AN-2046: IEC 61000-4-x および CISPR 11 により試験を行った、AD5758 および ADP1031 使用の工業用プロセス制御アプリケーション向けアナログ出力設計
はじめに
AD5758 はシングルチャンネル 16 ビットの電圧および電流出力D/A コンバータ(DAC)で、ダイナミック消費電力制御(DPC)機能と HART®接続機能を内蔵しています。AD5758 は、工業用プロセス制御アプリケーションのプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)モジュールおよび分散制御システム(DCS)モジュールで機能するよう設計されています。
ADP1031 は高性能の絶縁型マイクロパワー管理ユニット(マイクロ PMU)で、3 種類の絶縁型電源レールを使用できます。更に、ADP1031 には、低消費電力と小さいソリューション・サイズが求められるチャンネル間アプリケーション用に、4 つの高速シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)絶縁チャンネルと 3 つの汎用アイソレータが含まれています。
このアプリケーション・ノートでは、アナログ出力設計の電磁両立性(EMC)試験済みソリューションについて説明します。このソリューションは、ADP1031ACPZ-1-R7(以下、単にADP1031 と呼びます)と、AD5758 のダイナミック消費電力管理機能を備えた工業用プロセス制御向けの出力電圧(VOUT)と出力電流(IOUT)を使用します。IEC 61000-4-x シリーズの規格には、電気および電子機器のシステム・レベルの耐性評価方法が規定されています。
AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの特性評価によって、この回路の性能が放射 RF 妨害波や伝導 RF 妨害波の影響を受けることがなく、静電放電(ESD)、電気的高速トランジェント(EFT)、およびサージに対して十分な耐性を有していることを確認できます。この EMC 試験用ボードに対しては CISPR 11規格による試験も行われており、ADP1031 の改善された電磁干渉(EMI)性能によって、ボードの EMI 放射はクラス B の制限値より十分に低いことが確認されています。ADP1031 は、その高い集積度と最適化された設計により、9dB 以上の余裕を残して CISPR 11 のクラス B の制限値を満たしています。AD5758 およびADP1031 EMC試験用ボード設計は、AD5758とADP1031を使用したマルチチャンネル・アナログ出力アプリケーションがIEC 61000-4-x および CISPR 11 の認証に不合格となるリスクを大幅に減らします。
アプリケーション・ノート AN-1599、「IEC 61000-4-x and CISPR 11 Tested Analog Output Design with the AD5758 for Industrial Process Control Applications」は AD5758 EMC 試験用ボードについて説明したもので、本ボードと同じブランク PCB を使用していますが、その部品表(BOM)の構成が一部異なります。この AD5758EMC 試験用ボードは、ディスクリート IC を使用して ADP1031の電源絶縁とデジタル・アイソレーションを実装しています。AD5758 EMC 試験用ボードも本ボードと同等の EMI 耐性を備えていますが、満たしているのは CISPR 11 クラス A の制限値だけです。詳細についてはアプリケーション・ノート AN-1599 を参照してください。
システム設計
AD5758 DAC の説明
AD5758 はシングルチャンネルの電圧および電流出力 DAC で、AVSS および AVDD1レール間の電圧で動作し、その最大値は 60Vです。内蔵 DPC はパッケージの消費電力を最小限に抑えますが、これは、降圧 DC/DC コンバータを使って、VIOUT 出力ドライバ回路への電源電圧(VDPC+)を5V~27Vに調整することによって実現されます。また、CHARTピンによってHART信号を電流出力にカップリングすることができます。
このデバイスは、多機能の 4 線式シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)を採用しています。このインターフェースは最大 50MHz のクロック・レートで動作し、標準 SPI、QSPI™、MICROWIRE™、DSP、およびマイクロコントローラ・インターフェース標準と互換性があります。また、インターフェースは、オプションの SPI 巡回冗長性チェック(CRC)とウォッチドッグ・タイマー(WDT)を備えています。AD5758 は、出力電流監視や内蔵 12 ビット診断 A/D コンバータ(ADC)などの診断機能を備えています。更に、VIOUT、+VSENSE、および−VSENSEピンに故障保護スイッチを含めることで、堅牢性が強化されています。
詳細については AD5758 のデータシートを参照してください。
ADP1031 マイクロパワー管理ユニットの説明
ADP1031 は、絶縁型フライバック DC/DC レギュレータ、反転DC/DCレギュレータ、および降圧 DC/DCレギュレータを組み合わせた高性能の絶縁型 microPMUで、3 つの絶縁型電源レールを提供します。
回路の説明
この回路は、シングルチャンネル、絶縁型の工業用電圧および電流出力モジュールで、厳しい EMI/EMC環境向けに設計されており、AD5758 DAC と ADP1031 microPMU、および 7 個のデジタル・アイソレータを備えています。この設計は、PLC およびDCS アプリケーションを対象としています。AD5758 およびADP1031 EMC試験用ボードは、IEC 61000-6-2共通規格に定める過酷な工業環境下で使用することを目的とした、IEC 6100-4-xおよび CISPR 11 規格の要求を満たすことができるように設計されています。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、AN1599 に記述されている AD5758 EMC 試験用ボードのバリエーションです(BOM が一部異なる)。これら 2 つのボードは、同じブランク PCB を使って組み立てられています。本アプリケーション・ノートに示すバリエーションの唯一の違いは、LT8300、ADP2360、ADuM141D、ADuM142D、および ADM6339 で構成される電源およびデジタル・アイソレーションのディスクリート実装が、ADP1031 に置き換えられている点です。
設計の促進
AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの電源は、2 つの異なる電源から供給されます。1 つめの 24V 入力は ADP1031 用で、このデバイスは絶縁型電源の設計を大幅に簡素化します。このEMC 試験用ボード上で、ADP1031は、絶縁された 20Vの電源を生成して AD5758 の AVDD1 ピンに供給するために使われています。また、ADP1031 の 5.15V VOUT2は AD5758 の AVDD2ピンに電圧を供給し、同じく−15V VOUT3は AD5758 の AVSSピンに電圧を供給します。もう 1 つの 24V 電源は、マイクロプロセッサとデジタル・アイソレータを含め、システム側領域の回路に電力を供給します。ADP7142 は 24V 電源を 5V まで降圧して、5V ロジックや 5V電源を必要とする回路にそれを供給します。低ドロップアウト(LDO)レギュレータの ADP124は、ADuCM3029を含む低消費電力部品用として、この 5V 電源を更に 3V にレギュレーションします。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは1 つの 24V 電源で動作しますが、システム電源とフィールド電源が分かれていることを明確にするために、2 つの 24V 電源を互いに絶縁する必要があります。これら 2 つの 24V 電源は、システム内でシステム電源とフィールド電源が別々に供給されるような、代表的な使用事例を想定したものです。
