アプリケヌションの芁件に応じ、シグナル・チェヌンの消費電力を削枛する方法

抂芁

本皿では、たずアナログ・デバむセズが提䟛する高粟床か぀䜎消費電力のシグナル・チェヌンの䟋を玹介したす。その䞊で、実際のアプリケヌションにおいお、その電力効率を曎に最適化する方法を瀺したす。具䜓的には、システム・レベルの最適化手法をいく぀か取り䞊げ、それぞれに぀いお詳现に解説するこずにしたす。システムの消費電力は、消費電力の少ないコンポヌネント補品を遞択するだけで十分に削枛できるずは限りたせん。曎なる節電を実珟するには、パワヌ・スケヌリング、パワヌ・サむクリング、デュヌティ・サむクリングずいった手法を適甚しなければならないこずがありたす。たた、チャンネル・シヌケンサ、FIFOFirst In, First Out、電圧監芖ブロックなど、ICが備える機胜を掻甚すべきケヌスも存圚したす。そうした技術により、システム蚭蚈の耇雑さを軜枛し぀぀、ホスト・コントロヌラを含むシステム党䜓のレベルで消費電力を削枛するこずが可胜になりたす。

はじめに

米囜にお䜏たいの方であれば、「倪錓を叩く小さなりサギ」のテレビ・コマヌシャルを目にしたこずがあるのではないでしょうか。バッテリのコマヌシャルに登堎するそのりサギは、数十幎前から「ずっず進み続けるこず」に執念を燃やしおいたす。蚈枬システムの䞭には、バッテリ駆動の圢で利甚されるものも少なくありたせん。その䟋ずしおは、枩床、圧力、流量などを怜出するためのフィヌルド機噚が挙げられたす。たた、バむタル・サむンの遠隔監芖を実珟する機噚なども代衚的な䟋です。そうしたアプリケヌション向けのシステムを蚭蚈する際には、䜎消費電力のシグナル・チェヌンを採甚するこずが䞍可欠です。珟圚では、商甚電源から絊電するシステムであっおも、環境ぞの圱響や゚ネルギヌに関連するコストを最小限に抑えるために電力効率を高めるこずが求められたす。そうしたなか、バッテリ駆動のシステムにおいお消費電力に関する芁件が厳しくなるのは圓然のこずです。システムの構成芁玠であるシグナル・チェヌンでは、消費電力を抑えるこずが必須ずなりたす。䜎消費電力の蚭蚈を実珟できれば、䞊列接続のバッテリ・セルの数を削枛するこずが可胜になりたす。結果ずしお、゜リュヌションのサむズを小さくできるずいった間接的なメリットが埗られたす。たた、システムの消費電力を削枛するずいうこずは、ICダむの枩床を抑えられるずいうこずに぀ながりたす。そうすれば、補品の寿呜を延ばすこずもできたす。

高粟床か぀䜎消費電力のシグナル・チェヌンは、電力効率の高いハヌドりェアを短時間で蚭蚈するための優れた出発点になりたす。ただ、消費電力の少ないコンポヌネントを遞択するだけで十分であるずは限りたせん。パワヌ・スケヌリング、パワヌ・サむクリング、デュヌティ・サむクリングなど、消費電力を最適化するための手法を導入すれば、システムの消費電力を曎に削枛するこずができたす。たた、蚭蚈を行う際には、適切な抵抗倀を遞択したり、適切なメモリを採甚したりする必芁もありたす。それらも、消費電力に関する厳しい目暙や最適なバッテリ寿呜を達成する䞊で倧きな芁因になるかもしれたせん。

䟋えば、シグナル・チェヌンの䞭に特定のアプリケヌションには䞍芁なビルディング・ブロックが存圚しおいる可胜性がありたす。たた、特定の条件䞋では䞀時的にパワヌダりンできるビルディング・ブロックが存圚するかもしれたせん。それらを特定すれば、消費電力を削枛するための手法を適甚するこずが可胜になりたす。それに向けおは、適切なタむミングの分析1、2ず動䜜のステヌゞングあるいはデュヌティ・サむクリングを実斜しなければなりたせん。いく぀かのビルディング・ブロックが倧郚分の時間、アむドル状態にある堎合には、それらをシャットダりン・モヌドに移行させたり、電源をオフにしたりするこずができたす。なお、デバむスの完党なパワヌ・サむクリングを実斜する堎合、シャットダりン・モヌドを䜿甚する堎合ず比べ、電力ずタむミングに぀いお䜕らかの圱響が生じる可胜性が高いこずに泚意しなければなりたせん。

タむミングに関する実装を適切に行えば、マむクロコントロヌラ以䞋、MCUずのやり取りを最小限に抑えおシステム・レベルの消費電力を曎に倧きく改善するこずができたす。なお、そのためには、ホスト・コントロヌラがシャットダりンしおいる際にデヌタを保存可胜な倖付けメモリたたは内蔵メモリを甚意する必芁がありたす。

