性能出力バッファを内蔵し、単調性が保証されています。
16および14ビットDACとして非常に高いボード実装密度で、単一電源、電圧出力DACで出力ドライブ、ロード・レギュレーションなど優れた性能を誇ります。
これらのデバイスは、I2C互換2線シリアル・インタフェースを使用します。LTC2606/LTC2616/LTC2626は標準モード(クロックレート100kHz)と高速モード(クロックレート400kHz)のいずれでも動作します。非同期DAC更新ピン(LDAC)を搭載しています。
LTC2606/LTC2616/LTC2626はパワーオン・リセット回路を内蔵しています。起動時の出力電圧はゼロスケールから10mV以内で、起動後は、有効な書き込みと更新が発生するまでゼロスケールに維持されます。LTC2606-1/LTC2616-1/LTC2626-1はパワーオン・リセット回路によってミッドスケールにリセットされます。有効な書き込みと更新が発生するまで、電圧出力はミッドスケールに維持されます。
アプリケーション
- モバイル通信
- プロセス制御、産業用オートメーション
- 計測
- 自動テスト装置
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
AD8605

AD8605、AD8606、AD8608は、それぞれシングル、デュアル及びクワッドのアンプで、レールtoレールの入力と出力を備えた単電源アンプです。これらのアンプは、低オフセット電圧、低入力電圧および電流ノイズ、それに広い信号帯域幅を特長としています。これらの製品はアナログ・デバイセズの特許収得済みのDigiTrim®というトリミング技術を使っており、レーザ・トリミングを使わずに優れた高精度を実現しています。
低オフセット、低ノイズ、非常に低い入力バイアス電流と高速の組み合わせにより、これらのアンプは幅広い種々のアプリケーションに有益です。フィルタ、積分器、フォトダイオード用のアンプや高インピーダンスのセンサーなどに、これらの性能 / 特長の組み合わせが全て有効となります。オーディオや他のACアプリケーションに対しても広帯域幅と低歪み特性が有益です。これらのアンプのアプリケーションには、オプティカルの制御ループ、携帯用のループ電力での計測器、および携帯デバイスとしてのオーディオ・アンプなどもあります。
AD8605、AD8606、AD8608は、拡張工業温度範囲-40°C~+125°Cにわたって仕様規定されています。シングルのAD8605は5ピンのSOT-23パッケージと5ボールのWLCSPパッケージで供給されています。デュアルのAD8606は、8ピンのMSOP、8ボールのWLCSPおよび8ピン狭型SOIC表面実装パッケージを採用しています。クワッドのAD8608は14ピンTSSOPパッケージと14ピン狭型SOICパッケージを採用しています。5ボールと8ボールのWLCSPパッケージは、他の表面実装のオペアンプに対しても最も小さなフットプリントを提供します。WLCSP、SOT-23、MSOPとTSSOPバージョンは、テープとリールでのみ出荷しています。
アプリケーション
- フォトダイオード・アンプ
- バッテリ駆動の計測機器
- マルチポール・フィルタ
- 各種センサー
- バーコード・スキャナ
- オーディオ
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
ADA4945-1

ADA4945-1 は、低ノイズ、低歪みの完全差動アンプで、2種類の選択可能な消費電力モードを備えています。3V~10Vにわたる広い電源範囲で動作し、低いDCオフセットおよびDCオフセット・ドリフト、そしてすぐれた動的性能により、ADA4945-1は、様々なデータ・アクイジション・アプリケーションやシグナル・プロセッシング・アプリケーションに最適なものとなっています。このデバイスは、高分解能で高性能の逐次比較型レジスタ(SAR)およびΣ-Δ型のA/Dコンバータ(ADC)を駆動するために最適で、静止電流は4mAです(通常消費電力モード)。また、1.4mAの静止電流(低消費電力モード)で動作するよう選択することも可能で、ADC駆動アプリケーションに必要とされる性能に応じて消費電力を設定できます。コモンモード電圧が調整可能であるため、ADA4945-1は複数のADCの入力コモンモード電圧に対応できます。内蔵のコモンモード・フィードバック・ループにより、極めてすぐれた出力バランスと偶数次高調波歪み積の抑圧特性を提供します。
ADA4945-1の差動ゲイン設定は、アンプのクローズドループ・ゲインを設定する4個の抵抗で構成される簡素な外部フィードバック・ネットワークを使用することで実現できます。ADA4945-1はアナログ・デバイセズの特許取得技術である、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)相補型バイポーラ・プロセスを使用して作製され、わずか 1.8 nV/√Hz(通常消費電力モード)の入力電圧ノイズで低レベルの歪みを実現しています。
ADA4945-1 は、RoHS 準拠の 3 mm × 3 mm 16 ピン LFCSP パッケージを採用しています。ADA4945-1 は、−40°C ~ +125°C で仕様規定されています。
アプリケーション
- 低消費電力 Σ-Δ、PulSAR®/SAR ADC 用ドライバ
- シングルエンド/差動変換器
- 差動バッファ
- 医療用画像処理
- プロセス制御
- ポータブル機器
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
高精度シグナル・チェーン(狭帯域幅)
LT3092