絶縁に関する考慮事項
多くの場合、EMC 耐性を改善するために最初に講じられる方法が、絶縁バリアを適切に配置することです。ADP1031 は、フィールド側の AD5758 とシステム側のマイクロコントローラ・ユニット(MCU)の間に電気的な絶縁を提供します。最大限のEMC 性能と EMI 性能を実現するためには、事前に考慮すべき事項がいくつかあります。できるだけ良好な EMI 放射性能を得るには、インダクタとコンデンサからなるフィルタ(LC フィルタ)を、MVDD ピン、SVDD1 ピン、および SVDD2 ピンに接続することを推奨します。このフィルタは、フェライトビーズと100nF および 10nF のコンデンサを互いに並列に接続して構成します。絶縁バリア越しに 0.001µF のセラミック・コンデンサを配置しても、EMI 放射を減らすことができます。詳細については、アプリケーション・ノートAN-1109、「iCoupler デバイスでの放射制御に対する推奨事項」を参照してください。
ADP1031 の絶縁型フライバック・コンバータは、フライバック・トランスを駆動します。1 次側と 2 次側をまたぐ 1nF、3kVのコンデンサは、イメージ電流のリターン・パスを提供します。
ADuCM3029 超低消費電力 ARM® Cortex®-M3 MCU は、AD5758および ADP1031 EMC 試験用ボードのローカル制御とデータ通信を行います。ADuCM3029 の EMI 放射プロファイルは許容できるものであり、IEC 61000-4-x 試験用として十分な耐性を備えています。
プリント回路基板
AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、4 層プリント回路基板(PCB)である FR4 上に実装されています。この PCB の1 次側と 2 次側には 0.5oz の銅箔が、内部のレイヤには 1oz の銅箔が使われています。PCB の層構成を図 3 に示します。
部品配置とレイアウト時の考慮事項
このセクションでは、最小限の必要部品で AD5758 の最大限のEMC 性能と EMI 性能を実現するための設計上の考慮事項(部品の配置とコネクタからの距離に関する一般的な推奨事項)について説明します。
AD5758 のデジタル・インターフェース側は、アイソレータの近くに配置してください。デジタル・ラインのダンピング抵抗(数十 Ω から数百 Ω 程度)は、CMOS のスイッチ・オンとスイッチ・オフに起因する電気的なトランジェントを減衰するので、EMIを抑制する助けとなります。AD5758のVIOUT側は、AD5758および ADP1031 EMC 試験用ボードのエッジにある 4ピン出力端子ブロックに近付ける必要があります。
他の部品の考慮事項
AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、0.1µF、50V、X7R、精度 10%、低等価直列抵抗(ESR)、C0603フットプリントのセラミック・コンデンサをデカップリング・コンデンサに使用していますが、これは性能、ディレーティング、コスト、および省スペースを考慮したトレードオフによるものです。より緊密なデカップリングが必要な場合には、1nF、25V、C0402フットプリントの X7R コンデンサを使用します。
電圧源保護
EMC および EMI の評価と実証の対象は、AD5758 およびその関連周辺部品に限定されます。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボード上の 2 つの 24V 電源回路は、ボードの機能に必要な電圧を提供します。これらの電源回路は、ユーザのオートメーション制御システムの電源モジュールやバックプレーン電源の堅牢性に見合うものとなるように設計されたものではありません。したがって、これらの電源回路に実装されているのは基本的な保護機能だけです。システム側の 24V 電源では保護接地への電力入力端子の各ピンの隣に 1nF のコンデンサが配置されており、3.3nF/3kV のコンデンサを通じて過渡エネルギーをアース・グラウンドに放電させることができます。4.7MΩ の抵抗は、保護接地に蓄積される可能性のあるエネルギーをアースに放出します。電源入力への誤配線を防ぐために、過渡電圧抑制(TVS)ダイオードが挿入されています。この TVS ダイオードは過渡電圧をクランプして、33V(公称値)以上にならないようにします。下流回路から漏出する EMI は、コモンモード・インダクタによって減衰されます。インダクタの後段に挿入された 2 つめのTVS ダイオードは、トランジェントを更にクランプします。フィールド側の 24V 電源も同様の保護方式を採用しています。
ESD 保護
AD5758 および ADP1031 EMC試験用ボードには、適切な ESD保護回路が必要です。保護回路は、電流制限抵抗、過渡電圧クランプ、過渡エネルギーを分流するコンデンサによって構成されます。
AD5758 の EMC および EMI 性能を改善するために最小限必要な部品は、3 つあります。AD5758 の VIOUT ピンと端子ブロック間のパターン上に置かれた 10Ω 抵抗は、このデバイスとの間に流れる過渡電流を制限します。TVS ダイオードは、EMC 事象発生時に基板上の電気的なトランジェントをクランプするのに不可欠です。TVSダイオードは、AD5758と出力端子ブロックの間に挿入します。TVS ダイオードのピンは、短くて太いパターンを使って VIOUT と RETURN スクリュー(P4 端子上)へ直接配線します。TVS ダイオードと並列に置かれた 10nF、50V の X7R コンデンサは、小さい高周波トランジェントを RETURN スクリューへそらします。また、AVDD1 レールと AVSS レールに接続したオプションのクランプ・ダイオードをVIOUTラインに追加すれば、堅牢性を更に向上させることができます。ただし、AD5758 およびADP1031 EMC試験用ボードにこれらのダイオードは不要で、なくても EMC および EMI 性能に関する目標は満たされています。
回路の評価とテスト
AD5758 リファレンス設計は、PC に接続して動作させるか、スタンドアロン・モードで動作させます。PC のグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)は、DAC 出力範囲、出力コード、ADC シーケンシングなどの実行パラメータを設定します。GUI は故障フラグ・マップを表示し、AD5758 の内蔵診断 ADCノードの指示値をプロットします。
内蔵フラッシュ・メモリ内に動作パラメータを設定した後は、ソフトウェアの動作中にボードと PCまたはコントローラ・ボードとの接続を外すことができます。ボードを動作させるには、AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの電源を入れて、RUN ボタンまたは STOP ボタンを押します。
AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの一般的な EMC 試験用セットアップを図 5 に示します。破損を招く可能性のあるEMC 試験を行う場合は、各試験の前後に、高精度のベンチトップ型デジタル・マルチメータ(DMM)によって、AD5758 から負荷抵抗への出力を 300 回測定します。性能の基準を満たすには、2 セットの DMM 測定値の差が、予め設定された範囲内になければなりません。最大許容差はフル・スケールの 0.1%で、これは工業用オートメーション・アプリケーションの一般的な条件に一致するものです。
破損のおそれのない EMC 試験の際には、ベンチトップ型 DMMによって負荷抵抗への AD5758 出力を継続的に測定します。性能基準を判定するために、EMC イベント発生時と発生後の測定値が、EMC イベント発生前の DMM 測定値の平均と比較されます。
EMI 試験において、AD5758 は、1kHz でリフレッシュされるフル・スケールの電圧または電流を出力するように設定され、AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードはスタンドアロン・モードで使われます。このセットアップで使用する補助デバイスは、AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードに電源を供給する 2 つの 24V バッテリ・パックだけです。これらのバッテリ・パックは、EMI には関与しないものとします。
必要なソフトウェア
AD5758 の EMC 試験を実施するには、次のソフトウェアが必要です。
- AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードのファームウェア(レビジョン 57-58-E0-01)
- AD5758 システム EMC GUI ソフトウェア(レビジョン1.0.0.1)
- Keysight Technologies Bench Vue™ソフトウェア(バージョン 2.6)
必要な装置
AD5758 の EMC 試験を実施するには、次の装置が必要です。
- 光 USB トランシーバー基板
- 工業用光ファイバ・ケーブル
- Windows® 7、64 ビット・バージョン、イメージモデル V3.0.2011.10.14 を実行する PC
- DC 電源:Agilent 3630A、および Agilent 3631A
- デジタル・マルチメータ:Keysight 33470A
- 2m(1 ツイスト・ペア)の多芯ケーブル:Belden 8761
- ライン・フィルタ:Schaffner FN353Z-30-33
負荷抵抗は、2m のケーブル(Belden 8761、シールドされたツイスト・ペア)で AD5758 に接続します。電流出力モードの負荷抵抗は、ラジアル・リード、500Ω、±0.005%、±0.8ppm/ºC、600mW、300Vの薄膜抵抗です。電圧出力モードの負荷は、ラジアル・リード、1kΩ、±0.01%、±0.8ppm/ºC、600mW、300V の薄膜抵抗です。
後段にローパス・フィルタが接続された 1 対のツイスト・ペア線が、負荷抵抗にかかる電圧を検出します。このフィルタ出力を、1 対のツイスト・ペア線で Keysight 33470A DMM に接続します。DMM の積分時間は、0.02 電源ライン・サイクル(400µs)に設定します。DMM と PC は USB ケーブルで接続します。AD5758 GUI ソフトウェアは、電気的に絶縁されたデータ・リンクを介して、AD5758のステータス・レジスタを1msごとにモニタします。
AD5758 システム EMC GUI ソフトウェアは、ローカル・マイクロプロセッサにパラメータを送って、AD5758へ書込みを行います。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、それぞれのEMC および EMI 試験項目ごとに、電圧出力モードと電流出力モードで試験を行います。
それぞれの出力モードで 2 つの出力条件が確認されます。1 つめの条件は、AD5758 に対して 2 秒ごとに行われる 0xFFFF と0x8000 の交互書込みです。これは、EMC 試験時に、入力コードに従って AD5758 出力が能動的に更新されていることを確認するために行われます。2 つめの条件は、AD5758 に対して 1ms ごとに行われる 0xFFFF の固定書込みです。これは、EMC イベント発生時と発生後に、AD5758 の出力変動を簡易計算するために行われます。
AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、表 1 と表 2 に示す CISPR 11 および IEC 61000-4-x 規格に従って試験が行われ、これらの規格に適合していることが確認されています。表 2 の性能の基準を表 3 に示します。
規格と性能基準
AD5758およびADP1031 EMC試験用ボードは、EMCおよび EMI試験の項目と制限値、および性能基準を満たすように設計されています。この EMC 試験用ボードの制限値と性能基準は、IEC61000-6-2 規格と IEC 61131-2 規格に従って定められています。これらの規格に従い、該当する次の 6 種類の試験を選択しました。
- IEC 61000-4-2
- IEC 61000-4-3
- IEC 61000-4-4
- IEC 61000-4-5
- IEC 61000-4-6
- CISPR 11
Test | Basic Standard | Frequency Range (MHz) | Limits | Measured Minimum Margin (dBμV/m) | Result |
Radiated Emissions | CISPR 11, Class B | 30 to 1000 | See Table 11 and Table 12 | 9.07 | Pass |
Test | Basic Standard | Test Levels | Performance Criterion | Measured Minimum Margin |
Result |
Conducted Immunity | IEC 61000-4-6 | 20 V/m | A | See Table 4 | Pass |
Radiated Immunity | IEC 61000-4-3 | 20 V/m | A | See Table 10 | Pass |
ESD | IEC 61000-4-2 IEC 61000-4-2 IEC 61000-4-2 |
±6 kV contact ±12 kV air ±30 kV coupling |
B B B |
See Table 5 See Table 6 See Table 7 |
Pass Pass Pass |
EFT | IEC 61000-4-4 | ±4 kV | B | See Table 8 | Pass |
Surge | IEC 61000-4-5 | ±4 kV | B | See Table 9 | Pass |
性能基準 | 説明 |
A | メーカーが仕様規定する誤差範囲内での正常動作。 |
B | 一時的な機能喪失または性能低下。これは障害が除去されると消失する。試験対象の装置(EUT)は、オペレータが介入することなく正常動作に回復する。 |
