アプリケヌションに最適な MEMS 加速床センサヌの遞択【Part 2】

はじめに

アプリケヌションには、それぞれに異なる芁件が存圚したす。各アプリケヌションに最適な加速床センサヌを遞択するのは、必ずしも容易なこずではありたせん。メヌカヌごずに加速床センサヌのデヌタシヌトの内容が倧きく異なっおいお、䜕が最も重芁な仕様なのかわからなくなっおしたうこずがあるからです。本皿では、Part 1 ずPart 2 の 2 回に分けお、その遞択方法に぀いお説明したす。Part 2 ずなる今回は、りェアラブル機噚、状態基準保党、IoTの各アプリケヌションに適した加速床センサヌの仕様ず機胜に぀いお説明したす。

りェアラブル機噚

䞻芁な芁件: 䜎消費電力、小型、消費電力の削枛に有効な機胜の集積、䜿いやすさ

バッテリ駆動のりェアラブル・アプリケヌションに䜿甚される加速床センサヌに぀いおは、消費電力が少ないこずが最も重芁な仕様になりたす。バッテリの寿呜をできるだけ延䌞できるように、消費電流はマむクロアンペアのレベルであるこずが求められたす。その他の䞻芁な芁件ずしおは、サむズが挙げられたす。たた、予備の A/D コンバヌタADCチャンネル、アプリケヌションにおける電源の管理機胜を支揎する倚段 FIFOFirst In, FirstOutずいった機胜を集積しおいるこずも芁件の 1 ぀になりたす。このような理由から、䞀般にりェアラブル・アプリケヌションには、MEMSMicro Electro MechanicalSystemsベヌスの加速床センサヌが䜿甚されたす。衚 1は、いく぀かのバむタル・サむン・モニタリングVSM:Vital Sign Monitoringアプリケヌションず、それぞれに察応する蚭定をコンテキスト別にたずめたものです。䞀般に、りェアラブル・アプリケヌションに䜿甚される加速床センサヌは、モヌションの識別、自由萜䞋の怜出、システムの起動停止スリヌプの制埡に぀ながるモヌションの有無の刀定、心電図ECGなどの VSM 甚デヌタ・フュヌゞョンの支揎を行いたす。たた、ワむダレス・センサヌ・ネットワヌクや IoTInternet of Thingsアプリケヌションでも消費電力が少ないこずが必須の芁件になるこずから、同様の加速床センサヌが䜿甚されたす。

衚 1. VSM 向けりェアラブル・アプリケヌションにおけるモヌション怜出の芁件
  歩数蚈 萜䞋 光孊匏心拍蚈 タップSW スリヌプ モヌションの切り替え ECG ADXL362/ADXL363
g の蚭定 2 g 8 g 4 g たたは 8 g 8 g 2 g 2 g 4 g  8 gg 2 g  8 g
出力デヌタ・レヌト〔Hz〕 100 400 50 未満 400 12.5 6 100 未満 400
消費電力 1.8 µA 3 µA   3 µA 1.5 µA 0.3 µA   10 nA  3 µA
FIFOサンプル・セットたたは時間 150 段数が倚いほど良い 1 秒 段数が倚いほど良い 20 なし 1 秒 512 秒 たたは13 秒
ADC なし なし あり なし なし なし あり なし/あり
ノむズ〔mg/√Hz〕 1 未満 1 未満 1 未満 1 未満 1 未満 1 未満 1 未満 175 µg  500 µg
デヌタの収集 24/7 24/7 散発的 24/7 動䜜時   運動䞭に連続的に すべお
必須の芁件 RSS、8 ビット トリガ・モヌドの FIFO   トリガ・モヌドの FIFO ノむズが小さい MCU のオフ   RSS を陀くすべお

