RFアジャイル・ソフトウェア無線(SDR)トランシーバー

狭帯域から広帯域まで対応し、最高レベルのダイナミック・レンジと低消費電力を実現。

アナログ・デバイセズのRFアジャイルSDRトランシーバーは30MHz~6000MHzで動作し、12kHzの狭帯域から最大40MHzの広い信号帯域幅にまで対応する独自の機能を備えています。基幹系通信システム向けに特化して開発された各ファミリ製品は、消費電力と高ダイナミック・レンジを最適に組み合わせる柔軟性を備えて設計されています。直接変換、高ダイナミック・レンジのアーキテクチャにより、帯域を選択したフィルタ処理とIFへのダウン・コンバージョンに対するニーズが緩和されます。

集積レベルが高いことに加え、各ファミリ製品には、RFシステムのキャリブレーション、プログラマブルなデジタル・フィルタ処理、システムレベルの高度な機能が組み込まれています。アナログ・デバイセズが基幹通信向けに開発したRFアジャイルSDRトランシーバーは、産業用25kHz/50kHzセルラ通信、プライベート・ネットワーク、公共安全向けDMR、TETRA、P25、衛生地球局、産業用IoT装置において、サイズ、重量、電力、コスト(SWaP-C)の面でメリットが得られます。


広いダイナミック・レンジを実現したこれらのRFアジャイル・トランシーバーは、基幹系通信システム向けに開発されており、公共安全、戦術通信、産業用のアプリケーションなど幅広いアプリケーションに対応する機能およびそれらの統合化の実現を示しています。

ADRV9002のブロック図:

adrv9002-fbd6

緑色のブロック:ブロック図には、レシーバー(Rx)およびトランスミッタ(Tx)の各シグナル・チェーンのRF信号パスが示されています。それぞれのトランシーバーの信号パスは、個別に設定したり有効化したりできます。

紫色のブロック:すべてのADRV9001ファミリ製品には、レシーバーおよびトランスミッタの信号パス用に、無線信号処理の補正アルゴリズムとユーザ・プログラマブルなチャンネル・フィルタが組み込まれています。各ファミリ製品には、DPD、AGC、FFHなどの高度なシステム機能一式が備わっており、それらはオンチップのArm® M4プロセッサによって管理されます。レシーバーとトランスミッタのシリアル・データ・ポートは外部ピン個別に利用でき、CMOSまたは低電圧差動伝送のいずれの伝送方式にも設定できます。 

オレンジ色のブロック:すべてのADRV9001ファミリ製品は、IC内のいずれのレシーバーまたはトランスミッタにもルーティングできるオンチップRFシンセサイザ2個を内蔵しています。また、デジタル用ベースバンドPLLクロックおよびサンプル・レートのベースバンド変換を備えています。

主な機能とメリット

RFの性能と統合化の実現

最高水準のRF性能を提供すると共に、ベースバンドに直接変換できるデジタル信号処理を統合化しています。レシーバーは–150 dBc/Hzのダイナミック・レンジに対応でき、トランスミッタは最大30dBmの直線性と8dBmまでの出力を提供します。

デジタル無線信号補正

最初の高性能無線として初めて、RFからベースバンドへの直接変換を行う追加の信号補正アルゴリズムを搭載しました。初回および追跡による補正でキャリブレーションを行い、動作中の性能を確保します。補正アルゴリズムには、LOの周波数リーク、DCオフセット、直交誤差、ゲイン補償などが含まれています。

包括的なSDRソリューション向けの高度なシステム機能

高度に設定可能なソフトウェア無線には、高速周波数ホッピング、デジタル・プリディストーション、AGC、マルチチップ同期、省電力システム・モニタなど、多数の高度なシステム機能が備わっています。

主な製品

設計ファイル・パッケージ

開発を迅速にスタートするために、各デバイスの設計ファイル・パッケージをご用意しています。

モデル、Sパラメータ、評価用ボードの回路図をご確認ください。また、部品表はこちらから、または以下の製品の隣にあるリンクをクリックしてご覧いただけます。

SDR内蔵トランシーバーの設計リソース

製品評価

アナログ・デバイセズの評価用キットは、RFアジャイルSDRトランシーバー・プラットフォームの設定機能と性能を簡単に評価するために必要な、すべてのハードウェアおよびソフトウェアを提供します。