C | 一時的な機能の喪失または性能の低下。性能の回復には、手動での再起動、電源オフ、電源オンなどのオペレータの介入が必要。 |
D | 回復不能な機能喪失または性能低下。ハードウェアやソフトウェアに恒久的な損傷が発生したり、データが喪失したりする。 |
AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードのEMC および EMI 測定結果
伝導耐性
IEC 61000-4-6 に従い、EUTはグラウンド基準面から0.1mの高さにある絶縁支持体の上に置きます。EUT から出る配線は、すべてグラウンド基準面から少なくとも 30mm の高さで保持します。カップリング/デカップリング・ネットワーク(CDN)801A を使用して干渉を加えます。ケーブルは減衰クランプ KEMZ801Aでデカップリングします。周波数の掃引範囲は、150kHz~80MHz(20V/m)で、1kHz のサイン波で 80%の振幅変調の妨害信号を使用します。ステップの大きさは、初めは開始周波数の1%で、その後はその直前の周波数の 1%ずつインクリメントしながら掃引します。振幅変調された搬送波の保持時間は各周波数で0.5秒です。DMMはこの時間内に 30回以上の測定を完了することができますが、これは誤差の偏差を計算するのに十分な回数です。
Output Mode | Average Before Zap | During Zap | Average After Zap | Deviation of Full Scale (ppm) | Pass or Fail | |
Minimum | Maximum | |||||
VOUT = 10 V | 9.999341 V | 9.997904 V | 10.000008 V | 9.999395 V | −0.009%, 0.004% | Pass, Criterion A |
IOUT = 20 mA | 19.960074 mA | 19.959014 mA | 19.962312 mA | 19.960025 mA | −0.007%, 0.014% | Pass, Criterion A |
ESD 耐性
試験スタンドには、グラウンド基準面に置いた高さ 0.8m の非導電性テーブルを使用します。テーブル上には 1.6m × 0.8m の水平結合板(HCP)を置き、EUT とケーブルは厚さ 0.5mm の絶縁マットで結合板から絶縁します。
AD5758 の出力端子ブロック(P4)の VIOUT および RETURN端子ネジに対して、接触放電を行います。EUT には各定格で少なくとも 20 回の放電を行い(正負それぞれの極性で各 10 回)、放電は 1 秒に 1 回の割合とします。
次に、AD5758の出力端子ブロックに対して気中放電を行います。EUT には各定格で少なくとも 20 回の放電を行い(正負それぞれの極性で各 10 回)、放電は 1 秒に 1 回の割合とします。
更に、HCP と垂直結合板(VCP)に対して結合放電を行います。EUT には各定格で少なくとも 20 回の放電を行い(正負それぞれの極性で各 10 回)、放電は 1 秒に 1 回の割合とします。結合板とアース・グラウンドの間には 470kΩ のブリーダ抵抗を 2 個接続します。
Test Level | Output Mode | Zap Point on P4 | Before Zap | After Zap | Deviation of Full Scale (ppm) | Pass or Fail |
6 kV Contact Discharge | VOUT = 10 V | VIOUT terminal screw | 9.999939 V | 9.999964 V | 3 | Pass, Criterion B |
VOUT = 10 V | RETURN terminal screw | 9.999946 V | 9.999965 V | 2 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | VIOUT terminal screw | 19.961543 mA | 19.961512 mA | −2 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | RETURN terminal screw | 19.961495 mA | 19.961551 mA | 3 | Pass, Criterion B | |
−6 kV Contact Discharge | VOUT = 10 V | VIOUT terminal screw | 9.998116 V | 9.998157 V | 4 | Pass, Criterion B |
VOUT = 10 V | RETURN terminal screw | 9.999761 V | 9.999805 V | 5 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | VIOUT terminal screw | 19.961541 mA | 19.961490 mA | −3 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | RETURN terminal screw | 19.961426 mA | 19.961442 mA | 1 | Pass, Criterion B |
Test Level | Output Mode | Zap Point on P4 | Before Zap | After Zap | Deviation of Full Scale (ppm) | Pass or Fail |
12 kV Air Discharge | VOUT = 10 V | VIOUT terminal block | 9.999615 V | 9.999612 V | −1 | Pass, Criterion B |
IOUT = 20 mA | VIOUT terminal block | 19.960970 mA | 19.960972 mA | 1 | Pass, Criterion B | |
−12 kV Air Discharge | VOUT = 10 V | VIOUT terminal block | 9.999562 V | 9.999572 V | 1 | Pass, Criterion B |
IOUT = 20 mA | VIOUT terminal block | 19.960957 mA | 19.961000 mA | 2 | Pass, Criterion B |
Test Level | Output Mode | Zap Point | Before Zap | After Zap | Deviation of Full Scale (ppm) | Pass or Fail |
30 kV Coupling Discharge | VOUT = 10 V | Horizontal plane | 10.000360 V | 10.000379 V | 2 | Pass, Criterion B |
VOUT = 10 V | Vertical plane | 10.000385 V | 10.000371 V | −2 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | Horizontal plane | 19.961024 mA | 19.960967 mA | −3 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | Vertical plane | 19.961045 mA | 19.960978 mA | −4 | Pass, Criterion B | |
