概要
設計リソース
設計/統合ファイル
- Schematic
- Bill of Materials
- Gerber Files
- PADS Files
- Assembly Drawing
評価用ボード
型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。
- EVAL-SDP-CB1Z ($116.52) Eval Control Board SDP
デバイス・ドライバ
コンポーネントのデジタル・インターフェースとを介して通信するために使用されるCコードやFPGAコードなどのソフトウェアです。
AD719x GitHub no-OS Driver Source Code
ADT74x, ADT73x GitHub no-OS Driver Source Code
AD7192 IIO High Precision ADC GitHub Linux Driver Source Code
機能と利点
- プロセス・コントロールアプリケーション向けアナログ・フロントエンド
- RTD回路、熱電対入力、4 mA-20 mA、 +/- 10V
- 入力タイプを簡単に切り替え可能
製品カテゴリ
マーケット & テクノロジー
使用されている製品
参考資料
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MT-101: Decoupling Techniques2015/02/14PDF954 kB
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MT-023: ADC Architectures IV: Sigma-Delta ADC Advanced Concepts and Applications2015/02/14PDF936 kB
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MT-022: ADC Architectures III: Sigma-Delta ADC Basics2015/02/14PDF289 kB
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MT-031: データ・コンバータのグラウンディングと、「AGND」および「DGND」に関する疑問の解消2009/03/20PDF144 kB
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MT-004: The Good, the Bad, and the Ugly Aspects of ADC Input Noise - Is No Noise Good Noise?2009/03/04PDF342 kB
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CN-0209: プロセス・コントロール・アプリケーション用フル・プログラマブル・ユニバーサル・アナログ・フロントエンド2011/05/27PDF472 kB
回路機能とその特長
図1に示す回路はプロセス・コントロールのアプリケーション用フル・プログラマブル・ユニバーサル・アナログ・フロントエンド(AFE)です。次の入力をサポートします:2線式、3線式、4線式RTD回路、冷接点補償熱電対入力、ユニポーラ/バイポーラ入力電圧、4 mA-20 mA入力。
今日、多くのアナログ入力モジュールでユーザーの入力条件を設定するためにワイヤ・リンク(ジャンパー)が使用されています。ワイヤ・リンクを使用して入力の設定、再設定を行う場合、時間、知識、マニュアルでの介在が必要となります。この回路はRTDを励起する定電流源と共にモードを設定するソフトウェア制御可能なスイッチが内蔵されています。回路は又熱電対回路のコモン・モード電圧を設定するために再設定する事もできます。Σ-Δ ADコンバータに対するアナログ入力電圧範囲を調整するために差動アンプが使用されます。この回路により業界最先端の性能とコストが得られます。
この回路はAD8676とAD8275によって電圧ゲインが提供されるので、特に小信号入力(全てのタイプのRTD又は熱電対)に適しています。
AD7193は24ビットΣ-Δ ADコンバータで、4つの差動入力、又は8チャンネルの擬似差動入力に設定できます。 ADuM1400とADuM1401はマイクロ・コントローラとADC間の必要なすべての信号絶縁を行います。また、この回路は標準的な外部保護回路を含み、IEC61000仕様に準拠しております。
回路説明
この回路は図2の設定図に示すように2線式、3線式、4線式RTD回路、冷接点補償熱電対入力、ユニポーラ/バイポーラ入力電圧、4 mA-20 mA入力をサポートするプロセス・コントロール・アプリケーションのためにフル・プログラマブルなユニバーサル・アナログ・フロントエンド(AFE)を提供します。
シリアル制御オクタルSPSTスイッチの ADG1414は選択した測定モードを設定するために使用されます。
電圧測定