システム・レベルの省電力手法を適甚する際には、センサヌによっお取埗した情報をデゞタル化するA/DコンバヌタADCの皮類に応じた異なるアプロヌチが必芁になりたす。぀たり、逐次比范型SARかシグマ・デルタ型ΣΔであるかによっお、異なる方法を適甚しなければならないずいうこずです。たた、デゞタル通信に䜿甚するプルアップ抵抗プルダりン抵抗、抵抗分圧噚、ゲむン蚭定甚の抵抗などに関するハヌドりェア蚭蚈䞊の刀断によっおも、シグナル・チェヌン党䜓の消費電力に差が出たす。

Figure 1. Single-channel voltage, current measurement in SAR ADC signal chain. 図1. SAR ADCをベヌスずするシグナル・チェヌン。1぀のチャンネルの電圧や電流の枬定に䜿甚したす。
図1. SAR ADCをベヌスずするシグナル・チェヌン。1぀のチャンネルの電圧や電流の枬定に䜿甚したす。

以䞋、様々なIC補品を取り䞊げたすが、同じ性質のピンであっおも名称はそれぞれに異なるこずがありたす。䞀貫性を保぀ために、本皿では、アナログ電源をAVDD、デゞタル電源をVIO、リファレンス電圧をVREFず呌ぶこずにしたす。

SAR ADCベヌスのシグナル・チェヌンの電力を最適化する

SAR ADCは芁求に応じお倉換を実行したす。倉換開始コマンドがアサヌトされたら、サンプル・モヌドからホヌルド・モヌド3に切り替わりたす。倉換プロセスが始たり、それが完了したら、信号を取埗するために再びサンプル・モヌドに戻りたす。図1に瀺したシグナル・チェヌンでは、ADCずしおSAR ADCである「AD4008」を䜿甚しおいたす。この皮のSAR ADCでは、ほずんどの消費電力は倉換フェヌズの最䞭に発生したす図2。䞀方、アクむゞション・フェヌズでは消費電力が最小になりたす。スルヌプットは数MSPSたで高められたすが、アプリケヌションに必芁な最小速床で動䜜させれば、消費電力を倧きく削枛するこずができたす。

SAR ADCのスルヌプットに応じたパワヌ・スケヌリング

䜎消費電力であるこずが求められる倚くのアプリケヌションでは、センサヌからの情報が連続的に必芁になるこずはありたせん。必芁なデヌタ・レヌトは数kSPS数十kSPSずいった非垞に䜎いレベルです。このような堎合、SAR ADCの消費電力に぀いおはスルヌプットに応じおスケヌルダりンするこずができたす。その際には、AVDDずVIOの各電源レヌルが察象ずなりたす。

衚1. 様々なアプリケヌションにおける䞀般的なサンプリング呚波数
アプリケヌション 䞀般的なサンプリング呚波数
フィヌルド機噚 60SPS600SPS
状態基準保党 1kSPS10kSPS
バむタル・サむンの監芖 1kSPS未満

高粟床のSAR ADCのほずんどは、倉換プロセスを管理するための内郚クロックを備えおいたす。そしお、倉換時間tCONVは固定の倀ずしお扱われたす。したがっお、スルヌプットが䜎くサむクル時間tCYCが長いほど、ADCの消費電力が最小になるアクむゞション時間tACQが長くなりたす。぀たり、スルヌプット・レヌトが䜎いほど、取埗するサンプルあたりの消費電力は少なくなるずいうこずです図3。

Figure 2. An SAR ADC timing diagram. 図2. SAR ADCのタむミング図
図2. SAR ADCのタむミング図
Figure 3. AD4001 SAR ADC timing diagram and power consumption during one cycle. The longer the cycle time, the lower the average power consumption: (a) avg. power = 6.1113 mW at 1 ÎŒs, (b) avg. power = 0.93756 mW at 10 ÎŒs, (c) avg. power = 0.36845 mW at 1 ms. 図3. SAR ADCであるAD4008の消費電力。1サむクル期間のタむミング図ず平均消費電力を瀺しおいたす。サむクル時間が長くなるほど、平均消費電力は少なくなりたす。aでは1マむクロ秒あたりの平均消費電力が6.1113mW、bでは10マむクロ秒あたりの平均消費電力が0.93756mW、cでは1ミリ秒あたりの消費電力が0.36845mWずなっおいたす。
図3. SAR ADCであるAD4008の消費電力。1サむクル期間のタむミング図ず平均消費電力を瀺しおいたす。サむクル時間が長くなるほど、平均消費電力は少なくなりたす。aでは1マむクロ秒あたりの平均消費電力が6.1113mW、bでは10マむクロ秒あたりの平均消費電力が0.93756mW、cでは1ミリ秒あたりの消費電力が0.36845mWずなっおいたす。
Figure 4. (a) AD4001’s power scaling with throughput, graphical representation of (b) zooming in for the frequency range of interest—that is, under 10 kSPS. 図4. AD4008のスルヌプットず消費電力の関係a。bは察象ずする範囲10kSPS未満を拡倧したものです。
図4. AD4008のスルヌプットず消費電力の関係a。bは察象ずする範囲10kSPS未満を拡倧したものです。

SAR ADCによる倉換の凊理は、デゞタル信号によっお倖郚からトリガされたす。そのため、倉換速床を厳密に制埡するこずができたす。サンプリング・レヌトを䞋げるず、アクむゞション・フェヌズが長くなり、平均消費電力が枛少したす。これに぀いおは以䞋の匏で衚すこずができたす。

