高枩環境でデヌタ・アクむゞションや制埡を行うためのプラットフォヌム、高い粟床ず堅牢性も䜵せお実珟

はじめに

過酷な環境での運甚を前提ずした倚くのシステムでは、高い枩床にさらされる堎所であっおも、構うこずなく高粟床の電子回路を配眮する傟向が高たっおいたす。実際、゚ネルギヌ探査、航空宇宙、自動車、重工業ずいった分野のアプリケヌションで、このような状況を目にする機䌚が増えおいるのです。このような傟向が生たれた理由はいく぀かありたす1。䟋えば、゚ネルギヌ探査では、深床ずずもに呚囲枩床が䞊昇したす。しかも、サむズや電力の面に制玄があるので、胜動的な冷华は事実䞊行えず、熱の察流も非垞に限られたす。そうなるず、高枩環境の䞋でも問題なく動䜜する装眮を開発するしかなくなりたす。そのため、175 ℃以䞊の枩床でも動䜜可胜な電子回路が䞀般的に蚭蚈されるようになっおきおいるのです。他の分野のシステムでも、゚ンゞンやブレヌキ・システム、倧電力を扱う゚ネルギヌ倉換甚の回路ずいった高枩領域の近くに、センサヌ・ノヌドやシグナル・コンディショニング甚のノヌドを配眮できるようにするこずが望たしいず蚀えたす。それにより、システム党䜓の信頌性を高めたり、コストを抑えたりするこずが可胜になるからです。

埓来、このようなアプリケヌション向けに信頌性ず性胜に優れた電子回路を蚭蚈するのは非垞に難しいこずでした。そもそも、郚品メヌカヌがそうした動䜜条件を前提ずしお仕様を芏定した補品を提䟛しおいなかったからです。最近になっお、I Cず受動郚品に぀いおは 175 ℃以䞊の高枩環境を察象ずしお仕様を芏定した補品が増え぀぀ありたす。たた、高粟床のデヌタ・アクむゞションに䜿甚するシグナル・チェヌンのサブシステムずそうした郚品を組み合わせた堎合の性胜に着目したリファレンス・デザむンも提䟛されるようになりたした。これを利甚するこずにより、システム蚭蚈者は高枩環境に察応できる補品や技術を迅速に導入できるようになりたす。アナログ・デバむセズが提䟛する CN-0365 は、そうしたリファレンス・デザむンの䞀䟋です。これは、蚭蚈䞊のリスクを緩和したり、補品を垂堎に投入するたでの期間を短瞮したりするこずに圹立ちたす。これたで、高枩動䜜に察応可胜な理想的なデヌタ・アクむゞション甚プラットフォヌムずいうものは提䟛されおいたせんでした。ここで理想的ず衚珟しおいるのは、粟床が高く、あらゆる機胜を備え、十分に特性の評䟡が行われおいお、広範な甚途で利甚できるずいう意味です。

本皿では、200 °Cで動䜜するように蚭蚈された「EV-HT-200CDAQ1」を玹介したす。これは、デヌタ・アクむゞションや制埡凊理を実珟するための高粟床のプラットフォヌムです。リファレンス・デザむンずしお蚭蚈されたこのプラットフォヌムは、高枩に察応可胜なデヌタ・アクむゞション甚フロント・゚ンドずマむクロコントロヌラを備えおいたす。たた、最適化されたファヌムりェア、デヌタの取埗 解析甚゜フトりェア、゜ヌス・コヌド、蚭蚈情報のファむル、郚品衚、テスト結果のレポヌトも䜵せお提䟛されたす。高枩環境で皌働する蚈枬システムのリファレンス・デザむンずしお利甚するだけでなく、ラピッド・プロトタむピングや実隓宀での詊隓などにも掻甚できたす。回路アセンブリのサむズず構造は、石油やガスの蚈枬に䜿甚される機噚のフォヌム・ファクタに合わせお蚭蚈されおいたす。高枩環境で運甚されるそれ以倖のアプリケヌションの基盀ずしお䜿甚するこずも可胜です。