この回路で±10 Vまでのユニポーラ/バイポーラ信号範囲を測定する事ができます。入力信号はADコンバータAD7193の変換前に信号処理段を通過します。アンプAD8676はゲイン段の前段で入力をバッファします。AD8275は入力信号がAD7193の入力範囲に一致するように入力信号をレベルシフトしゲインを提供するために使用されます。AD8275の出力は、そのREFピンに接続されたコモン・モード信号でバイアスされます。この電圧は高精度4.5 VリファレンスREF194によって生成されます。
RTD測定
接続表に示されているように、この回路は2線式、3線式、4線式RTD回路をサポートします。この場合、トランスデューサは1000 Ω白金(Pt)RTD(測温抵抗体)です。最も高精度な回路は4ピンRTD構成です。提示したアプリケーションの中で、外部200 μA電流源はRTDの励起電流を供給します。そして回路のダイナミック・レンジを最大にするためにAD7193をゲイン16で動作させます。RTD測定モードを選択した時、オペアンプAD8617は電流源として設定されます。AD8617は熱電対測定を選択した時にはコモン・モード電圧を設定するためにクローズド・ループに再設定されます。AD8617はデュアルの低ノイズ・アンプなのでボードにある両方の入力チャンネルを駆動できます。電流源設定用の抵抗は測定回路の温度ドリフト誤差を防止するために低温度係数でなければなりません。
熱電対測定
熱電対アプリケーションで、熱電対で発生する電圧は(ADCに外部から供給される)絶対レファレンスを基準に測定されます。冷接点補償は16ビット温度補償センサーADT7310を使用して実行されます。熱電対からの信号が微小な事と回路のダイナミック・レンジを最大にする理由で、AD7193をその最大ゲイン・レンジの128で動作させます。入力チャンネルはバッファされているので、(必要に応じて)フロントエンドに大きなデカップリング・コンデンサを配置して、熱電対ピンに現れるすべてのノイズ混入を除去する事ができます。熱電対測定のためのコモン・モード電圧はアンプAD8617によって供給されます。
4 mA-20 mA電流の測定
この回路は4 mA-20 mA電流測定もサポートします。電流はボード上の検出抵抗を使用して電圧に変換されます。電流測定モードでADCのフル・ダイナミック・レンジを利用できるように抵抗200 Ωを使用します。測定回路で温度ドリフト誤差を防止するために検出抵抗は、低温度係数でなければなりません。
レギュレータとリファレンスの選択
この回路の5 VレギュレータとしてADP1720 を選択しました。ADP1720は得に産業用アンプリケーションに適した高電圧マイクロパワー・リニアレギュレータです。
この回路のリファレンスとして4.5 V REF194を選択しました。Eグレード製品の初期精度は25°Cで±2 mVで、ドリフトは5 ppm/°C maxです。REF194は低ドロップアウト製品で、消費電流は45 μA以下です。又-40°C ~+125°Cで性能が規定されております。
アイソレーション
ADuM1400とADuM1401は、アナログ・デバイセズのiCoupler®技術に基づいた4チャンネルのデジタル・アイソレータです。これらは、フィールド側とシステム側マイクロ・コントローラ間を、絶縁定格2.5 kV rmsで絶縁するために使用されます。4線がADuM1400を通過して使用されます:すべて送信用(SCLK、DIN、ADG1414、ADT7310))。4線がADuM1401を通過して使用されます:1つは送信用(AD7193)で3つは受信用(INT1、INT2、DOUT)。DIN、DOUT、SCLKのラインはSPORTインターフェースに接続されます。
入力 | AD7193 の設定 | RMS ノイズ (nV) | 実効分解能(ビット) |
±10V 入力範囲 |
Gain = 1; 50 Hz and 60 Hz rejection; output data rate = 50 Hz |
7940 |
19.15 |
4 mA to 20 mA 範囲 |
Gain = 1; 50 Hz and 60 Hz rejection; output data rate = 2.63 Hz |
931 |
22.24 |
RTD |
Gain = 16; 50 Hz and 60 Hz rejection; output data rate = 2.63 Hz |
243 |
20.29 |
熱電対 |
Gain = 128; 50 Hz and 60 Hz rejection; output data rate = 2.63 Hz |
220 |
19.23 |
図3は、入力をグラウンドに接続し、バイポーラ入力モードに設定した時の、AD7193の出力性能のヒストグラム・プロットです。このヒストグラムは入力換算ノイズの影響を示しています。このモードで得られた有効分解能は19.2ビットです。
表1にADCからの1000個のデータ・サンプルに基づいた他の動作モードの性能を示します。