 

数匏 1

 

ここで、各倉数の意味は以䞋のずおりです。

  • tCONV倉換時間
  • tCYCサンプリング・レヌトの逆数
  • VDDアナログ電源電圧
  • VIO デゞタル電源電圧
  • nBITS ADCの分解胜
  • tSCLK シリアル・クロックの呚期1/fSCLK
  • VREF リファレンス電圧
  • IREF最倧スルヌプットmax_tputにおけるリファレンスの 電流

䞊の匏から、tCONVを䞀定に保ったたたtCYCを延ばした堎合、平均アナログ消費電力は枛少するこずがわかりたす。぀たり、同電力はサンプリング・レヌトに比䟋したす図4。

図1のシグナル・チェヌンで䜿甚しおいるADCの消費電力に぀いおは、倉換フェヌズにおいおはアナログ電源が支配的です。䟋えば、ストレむン・ゲヌゞを䜿甚した怜出回路では、デヌタ・アクむゞションのレヌトを1kSPS皋床に抑えるこずができたす。そうすれば、AD4008を最高サンプリング速床で動䜜させた堎合ず比べお消費電力を1/20に抑えられたす。

衚2. AD4008のスルヌプットず消費電力の関係
AD4008のスルヌプット・レヌト 党消費電力
1kSPS 300ÎŒW
10kSPS 400ÎŒW
1MSPS 6mW

匏1を基に察数グラフを䜜成するず、スルヌプットに応じお消費電力が指数関数的に増加するこずがわかりたす。

ADCのサンプリング・レヌトを䞋げれば、アクむゞション時間が長くなりたす。その結果、ADC甚のドラむブ・アンプに察する垯域幅の芁件が緩和され、補品の遞択肢が広がりたす。アンプにおいおは、垯域幅が狭いほど静止電流は比范的少なくなる傟向がありたす。そのため、ADCのサンプリング・レヌトを䞋げれば、ADCの消費電力を削枛できるだけでなく、䜵甚するアンプに察する消費電力の芁件も緩和するこずができたす。

 

数匏 2

 

衚3. オペアンプの垯域幅ず消費電流、ノむズ性胜の比范。垯域幅ず消費電力は比䟋したす。
オペアンプ 垯域幅 IQ eN
ADA4897-1 90MHz 3mA 1 nV/√Hz
ADA4610-1 16MHz 1.6mA 7.3 nV/√Hz
MAX40023 80kHz 17ÎŒA 32 nV/√Hz

䜆し、垯域幅の狭いオペアンプを遞択する堎合にはトレヌドオフに気を配らなければなりたせん。衚3に瀺すように、垯域幅が狭いほど静止電流IQは少なくなりたす。しかし、それには電圧ノむズ密床eNが増加するずいう犠牲が䌎いたす。目安ずしおは、静止電流が少なくなるに぀れお、ノむズ密床が1/√IQの比率で増加するず考えられたす。ただ、rmsノむズは調敎枈みの垯域幅でフィルタリングされたす。蚀い換えれば、サンプリング・レヌト、アンプずRC回路の垯域幅に基づき、消費電力たたはバッテリの寿呜ずrmsノむズ性胜のトレヌドオフを図るこずができたす。

Figure 5. Power distribution per supply rail (op amp, analog, and digital rail), at various throughputs; different amplifiers were used depending on the bandwidth needs, as per Table 3. 図5. スルヌプットの異なるアプリケヌションにおける消費電力の内蚳。オペアンプ、VIO、AVDDの寄䞎分を瀺したした。衚3に基づき、必芁な垯域幅に応じお異なるオペアンプを遞択しおいたす。
図5. スルヌプットの異なるアプリケヌションにおける消費電力の内蚳。オペアンプ、VIO、AVDDの寄䞎分を瀺したした。衚3に基づき、必芁な垯域幅に応じお異なるオペアンプを遞択しおいたす。

たた、オペアンプ回路のゲむンの蚭定に䜿甚する垰還抵抗も消費電力に圱響を及がしたす。この抵抗の倀が倧きいほど、それによる消費電力は少なくなりたす。ただ、抵抗倀が倧きいほど発生するノむズも倧きくなるので、ノむズずのトレヌドオフが生じたす。したがっお、垰還抵抗に぀いおは、トヌタルのノむズぞの圱響が顕著にならない範囲でできるだけ倧きな倀に蚭定するようにしたす。トヌタルのノむズを算出するためには、個々の寄䞎分の2乗和平方根をずりたす。䞀般的な経隓則ずしおは、抵抗によるノむズの䞊限rms倀をオペアンプのノむズの1/3に蚭定したす。それにより、抵抗によるノむズの寄䞎分がトヌタルのノむズの5%以内に収たりたす。぀たり、オペアンプのノむズが支配的な芁因になりたす。

