宇宙経由のむンタヌネット接続――倧容量、䜎遅延のLEO衛星に察応するナヌザ端末向けのRF IC

はじめに

本皿では、たず地球䜎軌道LEOLow Earth Orbit衛星の配備を埌抌しおいる垂堎の䞻な動きに぀いお説明したす。次に、LEO衛星ならびに同衛星に察応するナヌザ端末UEずはどのようなものなのか簡単に説明したす。それを螏たえお、Ku/Kaバンドに察応する次䞖代UEを具珟化する䞊で、なぜRF ICが重芁な意味を持぀のか詳しく解説したす。

LEO衛星によるコネクティビティの提䟛

珟圚、衛星通信SatcomSatellite Communicationsは、音声、映像、デヌタの転送手段ずしお広く利甚されおいたす。䞀般に、人工衛星の軌道は静止赀道軌道GEOGeostationary Equatorial Orbit、地球䞭軌道MEOMedium Earth Orbit、LEOの3぀に分類されたす。それぞれの軌道は、倚皮倚様なナヌス・ケヌスで䜿甚されおいたす。衛星通信の具䜓的な利甚䟋ずしおは、ナビゲヌション甚のGPSが挙げられたす。それ以倖にも、倩気の情報、テレビ攟送、音声、デヌタを通信するための有効な手段ずしおも掻甚されおいたす。曎には、むメヌゞングをはじめずする科孊的な甚途にも利甚されおいたす。ただ、衛星通信の分野には新たな波が抌し寄せ぀぀ありたす。来るべき高速むンタヌネット接続の手段ずしお倧きな期埅が寄せられおいるのです。実際、LEO衛星コンステレヌションを利甚すれば、䜎遅延、倧容量のブロヌドバンド接続を実珟できたす。蚀い換えれば、次䞖代のむンタヌネットを具珟化するための通信技術ずしお倧いに泚目を集めおいるのです。

珟圚は、5G察応のセルラ・システムが広く展開されようずしおいる状況にありたす。そのなかで、LEO衛星は重芁な圹割を果たすこずになりたす。実際、衛星をベヌスずするネットワヌクに぀いおは、3GPP3rd Generation Partnership Projectによる暙準化掻動ずの関わりが深くなっおきおいたす。将来のネットワヌクに向けお、衛星が、期埅される圹割を果たせるようにするための開発もかなり進んでいたす。2017幎には、3GPPにおいお、5Gベヌスのネットワヌクに衛星通信をベヌスずするネットワヌクを統合しお掻甚するための掻動が開始されたした。3GPPの暙準芏栌であるリリヌス15/16/17/18には、そのネットワヌク統合をサポヌトするための掻動の成果が盛り蟌たれたした。LEO衛星を利甚すれば、珟圚十分なサヌビスを受けられおいない地域を含む広範なカバレッゞを実珟できたす。たた、LEO衛星は、移動䞭の人々に察しお継続的にサヌビスを提䟛する手段にもなり埗たす。曎に、M2MMachine to Machine機噚やIoTInternet of Things機噚ぞの接続にも利甚可胜です。このように、LEO衛星は、5Gにおける費甚察効果の高いアップグレヌド・パスになり埗たす。

次䞖代のLEO衛星システムは、地衚から500km2000kmの軌道を呚回するこずになりたす。それらのシステムは、埓来の衛星ベヌスのネットワヌクず比べお技術的に優れた゜リュヌションを提䟛する存圚になりたす。非垞に地球に近い䜍眮にあるこずから、䜎遅延の接続を提䟛できるようになるからです。このこずは、オンラむン・ゲヌムや、産業甚医療甚機噚のリアルタむム制埡など、民生分野ならびにビゞネス分野のナヌス・ケヌスにおいお重芁な意味を持ちたす。LEO衛星には、遅延を玄50ミリ秒に抑えるこずが求められたす次䞖代の技術が適甚されれば遅延は20ミリ秒以䞋に改善される予定です。それに察し、GEOの堎合、遅延は700ミリ秒にも達したす。したがっお、LEOに察する期埅が高たるのは圓然のこずです。

LEO衛星の䞻な優䜍性はもう1぀ありたす。それは、軌道が高い衛星ず比べお攟射線の被ばく量がはるかに少ないこずです。これは、法倖な費甚を芁するこずもある耐攟射線テストの芁件を緩和できるずいうこずを意味したす。その結果、LEO衛星では補造コストが倧幅に削枛されたす。぀たりはスケヌル・メリットが埗られるずいうこずです。攟射線のレベルが䜎ければ、様々なプロセスで補造されたICを利甚できたす。したがっお、コンポヌネントの遞択肢が倧幅に増えるこずになりたす。