−30 kV Coupling Discharge | VOUT = 10 V | Horizontal plane | 10.000398 V | 10.000384 V | -2 | Pass, Criterion B |
VOUT = 10 V | Vertical plane | 10.000387 V | 10.000378 V | −1 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | Horizontal plane | 19.961049 mA | 19.961004 mA | −3 | Pass, Criterion B | |
IOUT = 20 mA | Vertical plane | 19.961010 mA | 19.960995 mA | −1 | Pass, Criterion B |
電気的高速トランジェントに対する耐性
IEC 61000-4-4 に従い、EUT の試験は、アナログ入力ケーブルに4000V の放電を加えることによって行います。正負両極性の放電を印加します。EFT 発生器の同軸出力から EUT の端子までの活線の長さは、1m を超えないようにします。各試験シーケンスの持続時間は 1 分です。トランジェント波形とバースト波形は、IEC 61000-4-4 に従い立上がり時間 5ns、パルス幅 50ns とします。
試験時は、厚さ 0.25 ㎜以上の銅で覆った高さ 0.8mの木製テーブルを、保護接地システムに接続した状態で使用します。EUT は0.1m の厚さの絶縁支持体の上に置き、EUT と試験室の壁との間に最低 0.5m の距離を保ちます。
Test Level | Output Mode | Before Zap | After Zap | Deviation of Full Scale (ppm) |
Pass or Fail |
4 kV EFT | VOUT = 10 V | 10.000216 V | 10.000277 V | 4 | Pass, Criterion B |
IOUT = 20 mA | 19.960184 mA | 19.960118 mA | −5 | Pass, Criterion B | |
−4 kV EFT | VOUT = 10 V | 10.000269 V | 10.000254 V | −1 | Pass, Criterion B |
IOUT = 20 mA | 19.960140 mA | 19.960190 mA | 4 | Pass, Criterion B |
サージ耐性
工業環境について定めた IEC 61000-4-5 規格によれば、サージは、立上がり時間 1.2µs、パルス幅 50µs のオープン・サーキット電圧と、立上がり時間 8µs、パルス幅 20µs の短絡電流のコンビネーション波形です。EUT は各定格で 5 回の正のサージと 5 回の負のサージを受けます。各サージの間隔は 1 分で、サージはAD5758の出力ケーブルに印加します。このケーブルは、EUTへのシールドされていない非対称相互接続線として取り扱われます。サージは CDN174 を通じ、容量性カップリングを介してラインに印加されます。
CDN が、EUT の仕様規定された機能条件に影響を与えることはありません。EUT と CDN 間の相互接続線の長さは 2m 以下とします。
Test Level | Output Mode | Before Zap | After Zap | Deviation of Full Scale (ppm) |
Pass or Fail |
4 kV Surge | VOUT = 10 V | 9.999588 V | 9.999406 V | −12 | Pass, Criterion B |
IOUT = 20 mA | 19.960027 mA | 19.960030 mA | 1 | Pass, Criterion B | |
−4 kV Surge | VOUT = 10 V | 9.999328 V | 9.999389 V | 4 | Pass, Criterion B |
IOUT = 20 mA | 19.959943 mA | 19.959980 mA | 3 | Pass, Criterion B |
放射耐性
工業環境について定めた IEC 61000-4-3 規格に従い、試験は完全電波暗室で行います。EUTは高さ 0.8m の非導電性テーブルの上に置きます。補助装置として使用する DMM はテーブル下のシールドされたボックス内に置き、負荷抵抗の位置で AD5758 の出力を測定します。DMM の測定データは、イーサネット・ケーブルを介して室外の PC へ送られます。送信アンテナは EUTから 3m の位置に配置します。周波数の掃引範囲は 80MHz~1000MHz および 1000MHz~6000MHz とし、1kHz のサイン波を使用して 80%の信号振幅変調を行います。この周波数範囲を、直前の周波数の 1%のステップ量でインクリメントしながら掃引します。各周波数の保持時間は 1 秒で、EUT の応答に必要な時間を下回ることはありません。この間に DMM は 20 回の測定を完了することができますが、これは誤差の偏差を計算するのに十分な回数です。電界強度は 80MHz~1000MHz の範囲で 20V/m、1000MHz~6000MHz の範囲で 10V/m です。試験は、垂直方向と水平方向の電界内に EUT を置いて行います。
Frequency Range | Test Level | Antenna Polarization | Output Mode | Average | During Zap (Maximum) | During Zap (Minimum) | Deviation 0f Full Scale (%) | Pass or Fail |
80 MHz to 1000 MHz | 20 V/m | Horizontal | VOUT = 10 V | 9.999848 | 10.000866 | 9.998624 | −0.013, 0.010 | Pass, Criterion A |
20 V/m | Vertical | VOUT = 10 V | 9.999883 | 10.001688 | 9.998599 | −0.012, 0.019 | Pass, Criterion A | |
20 V/m | Horizontal | IOUT = 20 mA | 19.996675 | 19.998610 | 19.994331 | −0.012, 0.009 | Pass, Criterion A | |
20 V/m | Vertical | IOUT = 20 mA | 19.996793 | 20.000425 | 19.994738 | −0.011, 0.018 | Pass, Criterion A | |
1000 MHz to 6000 MHz | 10 V/m | Horizontal | VOUT = 10 V | 9.999852 | 10.000866 | 9.998709 | −0.011, 0.010 | Pass, Criterion A |
10 V/m | Vertical | VOUT = 10 V | 9.999827 | 10.000857 | 9.998649 | −0.012, 0.010 | Pass, Criterion A | |