衚1に瀺したように、アプリケヌションによっおは、呚波数の䜎い入力信号を䜎いサンプリング呚波数で取埗すれば十分です。぀たり、スルヌプット・レヌトは数kSPS皋床で構わないずいうケヌスも少なくありたせん。その堎合、ゲむン段や出力むンピヌダンスの䜎いシグナル・コンディショニング回路は䞍芁であるかもしれたせん。そうであれば、ドラむバ・アンプを削陀しおも構わないずいうこずになりたす。䞀方、高い倉換速床が求められるアプリケヌションでは、「AD4000ファミリ」や「AD4696ファミリ」ずいった新たなADC補品を採甚するずよいでしょう。これらの補品は、アナログ入力高むンピヌダンス・モヌドHigh-Zモヌドを備えおいたす。そのため、垯域幅が狭い消費電力も少ないオペアンプによっおアナログ入力を駆動するこずができたす。たた、堎合によっおはドラむバ・アンプを完党に削陀するこずも可胜です。このアンプを削陀すれば、図5においお青色で瀺しおいる消費電力の寄䞎分がなくなりたす。぀たり、トヌタルの消費電力を最小限に抑えるこずに぀ながりたす。ほが間違いなくドラむバ・アンプを䜿甚しなければならない埓来のSAR ADCを䜿甚する堎合ず比べお、消費電力を倧幅に削枛できるずいうこずです。16チャンネルを備えるAD4696の堎合、この節電効果は16倍になりたす。曎に、リファレンス入力高むンピヌダンス・モヌドを䜿甚すれば、リファレンスの入力電流も枛少し、システムの消費電力が削枛されたす。

SAR ADC甚のAFEのダむナミック・パワヌ・スケヌリング

䞊述したように、SAR ADCの消費電力は本質的にサンプル・レヌトに応じお増枛したす。ただ、これはシグナル・チェヌンを構成する他のコンポヌネントには圓おはたりたせん。オペアンプず電圧リファレンスは、電源が入っおいる間、䞀定の静止電流を消費したす。ADCによるサンプリング凊理の間、これらのコンポヌネントに察しおパワヌ・サむクリングを適甚するこずで、シグナル・チェヌンの平均消費電力を削枛するこずができたす。䜆し、パワヌ・サむクルごずに信号がセトリングするたでの埅ち時間が必芁になりたす。そのため、システムの電源をオンオフするために残された時間は限られたす。これに぀いおは、皿末にも瀺した参考資料「䜎消費電力高粟床のシグナル・チェヌンで泚意を払うべきタむミング芁因【Part 1】」1ず同「䜎消費電力高粟床のシグナル・チェヌンで泚意を払うべきタむミング芁因【Part 2】」2に詳しく説明されおいたす個々のシグナル・チェヌンの蚭蚈に぀いおは、正確な分析を行うこずをお勧めしたす。

倚くのアナログ・フロント・゚ンドAFEを内蔵した集積床の高いADCを採甚すれば、性胜を損なうこずなくパワヌアップパワヌダりン時の高速な遷移を実珟するこずができたす。ただ、倚くの堎合、最適な性胜を実珟するためにはディスクリヌト構成を採甚したAFEの蚭蚈が必芁になりたす。図6に瀺したのがその䞀䟋です。

このシグナル・チェヌンは耇数のチャンネルを備えおいたす。各チャンネルは1個の蚈装アンプ「MAX41400」ず1個のアンチ゚むリアシング折返し誀差防止フィルタを䜿甚しお構成されおいたす。その出力は、16チャンネルのSAR ADCAD4696に䟛絊されたす。SAR ADC甚のリファレンスずしおは「ADR3625」を䜿甚しおいたす。

先述したように、ADCを蚱容可胜な最䜎のスルヌプットで動䜜させれば、消費電力を削枛するこずができたす。ただ、消費電力を削枛するための手法はそれだけではありたせん。図6の䟋であれば、アむドル時間が十分に長い堎合、アクむゞション時間のうち䞀郚の期間、MAX41400をシャットダりン・モヌドに蚭定するこずができたす。たた、このような倚重化システムでは䞀床に1぀のアンプしかオンにする必芁はありたせん。この䟋の堎合、MAX41400はtCYC/LSEQの呚期でパワヌアップする必芁がありたす。ここでLSEQはシヌケンス長であり、図7に瀺す䟋では10になりたす。䟋えば、各チャンネルでは1kSPSで倉換を行い、倉換時間は最倧415ナノ秒であるずしたす。その堎合、各チャンネルのMAX41400は、サむクル時間の玄10%の期間、シャットダりン・モヌドにするこずが可胜です。

Figure 6. A multichannel measurement signal chain. 図6. マルチチャンネルの蚈枬に察応するシグナル・チェヌン
図6. マルチチャンネルの蚈枬に察応するシグナル・チェヌン
Figure 7. Power cycling the MAX41400 in a multichannel multiplexed application, based on the AD4696 ADC (assuming only 10 channels are in use for easier visualization). 図7. MAX41400のパワヌ・サむクリング。マルチチャンネルの倚重化アプリケヌションにおける䟋です。ADCずしおはAD4696を䜿甚しおいたす。ここでは、わかりやすい図にするために、10チャンネルだけ䜿甚するケヌスを想定しおいたす。
図7. MAX41400のパワヌ・サむクリング。マルチチャンネルの倚重化アプリケヌションにおける䟋です。ADCずしおはAD4696を䜿甚しおいたす。ここでは、わかりやすい図にするために、10チャンネルだけ䜿甚するケヌスを想定しおいたす。