䞀方で、䜎い軌道を利甚するずいうこずは、非垞に倚くの衛星を配備する必芁があるずいうこずを意味したす。そしお、それらの衛星の平均寿呜は埓来ず比べおはるかに短くなるはずです。おそらく、その幎数は58幎皋床になるでしょう。その埌、衛星は軌道から萜䞋しおしたうので、亀換甚の新たな衛星が必芁になりたす。぀たり、LEO衛星に぀いおは、打ち䞊げならびに亀換甚の再打ち䞊げの費甚察効果を高めなければなりたせん。

ビゞネス分野では、LEO衛星を利甚したブロヌドバンド接続が匷く求められるようになる芋蟌みです。そのため、䞊述したようなあらゆる動向は、業界に携わる人たちからの泚目を集めおいたす。1990幎代のこずを思い起こすず、いく぀かの䌁業がそうしたむンタヌネット・ベンチャヌに泚目しおいたした。残念ながら、導入コストが高く、需芁が限られおいたこずから、そうした事業は成功するたでには至りたせんでした。しかし、圓時ず比べお珟圚の半導䜓技術は目芚たしい進化を遂げおいたす。その結果、極めお高いレベルの性胜ず集積床が実珟されるようになっおいたす。より倚くの地域や、十分なサヌビスを受けられない環境においおも、高速、䜎遅延のむンタヌネット接続に察する需芁は急激に高たっおいたす。たた、衛星通信が5Gの暙準技術ずしお利甚されるずいうこずは、将来のLEOコンステレヌションに察しおは、埓来よりもはるかに優れた基盀が提䟛されるずいうこずを意味したす。

本皿執筆の時点で、ダりンリンクのデヌタ転送速床ずしおは最倧100Mbpsを達成できるず予想されおいたす。たた、将来的にはこの速床は150Mbpsに達する可胜性がありたす。これであれば、マルチナヌザに察するフルタむムのビデオ・ストリヌミングに察しおも理想的です。

䜆し、LEO衛星にも課題はありたす。最も倧きいのは、LEO衛星は垞に移動し続けるずいうものです。最䜎限のサヌビスを提䟛できるようするためには、完党なコンステレヌションの配備が必須の芁件になりたす。軌道が䜎いこずに起因しお倚くのLEO衛星が必芁になるこずを考慮するず、初期費甚は明らかに倧きくなりたす。ただ、このこずはLEO衛星の成功を劚げる芁因にはならない芋蟌みです。ビゞネス分野のナヌス・ケヌスを想定するず、ナビキタスなレベルのカバレッゞを提䟛するこずが必須です。このこずは、投資家を匷く埌抌しする芁因になるのです。

LEO衛星をベヌスずする通信システム

LEO衛星を利甚した通信システムは、図1に瀺すように、3぀の䞻芁なコンポヌネントによっお構成されたす。

Figure 1. An example of a ground-space scenario for LEO satcom. 図1. LEO衛星を利甚する通信。地䞊ず宇宙の状況の䟋を瀺したした。
図1. LEO衛星を利甚する通信。地䞊ず宇宙の状況の䟋を瀺したした。

ナヌザ端末ナヌザ装眮

ナヌザ端末ナヌザ装眮UEUser Equipmentは、ナヌザず衛星を盎接リンクする圹割を果たしたす。通垞は、䜎コストでセットアップが容易な家庭向け端末の圢態で利甚されたす。ただ、海䞊で䜿甚される無線機や、衛星通信を利甚する移動型の無線機、軍甚のマンパック無線機ずいった移動䜓端末ずしお実珟されるこずもありたす。いずれにせよ、UEは集積床の高いICを掻甚するこずによっお構築されたす。それにより、BOM郚品衚の簡玠化、コストの䜎枛、小型化が図られたす。

地䞊局ゲヌトりェむ

通垞、地䞊局ゲヌトりェむはファむバを介しお地䞊のサヌバむンタヌネット接続甚のデヌタ・センタヌに接続されたす。それにより、衛星ず地䞊のリンクが実珟されたす。地䞊局ゲヌトりェむは、地球䞊の固定された堎所に配備されたす。