10 V/m | Horizontal | IOUT = 20 mA | 19.996832 | 19.998542 | 19.994976 | −0.010 0.008 | Pass, Criterion A | |
10 V/m | Vertical | IOUT = 20 mA | 19.996822 | 19.998695 | 19.994976 | −0.009, 0.010 | Pass, Criterion A |
EMI 放射
CISPR 11 規格に従い、EUT は、半電波暗室に置かれ、アンテナから 10m 離れたグラウンド上 0.8m の位置にある回転テーブル上に配置します。テーブルは 360º 回転し、放射が最大となる位置を特定します。EUT は、水平偏波または垂直偏波の位置に設定可能な干渉受信アンテナから 10m の距離を置いて配置します。アンテナは高さを変更できるアンテナ用シャフトに取り付けられています。アンテナの高さはグラウンドの上 1m~4m の範囲で変更可能で、電界強度の最大値を特定できます。EUT は一般的に最も厳しいケースに構成されており、アンテナは高さ 1m~4m で調整され、またテーブルは 0º~360º の範囲で回転されて、測定値が最大となる点を検出します。EUT にとって一般的に最も厳しいケースとは、AD5758 が、そのフル・スケールの電圧または電流出力時に 1kHz でリフレッシュされることを意味します。試験のレシーバー・システムは準尖頭値検出モードに設定します。EUT への給電は、24V DC のバッテリ・パック 2 個で行います。補助電源からの EMI 放射はすべて除外できます。
AN-1599 は、AD5758 EMC 試験用ボードについてのアプリケーション・ノートです。このボードは、AD5758 および ADP1031EMC 試験用ボードと同じブランク PCB を使用していますが、組み立てに使用している部品が一部異なっており、ディスクリート IC を使用して電源およびデジタル・アイソレーション部分を実装しています。AD5758 EMC 試験用ボードの EMI ピークは205MHz 付近ですが、CISPR 11 クラス B に対して 6dB のマージンを満たしていません。これに対し、AD5758 および ADP1031EMC 試験用ボードでは、この周波数付近で EMI が 10dB 以上低いだけでなく、CISPR 11 クラス B の制限値がより厳しい 30MHz~230MHz の範囲でも、非常に低い EMI プロファイルを示します。これは主に、ADP1031 の集積度が高く、EMI に関する設計が最適化されていることによります。
Frequency (MHz) | Result (dBμV) | Limit (dBμV) | Margin (dB) | Height (cm) | Degree (°) | Antenna Polarity | Remark |
31.9400 | 21.68 | 30 | −8.32 | 203 | 361 | Vertical | Peak detection |
143.4900 | 17.49 | 30 | −12.51 | 100 | 237 | Vertical | Peak detection |
359.8000 | 22.33 | 37 | −14.67 | 100 | 157 | Vertical | Peak detection |
597.4500 | 26.28 | 37 | −10.72 | 399 | 357 | Vertical | Peak detection |
776.9000 | 28.95 | 37 | −8.05 | 199 | 0 | Vertical | Peak detection |
823.4600 | 29.54 | 37 | −7.46 | 300 | 33 | Vertical | Peak detection |
30.0000 | 21.85 | 30 | −8.15 | 200 | 320 | Horizontal | Peak detection |
330.7000 | 20.11 | 37 | −16.89 | 101 | 213 | Horizontal | Peak detection |
551.1200 | 24.43 | 37 | −12.57 | 400 | 327 | Horizontal | Peak detection |
680.8700 | 32.86 | 37 | −4.14 | 101 | 287 | Horizontal | Peak detection |
680.9500 | 27.16 | 37 | −9.84 | 101 | 275 | Horizontal | Quasi peak |
790.4800 | 29.98 | 37 | −7.02 | 101 | 2 | Horizontal | Peak detection |
914.6400 | 29.97 | 37 | −7.03 | 300 | 362 | Horizontal | Peak detection |
Frequency (MHz) | Result (dBμV) | Limit (dBμV) | Margin (dB) | Height (cm) | Degree (°) | Antenna Polarity | Remark |
30.0000 | 22.93 | 30 | −7.07 | 100 | 309 | Vertical | Peak detection |
348.1600 | 22.97 | 37 | −14.03 | 100 | 135 | Vertical | Peak detection |
467.4700 | 23.96 | 37 | −13.04 | 300 | 259 | Vertical | Peak detection |
649.8300 | 27.43 | 37 | −9.57 | 200 | 84 | Vertical | Peak detection |
777.8700 | 29.40 | 37 | −7.60 | 399 | 262 | Vertical | Peak detection |
923.3700 | 29.20 | 37 | −7.80 | 100 | 251 | Vertical | Peak detection |
30.9700 | 21.34 | 30 | −8.66 | 300 | 360 | Horizontal | Peak detection |
356.8900 | 21.49 | 37 | −15.51 | 300 | 241 | Horizontal | Peak detection |
599.3900 | 26.73 | 37 | −10.27 | 300 | 360 | Horizontal | Peak detection |
681.5000 | 27.93 | 37 | −9.07 | 101 | 183 | Horizontal | Quasi peak |
683.7800 | 32.35 | 37 | −4.65 | 101 | 243 | Horizontal | Peak detection |
821.5200 | 28.78 | 37 | −8.22 | 101 | 191 | Horizontal | Peak detection |
889.4200 | 28.38 | 37 | −8.62 | 400 | 221 | Horizontal | Peak detection |