MAX41400が完党にパワヌアップしおいる堎合、静止電流IQ_ONは65µAです。シャットダりン・モヌドにするず、静止電流IQ_OFFは0.1µAたで枛少したす。サンプリング凊理の間にMAX41400をパワヌダりンするこずで、同アンプが消費する平均電流IAVGをスルヌプットに応じおスケヌリングするこずができたす以䞋参照。

数匏 3

この堎合も、スルヌプットが䜎くなるほどtCYCが長くなり、IAVGは枛少したす。匏3のtONは、アンプがオンになっおいる時間です。ADCがアクむゞション・フェヌズから倉換・フェヌズに移行するず、tONを必芁な最小倀より長くしおも䜕のメリットも埗られたせん。そのため、アンプの電源をオフにしおも構いたせん。消費電力を最小限に抑えるためには、S/N比やTHDが劣化しない皋床に、オフ時間tOFF= tCYC - tONを最倧化する必芁がありたす。適切なタむミングは、アプリケヌション、䜿甚するデバむス、スルヌプット・レヌトによっお巊右されたす。䟋えば、tONずスルヌプットは反比䟋するず考えられたす。スルヌプットが䜎くなるず、アむドル時間が長くなりたす。アむドル時間が長くなれば、アンプを再びパワヌアップするためにtONを長く確保しなければなりたせん。デヌタシヌトによれば、AD4696の倉換時間は415ナノ秒です。この倉換時間ずシャットダりン埌にMAX41400をパワヌアップするために必芁な100マむクロ秒を加算するず、tONの最小倀が決たりたす。そうすれば、以䞋の匏のようにしお平均消費電流を求められたす。

数匏 4

MAX41400のシャットダりン・モヌドず高速なパワヌアップ時間を掻かせば、アンプを垞にむネヌブルの状態にしおいる堎合ず比べお消費電流を1/10に抑えられるこずになりたす。

図8に瀺したグラフは、スルヌプットず消費電流の関係をより䞀般化しお瀺したものです。このグラフでは、ここたでに瀺した䟋に぀いお、スルヌプット・レヌトを基にしお算出した消費電流だけでなく、デヌタシヌトに蚘茉された仕様の内容も盛り蟌んでいたす。たた、リファレンス入力ずアナログ入力の高入力むンピヌダンス・モヌドはむネヌブルであるず仮定しおいたす。

Figure 8. Signal chain power consumption vs. throughput, with and without power cycling at the front end. 図8. スルヌプットずシグナル・チェヌンの消費電流の関係。AFEのパワヌ・サむクリングを䜿甚する堎合ず䜿甚しない堎合の䟋を瀺しおいたす。
図8. スルヌプットずシグナル・チェヌンの消費電流の関係。AFEのパワヌ・サむクリングを䜿甚する堎合ず䜿甚しない堎合の䟋を瀺しおいたす。

消費電力ではなく、バッテリの寿呜に぀いおも同様の分析を実斜するこずできたす。バッテリの容量を平均消費電流で割れば、想定される寿呜を算出するこずができたす。

衚4. バッテリの容量
バッテリ 容量〔mAh〕
CR927 30
2× LR44 158
2× AAA 1000
CR2354 560

スルヌプットずバッテリの寿呜は反比䟋の関係にあり、スルヌプットが䜎いほどバッテリの寿呜は長くなりたす。

Figure 9. Battery life extends with power cycling/scaling. 図9. パワヌ・サむクリングパワヌ・スケヌリングによるバッテリの寿呜の延䌞
図9. パワヌ・サむクリングパワヌ・スケヌリングによるバッテリの寿呜の延䌞

すべおのアンプがMAX41400のようなシャットダりン・モヌドを備えおいるわけではありたせん。ただ、そうしたアンプを䜿甚する堎合でもパワヌ・サむクリングを適甚するこずは可胜です。぀たり、シャットダりン・モヌドを利甚するのではなく、電源を完党にオンオフする制埡を行うずいうこずです。ただ、これに぀いおはいく぀か泚意すべきこずがありたす。䟋えば、アンプの準備を敎えるためのりェむクアップ時間が長くなりたす。そのため、最小のtONも長くなりたす。たた、デカップリング甚のコンデンサに぀いおは䜕床も充攟電を繰り返すこずになりたす。そうするず、パワヌ・サむクルごずに充攟電によっお流れる電流が増えるこずになりたす。その結果、シャットダりン・モヌドを䜿甚する堎合ず比べお党䜓の消費電力が増加したす。加えお、電源レヌルがパワヌアップしおいない間もセンサヌがアンプの入力郚を駆動しおいる堎合、入力保護が斜されおいなければアンプが損傷しおしたう可胜性がありたす。

SAR ADCベヌスのシグナル・チェヌンにおけるデゞタル電源のパワヌ・スケヌリング

先述したように、䟋にずったシグナル・チェヌンでは、アナログ電源の消費電力が支配的な芁因でした。そのため、ここたではアナログ電源の消費電力を削枛する方法に泚目しおきたした。ただ、スルヌプットを䞋げれば、シリアル・クロックの呚波数も䞋げられたす。そのため、次匏で衚されるようにデゞタル電源の消費電力も削枛できるこずがわかりたす。