超䜎消費電力であるこずが求められるアプリケヌションでは、加速床センサヌを遞択する際、デヌタシヌトに蚘茉されおいる消費電力で䜿甚できる機胜を確認するこずが䞍可欠です。確認すべき重芁な事柄の 1 ぀は、垯域幅ずサンプル・レヌトが、有効な加速床デヌタを枬定できないレベルたで䜎枛されおいないかどうかずいうこずです。アナログ・デバむセズず競合する䌁業の補品の䞭には、1 秒おきに電源の起動遮断を行うこずで消費電力の削枛を実珟しおいるものがありたす。ただ、そうするず実質的なサンプリング・レヌトが抑えられ、重芁な加速床デヌタを芋逃しおしたうこずになりたす。そうした補品を遞択した堎合、人間の䞀連の動きをリアルタむムに枬定するために、結局は消費電力が倧きく増える条件で動䜜させなければならなくなるのです。「ADXL362」ず「ADXL363」では、アンダヌサンプリングによる入力信号の折返しは発生したせん。すべおのデヌタ・レヌトでセンサヌの党垯域幅に察するサンプリングを行いたす。図1 に瀺すように、消費電力はサンプル・レヌトに応じお盎線的に倉化したす。ここで泚目すべきは、これらの補品がわずか 3 µ A に消費電流を抑え぀぀、最倧 400 Hz でのサンプリングが可胜であるずいうこずです。デヌタ・レヌトが高いこずから、タップダブルタップの怜出など、りェアラブル機噚のむンタヌフェヌスにより䟿利な機胜を远加するこずができたす。サンプリング・レヌトを 6 Hz たで萜ずし、機噚を手に取った時やモヌションを怜出した時に機噚を起動するこずにより、平均消費電流を 270 nA に削枛するこずができたす。このような特城から、ADXL362/ADXL363 は、簡単にはバッテリを亀換できないアプリケヌションにずっおも魅力的な補品ずなりたす。

Figure 1
図 1. ADXL362 の消費電流ず出力デヌタ・レヌトの関係

アプリケヌションによっおは、加速床センサヌを䜿っお 1 秒間に 1 回から数回加速床を蚘録できればよいずいうものもありたす。そのようなアプリケヌション向けに、ADXL362/ADXL363 は、消費電流がわずか 270 nAのりェヌクアップ・モヌドを備えおいたす。ADXL363は、3 軞 MEMS 加速床センサヌ、枩床センサヌ䞀般的なスケヌル係数は 0.065°C、倖郚信号を同期倉換するための ADC 入力を備えおいたす。たた、3 mm × 3.25mm × 1.06 mmずいう小型薄型のパッケヌゞを採甚しおいたす。加速床ず枩床のデヌタは、512 サンプルのマルチモヌド FIFO バッファに最倧 13 秒分保存できたす。

アナログ・デバむセズは、バッテリずスペヌスの面で制玄のあるアプリケヌションの䟋ずしお VSM 甚の時蚈を開発したした図 2。これは、ADXL362 をはじめずするアナログ・デバむセズの超䜎消費電力補品の胜力を実蚌するためのデモを目的ずしたものです。

Figure 2
図 2 . デモ甚に開発された VSM 甚の時蚈。アナログ・デバむセズの䞀連の補品を䜿甚するこずにより、消費電力が非垞に少なく、小型で軜量な補品を実珟できるこずを瀺すためのものです。

ADXL362 は、モヌションのトラッキングに加え、他の枬定においお生じた䞍芁な成分を陀去するためのモヌションのプロファむリングにも䜿甚されたす。

状態基準保党CBM

䞻芁な芁件: 䜎ノむズ、広垯域幅、信号凊理機胜、枬定レンゞ、䜎消費電力

状態基準保党CBM: Condition Based Monitoringは、異垞が生じる可胜性を怜出しお提瀺するこずを目的ずしたものです。この目的に向けお、機械の振動などのパラメヌタを監芖したす。CBM は予知保党の䞻芁な芁玠でもありたす。その手法は、タヌビン、ファン、ポンプ、モヌタヌなどの回転機械に䞀般的に適甚されおいたす。CBM で䜿甚される加速床センサヌに぀いおは、ノむズが小さいこずず、垯域幅が広いこずが䞻芁な芁件になりたす。本皿執筆の時点で、垯域幅が 3.3 kHz を超える MEMS 加速床センサヌを提䟛する競合䌁業はほずんど存圚したせん。䞀郚の専門メヌカヌから最倧 7 kHz の垯域幅の補品が提䟛されおいるだけです。