EMC 基板の回路図とアートワーク
オーダー情報
部品表
Reference Designator | Part Description | Part Number | Manufacturer |
C1, C2, C13, C17 | Capacitor, ceramic, C0G (NP0), general-purpose, 20 pF | GRM1885C1H200JA01D | Murata |
C3 to C7, C10, C14 to C16, C21, C23, C27 to C29, C32, C33, C35, C46, C52, C55, C64, C68, C80, C81, C117, C119 to C121, C128, C141 | Capacitor, ceramic, X7R, 0603, 0.1 μF | 06035C104KAT2A | AVX |
C175,C176,C177 | Capacitor, ceramic, X7R, general-purpose, 0.01 μF | GRM155R71E103KA01D | Murata |
C178 | Capacitor, ceramic, NP0, general-purpose, 22 pF | CC0402JRNPO9BN220 | YAGEO |
C122 | Multilayer ceramic capacitor (MLCC) for high voltage, X7R, 3300 pF | HV1812Y332KXHATHV | Vishay |
C9,C11 | Capacitor, ceramic, X5R, general-purpose, 10 μF | GRM31CR61H106KA12L | Murata |
C22, C24, C25, C30,C31, C45, C82, C118 | MLCC, X5R, 4.7 μF | C2012X5R1H475K125AB | TDK |
C8, C12 | Capacitor, ceramic, 8.2 pF | 06035A8R2CAT2A | AVX |
C39, C125 | Capacitor, ceramic, X7R, high voltage, 0.001 μF | C1812C102KHRACTU | Kemet |
C130 | Capacitor, ceramic, X7R, soft termination, 0.01 μF | C1608X7R1H103K080AE | TDK |
C53, C131, C133, C138, C142 to C144 | Capacitor, ceramic, X7R, 0.01 μF | GCM155R71H103KA55D | Murata |
C18, C19 | Capacitor, ceramic, X7R, 0.47 μF | C1608X7R1H474MT | TDK |
C26 | MLCC, X5R, 10 μF | C2012X5R1V106K085AC | TDK |
C34 | Capacitor, ceramic, X7R, 2.2 μF | UMK212BB7225KG-T | Taiyo Yuden |
C37, C44, C47 to C49, C54 | Capacitor, ceramic, X7R, general-purpose, 2.2 μF | GRM31CR71H225KA88L | Murata |
C38 | Capacitor, ceramic, NP0, 220 pF | CC0603JRNPO9BN221 | Yageo |
C40, C41, C95, C96 | Capacitor, ceramic, NP0, 0.001 μF | 12065A102JAT2A | AVX |
C50 | Capacitor, ceramic, C0G (NP0), general-purpose, 0.002 μF | GRM2165C1H202JA01D | Murata |
C56, C57 | Capacitor, ceramic, X7R, general-purpose, 0.01 μF | GCG188R71H103KA01D | Murata |
C62 | Capacitor, ceramic, X5R, general-purpose, 4.7 μF | GRM21BR61E475KA12L | Murata |
C63 | Capacitor, ceramic, X7R, 1 μF | 0603YC105KAT2A | AVX |
D4, D10 | Diode, general-purpose, rectifier | S2M | ON Semiconductor |
D5, D6, D11, D12 | Diode, TVS, bidirectional | SMCJ33CA-TR | ST Microelectronics |
D16 | Diode, TVS, bidirectional | SMAJ33CA-TR | ST Microelectronics |
D2 | Diode, Schottky Rectifier | BAT46W-7-F | Diodes Incorporated |
DS1, DS2, DS5, DS6 | LED, SMD, 0603,green | SML-LX0603GW-TR | Lumex |
DS3, DS4, DS7 | LED, SMD, 0603, red | TLMS1100-GS08 | Vishay |
E1, E2, E3, E4 | Inductor, ferrite bead, 1 .5kΩ, 100 MHz | BLM18HE152SN1D | Murata |
E5, R68, R166, R167 | Resistor, thick film, chip, 1210, 0 Ω | CRCW12100000Z0EAHP | Vishay |
FL1 | Filter, EMI, common-mode, 30 dB, 0.1 A, 8 Ω | EMI2121MTTAG | ON Semiconductor |
JP25, JP26 | Connector, PCB, header jumper, 1 × M000385 | 22-03-2031 | Molex |
L1, L6, L8 | Ferrite bead ,SMD, 120 Ω, 120 nH | LI0805H750R-10 | Laird |
L2, L3 | Inductor, power choke, 100 μH | LPS5030-104MRB | Coilcrft |
L5 | Inductor, shielded power, 47 μH | LPS4018-473MRB | Coilcraft |
P1 | Connector, PCB, header, low profile | 5103308-5 | TE Connectivity LTD |
P2, P14 | Connector, PCB, terminal block, two position, green | 1727010 | Phoenix Contact |
P3 | Connector, PCB, receptor, mini USB 2.0 | UX60SC-MB-5S8 | Hirose |
P4 | Connector, PCB, four position terminal block, single-row, straight, 2.54 mm pitch, 3.5 mm tail length | 1725672 | Phoenix Contact |
