概要
設計リソース
評価用ボード
型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。
- AD8475-EVALZ ($24.70) AD8475 evaluation board used to evaluate this circuit. Please see "Circuit Evaluation & Test" section for set up information.
- EVAL-AD7982SDZ ($120.02) AD7982 evaluation board used to evaluate this circuit. Please see "Circuit Evaluation & Test" section for set up information.
- EVAL-SDP-CB1Z ($116.52) Eval Control Board
デバイス・ドライバ
コンポーネントのデジタル・インターフェースとを介して通信するために使用されるCコードやFPGAコードなどのソフトウェアです。
機能と利点
- 工業向け入力電圧レベル:最大+/- 10V
- 18ビットSARコンバータに対するシングル・エンドから差動へのインターフェース
- 低消費電力、合計22 mW以下
- 単電源5Vレール
製品カテゴリ
マーケット & テクノロジー
使用されている製品
参考資料
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The Data Conversion Handbook, 20052005/01/02
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MT-076: Differential Driver Analysis2015/02/14PDF95 kB
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MT-035: Op Amp Inputs, Outputs, Single-Supply, and Rail-to-Rail Issues2015/02/14PDF115 kB
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MT-075: 高速 ADC 向け差動ドライバの基礎と応用2009/02/03PDF0
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MT-074: 高精度 A/D コンバータ用の差動ドライバ2009/02/03PDF358 kB
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CN-01802010/11/16PDF388 kB
回路機能とその特長
標準的な工業用途のシングルエンド信号のレベルは、±5V、±10V、0V~+10Vで、最新の高精度16ビットまたは18ビット単電源のSAR型ADCの差動入力範囲と、直接の互換性を備えていません。適切なインターフェース・ドライブ回路には、アッテネータ機能、レベル・シフトの必要があり、それに加えて工業用信号を、ADCの入力要求にマッチするような、正しい振幅で正しいコモンモード電圧を持った、差動信号に変換する必要があります。適切なインターフェース回路は、抵抗ネットワークとデュアル・オペアンプを使って設計することができますが、抵抗器同士およびアンプ間のマッチングに起因する誤差が最終出力での誤差を招いてしまいます。必要な出力位相のマッチングやセトリング時間を達成することは、特に低消費レベルでは、問題となり得ます。
図1に示された回路はAD8475差動アンプを使っており、アッテネータ機能、レベル・シフトを行い、一切の外付け部品を使わずに差動信号への変換を行っています。ACおよびDCでの性能は、18ビット、1MSPSのPulSAR®シリーズAD7982・ADCや、このファミリの他の16ビットおよび18ビット製品で、最速サンプリング速度4MSPSを持ったADCに、互換となっています。
AD8475は、ゲイン設定用の高精度薄膜ゲイン抵抗を内蔵した、完全差動のアッテネーションアンプです。この製品は、高精度な減衰率(0.4倍または0.8倍)、コモンモード・レベルのシフト及び、入力過電圧保護を備えた、シングルエンド-差動変換、を提供します。消費電力は、単電源5Vでわずか15mWです。18ビット、1MSPSのAD7982はわずか7mWしか消費しませんので、競合製品のADCよりも1/30と低くなっています。この組み合わせでの合計の電力消費は、わずか22mWです。
回路説明