ADRV9001 Quick Start Guide

ADRV9001クイック・スタート・ガイド

ADRV9002: Narrowband to Wideband Integrated RF Transceiver

ADRV9002:トランシーバー評価システムの概要

ハードウェア・ソリューション

RFアジャイルSDRトランシーバーを評価するには、必要なRF周波数範囲に基づいて次のいずれかの評価用ボードをご利用いただけます。

RFアジャイル・トランシーバーの評価用ボード

ソフトウェア・ソリューション

RFアジャイル・トランシーバーの評価用ボード

SDRトランシーバーの評価ソフトウェア

X+

SDRトランシーバーのプロトタイピングリファレンス設計

X+

プロトタイピング・ソリューション

アナログ・デバイセズおよび提携メンバーによるリファレンス設計

EPIQ Solutions

X+

Sidekiq™ NV100とXilinx® Artix-7


Sidekiq™ NV100は柔軟性に優れたRF機能を提供し、条件が非常に厳しい信号環境にも対応するよう最適化されています。Sidekiq製品ファミリの最新の広帯域RF処理機能に、内蔵GPSクロックおよびレシーバーで事前選択が可能な柔軟なフィルタ処理も加わっています。すべてが一般的なフォーム・ファクタに収められ、予め幅広い互換性を備えています。

Sidekiq Mini PCIe


Sidekiqの最初カードは、PCIe Gen1.1インターフェース対応を搭載したMini PCIeフォーム・ファクタで提供されています。この別タイプでは、RFフロント・エンド動作モードとして、位相コヒーレント・レシーバー2つ(共通のLO)、またはレシーバー1つとトランスミッタ1つ(異なるLO)の2種類をサポートしています。

Sidekiq M.2


小型のこのタイプはM.2 T3042-D3-B-Mカードのフォーム・ファクタで、Module Key BまたはModule Key B-M、Socket 2に対応できます。PCIe Gen2インターフェースを搭載し、RFフロント・エンドのオプションとして、レシーバー2つとトランスミッタ2つ(2 × 2 MIMO)、またはレシーバー1つとトランスミッタ1つ(異なるLO)の2種類をサポートしています。

Sidekiq Z2


Sidekiq Z2は、30mm × 51mm × 5mmサイズの小型モジュール(Mini PCIeフォーム・ファクタ)に広帯域RFトランシーバーとLinuxコンピュータすべてを統合化しています。

次世代RF

X+

BytePipe9002 SOMとXilinx Zynq Ultrascale +


BytePipe9002は、ADRV9002 Agile Transceiver™とXilinx Zynq®- UltraScale+ SoCをベースとしたソフトウェア無線(SDR)システム・オン・モジュール(SOM)です。評価ツール、プロトタイピング・プラットフォーム、またはフルスケール製品の内蔵コンポーネントとして使用できます。

Vadatech Inc.

X+

FMC248:30MHz~6GHz、デュアル狭帯域/広帯域RFトランシーバー


FMC248は、VITA 57.1規格に準拠したFPGAメザニン・カード(FMC)です。この低消費電力ユニットは小型フットプリントを実現し、高度に集積化された広帯域RFトランシーバーADRV9002を1つ使用しています。


FMC249:30MHz~6GHz、クワッド狭帯域/広帯域RFトランシーバー


FMC249は、VITA 57.1規格に準拠したFPGAメザニン・カード(FMC)です。この低消費電力ユニットは小型フットプリントを実現し、高度に集積化された広帯域RFトランシーバーADRV9002を2つ使用しています。

Vanteon Wireless Solutions

X+

vNassa SOM


vNassaは、Vanteon Wireless Solutionsが提供する最新のソフトウェア無線(SDR)プラットフォームです。vNassaは、アナログ・デバイセズの高度に集積化された広帯域RFトランシーバーADRV9002と、Xilinx Zynq-7020プログラマブル・システムオンチップ(SoC)をベースとしています。


vProtean SOM


vProteanは、Vanteon Wireless Solutionsが2番目に開発したソフトウェア無線(SDR)プラットフォームであり、アナログ・デバイセズの高度に集積化された広帯域RFトランシーバーADRV9004と、Xilinx Zynq-7020プログラマブル・システムオンチップ(SoC)をベースとしています。

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新しい機能を確認する

Marine performing a test on a radio

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基幹系通信向けのアジャイル・ソフトウェア

スペクトラム拡散の制限とますます拡大する商用セルラ・ネットワーク利用に応じて、無線プラットフォームでは、課題があり動的になることも多いブロッカ条件に対処する必要があります。

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