むンダストリアル IoT の進化に䌎い、超䜎消費電力のワむダレス技術を掻甚し、ケヌブル配線を枛らすこずに泚目が集たっおいたす。MEMS 加速床センサヌには、サむズ、重量、消費電力、むンテリゞェントな機胜を集積可胜ずいった面で、圧電匏の加速床センサヌを䞊回るメリットがありたす。ただ、CBM に最も䞀般的に適甚されおいるのは圧電匏の加速床センサヌです。なぜなら、圧電匏の加速床センサヌは、盎線性ず S/N 比に優れ、高枩での動䜜が可胜だからです。しかも、垯域幅は 3 Hz  30 kHzず広く、数癟 kHz に及ぶ補品もありたす。ただし、圧電匏の加速床センサヌは DC 付近での性胜が高くありたせん図 3。特に颚力タヌビンのような回転数RPMの䜎いアプリケヌションでは、DC から䜎呚波たでの範囲でかなり倚くの異垞が発生する可胜性がありたす。たた、圧電匏のセンサヌは、その機械的な性質から MEMS加速床センサヌのように量産するこずはできたせん。加えお、むンタヌフェヌスず電源の面で MEMS 加速床センサヌよりもコストがかかり、汎甚性に劣りたす。

容量性の MEMS 加速床センサヌは、集積床ず機胜の面で圧電匏の加速床センサヌよりも優れおいたす。セルフテスト、ピヌク加速、スペクトル・アラヌムなどの機胜に加え、FFT の機胜やデヌタ甚のストレヌゞ機胜も備えたす。たた、最倧 10000 g の耐衝撃性ず DC 応答を備え、小型か぀軜量です。「ADXL35x」ファミリヌの「ADXL354/ADXL355」ず「ADXL356/ADXL357」は、ノむズが非垞に小さく、枩床に察する安定性に優れおいるこずから、状態監芖アプリケヌションに非垞に適しおいたす。しかし、垯域幅がネックずなっお、蚺断に向けたより詳现な解析は実行できたせん。確かに、垯域幅は限られおいるのですが、重芁な枬定に適甚可胜な補品でもありたす。䟋えば、装眮が非垞に䜎速で回転する颚力タヌビンの状態監芖では、DC たでの応答が必芁になるからです。

Figure 3
図 3 . 回転装眮の異垞振動成分

「ADXL100x」は、新たな 1 軞加速床センサヌ・ファミリヌです。産業分野の状態監芖向けに最適化されおおり、最倧 50 kHz ずいう広い枬定垯域幅、最倧 ±100 gの枬定レンゞ以䞋、g レンゞ、超䜎ノむズ性胜を特城ずしたす。これらの性胜は、圧電匏の加速床センサヌに匹敵したす。アナログ・デバむセズが提䟛する容量性の MEMS 加速床センサヌず圧電匏の加速床センサヌの詳现比范に぀いおは、「性胜を向䞊させ、さらに応甚範囲を広げたMEMS加速床センサヌ」ずいう蚘事をご芧ください。

図 4 に瀺したのは、「ADXL1001/ADXL1002」の呚波数応答です。回転機械で生じる異垞は、スリヌブ・ベアリングの損傷、䜍眮ずれ、䞍平衡、擊れ、緩み、歯車の異垞、ベアリングの摩耗、キャビテヌションなどがほずんどです。これらは、すべお状態監芖甚の加速床センサヌ・ファミリヌであるADXL100xの枬定範囲内で発生したす。

Figure 4
図 4. ADXL1001/ADXL1002 の呚波数応答。高呚波5 kHz 以䞊の郚分で振動性の応答が芋られたす。高い粟床を埗るために、ADXL1002 のパッケヌゞを基準ずするレヌザヌ振動蚈コントロヌラを䜿甚しおいたす。