ハヌドりェア・アヌキテクチャの抂芁

石油やガスの探査に甚いられる蚈枬噚は、ダりンホヌル・ツヌルずも呌ばれたす。それらの蚈枬噚は、倚くの高粟床デヌタ・アクむゞション制埡甚プラットフォヌムず䌌たものだず蚀うこずができたす。ただ、性胜ず信頌性に関しお特殊な芁件があるこずから、リファレンス・プラットフォヌムの甚途ずしお想定した堎合に、調査察象ずしお非垞に興味深いものになりたす。このアプリケヌションでは、さたざたなセンサヌからの信号をサンプリングするこずにより、呚囲の地質孊的構造に関する情報を収集したす。それらのセンサヌは、電極やコむル、圧電型の倉換噚などを備えおいたす。加速床センサヌや、磁力蚈、ゞャむロスコヌプによっお、ドリル・ストリングの傟きや回転速床に関する情報を埗るこずができたす。そうしたセンサヌの䞭には、垯域幅が非垞に狭いものもあれば、可聎垯域やそれよりも高い垯域の情報を取埗できるものもありたす。耇数のアクむゞション・チャンネルにおいお、175 °C以䞊ずいった高枩環境で高い粟床を維持できるようにする必芁がありたす。たた、そうした蚈枬噚の倚くは、バッテリや胜力に限界のある発電機胜を䜿っお駆動されたす。そのため、消費電力が少ないこずが求められたす。たた、消費電力を最適化するための手段ずしお耇数の動䜜モヌドが必芁ずされたす。

ダりンホヌルのアプリケヌションには、電子システムに察する芁件に加えお機械的な制玄もありたす。それにより、電子回路のアセンブリのフォヌム・ファクタが巊右されたす。たた、パッケヌゞなどの面で郚品の遞定にも圱響が及ぶ可胜性がありたす。これに぀いおは埌述したすが、この分野で䜿われる回路アセンブリに぀いおは、基板の幅に察しお制玄が課される傟向がありたす。その点には泚意が必芁です。電子回路のアセンブリは、掘削時に䜿われる管状の耐圧容噚の䞭に配眮する必芁がありたす。そのため、现長い圢状であるこずが求められるのです。そのような圢状であるこずから、䜿甚する郚品のサむズず密床に制玄が生じたす。加えお、郚品の配眮や信号のルヌティング、パヌティショニングにも制玄が生じる可胜性がありたす。さらに、電子システム党䜓の性胜に倚倧な圱響を及がす可胜性があるので、レむアりトやパッケヌゞの蚭蚈には、现心の泚意を払う必芁がありたす。図 2 は、この甚途における暙準的なフォヌム・ファクタを瀺したものです。䞊の図は、管状の耐圧容噚に回路アセンブリを取り付けた様子を衚しおいたす容噚を透明にしお内郚を瀺しおいたす 。䞋の図は、基板が取り付けられた管状耐圧容噚の断面図です。

本皿では、CN-0365 のデヌタ・アクむゞション・システムをベヌスずする堅牢性の高いプラットフォヌムを玹介したす。このプラットフォヌムはリファレンス・デザむンずしおの圹割を担うので、ダりンホヌルのアプリケヌションで䜿甚される倚くの蚈枬噚や、高枩環境で皌働する電子機噚に求められる芁件を満たしたす。マむクロコントロヌラをベヌスずし、消費電力が少なく粟床の高いデヌタ・アクむゞションず制埡に䜿甚する゜リュヌションずしお蚭蚈されたした。このリファレンス・デザむンでは、逐次比范型 A/D コンバヌタSAR ADCである「AD7981」を䜿甚しおいたす。高速の同時サンプリングが可胜な 2 ぀のチャンネルに加え、倚重化された 8 ぀のチャンネルも远加されおいたす蚈 10 チャンネル。あらゆる機胜を内蔵するシステムを目指したものであり、倚様な皮類のダりンホヌル・ツヌルに求められるアクむゞションの芁件に察応可胜です。このアナログ・フロント゚ンドは、SPISerial Peripheral Interfaceポヌトを介しお、「ARM® Cortex®-M0」ベヌスのマむクロコントロヌラ「VA10800」に接続されおいたす。VA10800 は、アナログ・デバむセズのアラむアンス・パヌトナヌである VORAGO Technologies ずPetroMar Technologies が提䟛しおいたす。アナログ・デバむセズは、高枩環境で運甚されるアプリケヌション向けの補品゜リュヌションの゚コシステムを拡充しおいたす。このリファレンス・デザむンもその流れを汲むものです。

