SSM2375 は、高集積化された高効率のクラス D オーディオ・アンプです。携帯電話のアプリケーションで最高の性能を発揮するように設計されています。アプリケーション回路で必要とされる外付け部品は最小限で済み、2.5 V ～ 5.5 V の単電源で動作します。このデバイスは、1 % 以下の THD + N で 3 W の連続出力電力を供給し、5.0 V 電源で 3 Ω 負荷を駆動することができます。

SSM2375 は、外付け LC 出力フィルタが不要な高効率の低ノイズ変調方式を採用しています。この変調方式は、低い出力電力でも高い効率を維持します。SSM2375 は、5.0 V 電源で 8 Ω の負荷に 1.4 W を供給するときは 93 % の効率、3 Ω の負荷に 3 W を供給するときは 85 % の効率で動作し、S/N 比は 100 dB 以上です。

スペクトル拡散パルス密度変調（PDM）を採用して、他のクラス D アーキテクチャに比べて EMI 放射を低く抑えています。スペクトル拡散 PDM の固有のランダム特性により、近接する複数のアンプのクロック相互変調（ビート効果）がなくなります。

SSM2375 には、オプションの変調選択ピン（超低 EMI 放射モード）があり、特に 100 MHz 以上のクラス D 出力での放射を大幅に低減します。SSM2375 は、超低 EMI 放射モードで、外部フィルタなしで 50 cm のシールドされていないスピーカー・ケーブルを用いた FCC クラス B 放射テストに合格しています。

このデバイスは、非常に柔軟なゲイン選択ピンも備えており、0 dB、3 dB、6 dB、9 dB、12 dB のゲインを選択することができます。ゲイン選択機能は、外付け抵抗使用によるゲイン設定と比べ、単一のアプリケーション内で複数の SSM2375 デバイス間のゲイン・マッチングを向上させることができます。

SSM2375 には、シャットダウン電流が 20 nA（代表値）になるマイクロパワー・シャットダウン・モードがあります。SDピンにロー・レベルを入力すると、シャットダウンがイネーブルされます。

このデバイスは、ポップ／クリック抑制回路も内蔵しています。この抑制回路は、ターンオン／ターンオフ時に出力での電圧グリッチを最小限に抑えることで、オン／オフ時の可聴ノイズを低減します。

SSM2375 のシステム・レベルの統合を簡素化するその他の機能として、PDM 変調器への帯域外 DAC ノイズ干渉を抑制する入力ローパス・フィルタリング、および複数のプラットフォーム製品で構築する際にコンポーネントの選択を容易にする固定入力インピーダンスを実現しています。

SSM2375 は、工業用温度範囲（−40 ℃ ～ +85 ℃）で仕様規定され、サーマル・シャットダウン機能と出力短絡保護機能を内蔵しています。このデバイスは、ハロゲンフリーの 9 ボール、1.5 mm × 1.5 mm のウェーハ・レベル・チップ・スケール・パッケージ（WLCSP）を採用しています。

アプリケーション

• 携帯電話
• MP3 プレーヤ
• ポータブル機器