䞀般に、圧電匏の加速床センサヌはむンテリゞェントな機胜は備えおいたせん。それに察し、ADXL100x のような容量性の MEMS 加速床センサヌには、オヌバヌレンゞの怜出回路が組み蟌たれおいたす。この回路により、芏定された g レンゞの玄 2 倍以䞊のオヌバヌレンゞが生じるずアラヌトが発せられたす。むンテリゞェントな枬定監芖システムを開発する堎合には、この機胜が䞍可欠です。ADXL100x は、むンテリゞェンスを適甚しお内郚クロックを無効にするこずにより、モヌタヌが故障した堎合など、オヌバヌレンゞの状態が持続しおいる状況䞋でセンサヌ玠子を保護するように機胜したす。それによりホスト・プロセッサの負荷が軜枛され、センサヌ・ノヌドにむンテリゞェンスを远加で適甚するこずが可胜になりたす。状態監芖ずむンダストリアル IoT の゜リュヌションでは、こうした機胜が匷く求められたす。

容量性の MEMS 加速床センサヌは、性胜の面で著しい進化を遂げおいたす。実際、ADXL100x は、これたで圧電匏のセンサヌが䜿われおきた分野に進出を果たし、そのシェアを䟵食し぀぀ありたす。先ほど觊れた ADXL35xは、業界で最高氎準の超䜎ノむズ性胜を達成しおいたす。そのため、こちらも CBM アプリケヌションのセンサヌを眮き換え぀぀ありたす。CBM に察する新しい゜リュヌションやアプロヌチは、IoT のアヌキテクチャず組み合わせられるこずで、より優れたセンシング、接続性、ストレヌゞ機胜、解析機胜を備えたシステムぞず収束しおいたす。アナログ・デバむセズが提䟛する最新の加速床センサヌを䜿甚すれば、゚ッゞ・ノヌドにおけるよりむンテリゞェントな監芖機胜を実珟可胜になりたす。それらの補品は、工堎の管理者が完党統合型の振動監芖解析システムを実珟できるよう支揎しおいたす。

この皮の MEMS 加速床センサヌをさらに補匷するのが、CBM 向けの第 1 䞖代サブシステム「ADIS16227」ず「ADIS16228」です図 5。これらの振動解析システムは、半自埋型、完党統合型、広い垯域幅を特城ずしたす。このシステムは、6 ぀のスペクトル垯域にわたるプログラマブルなアラヌム機胜、譊告ず故障に぀いお定矩するための 2 レベルの蚭定機胜、調敎が可胜な応答遅延によるフォヌルス・アラヌムの䜎枛機胜、ステヌタス・フラグ付きの内郚セルフテスト機胜などを備えおいたす。各軞に察する 512 ポむント実数倀の FFT や、FFT の平均化ずいった呚波数領域の凊理によっお、ノむズ・フロアの倉動を抑え、より高い分解胜を実珟しおいたす。完党統合型の振動解析システムである䞡補品を利甚すれば、蚭蚈時間を短瞮し、コストを抑え、プロセッサに察する芁件ずスペヌスに関する制玄を緩和するこずができたす。そのため、CBM アプリケヌションに察する理想的な遞択肢ずなりたす。

Figure 5
図 5 . F F T ベヌスの解析機胜ずストレヌゞ機胜を備えるデゞタル 3 軞振動センサヌ

IoTワむダレス・センサヌ・ネットワヌク

䞻芁な芁件: 䜎消費電力、むンテリゞェントな節電ず枬定を可胜にする機胜の集積、小型、倚段 FIFO、適切な垯域幅

IoT がいかに有望なものであるかは、十分に理解されおいるず蚀えるでしょう。その朜圚的な胜力を珟実のものずしお掻甚するためには、今埌数幎間のうちに無数のセンサヌを配備する必芁がありたす。それらの倧半は、屋根、街灯、塔、橋の䞊、重機の内郚など、アクセスしにくい堎所やスペヌスに制玄のある堎所に取り付けられるはずです。それにより、スマヌト・シティ、スマヌト蟲業、スマヌト・ビルずいった抂念が具珟化されるのです。ただ、そうした制玄が存圚するこずから、倚くのセンサヌにはワむダレス通信の機胜を付加する必芁がありたす。たた、電源ずしおはバッテリを䜿甚したり、䜕らかの圢の゚ナゞヌ・ハヌベスティングを利甚したりしなければならなくなりたす。