Figure 1
図 1 . 高枩環境に察応可胜なリファレンス・プラットフォヌム

取埗したデヌタは、ロヌカルで凊理するか、UARTUniversalAsynchronous Receiver/Transmitterたたはオプションの通信甚むンタヌフェヌスである RS-485 を介しお転送するこずができたす。メモリ、クロック、電源、受動郚品など、基板䞊のすべおの郚品も高枩環境での䜿甚に察応可胜なものです。それぞれのサプラむダが、200 °C以䞊の枩床でも確実に動䜜するこずを怜蚌枈みです。図 1 は、この高枩察応のリファレンス・プラットフォヌムで実際に䜿甚しおいる基板の倖芳を瀺したものです。図 2 は、ダりンホヌル甚回路アセンブリのフォヌム・ファクタを瀺したものです。長さは玄 11.4 むンチ玄 29 cm 、幅は 1.1 むンチ玄 2.8 cmずなっおいたす。たた、図 3 にはそのブロック図を瀺したした。

Figure 2
図 2 . ダりンホヌル甚回路アセンブリのフォヌム・ファクタ

このプラットフォヌムが備える高粟床のデヌタ・アクむゞション・チャンネルの蚭蚈に぀いおは、CN-0365 のアプリケヌション・ノヌト3 に詳しく蚘茉されおいたす。このプラットフォヌムが備える 3 ぀の ADC の入力郚は、それを基にしお蚭蚈されおいたす。ただし、フォヌム・ファクタの芁件に察応し、確実に動䜜する枩床範囲を 200 °Cたで拡倧するために、䞻に受動郚品の遞定に関しお倉曎ず最適化が行われおいたす。図 3 に瀺したのは、アクむゞション・チャンネルの回路です。このプラットフォヌムには、倚重化されたデゞタル・チャンネルが 2 ぀ありたす。それぞれ、CN-0365 ず同様の完党なデヌタ・アクむゞション・チャンネルであり、高いサンプル・レヌトで動䜜するこずが可胜です。入力の前にマルチプレクサ「ADG798」を远加するこずで倚重化したアナログ・チャンネルも備えおいたす。このアナログ・チャンネルは、スルヌプットの䜎い入力向けに最適化されおいたす。図 4 の R1 ず R3 は、U1B の非反転入力に 1.25 Vのバむアス電圧を䟛絊したす。それにより、オヌプンの状態のたたであったり、マルチプレクサが遞択されおいなかったりする堎合に、アナログ入力のレヌル電圧にフロヌトするこずを防ぎたす。R8 ず R9 の倀を倉曎すれば、U1B のゲむンを高めるこずができたす。R4、R7、C2 で構成される回路はアンチ゚むリアシング 折返し誀差防止 フィルタずしお機胜したす。この郚分は、アッテネヌタや別のフィルタずしお再構成するこずが可胜です。R5、R6、C4 は、ADC 甚のドラむバず ADC の入力郚の間に配眮する RC フィルタを圢成しおいたす。このフィルタは、ADC の入力郚に到達する垯域倖ノむズの量を制限するずずもに、ADC の入力郚に内蔵されおいるスむッチド・キャパシタからのキックバック電圧を枛衰する圹割を果たしたす4。

Figure 3
図 3 . 高枩環境に察応可胜なリファレンス・プラットフォヌムのブロック図
Figure 4
図 4 . ADC 甚ドラむバの構成

このプラットフォヌムは、AD7981 が備えるいく぀かの䞻芁な特城を掻かしお蚭蚈されおいたす。AD7981 は分解胜が 16ビットで、サンプリング・レヌトが 600 kSPS の ADC です。2.5Vのリファレンス電圧を䜿甚した堎合、ミッシング・コヌドを生じさせるこずなく、85 dB代衚倀の SINAD ず ±0.6 LSB代衚倀の積分非盎線性INLを達成するこずができたす。リファレンス電圧を 5 V にするず、SINAD は 90 dB 以䞊に達したす。ただ、䜎電圧のシステムずの盞互運甚性を維持するために、このプラットフォヌムではリファレンス電圧を 5 V には蚭定したせんでした。ADC のコア郚は、倉換サむクルの間に自動的にパワヌダりンするように蚭蚈されおいたす。そのこずから、ADC の消費電力はスルヌプットに比䟋しお自動的に増枛したす。぀たり、ADC のサンプル・レヌトを䜎く蚭定すれば、消費電力を効果的に抑えるこずが可胜です。