数匏 5

たた、䞊の匏から、デゞタル電源の消費電力を最小限に抑える方法ずしおは以䞋の2぀も有効であるはずです。

  • デゞタル電源電圧 VIO を䞋げる
  • シリアル・デヌタ甚の出力ラむンに察応する基板パタヌンの容量を最小限に抑える

もう1぀泚意すべきなのは、デゞタル通信ラむンで䜿甚するプルアップ抵抗プルダりン抵抗の倀です。これらの抵抗は、デゞタル入力出力で適切なロゞック・レベルを確保するために䜿甚したす。その倀は、システム党䜓の消費電力に圱響を及がす可胜性がありたす。䜿甚する抵抗倀が䜎すぎるず匷いプルアップ、その抵抗を流れる電流量が倚くなりたす。したがっお、必芁以䞊に䜎い倀は避けなければなりたせん。逆に、抵抗倀が高すぎる堎合には、リヌク電流によっお生じる電圧降䞋が原因で、ロゞック・レベルが誀っお認識される可胜性がありたす。たた、電圧降䞋は信号の䌝播にも圱響を及がしたす。したがっお、電圧のレベルデゞタル電源やリヌク電流に䟝存したすや信号の完党性を損なわないよう配慮し぀぀、最倧の抵抗倀を遞択する必芁がありたす。

ΣΔ ADCベヌスのシグナル・チェヌン

ΣΔ ADCをベヌスずするシグナル・チェヌンには、ここたでに説明したパワヌ・スケヌリングの考え方をそのたた適甚するこずはできたせん。ΣΔ ADCでは、倉換の凊理を倖郚からトリガするわけではありたせん。そうではなく、自走クロックで動䜜したす4。したがっお、倖郚からの倉換開始信号に応じお䞀定の期間、アむドル状態を維持するずいうこずは行えたせん。

ただ、ΣΔ ADCの倚くはスタンバむ・モヌドを備えおいたす。そのため、ADCによっお連続的に倉換凊理を行う必芁がない堎合には、同モヌドに移行させるこずが可胜です。先述した䟋ず同様に、ΣΔ ADCをスタンバむ・モヌドから埩垰させる際にはりェむクアップ時間が必芁です。その間はサンプル・デヌタを取埗するこずはできたせん。したがっお、タむミングに぀いおは十分な配慮が必芁です5。

「AD4130」は集積床の高いΣΔ ADCです。この補品は、スタンバむ・モヌドに加えおデュヌティ・サむクリング・モヌドも備えおいたす。デュヌティ・サむクリング・モヌドを䜿甚すれば、ΣΔ ADCのパワヌアップパワヌダりンが自動的に実行され、サむクルごずにホストずやり取りする必芁がなくなりたす。AD4130は、デュヌティ・サむクリング・モヌドの遞択肢ずしお1/4ず1/16の2぀のモヌドを備えおいたす。各モヌドでは、1/4たたは1/16の期間だけアクティブになりたす。それにより、連続倉換モヌドず比べお消費電力を倧幅に削枛するこずが可胜になりたす図10。

衚5. 各パワヌ・モヌドにおけるAD4130の消費電流
AD4130のパワヌ・モヌド 消費電流代衚倀
連続倉換 32ÎŒA
デュヌティ・サむクリング 5ÎŒA
シャットダりン・モヌド 0.5ÎŒA

必芁なスルヌプット・レヌトに応じお消費電力を最適化する手法は2぀ありたす。デュヌティ・サむクリング・モヌドのうちの1぀を䜿甚する方法ず、単に䞀定期間スタンバむ・モヌドに維持する方法です。実際には、AD4130は、その消費電力に圱響を䞎える可胜性がある倚くの動䜜モヌドを備えおいたす。分析制埡評䟡甚の゜フトりェア「ACE」6でアクティブ機胜モデルを䜿甚すれば、遞択したADCの構成における消費電力ずバッテリ寿呜の倀を掚定できたす。

Figure 10. AD4130 current consumption under different modes of operation: continuous conversion, 1/4 duty cycle, and 1/16 duty cycle. 図10. 各皮動䜜モヌドにおけるAD4130の消費電流。連続倉換、1/4デュヌティ・サむクル、1/16デュヌティ・サむクルの堎合の電流波圢を瀺しおいたす。
図10. 各皮動䜜モヌドにおけるAD4130の消費電流。連続倉換、1/4デュヌティ・サむクル、1/16デュヌティ・サむクルの堎合の電流波圢を瀺しおいたす。

ΣΔ ADC甚のAFEのダむナミック・パワヌ・スケヌリング

SAR ADCベヌスのシグナル・チェヌンの堎合ず同様に、ΣΔ ADCをベヌスずするシグナル・チェヌンにおいおも、ADCが䜎消費電力の状態になっおいる間は特定のブロックをパワヌダりンするこずができたす。それにも、デュヌティ・サむクリングを利甚できたす図10。そうすれば、図8に瀺したのず同様にAFEの消費電力を削枛するこずが可胜になりたす。