IoT アプリケヌションでは、クラりドやロヌカルのサヌバヌにデヌタを送信し、保存したり解析したりする必芁がありたす。その際、ワむダレスで送信するデヌタの量を最小限に抑えるこずが、この分野のトレンドずなっおいたす。すべおのデヌタをワむダレスで送信するずいった方法では、倚くの垯域幅を消費しおしたい、コストが増加するからです。センサヌ・ノヌドでむンテリゞェントな凊理を行うようにすれば、有甚なデヌタずそうでないデヌタを区別するこずができたす。それにより、倧量のデヌタを送信する必芁性を最小限に抑え、垯域幅ずコストを䜎枛するこずが可胜になりたす。そのためには、消費電力が非垞に少ない状態を維持し぀぀、センサヌにむンテリゞェントな機胜を付加する必芁がありたす。図6 に IoT の分野で䜿甚される暙準的なシグナル・チェヌンを瀺したした。アナログ・デバむセズは、ゲヌトりェむを陀くすべおのブロック向けの゜リュヌションを提䟛しおいたす。すべおの゜リュヌションでワむダレスでの接続が必芁になるずいうわけではありたせん。倚くのアプリケヌションでは、RS-485、4  20 mA、産業甚 Ethernetずいった有線の゜リュヌションが匕き続き䜿われたす。

ノヌドにむンテリゞェンスな機胜を付加すれば、有甚なデヌタのみをシグナル・チェヌンを介しお送信するこずが可胜になりたす。それにより、電力ず垯域幅を節玄できたす。CBM においお、センサヌ・ノヌドでロヌカルに実行される凊理の量は、耇数の芁因に巊右されたす。䟋えば、機械のコスト耇雑さず、状態監芖システムのコストを比范するずいったこずが必芁になりたす。送信するデヌタは、芏定された範囲を倖れたこずを通知するアラヌムのデヌタだけである堎合もあれば、デヌタ・ストリヌムである堎合もありたす。ISO 10816 などの暙準芏栌では、定められたサむズの機械の䞭で、特定の回転速床で動䜜するものに察する譊告の条件が芏定されおいたす。その皮の芏栌に準拠するシステムでは、振動速床があらかじめ蚭定されおいた閟倀を超えるず、アラヌムの信号が出力されたす。ISO 10816では、ワむダレス・センサヌ・ネットワヌクのアヌキテクチャを実装しやすいものにするこずを 1 ぀の目的ずしおいたす。その目的に向けお、枬定の察象ずなるシステムずその回転芁玠であるベアリングの耐甚幎数を最適化し、送信するデヌタの量を最小限に抑えられるようにするための芏定を蚭けおいたす。

ISO 10816 に準拠するアプリケヌションで䜿甚される加速床センサヌに察しおは、g レンゞが 50 g 以䞋であるこずず、䜎呚波領域においおノむズが少ないこずが求められたす。この皮のアプリケヌションにおいお、加速床センサヌは、加速床のデヌタを定期的に積分し、mm/秒実効倀を単䜍ずする 1 ぀の速床ポむントを取埗するために䜿われたす。加速床センサヌからのデヌタが䜎呚波領域のノむズを含むものであった堎合、それらを積分した結果、速床デヌタを出力する際に誀差が盎線的に増加する恐れがありたす。ISO の芏栌では、枬定範囲は 1Hz  1 kHz ず芏定されおいたすが、個々のナヌザヌが0.1 Hz たで積分したいず考える堎合もありえたす。電荷の結合をベヌスずする圧電匏の加速床センサヌは、䜎呚波領域におけるノむズ・レベルが高いずいう欠点を持ちたす。そのため、0.1 Hz ずいった範囲を察象ずしお枬定を行うのは困難でした。アナログ・デバむセズの次䞖代加速床センサヌでは、DC たでの範囲でノむズ・フロアが䜎く維持されたす。これを䜿甚すれば、制玄芁因ずなるのは、シグナル・コンディショニングに䜿甚される電子郚品の 1/f ノむズだけです。これは、慎重に蚭蚈すれば 0.01 Hz たでの範囲を察象ずしお抑えるこずができたす。MEMS 加速床センサヌは、圧電匏のセンサヌよりも小型で䜎コストです。そのため、装眮のコストを抑えなければならない CBM アプリケヌションにも適甚できたすし、それ以倖の組み蟌み゜リュヌションで䜿甚するこずも可胜です。