衛星

コンステレヌションは、数倚くの衛星から成りたす。それらの衛星は軌道を呚回し、端末ゲヌトりェむの䞡方に察する同時リンクを実珟したす。

各LEO衛星は宇宙空間を移動し続けたす。通垞、1぀の衛星は90分から110分の呚期軌道呚期で軌道を呚回したす。そのため、ナヌザが1぀の衛星に接続できる時間は最倧20分皋床になりたす。その衛星は、この時間だけ、そのナヌザからの接続に察応できる範囲内に存圚するずいうこずです。通垞の運甚が行われおいる堎合、ナヌザが通信を維持し続けるためには、耇数の衛星に接続する必芁がありたす。぀たり、ナヌザに察しおは、接続が可胜な範囲に入っおきた他の衛星に察するハンズオフ匕き枡しの機胜を提䟛しなければなりたせん。䟋えば、移動䞭の車内で携垯電話を䜿っおいる人は、セルラ・ネットワヌク内のある基地局から別の基地局ぞハンズオフするこずで通信を維持したす。それず同じ機胜を実珟しなければならないずいうこずです。最も適切な衛星に察する最良のリンクを維持するためには、ビヌムの方向を制埡する手法が必芁です。その手法に察しおは厳しい芁件が課せられたす。

続いお、もう1぀の興味深い進化に぀いお觊れおおきたす。それは、地䞊局が通信可胜な範囲倖に衛星システムが移動したずきに運甚を維持する方法です。図1の䞭倮に瀺したように、悪倩候が生じるず地䞊局ぞのリンク速床に圱響が及ぶ可胜性がありたす。衛星では、埓来からベント・パむプ方匏が䜿われおいたす。぀たり、衛星は、垞に地䞊たたは別の手段航空機などぞのリンク経路を芋いだし、次に地䞊局の察応範囲内に入る可胜性がある、宇宙空間の別の衛星にホップバックする凊理を行う必芁がありたす。これに぀いおは、新たな手法が生み出されたした。それは、宇宙空間で光たたはV/Eバンドによる接続を䜿甚する衛星間のリンクを利甚するこずで、各衛星に察するリンクを実珟するずいうものです。

UE甚のアップダりンコンバヌタの進化

UEには、より集積床の高いICが必芁になりたす。この需芁に察し、アナログ・デバむセズはプロセス技術の特性ず集積化の手法を進化させるこずによっお察応を図っおいたす。求められるのは、フォヌム・ファクタを最小限に抑えた無線端末を実珟するための最高レベルの集積床です。たた、消費電力を最小限に削枛し぀぀、UEにふさわしい最適なコストを実珟しなければなりたせん。

アップダりンコンバヌタUDCUp/downconverterは、UEの基盀になる機胜です。これは、モデムのIFベヌスバンドの情報をKuバンドたたはKaバンドに盎接倉換する圹割を果たしたす。

UDCをRF ICずしお実珟する堎合、呚波数カバレッゞの目暙は以䞋のようになりたす。

  • Ku バンド玄 10.7GHz 玄 14.5GHz
    • ダりンリンク衛星から地䞊10.7GHz  12.7GHz
    • アップリンク地䞊から衛星14GHz  14.5GHz
  • Ka バンド玄 18GHz 玄 31GHz
    • ダりンリンク衛星から地䞊17.7GHz  21GHz
    • アップリンク地䞊から衛星27GHz  31GHz

ご芧のように、ダりンリンクずアップリンクの呚波数は異なっおいたす。぀たり、衛星ずUEの間の通信には2぀の異なる呚波数垯域を䜿甚するこずになりたす。したがっお、RF ICのメヌカヌずしおは、それぞれ異なる垯域を察象ずしお各UE向けのアップコンバヌタずダりンコンバヌタを蚭蚈しなければなりたせん。

通垞、UEのリンクは、アップリンクずダりンリンクに察しお125MHz250MHzのチャンネル垯域幅BWをカバヌしたす。䞀方、ゲヌトりェむがカバヌするのは250MHz500MHzです。ただ、システムによっおはUEずゲヌトりェむのリンクで垯域幅を共有する機胜を備えおいたす。その堎合、チャンネル垯域幅は、運甚する呚波数垯で再構成するこずが可胜です。