AD8475アッテネーションアンプとAD7982、18ビット差動ADCは、単電源5Vを使って、工業プロセス用の比較的大きなレベルの信号に対して、高精度アナログ・フロントエンド・システムに使用することができます。 AD8475は、内蔵の高精度にトリミングされた抵抗器を介して達成される、0.4倍の係数によって、入力信号を減衰するように接続されています。単電源5Vで、25Vp-pもの大きな電圧を入力することができます。 差動のレールtoレール出力は、低い周波数では、わずか50mVのヘッドルームしか必要としません。AD8475は、真の差動入力によってドライブされることもありますが、シングルエンド入力によってドライブされることも可能で、図1に示すようにシングルエンド-差動の変換を提供します。
AD8475とADCの間のRCネットワークは、シングル・ポールのフィルタをで、不要なエリアシングの影響と高周波でのノイズを低減します。このフィルタのコモンモード帯域幅は29.5MHz(20Ω、270pF)で、差動の帯域幅は3.1MHz(40Ω、1.3nF)です。 AD7982は、18ビット、逐次比較(SAR)型A/Dコンバータで、単電源(VDD)で動作します。I/Oインターフェース電圧、VIO、は、1.8V~5V間の範囲を取ることができ、これはインターフェース・ロジック電源に依存します。AD7892は真の差動入力を備えており、最大±VREFまでの電圧を受け入れられます。ADR435は5V、低ノイズ(8μVp-p@0.1Hz~10Hz)、高精度(Bグレードで±2 mV)の電圧リファレンスで、AD7982へのREF電圧を提供すると共にAD8475差動ドライバの電源にもなっています。
ADR435の出力に接続された2つの10kΩ抵抗によって構成されている電圧デバイダは、AD8475出力の2.5Vコモンモード電圧(VOCM)を設定するために使われています。このように入力の差動信号を、最適なコモンモード入力電圧を中心にして置くことによって、ADCのダイナミックレンジを最大化します。
20Vp-pのシングルエンド入力信号は、差動の各出力上に、+0.5V~+4.5Vの振幅でお互いに180°の位相ずれを持った、信号を作り出します。
AD8475への20kHz、20Vp-pの入力信号は、96.3dBFSの最終SNRと-112.3dBFSのTHDという結果をもたらします、両者ともAD7982のフルスケール範囲と比較され、図2にFFTプロットを示しています。
FFTグラフの下の表に示された信号レベルは、AD7982への入力で測定された値です。このポイントでのフルスケール範囲は10Vp-pの差動です。これは、AD8475の入力に換算すると25Vp-pになります。入力のテスト信号は20Vp-pで、ADCのフルスケール入力よりも2dB低い信号での測定となります。
注)これらの条件下で、AD8475の出力での各振幅は供給電圧の500mV以内ですが、優れた歪性能を維持しています。これはレールtoレールの出力構造に所以しています。
この回路は、AD8475の評価用ボード (EVAL-AD76xx-CBZ)と アナログ・デバイセズのPulSAR( 高精度ADシリーズ)評価用ボードを接続し、そのソフトを使用してテストされています。EVAL-AD8475ZはAD8475の性能および機能を単独でテストし易くするための、顧客用評価ボードです。また、このボードは各種ADIのSARコンバータと共に、即座にテストできるようになっており、PulSAR評価用ボード(EVAL-AD76xx-CBZ)のアナログ入力コネクタに直接接続する、出力コネクタを備えています。ADCコンバータの評価と開発用ボード(EVAL-CED1Z)は、図3に示すようにUSBを介してPCにセットアップされます。
AD8475へ入力信号を提供するために、オーディオ・プレシジョン社(Audio Precision®)のAD2700信号源が使われました。PulSAR評価ソフト、LabVIEW®ベースのソフト、はオーディオ・プレシジョンの入力信号を制御するように使うことができ、同時にADCの入力および出力をモニタできます。
バリエーション回路
この回路は、図に示された部品の値を使うことで、優れた安定性と高精度を提供します。最大限望ましい性能を達成するために、他のADIのA/DコンバータをAD7982に置き換えて使うことも出来ます。AD8475は、ほとんど性能劣化なしで、18ビット、4MSPSのADCまでドライブする能力を備えています。より高速サンプリング速度を備えた18ビットADCとして、AD7984(1.33MSPS)およびAD7986(2MSPS)があります。差動の16ビットADCとして、AD7688(500kSPS)およびAD7693 (500 kSPS)があります。
AD8475はまた、シングルエンド入力または擬似差動入力を備えたADCを直接ドライブすることもできます。AD8475は、レールtoレール出力の特長を備えているため、特別なAC性能の劣化なく、各レールの0.5V以内であればドライブすることができます。
また、AD8475は0.8倍の入力をドライブする場合には、0.8倍の差動減衰率も提供することができます。供給電源電圧は広い範囲を持っており、単電源3V~10V間で使うことが可能です。また両電源動作では±5Vまで可能となっています。