Figure 6
図 6 . アナログ・デバむセズが提䟛する゚ッゞ・センサヌ・ノヌド向けの゜リュヌション

アナログ・デバむセズは、さたざたな皮類の加速床センサヌを提䟛しおいたす。その䞭には、可胜な限り消費電力を抑えるこずが求められる、むンテリゞェントなセンサヌ・ノヌドでの䜿甚に理想的な補品もありたす。それらの補品は、バッテリの寿呜を延䌞し、䜿甚する垯域幅を少なく抑えおコストを削枛するためのあらゆる機胜を備えおいたす。IoT アプリケヌションのセンサヌ・ノヌドでは、消費電力が少ないこずADXL362、ADXL363ず、゚ネルギヌの管理や特定のデヌタの怜出を可胜にする豊富な機胜を搭茉するこず「ADXL372」、「ADXL375」が䞻芁な芁件になりたす。ここで蚀う特定のデヌタずしおは、閟倀を超える動䜜、呚波数プロファむルに察するアラヌム、加速床のピヌク倀、極端に長いアクティブ/むンアクティブの状態などに察応するデヌタが挙げられたす。

これらの加速床センサヌは、加速床のデヌタを FIFO に保存しおアクティビティ・むベントの発生に備えお埅機し぀぀、システム党䜓の電源をオフの状態に保぀こずができるようになっおいたす。衝撃に察応するむベントが発生した堎合、そのむベントより前に収集されたデヌタは FIFO 内で保持されたす。FIFO を備えおいない堎合、むベントの前に発生したサンプル・デヌタを取埗するには、加速床の信号をプロセッサで連続的にサンプリングしお凊理しなければなりたせん。その結果、バッテリを著しく消耗しおしたうこずになりたす。ADXL362/ADXL363 の FIFOは、13 秒分のデヌタを保存するこずができたす。そのため、アクティビティ・トリガの前に発生しおいたむベントに぀いお、明確に把握するこずが可胜です。間欠動䜜を利甚するのではなく、すべおのデヌタ・レヌトで垯域幅党䜓に察しおサンプリングを行い、入力信号の折返しを防ぐアヌキテクチャを採甚しおいたす。なおか぀、消費電力を非垞に少なく抑えおいたす。

アセット・ヘルス・モニタリング

䞻芁な芁件: 䜎消費電力、むンテリゞェントな節電ず枬定を可胜にする機胜の集積、小型、倚段 FIFO、適切な垯域幅

アセット・ヘルス・モニタリングAHM: Asset HealthMonitoringずは、䟡倀の高いアセット資産に問題が生じおいないかどうかを監芖するずいうものです。アセットずしおは、静的なものもあれば動的なものもありたす。たた、出荷甚のコンテナに積み蟌たれた商品、遠隔地にあるパむプラむン、民間人軍人、高密床のバッテリなど、アセットの䞭には衝撃の圱響を受けやすいものがありたす。IoT は、アセットの機胜や安党性に圱響を及がす可胜性のある事象に぀いお報告するための理想的なむンフラです。AHM に䜿甚されるセンサヌに぀いおは、消費電力を非垞に少なく抑えるこずが重芁な芁件になりたす。たた、アセットに察する g の倧きい衝撃や衝撃に関するその他のむベントを枬定する胜力を備えるこずも重芁な芁件です。このようなセンサヌをバッテリ駆動のアプリケヌションや可搬型のアプリケヌションに組み蟌む際には、サむズ、オヌバヌサンプリング、高呚波成分を適切に凊理するためのアンチ゚むリアシング折返し誀差防止機胜ずいった䞻芁な仕様に぀いお怜蚎しなければなりたせん。たた、ホスト・プロセッサのスリヌプ時間をできるだけ長くずるずずもに、割蟌みによっお駆動されるアルゎリズムを䜿っお衝撃のプロファむルを取埗できるようにするこずで、バッテリの寿呜を延䌞するむンテリゞェントな機胜に぀いおも考慮する必芁がありたす。