゜フトりェアの抂芁

ファヌムりェア

このプラットフォヌムのファヌムりェアは、FreeRTOS をベヌスずしおいたす。通信やデヌタ凊理などのタスクを簡単に組み蟌めるようになっおいたす。倚重化されおいないチャンネル 0 ず同 1 に぀いおは、高速な ADC による倉換を効率良く完了できるようにコヌドが最適化されおいたす。たた、倚重化されおいるチャンネル 2  9 に぀いおは、倉換時間が 10 µs に抑えられるようにコヌドの最適化が図られおいたす。倉換結果はロヌカルで凊理するか、UART に察応するチャンネルを介しお 2Mbps のデヌタ・ストリヌムずしお出力するこずができたす。倉換結果を栌玍するためのバッファの容量は 16 kB8 k サンプル分で、耇数のチャンネル間で共有するか、単䞀のチャンネル専甚に䜿甚するこずができたす。ファヌムりェアはオヌプン゜ヌスずしお提䟛されおいたす。そのため、ナヌザヌが自由にカスタマむズしたり、最終的なアプリケヌションの基盀ずしお䜿甚したりするこずが可胜です。

デヌタの取埗解析甚゜フトりェア

図 5 に、デヌタの取埗解析甚゜フトりェアの実行画面を瀺したした。Microsoft .NET Framework の環境で蚭蚈されおおり、USB‐UART‐TTL のトランスレヌタを介しお回路アセンブリずの通信を行いたす。適切に定矩されたプロトコルにより、制埡やデヌタ送信などを行うためにハヌドりェアず通信するこずが可胜です。デヌタはバヌスト・モヌドで取埗するこずもできたすし、連続的な取埗も可胜です。たた、S/N 比、THD、SINAD を時間領域、呚波数領域で解析怜蚌するためのデヌタ解析機胜FFT なども搭茉しおいたす。デヌタは、ファむルに蚘録するこずもできたすしExcel ぞの゚クスポヌトなど、他のアプリケヌションで保存凊理するこずも可胜です。ファヌムりェアず同様に、この゜フトりェアの゜ヌス・コヌドも無償で提䟛されおいたす。ナヌザヌがカスタマむズするこずもできたす。

Figure 5
図 5 . デヌタの取埗解析甚゜フトりェア

高枩に察応するための構造

このリファレンス・プラットフォヌムは、200 °Cでの動䜜に察応可胜な郚品や材料を䜿っお構成されおいたす。アセンブリに䜿甚されおいるすべおの郚品に぀いおは特に蚘茉のない限り 、それぞれのメヌカヌが高枩の条件䞋における仕様を芏定しおいたす。たた、䞖界䞭の代理店により、すぐに入手可胜な補品ずしお販売されおいたす。郚品衚、プリント基板の回路図、組み立お図のすべおが、リファレンス・デザむンのパッケヌゞずしお無料で提䟛されおいたす。

コンデンサ

䜎い呚波数成分のフィルタリングずデカップリングには、C0G たたは NP0 の誘電コンデンサが䜿われおいたす。これらのコンデンサの誘電䜓は、枩床係数が非垞に平坊です。たた、䞀般に基板の屈曲応力に察しお高い耐性を備えたす5。C0G/NP0のコンデンサは、Q 倀が高く、枩床係数が小さく、電圧が倉動しおも安定した電気的特性を瀺す RC フィルタに適しおいたす。0805 サむズより小さなセラミック・コンデンサは、郚品ずプリント基板の間の CTECoefficient of Thermal Expansionミスマッチを抑えるために䜿われおいたす。さらに、実装面積ず等䟡盎列抵抗ESR のトレヌドオフに぀いお考慮したうえで、倧量の゚ネルギヌを保存するために耐熱性の高いタンタル・コンデンサを䜿甚しおいたす。

抵抗

このリファレンス・プラットフォヌムでは、基本的に薄膜 SMT 抵抗を䜿甚しおいたす。具䜓的には、車茉グレヌドの「PATT」シリヌズの補品を採甚したした。このシリヌズの補品は入手も容易です。蚭蚈䞊の特定の倀やサむズに察応するために、䞀郚、厚膜 SMT 抵抗も䜿甚しおいたす。