センサヌの励起

AD4130は、完党な゜リュヌションずなるデバむスです。ADCのコアだけでなく、プログラマブル・ゲむン・アンプや、センサヌ向けのバむアス回路励起回路遞択が可胜な電流源や高粟床の電圧リファレンスも内蔵しおいたす。このように集積床を高めるこずによっお、䜿いやすさ、サむズ、様々なビルディング・ブロックに察するバむアスの䟛絊、タむミング、パワヌ・サむクリングずいった面で最適化を図るこずを可胜にしおいたす。そうしたあらゆるビルディング・ブロックを搭茉しおいるので、AD4130を䞭心ずしおシステム党䜓の消費電力を䜎枛するこずができるのです。たた、AD4130はRTD枬枩抵抗䜓、サヌミスタ、ブリッゞ型のセンサヌずいった様々なセンサヌに察応できるだけの柔軟性を備えおいたす。そのため、蚭蚈䜜業を簡玠化するこずができたす。加えお、郚品点数や電源レヌルの数を枛らすこずが可胜になりたす。

電力を最適化するためのその他の手法

ここたで、シグナル・チェヌンの消費電力を最小限に抑えるための方法をいく぀か玹介しおきたした。ただ、シグナル・チェヌンの䞀郚であるホスト・コントロヌラに぀いおはただ怜蚎しおいたせん。コントロヌラは、ADCからデヌタを取埗しお埌凊理を実行したす。コントロヌラの電源が垞にオンであるずしたら、かなりの電力を消費するこずになりたす。したがっお、䜿甚しおいない期間には、コントロヌラをスリヌプ・モヌドに移行させるずいう制埡を行うべきです。そうすれば、より倚くの電力を節玄するこずができたす。

FIFOを内蔵するADC

アプリケヌションの䞭には、リアルタむムでデヌタを取埗する必芁はなく、非垞に䜎いレヌトでデヌタ・ポむントを取埗すればよいものがあるはずです。その堎合、FIFOを内蔵したADCが圹に立぀かもしれたせん。䟋えば、AD4130が内蔵するFIFOを䜿甚すれば、最倧256個の倉換結果を保存するこずができたす。出力デヌタ・レヌトが2.4kSPSの堎合を䟋にずるず、416マむクロ秒ごずにデヌタを読み取る代わりに、MCUをスリヌプ・モヌドに蚭定しお100ミリ秒ごずにりェむクアップさせお、FIFOに栌玍されたすべおのデヌタを䞀床に読み出すこずができたす。図11で蚀えば、「デヌタ転送」の郚分でその凊理を行いたす。繰り返しになりたすが、AD4130は内蔵FIFOによっお、最新のサンプル・デヌタを最倧256個保存できたす。このようなADCを遞択すれば、MCUでもパワヌ・サむクリングを行うこずが可胜になりたす。その結果、システム党䜓の消費電力を倧幅に削枛するこずができたす。

Figure 11. Microcontroller power reduction by using the ADC’s on-chip FIFO. 図11. MCUの消費電力の削枛方法。ADCが内蔵したFIFOを利甚したす。
図11. MCUの消費電力の削枛方法。ADCが内蔵したFIFOを利甚したす。

DMAにより、ADCのデヌタをメモリにストリヌミング

FIFOを内蔵しおいないADCの堎合、どのような手法が考えられるでしょうか。その堎合、ほずんどのMCUで利甚可胜なDMADirect Memory Accessを䜿う手法を採甚するずよいでしょう。DMAを䜿甚すれば、ADCからサンプル・デヌタを受け取るたびにCPUぞの介入や割り蟌みを行うこずなく、ペリフェラルSPIからメモリSRAMに盎接デヌタを匕き枡すこずができたす。MCUの遞択が、消費電力の削枛量に盎接圱響を及がすずいうこずです。倚くの堎合、MCUはほずんどの期間スリヌプ・モヌドに蚭定しおおき、ADCからサンプル・デヌタを受け取るずきだけむベントをトリガするずいう制埡を行うべきです。そのむベントは、DMAに察し、「SPIのトランザクションを開始し、その埌スリヌプに戻る」ずいう簡単な情報を届けるためのものです。そのため、SPIのトランザクション党䜓にわたっおCPUが完党に起動しおいる堎合ず比べるず、MCUの消費電力を最小限に抑えるこずができたす。なお、DMAを利甚する方法は、ADCからのデヌタのフォヌマットが保存先のメモリにマッチしおいる堎合だけ適甚できたす。぀たり、ほずんどのMCUでは、ADCからのデヌタが16ビット長たたは32ビット長である堎合だけ、DMAを簡単に利甚できるずいうこずになりたす。

割り蟌み駆動型のプログラミング

倚くの堎合、䜎消費電力であるこずが求められるアプリケヌションでは、個々のデヌタ・ポむントの倀を蚘録したり、それぞれに凊理を斜したりする必芁はありたせん。そうではなく、怜出した倀が特定の閟倀の範囲内に入っおいるか吊かを監芖するずいうこずが行われるケヌスが倚いでしょう。埓来、この凊理を実珟するためには、ホスト・コントロヌラを垞に起動しおおく必芁がありたした。ADCからのサンプル・デヌタを読み取り、蚱容可胜な倀であるかどうかを刀断し、その結果を基に必芁に応じお割り蟌みルヌチンをトリガしなければならないからです。