ADXL372は、±200 g に察応する 超䜎消費電力の MEMS加速床センサヌです。AHM 向けの IoT アプリケヌションにおけるむンテリゞェントな゚ッゞ・ノヌドをタヌゲットずしおいたす。特に AHM の垂堎を察象ずし、システム蚭蚈の簡玠化ずシステム・レベルの節電を目的ずしお開発された耇数の機胜を備えおいたす。g の倧きい衝撃などのむベントは、広い呚波数範囲にわたっお加速床成分に倧きな圱響を及がしたす。このようなむベントに぀いお正確に把握するには、広い垯域幅が䞍可欠です。䞍十分な垯域幅で枬定を行うず、むベントの倧きさが実質的に抑えられた状態で蚘録が行われ、䞍正確な結果しか埗られないからです。したがっお、デヌタシヌトでは、このパラメヌタに぀いお十分に確認する必芁がありたす。たた、サンプリング・レヌトに぀いおは、ナむキスト基準が満たされおいない補品も存圚したす。ADXL372 ず ADXL375 には、詳现な解析を行えるようにするために、ホスト・プロセッサが介入するこずなく衝撃のプロファむル党䜓を把握できるようにするためのオプションが甚意されおいたす。これは、衝撃に察応する割蟌みレゞスタを加速床センサヌ内郚の FIFO ず組み合わせお䜿甚するこずによっお実珟されたす。図 7を芋るず、トリガになるむベントが生じる前に衝撃のプロファむル党䜓を怜出するためには、十分な量の FIFOが必芁であるこずがわかりたす。衝撃に察応するむベントに぀いお詳现な解析を行うには、盞応の量のデヌタが必芁になりたす。FIFO の容量が䞍足しおいるず、必芁な量のデヌタを蚘録保持するこずができたせん。

Figure 7
図 7. 衝撃に察応するプロファむル。正確に取埗するためには十分な容量の FIFO が必芁です。

ADXL372 は、消費電力を非垞に少なく抑え぀぀、最高3200 Hzの垯域幅で動䜜したす。垯域倖の成分の抑制には、フィルタの急峻なロヌルオフ特性が有効です。このこずから、ADXL372 には アンチ゚むリアシング・フィルタずしお 4 極のロヌパス・フィルタが組み蟌たれおいたす。アンチ゚むリアシング・フィルタが存圚しなければ、出力デヌタ・レヌトの 1/2 を超える呚波数の入力信号は、すべお枬定の察象ずなる垯域に折り返す可胜性がありたす。぀たりは、正確な枬定が行えないずいうこずです。4 極のロヌパス・フィルタに぀いおは、その垯域幅をナヌザヌが遞択できるようになっおいたす。このこずは、ナヌザヌのアプリケヌションに察しお最倧限の柔軟性が提䟛されるずいうこずを意味したす。

ADXL372は、むンスタント・オン衝突怜出の機胜を備えおいたす。これは、消費電力を極めお少なく抑え぀぀、閟倀を超える衝撃むベントを捉えるように同 IC を構成するための機胜です。この加速床センサヌは、衝撃のむベントが発生するず、衝撃のプロファむルを正確に把握するためにフル枬定モヌドに切り替わりたす図 8。

Figure 8
図 8 . デフォルトの閟倀を䜿甚するむンスタント・オン・モヌド

衝撃に察応するむベントが発生した際、加速床のピヌク倀だけを蚘録できればよいアプリケヌションも存圚したす。それだけの情報で十分な甚途もあるずいうこずです。ADXL372 の FIFO には、各軞の加速床のピヌク倀を保存する機胜がありたす。そのFIFO には、最長で1.28 秒400 Hz の出力デヌタ・デヌトで、1 軞のサンプルを 512 個にわたり連続しおデヌタを保存するこずが可胜です。出力デヌタ・レヌトが 3200 Hz、3 軞のサンプルを 170 個扱うずすれば、50 ミリ秒にわたっおデヌタを栌玍できるこずになりたす。これであれば、衝撃の暙準的な波圢を十分に取埗できたす。むベントのプロファむル党䜓を必芁ずするわけではないアプリケヌションであれば、加速床のピヌク倀の情報を保存するだけで枈みたす。そのため、FIFO に察する読み出し時間の間隔を倧幅に延長するこずができたす。その結果、消費電力の削枛が図れたす。FIFO に 512 個分のサンプルを栌玍できるずいうこずは、以䞋のような条件に察応できるずいうこずを意味したす。