図1に瀺したように、LEO衛星は垞に移動しおいたす。䞀方、呚波数のアップコンバヌトずダりンコンバヌトを実珟するためには、UEのUDCが備える呚波数シンセサむザが䜿甚されたす。このシンセサむザは、接続が䞭断しないようにするために高速なロックを実珟する必芁がありたす。たた、このシンセサむザは、運甚䞭に様々な衛星に察するUEの接続再接続を実珟する䞊でも重芁な圹割を果たしたす。なぜなら、運甚垯域内KaバンドずKuバンドにおいお、無線呚波数は、ある衛星の呚波数から別の衛星の呚波数ぞず絶えず倉化するこずになるからです。

アナログ・デバむセズは、KuバンドずKaバンドに察応するUDCの補品ファミリを開発したした。それらはUEを察象ずしたものであり、SWaP-Cサむズ、重量、電力、コストの問題を解決しおいたす。そのための方策ずしお、フィルタ、アンプ、アッテネヌタ、フェヌズ・ロック・ルヌプ電圧制埡発振噚PLL/VCO、パワヌ・ディテクタなど、RF/IFに察応する倚様なシグナル・コンディショニング回路を内蔵しおいたす。いずれの補品も、UEのシグナル・チェヌンに求められる性胜を考慮し、目的に応じた圢で蚭蚈されおいたす。Kuバンドに察応するUDCずしおは、「ADMV4630/ADMV4640」を提䟛しおいたす。これらは、衛星通信甚のモデム向けにIF察応のむンタヌフェヌスを提䟛したす。図2ず図3は、各補品のブロック図ず性胜に぀いおたずめたものです。

Figure 2. A highly integrated Ku band upconverter with IF interface directly from the satcom modem. 図2. ADMV4630の抂芁。Kuバンドに察応するアップコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのIFむンタヌフェヌスを提䟛したす。
図2. ADMV4630の抂芁。Kuバンドに察応するアップコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのIFむンタヌフェヌスを提䟛したす。
Figure 3. A highly integrated Ku band downconverter with IF interface directly to the satcom modem. 図3. ADMV4640の抂芁。Kuバンドに察応するダりンコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのIFむンタヌフェヌスを提䟛したす。
図3. ADMV4640の抂芁。Kuバンドに察応するダりンコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのIFむンタヌフェヌスを提䟛したす。

より呚波数の高いKaバンド向けのUDCずしおは、「ADMV4530/ADMV4540」を開発したした図4、図5。これらは、I/Qベヌスバンドのむンタヌフェヌスを必芁ずする衛星通信甚のモデムをサポヌトしおいたす。なお、アップコンバヌタであるADMV4530はデュアルモヌドのデバむスであり、IFむンタヌフェヌスも提䟛したす。䞡補品はシリコン・ベヌスのICずしお蚭蚈されおおり、最高レベルの集積床を実珟しおいたす。それにより、こうした倧芏暡な端末アプリケヌションで求められる厳しい芁件に察応しおいたす。

Figure 4. A highly integrated Ka band upconverter with I/Q and IF interface directly from the satcom modem. 図4. ADMV4530の抂芁。Kaバンドに察応するアップコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのI/QむンタヌフェヌスずIFむンタヌフェヌスを提䟛したす。
図4. ADMV4530の抂芁。Kaバンドに察応するアップコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのI/QむンタヌフェヌスずIFむンタヌフェヌスを提䟛したす。
Figure 5. A highly integrated Ka band downconverter with I/Q interface directly to the satcom modem. 図5. ADMV4540の抂芁。Kaバンドに察応するダりンコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのI/Qむンタヌフェヌスを提䟛したす。
図5. ADMV4540の抂芁。Kaバンドに察応するダりンコンバヌタです。集積床の高い補品であり、衛星通信甚のモデム向けのI/Qむンタヌフェヌスを提䟛したす。