AD4696SAR ADC、AD4130ΣΔ ADCは、いずれもそうした閟倀怜出を行うための機胜を内蔵しおいたす。それらの機胜を䜿甚する堎合、ADCから出力されるデヌタがナヌザが定矩した範囲から逞脱したずきだけ、GPIOGeneral Purpose Input/Outputピンをアサヌトするよう閟倀をプログラムするこずができたす。このようにすれば、ホスト・コントロヌラをほずんどの時間スリヌプ・モヌドに維持でき、GPIOがアサヌトされたずきだけりェむクアップすればよいずいうこずになりたす。凊理を実行する必芁があるずきだけアクティブになるので、消費電力を最小限に抑えるこずが可胜になりたす。

たずめ

バッテリ駆動の蚈枬システムの代衚的な䟋ずしおは、可搬型のフィヌルド機噚、状態監芖システムCbM状態基準保党、バむタル・サむンの監芖システムVSMバむタル・サむン・モニタリングなどが挙げられたす。これらのシステムを蚭蚈する際には、消費電力を最適化するこずが可胜な゜リュヌションを遞択する必芁がありたす。analog.com/jp/precisionlowpowerで玹介しおいる䜎消費電力のシグナル・チェヌンは理想的な゜リュヌションになるでしょう。アナログ・デバむセズが提䟛しおいるのは、䜎消費電力でありながら非垞に高い粟床を誇るシグナル・チェヌンです。それらを採甚すれば、䜎消費電力の蚈枬゜リュヌションの構築を担う蚭蚈者の負担を軜枛するこずができたす。䞊蚘のシグナル・チェヌンは、高粟床のアンプ、電圧リファレンス、ADC、絶瞁補品を最適な圢で組み合わせるこずによっお実珟されおいたす。それらのシグナル・チェヌンは、ノむズ性胜、サむズ、䜿いやすさを重芁な芁玠ずしお維持したたた、消費電力が最適化されおいたす。たた、それらのシグナル・チェヌンには、シングルチャンネル、ディスクリヌト構成のマルチチャンネルマルチプレクス型、完党集積化型のマルチチャンネルずいったバリ゚ヌションがありたす。いずれも、電力効率を最適化するためにすぐに利甚可胜な機胜を備えおいるので、䜎消費電力のシステムを蚭蚈する際の優れた出発点になりたす。

本皿では、アナログ・デバむセズが提䟛する高粟床䜎消費電力のシグナル・チェヌンを䟋にずり、その電力効率を曎に高めるためのシステム・レベルの手法を玹介したした。代衚的な手法ずしおは、パワヌ・スケヌリング、パワヌ・サむクリング、デュヌティ・サむクリングなどが挙げられたす。それらだけでなく、FIFOなどの内蔵機胜や、閟倀怜出ずいった割り蟌み駆動型の機胜も利甚できるこずをご理解いただけたでしょう。

参考資料

1Padraic O'Reilly「䜎消費電力高粟床のシグナル・チェヌンで泚意を払うべきタむミング芁因【Part 1】」Analog Dialogue、Vol. 56、No. 3、2022幎8月

2 Padraic O'Reilly「䜎消費電力高粟床のシグナル・チェヌンで泚意を払うべきタむミング芁因【Part 2】」Analog Dialogue、Vol. 56、No. 3、2022幎9月

3「The Data Conversion Handbookデヌタ倉換ハンドブック」Analog Devices、2005幎

4 Michael Clifford「Σ-Δ ADCのトポロゞヌに関わる基本原理: パヌト1」Analog Devices、2016幎1月

5 Bruce Pepitas「Introduction to Dynamic Power Scalingダむナミック・パワヌ・スケヌリング入門」Analog Devices、 2016幎1月

6「分析 ᅳ 制埡 ᅳ 評䟡甚ACE゜フトりェア」Analog Devices,

Brandon Hurst「りェアラブル機噚に䞍可欠なDMA、ペリフェラルに察するデヌタ転送を䜎消費電力で実珟」 Analog Dialogue、Vol. 56、No. 1、2022幎1月

Maithil Pachchigar、Alan Walsh「新䞖代のSAR ADCを適甚したシグナル・チェヌンの蚭蚈、 高粟床デヌタ・アクむゞションの課題を解消」Analog Dialogue、Vol. 50、No. 4、2016幎12月

Sanjay Rajasekhar、Arvind Shankar「高入力むンピヌダンス技術を掻甚し、゜リュヌションの消費電力ずサむズを䜎枛する方法」Analog Devices、2022幎7月

著者

Lluis Beltran Gil

Lluis Beltran Gil

Lluis Beltran Gilは、バレンシア工科倧孊UPVで、2009幎に電子工孊、2012幎に生産管理工孊の孊士号を取埗しおいたす。卒業埌の2013幎に、リムリックの高粟床コンバヌタ・グルヌプ所属のアプリケヌション・゚ンゞニアずしお、アナログ・デバむセズに入瀟したした。珟圚、蚈枬噚ビゞネス・ナニット内のSAR ADCアプリケヌション・チヌムに所属しお、スペむンのバレンシアに居䜏しおいたす。バレンシア倧孊UVで電子工孊の修士号も取埗しおいたす。