この回路には回路の堅牢性を向上するために標準保護ダイオードや電圧トランジェント・サプレッサ(TVS 製品)のような外付け保護も含まれています。CN0209設計支援パッケージhttp://www.analog.com/CN0209-DesignSupportの回路図や他の資料をご覧ください。
回路の評価とテスト
この回路はEVAL-CN0209-SDPZ回路ボードとシステム・デモ用プラットホーム(SDP) 評価ボード(EVAL-SDP-CB1Z)を使用します。2つのボードには、迅速な回路性能の設定と評価を可能とする120ピン接続用コネクタがあります。EVAL-CN0209-SDPZボードは(このノートに記述されているように)評価対象の回路を含んでいます。そしてSDP評価ボードは回路基板(EVAL-CN0209-SDPZ)からのデータを取り込むCN0209 評価ソフトウェアと共に使用します。
必要な装置
- USBポート付きWindows® XP又はWindows Vista®(32ビット)又はWindows® 7(32ビット)対応のPC
- 回路評価ボード(EVAL-CN0209-SDPZ)
- SDP評価ボード(EVAL-SDP-CB1Z)
- CN-0209評価ソフトウェア
- 電源電圧:+15 Vと-15 V
- RTD温度センサー
- 熱電対
初めてみよう
CN0209評価ソフトウェア・ディスクをPCのCDドライブに挿入して評価ソフトウェアをロードしてください。「マイコンピュータ」を使用して、評価ソフトウェア・ディスクのドライブを見つけ、Readmeファイルを開いてください。Readmeファイルに含まれているインストラクションに従って、評価ソフトウェアをインストールし、使用してください。
機能ブロック図
回路ブロック図についてはこの回路ノートの図1を、そして回路図についてはファイル「EVAL-CN0209-SDPZ-SCH-Rev0.pdf」をご覧ください。このファイルは、CN0209設計支援パッケージhttp://www.analog.com/CN0209-DesignSupportに含まれています。
セットアップ
回路ボード(EVAL-CN0209-SDPZ)の120ピン・コネクタを評価(SDP)ボード(EVAL-SDP-CB1Z)の「CON A」と表示されたコネクタに接続してください。120ピン・コネクタの末端にある穴を利用して2つのボードをしっかり固定するためにナイロン製ハードウェアを使用する必要があります。電源を電源オフにして、+15 V電源をボードの「+15 V」と表示されているピンに、-15V電源を「-15 V」と表示されているピンに接続してください。SDPボードと共に供給するUSBケーブルを、PCのUSBポートに接続してください。注:この時にはまだUSBケーブルをSDP基板上のミニUSBコネクタには接続しないでください。
テスト
回路ボード(EVAL-CN0209-SDPZ)に接続した±15 V電源に電源を供給してください。評価ソフトウェアを立ち上げ、PCからのUSBケーブルをSDP基板上のUSBミニ・コネクタに接続してください。
一度USB通信が確立されれば、回路ボード(EVAL-CN0209-SDPZ)からのシリアル・データの送信、受信、取り込みを行うためにSDPボードを使用する事ができます。
電圧測定
電圧測定回路のノイズを測定する場合は、J3とJ4両方の入力をグラウンドに接続してください。次に、ソフトウェアのマッチング・チャンネルのボタンをクリックしてください:V1(チャンネル1を使用する場合)又はV2(チャンネル2を使用する場合)。
電圧を測定する場合は、J3とJ4両方の入力を図2のアナログ入力設定表に示すように接続してください。次に前に説明したようにソフトウェアのマッチング・ボタンをクリックしてください。
結果は波形とヒストグラムとして表示されます。スイッチング・ボタンを使い電圧結果のスケールをμV、mV、Vのいずれかに設定するオプションがあります。
RTD測定
RTD温度センサーを使って温度を測定する場合は入力J1、J2、J3、J4を図2に示すように接続してください。2線式、3線式あるいは4線式が使用されるので、接続には3つの異なる接続方法があります。次に、ソフトウェアのマッチング・ボタンをクリックしてください(チャンネル1はRTD1、チャンネル2はRTD2)。
波形の上のスイッチング・ボタンを利用する事により結果を華氏、摂氏又はケルビンのいずれかの単位で表示できます。
熱電対測定
熱電対を使って温度を測定する場合は入力J1、J2、J3、J4を図2に示すように接続してください。使用している熱電対のタイプを選択してください(B、E、J、K、R、S、T、N)。次に、ソフトウェアのTCボタンをクリックしてください(チャンネル1はTC1、チャンネル2はTC2)。
波形の上のスイッチング・ボタンを利用する事により結果を華氏、摂氏又はケルビンのいずれかの単位で表示できます。
電流測定
電流を測定する場合は、J5とJ6両方の入力を図2に示すように接続してください。次に、マッチング・ボタンをクリックしてください(チャンネル1はI1、チャンネル2はI2)。
スイッチング・ボタンを使って電流結果のスケールをμA、mA、Aのいずれかに設定する事ができます。
DPボードに関する情報は SDPユーザー・ガイド(英語)に載っています。