P8, R1, R2, R14, R16 to R18, R60, R164, R170, R173 | Resistor, thick film, chip, 0603, 0 Ω | MC0603WG00000T5E-TC | Multicomp |
R9, R10, R36, R37, R143, R152, R154 R155 | Resistor, thick film, chip, 0603, 10 kΩ | MC0100W0603110K | Multicomp |
R19 to R21, R23, R24, R27 to R32, R47 to R54, R62 to R65 | Resistor, thick film, chip, 0603, 100 Ω | MC0.063W06031100R | Multicomp |
R3, R4, R11, R33, R61, R76, R77 | Resistor, thick film, chip, 0603, 499 Ω | ERJ-3EKF4990V | Panasonic |
R5 to R8, R12, R22, R25, R26, R34, R35, R38, R40 to R42, R66, R67, R74, R75, R141, R151, R163, R168, R171, R182 | Resistor, thick film, chip, 0603, 100 kΩ | ERJ-3EKF1003V | Panasonic |
R138 | Resistor, thick film, chip, 0603, 1 MΩ | ERJ-3EKF1004V | Panasonic |
R139 | Resistor, thick film, chip, 0603, 210 kΩ | ERJ-3EKF2103V | Panasonic |
R89 | Resistor, thick film, chip, 0402, 0 Ω | MC00625W040210R | Multicomp |
R13, R15, R92 to R94, R140, R142, R148 | Resistor, thick film, chip, 0603, 33 Ω | MC0.063W0603133R | Multicomp |
R43 | Resistor, thick film chip, 0603, 31.6 kΩ | ERJ-3EKF3162V | Panasonic |
R44, R46 | Resistor, thick film, chip, 0603, 560 kΩ | MC 0.063W 0603 1% 560K | Multicomp |
R45 | Resistor, thick film, chip, 0603, 23.2 kΩ | ERJ-3EKF2322V | Panasonic |
R56, R145 | Resistor, thick film, chip, 0603, 1 kΩ | MC0063W060311K | Multicomp |
R176, R177 | Resistor, thin film, chip, 0805, 0 Ω | MC0.1W08050R | Multicomp |
R180, R181 | Resistor, thick film, chip, 0603, 2 kΩ | MC0.063W060312K | Multicomp |
R55 | Resistor, precision, thin film, 0603, 13.7 kΩ | RN73C1J13K7BTG | TE Connectivity |
R57 | Resistor, thick film, chip, 0805, 10 Ω | ERJ-6ENF10R0V | Panasonic |
R58 | Resistor, thick film, high voltage, chip, 4.7 MΩ | CHV2010-JW-475ELF | Bourns |
S1 to S4 | Switch, surface mount, SMT | B3S1000 | Omron |
T1, T3 | Common-mode choke, DLW5BS series, 190 Ω, 5 A | DLW5BSN191SQ2L | Murata |
T2 | Flyback transformer, 1:1 ratio, 280 μH, 250 mA | 750316743 | Würth Elektronik |
U1 | IC, ultra low power, Arm Cortex-M3, MCU | ADuCM3029BCPZ | Analog Devices |
U11 | IC, micropower, precision, series mode, voltage reference | AD1582ARTZ | Analog Devices |
U13 | IC, TTL, single, two input positive and gate | SN74LVC1G08DBVT | Texas Instruments |
U2 | IC, 3 V, 128 Mb, serial flash memory with dual/quad SPI and quick path interconnect (QPI) | W25Q128FVSIG | Winbond |
U26 | IC, TTL, single, two-input, positive and gate | SN74AHCT1G08DCKR | Texas Instruments |
U3 | IC, isolated micro power management unit and digital isolator, adjustable VOUT1, 5.15 V VOUT2, adjustable VOUT3 | ADP1031ACPZ-1-R7 | Analog Devices |
U4 | IC, single-channel, 16-bit, current/voltage output DAC, dynamic power control, HART connectivity | AD5758BCPZ-REEL | Analog Devices |
U6 | IC, low noise, CMOS, LDO regulator, 5 V voltage output | ADP7142ARDZ-5.0 | Analog Devices |
U7 | IC, USB, serial universal asynchronous receiver/transmitter (UART) | FT232RQ | FTDI |
U8 | IC, low quiescent current, CMOS linear regulator, 3.0 V voltage output | ADP124ARHZ-3.0-R7 | Analog Devices |
U9 | IC, micropower voltage reference, 2.5 V voltage output | ADR3425ARJZ-R7 | Analog Devices |
Y1 | IC, crystal, SMD, 12.5 pF, 32.7680 kHz | MC-306-32.7680K- A0:ROHS | Seiko |
Y2 | IC, crystal, ultraminiature ceramic sealed, 10 pF, 26.000 MHz | ABM8G-26.000MHZ- B4Y-T | Abracon |