コンバータのクロストーク

質問:

A/D コンバータを選ぶとき、クロス トークのことを考慮すべきでしょうか?

RAQ:  Issue 75

回答:

もちろんです!クロストークには、プリント回路基板上の1 つの信号チェーンから別の信号チェーンに、あるいはIC(マルチ・チャンネルIC)内の1 つのチャンネルから別のチャンネルに、または電源を介して生じるなど、さまざまな発生の仕方があります。クロストークを理解するために重要なのは、それがどこに由来し、どのように現れるかを知ることです。クロストークの発生源は、隣接するコンバータなのか、信号チェーンの別のチャンネルなのか、それとも基板の設計のせいなのかが問題です。

クロストークのテストで最も代表的なものは、隣接クロストークです。このタイプのクロストークは、試験対象のチャンネルまたは信号チェーンが切断されていて信号が存在しないときに、別の1つのチャンネルをフルスケール(またはその近く)で駆動する場合に発生します。出力周波数スペクトルを測定すると、切断されたチャンネルにノイズ・フロアを上回るスプリアスが見られます。このタイプのクロストークのテストでは、影響を受ける切断チャンネルと影響を与える駆動チャンネルの間の絶縁状態がわかります。

切断されているチャンネルが駆動された1 つのチャンネルからのクロスカップリングを受け付けないほど堅牢であることもありますが、数の力に負けることもあります。もう1 つのクロストークのテストでは、システム内の1 つを除きすべてのチャンネルを同じ周波数で駆動し、1 つのチャンネルだけを切断しておきます。この場合、影響を及ぼすチャンネルすべての強度が切断されたチャンネルで測定されます。

クロストークを測定する3 番目の方法は、複数のチャンネルを異なる周波数と信号強度で駆動し、切断されているチャンネルを調べて、駆動されたチャンネルからのクロスカップリングが混合されて漏れていないかをテストします。この場合、混合の効果から影響を及ぼしている信号が対象帯域にどれほど入り込んでいるかがわかります。

最後に、これら3 つの測定は再度オーバーレンジ(デバイスまたは信号チェーンのフルスケールを超過している)状態の入力信号で行うことができます。これによって、入力信号がクリップされた状態、またはチャンネルが飽和するような状態での切断されたチャンネルの耐性を知ることができます。

お粗末な基板設計や特定の動作条件によってクロストークが発生することがあるため、これらのテストのいずれもアプリケーションで対象となる全信号範囲と周波数範囲を調べなければなりません。また、部品を入れ替えても効果はありません。コンバータやマルチチャンネル・デバイスを徹底してテストし、使用するアプリケーションにおいて十分な堅牢性があることを確認する必要があります。


 

Rob Reeder

Rob Reeder

Rob Reeder は、1998年以降、米国ノースカロライナ州グリーンズボロにあるアナログ・デバイセズの高速コンバータ/RFグループで上級コンバータ・アプリケーション・エンジニアとして働いています。これまでに、さまざまなアプリケーションのためのコンバータ・インターフェイス、コンバータ・テスト、アナログ・シグナル・チェーン・デザインに関する多数の記事を執筆しています。また、航空宇宙および防衛グループのアプリケーション・エンジニアであり、5年間にわたってさまざまなレーダー、EW、および計装アプリケーションに注力していました。これまでには、高速コンバータ製品を9年間担当していました。それ以外にも、アナログ・デバイセズのMultichip Products グループのテスト開発とアナログ設計エンジニアリングも担当していました。そこでは、宇宙、軍事、および高信頼アプリケーションのアナログ信号チェーンモジュールを5年間設計しました。 イリノイ州デカルブの北イリノイ大学で1996年にBSEE(電気工学士)、1998 年にMSEE(電気工学修士)を取得しています。余暇には、音楽のミキシング、美術を楽しむほか、2人の息子とバスケットボールをしたりします。