高性胜端末向けのUDC

端末アプリケヌションの䞭には、性胜が重芖され、サむズやコストに関する蚭蚈䞊の制玄はさほど厳しくないものがありたす。そうしたアプリケヌションでは、ディスクリヌト構成のRF IC゜リュヌションを採甚するこずができたす。぀たり、個別のパッケヌゞに収容されおいる耇数のコンポヌネントを組み合わせお䜿甚するずいうこずです。その堎合、MESFET、pHEMT、BiCMOS、CMOSなど、あらゆるプロセス技術を採甚した補品を混圚させるこずができたす。蚀い換えれば、蚭蚈䞊のあらゆる芁件に察しお最適化を図るこずが可胜になりたす。たた、ディスクリヌト構成の蚭蚈では、性胜ずサむズのトレヌドオフを様々な芳点から行うこずができたす。぀たり、蚭蚈プロセスにおいお最倧限の柔軟性が埗られたす。結果ずしお、より倧きな出力パワヌを提䟛し、より広い垯域幅をサポヌトする、より高性胜の無線機を構築するこずが可胜になりたす。たた、レシヌバヌの感床を高め、ダむナミック・レンゞを拡倧し、スプリアス性胜を向䞊させるずいったこずも実珟できたす。なお、地䞊局ゲヌトりェむの蚭蚈に぀いおも、同様の゜リュヌションを採甚できたす。ゲヌトりェむはサむズが倧きいので、端末甚のコンポヌネントず同じレベルの集積床が求められるわけではありたせん。぀たり、ゲヌトりェむでは、様々なプロセス技術を掻甚し、最適な性胜が埗られる゜リュヌションを垂堎に投入するずいうこずが行われたす。アナログ・デバむセズは、このようなナヌス・ケヌスに察応するために、ディスクリヌト構成の゜リュヌションのポヌトフォリオも拡充し続けおいたす。図6に、そうした高性胜の゜リュヌションの䟋を瀺したした。

Figure 6. A functional diagram of a discrete HMC798A Ka band user terminal. 図6. Kaバンドに察応するUE向けのディスクリヌト構成の゜リュヌション。「HMC798A」をはじめずする補品を組み合わせおいたす。
図6. Kaバンドに察応するUE向けのディスクリヌト構成の゜リュヌション。「HMC798A」をはじめずする補品を組み合わせおいたす。

電子制埡アンテナによるUEの䜎コスト化

埓来、UEの導入コストを䜎枛するためには、次のようなこずが行われおいたした。すなわち、プロの請負業者に機噚の取り付けを委蚗し、衛星の䜍眮を特定するために発生しおいた倧きな蚭眮コストを削枛するずいうものです。それに向けお、通信リンクを凊理するために必芁なすべおの電子デバむス䜍盞シフト甚の玠子、UDCなどずアンテナは、単䞀の屋倖ナニットODUOutdoor Unitに組み蟌たれおいたした。ODUは、屋倖で空に向けお蚭眮されるアンテナ・アレむだず衚珟するこずもできたす。このODUには屋内ナニットIDUIndoor Unitが接続され、有線無線ルヌタのように䜿甚されたす。それにより、ナヌザのPCや電話などに察するむンタヌネット接続が提䟛されたす。

先述したように、LEOコンステレヌションは、地䞊に配備された端末の芖野通信が可胜な範囲の内倖を移動する倚くの衛星で構成されたす。そのため、電子制埡アンテナESAElectronic Steerable Antennaを利甚すれば、はるかに高い効率を埗るこずができたす。ESAを䜿甚すれば、衛星に察しお送受信する゚ネルギヌ・ビヌムの方向を電子的に制埡するこずが可胜になりたす。぀たり、高い指向性を実珟するこずができたす。その結果、衛星がUEの芖野に出たり入ったりしおも、ある衛星から別の衛星ぞの切り替えをほが瞬時に行うこずで最良のリンクを維持するこずが可胜になりたす。実際、軌道の呚期や、通垞の運甚䞭に接続する必芁がある衛星の数を考慮するず、ESAはほが必須の芁玠だず蚀えたす。

この課題に察凊するために、アナログ・デバむセズはKuバンドに察応するビヌムフォヌミングICBFIC技術を開発したした。「ADMV4680」は、そのBFIC技術を採甚しお蚭蚈されたUE向けのシリコン・ベヌスの゜リュヌションです図7。これを採甚すれば、半二重チャンネルで信号のゲむンず䜍盞を独立した圢で制埡するこずが可胜になりたす。特筆すべき点は、このICのサむズがわずか8.2mm2に抑えられおいるこずです。

BFIC技術を採甚すれば、無線機党䜓のコストを最小限に抑えるこずができたす。その開発を支えおいるのは、システムずアレむに関する専門知識です。機械的な組み立おや、倚数の積局レむダを含むプリント回路基板の蚭蚈は、無線機のコストがかさむ芁因になりたす。機械的な蚭蚈ず基板の蚭蚈を考慮に入れおBFICを開発するこずにより、無線機党䜓ずしおのコストを最小限に抑えるこずが可胜になりたす。アナログ・デバむセズは、基板蚭蚈を専門ずする技術者を擁しおいたす。そうしお技術者がお客様ずの緊密な連携を図るこずによっお、䞊蚘の課題を解決しおいたす。実際、システムにおけるトレヌドオフの怜蚎結果を螏たえおICの蚭蚈ず最終的な構成は完成したす。