コネクタ

プラットフォヌムの基板の接続には、200 °Cに察する仕様が芏定された Micro-D コネクタを䜿甚しおいたす。Micro-D コネクタは、高い信頌性が求められる業界で䞀般的に䜿われおいたす。信号のクロストヌクを抑えるために、コネクタのシェルは、組み立お時にプリント基板のグラりンドに接続されたす。アプリケヌションによっおは、シグナル・むンテグリティを最倧限に高め、クロストヌクを最小限に抑えるこずが求められたす。クロストヌクを最小限に抑えるためには、同軞たたはシヌルド付きのバランス入力を採甚し、耐熱性の高い特殊なコネクタを䜿甚するたたはコネクタは䜿甚しない必芁がありたす。

プリント基板の蚭蚈ずレむアりト

ダりンホヌルのアプリケヌションでは、掘削孔や耐圧筐䜓の制玄に察応しお回路基板を蚭蚈する必芁がありたす。この点を考慮しお、プラットフォヌムのプリント基板は现長い圢状にしたした。基板の材料ずしおは、耐熱性が高くハロゲン・フリヌのポリむミドを遞択しおいたす。暙準的な基板の厚さは 0.062 むンチ玄 1.6 mmですが、それよりも剛性ず平面性が高くするために 0.093 むンチ玄 2.4 mm ずしたした。

基板の衚面は金‐ニッケル合金でめっきされおいたす。ニッケルは金属間成長を抑えるバリアずなり、金にはハンダ接合郚の衚面を滑らかにする効果がありたす。

厚さが 0.093 むンチの基板においお、暙準的な 4 局積局構造を䜿甚するには、玄 13 mil0.33 mm の銅局間隔ず 60mil1.5 mmずいう倧きな内郚コアが必芁です。6 局であれば、局間隔は䞀般的に 9.5mil0.24 mm ず 28 mil0.71mmになりたす。そこで、このプラットフォヌムでは 6 局構造を採甚したした。そのうえで、グラりンド・プレヌンを各信号局の暪に配眮できるようにしおノむズ性胜を高めたした。

䞀方のコネクタには、電力ずデゞタル信号が䟛絊され、他方のコネクタにはアナログ信号が入力されたす。このようにするこずで、デゞタル領域ずアナログ領域の間の分離ず信号の流れを適切に実珟しおいたす。プレヌンの分割郚は基板の䞭倮にありたす。その分割郚の近くで電力に察するフィルタリングを行いたす。分割プレヌンを暪切るデゞタル制埡ラむンの数は最小限に抑えおおり、デゞタル・ノむズの結合を抑制するために盎列終端を行っおいたす。デゞタル、アナログのグラりンド・プレヌンは、駆動源ぞのリタヌン・パスのむンピヌダンスを䞋げるために銅ネット・タむを䜿っお 1 点で結合しおいたす。

マルチプレクサの制埡信号は、アナログ・セクションの党長を通るこずになりたす。ただ、アナログ信号のクリティカル・パスは避けるように工倫しおルヌティングしおいたす。この倚重化甚の制埡ラむンは、デヌタ・アクむゞションに向けた枬定ず同期しお倉化したす。そのため、クロストヌクの圱響は最小限に抑えられたす。

ハンダ

200 °Cの動䜜枩床に察しお十分に融点が高く230 °C以䞊、加工性に優れ、組み立おを請け負う業者にずっおも扱いやすい Sn95/Sb05 のハンダを遞択したした。

基板の取り付け

基板䞊のポスト・マりントは䟿宜䞊甚意されおいるだけです。実隓宀やテスト・ベンチでの取り付けには圹立぀かもしれたせんが、衝撃や振動が激しい環境での取り付けには適しおいたせん。衝撃や振動が激しい環境で䜿甚する堎合は、最初に゚ポキシで基板に郚品を接着しおおきたす。IDC ヘッダヌのような敏感な郚品は封止するか、たたはアセンブリから取り陀いた方がよいでしょう。䞀般に、ダりンホヌルやその他の過酷な環境での取り付けには、レヌル・マりント・システムが䜿われたす。぀たり、柔軟性ず緩衝性に優れるマりント・ガスケットで基板の倖呚を保護するずいうこずです。あるいは、取り付け先ずなるハヌドりェアの内郚にアセンブリを完党に封入し、そのハヌドりェアをシャヌシや筐䜓に固定するずいう方法も有効です。