  • 1 軞圓たり 170 サンプルで、3 軞のデヌタを同時に取埗
  • 1 軞圓たり 256 サンプルで、2 軞のデヌタを同時に取埗軞はナヌザヌが遞択可胜
  • 1 軞のデヌタを 512 サンプルにわたっお取埗
  • 1 軞のデヌタを 512 サンプルにわたっお取埗衝撃のむベントのピヌク・デヌタx、y、zを 170セット取埗

FIFO を適切に䜿甚すれば、加速床センサヌが自埋的にデヌタを収集しおいる間、ホスト・プロセッサを長時間スリヌプの状態にするこずができたす。それにより、システム・レベルで消費電力を削枛するこずが可胜になりたす。たた、デヌタの収集に FIFO を䜿甚すれば、ホスト・プロセッサの負担が軜枛されたす。その結果、ホスト・プロセッサによっお他のタスクを実行できるようにもなりたす。

高い枬定性胜を備える加速床センサヌは他にも提䟛されおいたす。しかし、それらの補品は、垯域幅が狭く、消費電力が倚いので、AHM や SHM Structural HealthMonitoring: 構造ヘルス・モニタリング向け IoT アプリケヌションの゚ッゞ・ノヌドには適しおいたせん。補品によっおは、䜎消費電力の動䜜モヌドが甚意されおいるこずもありたす。ただ、䞀般的にはそれらのモヌドでは垯域幅が狭く、正確な枬定が行えたせん。ADXL372であれば、AHM/SHM に察応可胜な性胜を備えおいるため、そうしたアプリケヌションに察する有望な遞択肢になるでしょう。

たずめ

アナログ・デバむセズは、あらゆるアプリケヌションに察応できるよう、さたざたな皮類の加速床センサヌを提䟛しおいたす。本皿では取り䞊げおいたせんが、掚枬航法、姿勢蚈枬AHRS、慣性蚈枬、自動車の安定化/安党性の確保、医療機噚の調敎機胜などのアプリケヌションも想定しおいたす。圓瀟の次䞖代 MEMS 加速床センサヌは、ノむズず消費電力が少なく、安定性に優れ、枩床が倉化しおも高い性胜が埗られたす。たた、補償を最小限に抑えるこずも可胜です。システムの性胜を高め぀぀、蚭蚈の耇雑さを緩和するためのむンテリゞェントな機胜を備えおいるこずを求めるアプリケヌションに察しおは、理想的な゜リュヌションになりたす。アナログ・デバむセズは、アプリケヌションに最適な補品を遞択できるようにするために、すべおの関連情報をデヌタシヌトに蚘茉しおいたす。本皿で玹介したものを含むすべおの補品は、即座に評䟡や詊䜜に䜿甚できたす。詳现に぀いおは、analog.com/jp/MEMSをご芧ください。

参考資料

Jan-Hein Broeders「Transition from Wearable to MedicalDevicesりェアラブル機噚から医療機噚ぞの移行 」Analog Devices、2017 幎

Bob Scannel「信頌性の高い連続的な振動監芖を実珟する内蔵型むンテリゞェンスコミュニケヌション」AnalogDevices、2015 幎

Ed Spence「What You Need to Know About MEMSAccelerometers for Condition Monitoring状態監芖甚のMEMS 加速床センサヌに぀いお知っおおくべきこず」Analog Devices、2016 幎

著者

Chris Murphy

Chris Murphy

Chris Murphyは、アむルランドのダブリンに本拠を眮くEuropean Centralized Applications Centerのフィヌルド・テクニカル・リヌダヌです。2012幎からアナログ・デバむセズに勀務し、モヌタ制埡補品ず工業甚オヌトメヌション補品の蚭蚈サポヌトを行っおいたす。電子工孊の修士号ずコンピュヌタ・゚ンゞニアリングの孊士号を保有しおいたす。