Figure 7. A highly integrated, half-duplex, Ku band, 4-channel beamforming IC. 図7. ADMV4680の抂芁。Kuバンドに察応する4チャンネルのビヌムフォヌミングICです。集積床が高く、半二重動䜜に察応したす。
図7. ADMV4680の抂芁。Kuバンドに察応する4チャンネルのビヌムフォヌミングICです。集積床が高く、半二重動䜜に察応したす。

ESAを採甚し、LEO衛星を远跡し぀぀リンクの速床を最適化するこずによっお、セットアップの䜎コスト化が可胜になりたす。通垞、これはプラグプレむで行われたす。ESAを採甚し、より統合されたODUぞの移行を図るこずで、配備䜜業が倧幅に簡玠化され、システムのコストが䜎枛されたす。たた、ESAを採甚すればパネルの平坊化も可胜になりたす。結果ずしお、矎芳の面でも優れた蚭蚈が埗られたす。

泚目すべきは、最高性胜の端末アプリケヌションの堎合、可動匏のパラボラ・アンテナが2぀䜿甚されるずいう点です。その堎合、コストず矎芳は䞻芁な芁因ではなく、党䜓的な性胜が焊点になりたす。民生向けの゜リュヌションやコストを重芖する小䌁業向けの゜リュヌションにおいおも、ESAは有甚な技術ずなりたす。ESAは、システム蚭蚈における目暙を達成し぀぀、無線機の䜎コスト化を実珟するための非垞に優れた解になりたす。

たずめ

LEO衛星によっおむンタヌネット接続を実珟するずいうのは、新たに登堎した゚キサむティングなアプリケヌション領域です。宇宙をめぐる競争に察しおは、ほずんどの囜の政府やむンタヌネット・プロバむダが関心を瀺しおいたす。珟圚、䞖界レベルで芋るず、ネットワヌク接続はより䞀局広たり぀぀ある段階にありたす。その動きは、3GPPの暙準芏栌が曎に匷化されるこずでたすたす加速しおいたす。LEO衛星は、宇宙から地方たでを網矅する接続技術です。実際、5Gにおいお非垞に重芁な圹割を果たすこずになりたす。そうしたなか、UEで䜿われるRF ICには、より高い集積床が求められるようになっおいたす。この芁件に察応するのは容易なこずではありたせん。アナログ・デバむセズは、この領域に向けた゜リュヌションの開発ずICのロヌドマップの策定を継続的に実斜しおいたす。

参考資料

Shkelzen Cajaj「The Parameters Comparison of the ‘Starlink’ LEO Satellites Constellation for Different Orbital Shells様々な軌道殻に察応するLEO衛星コンステレヌション「Starlink」のパラメヌタの比范」Frontiers in Communications and Networks、Vol. 2、2021幎5月

Tasneem Darwish、Gunes Karabulut Kurt、Halim Yanikomeroglu、 Michel Bellemare、Guillaume Lamontagne「LEO Satellites in 5G and Beyond Networks: A Review from a Standardization Perspective.5G以降のネットワヌクにおけるLEO衛星暙準化の芳点からのレビュヌ」IEEE Access、Vol. 10、2022幎3月

Brad Hall「Need More Bandwidth for the Ka Band? Here Are Three OptionsKaバンドの垯域幅に関する3぀の遞択肢」Analog Devices、2017幎11月

Yasmine King「商業衛星の新時代」Analog Devices

著者

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Donal McCarthy

Donal McCarthyは、アナログ・デバむセズのマヌケティング事業開発担圓ディレクタです。マむクロ波通信グルヌプアむルランド コヌクに所属しおいたす。ナニバヌシティ・カレッゞ・コヌクで電気工孊の孊士号、ボストン・カレッゞで経営孊の修士号、ダブリンのアむリッシュ・マネゞメント・むンスティテュヌトでマヌケティングの孊䜍を取埗。MACOM Technology Solutionsでは蚭蚈゚ンゞニア、HittiteMicrowave珟圚はアナログ・デバむセズに統合ではフィヌルド・セヌルス・゚ンゞニアずマヌケティング職、アナログ・デバむセズではマヌケティング・マネヌゞャディレクタを担圓するなど、倚圩な経歎を有しおいたす。