LT3092 はプログラム可能な2端子電流源です。このデバイスは2本の抵抗のみで0.5mA~200mA範囲の出力電流を設定できます。数々のアナログ技術により、出力電流をアクティブに設定できます。LT3092は入出力コンデンサなしで安定し、高いDCおよび ACインピーダンスを実現するので、本質安全アプリケーションで動作可能です。
SETピンは 1% の初期精度と低い温度係数を特長としています。1.5V~40Vでの電流レギュレーションは10ppm/Vよりも良好です。
LT3092 は信号線と直列に接続して2端子電流源構成で動作可能です。センサのドライブ、リモート電源に加え、ローカル電源用の高精度電流リミッタに最適です。
内部保護回路には、逆バッテリおよび逆電流保護、電流制限、熱制限などがあります。LT3092 は8ピンTSOT-23、3ピンSOT-223および8ピン3mm × 3mm DFNパッケージで供給されます。
アプリケーション
- 2端子フローティング電流源
- GND 基準の電流源
- 可変電流源
- インライン・リミッタ
- 本質安全回路
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
ADR444

ADR440/ADR441/ADR443/ADR444/ADR445シリーズは、超低ノイズ、高精度、低温度ドリフト性能を特長とする、XFET®電圧リファレンス・ファミリーの製品です。アナログ・デバイセズ社が特許を取得した温度ドリフト曲率補正技術とXFET(eXtraimplanted junction FET)技術により、温度による電圧変化の非直線性を最小化しています。
XFETリファレンスは、埋込みツェナー・リファレンスよりも優れたノイズ性能を提供し、低電源ヘッドルーム(0.5V)で動作できます。これらの機能をあわせ持つADR440/ADR441/ADR443/ADR444/ADR445ファミリーは、ハイエンドなデータ・アクイジション・システム、光ネットワーク、医療の分野で求められる高精度な信号変換アプリケーションに最適です。
ADR440/ADR441/ADR443/ADR444/ADR445ファミリーは、出力ソース電流は10mAまで、出力シンク電流は5mAまでの能力があります。また、デバイスの性能を損なうことなく0.5%の範囲で出力電圧を調整するTRIM端子も備えています。
ADR440/ADR441/ADR443/ADR444/ADR445ファミリーには2種類の電気的グレードがあり、8ピンMSOPパッケージとナローSOICパッケージで提供されます。いずれのバージョンも拡張工業用温度範囲(-40°C~+125°C)で仕様規定されています。
アプリケーション
- 高精度データ・アクイジション・システム
- 高分解能データ・コンバータ
- バッテリ駆動の計測器
- 携帯型医療機器
- 工業プロセス制御システム
- 精密機器
- 光制御回路
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
LTC6373

LTC6373は、完全差動出力を備えた高精度計装アンプです。内部抵抗回路が綿密に整合されており、優れたCMRR、オフセット電圧、低いゲイン誤差、ゲイン・ドリフト、ゲイン非直線性が実現します。ユーザは、3ビットのパラレル・インターフェース(A2~A0)を通じて使用可能な7つの設定値のうち1つへのゲインを簡単にプログラミングできます。8番目の状態により、部品がシャットダウン状態になり、消費電流が220μAまで減少します。従来の電圧帰還型アンプとは異なり、LTC6373はすべてのゲイン設定値についてほぼ同じ帯域幅を維持できます。
LTC6373には、完全差動出力が備わっており、高性能差分入力ADCが駆動されます。出力コモンモード電圧は、VOCMピンを通じて別個に調整できます。高インピーダンス入力、DC精度、低ノイズ、低歪み、高速差動ADCドライブが組み合わされているため、LTC6373はデータ・アクイジョン・システムの最適化に理想的な候補です。
LTC6373は、12ピンの4mm × 4mm DFN(LFCSP)パッケージを採用しており、−40°C~125°Cの温度範囲で完全に仕様規定されています。
アプリケーション
- データ・アクイジション・システム
- バイオメディカル計測器
- 試験装置および計測装置
- 差動ADCドライバ
- シングルエンド/差動変換
- マルチプレクス・アプリケーション
Applications
高精度シグナル・チェーン(中程度の帯域幅)
高精度シグナル・チェーン(狭帯域幅)
高精度シグナル・チェーン(狭帯域幅)
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