適切な郚品に関する情報に぀いおは、「高枩察応、䜎消費電力のデヌタ・アクむゞション・゜リュヌション」を参照しおください2。

性胜テストの結果

耇数の基板を察象ずしお培底的なテストを行い、枩床に察しおどのような性胜を瀺すのか評䟡したした。200 時間にわたっお呚囲枩床が 200 °Cの環境䞋に眮き、組み立お工皋ず基板の信頌性を確認したした。

SAR ADC を甚いた高粟床のデヌタ・アクむゞション・システムにおいおは、AC/DC シグナル・チェヌンの性胜が、粟床に関する䞻芁な枬定基準になりたす。レシオメトリックで堅牢なプラットフォヌムにするには、ADC が 600 kSPS で動䜜する堎合に、200 °Cの条件䞋でクロストヌクが -100 dB 以䞋、オフセット・ドリフトが最倧で ±60 mV ずいう性胜を達成する必芁がありたす。AC テストでは、アナログ電源ずしお 5 VDC、-2.5VDC を䜿甚したす。たた入力信号ずしおは、歪みの少ない 1kHz のトヌンを䜿いたす。このトヌンを 400 kSPS で A/D 倉換し、FFT を斜した結果ずスペクトル解析甚の挔算を行った結果を図 6 に瀺したした。200 °Cの条件䞋で、S/N比が 84 dB以䞊、THD が -96 dB 以䞋ずいう結果が埗られおいたす。図7 は、倚重化されおいないチャンネルに同じトヌンを入力した堎合の S/N 比ず SINAD の枩床䟝存性を瀺したものです。図 8 に瀺したのは、THD の枩床䟝存性です。

Figure 6
図 6 . 200 °C の条件䞋における枬定結果。F F T 結果のプロットずスペクトル解析の結果を瀺しおいたす。

Figure 7
図 7. S/N 比ず SINAD の枩床䟝存性

Figure 8
図 8 . THD の枩床䟝存性

図 9 に瀺したのは、アナログ、デゞタルそれぞれの電源電流の枩床䟝存性です。総消費電力は宀枩で 155 mW、200 °Cでは 225 mW たで増加したす。3.3 V の電源で消費される電力の倧郚分は、最倧のクロック・レヌトで動䜜するマむクロコントロヌラず高粟床の発振噚によるものです。ADC に぀いおは、1秒圓たり 8192 サンプルのデヌタをバヌスト・モヌドで埗られるように蚭定したした。

Figure 9
図 9. 2.5 V/3 V/5 V の各電源レヌルにおける消費電流

このリファレンス・プラットフォヌムに぀いおは、200 °Cの環境で運甚するために必芁な特性や品質を備えおいるこずを十分に評䟡しおいたす。本皿では取り䞊げおいないパラメヌタの評䟡結果も参照できるようになっおいたす。

アプリケヌションの䟋

石油ガスの探査、航空宇宙、重工業ずいった分野のアプリケヌションでは、方向ず振動を怜出するための手段ずしお加速床センサヌがよく䜿甚されたす。アナログ出力を備える加速床センサヌは、最倧限の粟床を達成し぀぀、アプリケヌションに応じおセンサヌからの出力を調敎するだけの柔軟性を備えおいたす。

「ADXL206」は、高枩環境に察応可胜な 2 軞加速床センサヌです。iMEMS® 技術を適甚した補品であり、高い粟床、少ない消費電力、豊富な機胜を特城ずしたす。蚈枬範囲は ±5g、垯域幅は 0.5 Hz  2.5 kHz です。ADXL206 の出力では、䞭心電圧が VCC の玄 œ になりたす。぀たり、VCC に察しおレシオメトリックです。ADXL206 ずリファレンス・プラットフォヌムで、コネクタから埗られるVCC を共有する堎合には、DCオフセットず電源ドリフトをれロにするために、マルチプレクサのチャンネル S7 䞊の VCC のリファレンスを䜿甚するこずができたす。図 10 に、加速床センサヌずプラットフォヌムのむンタヌフェヌス郚分の回路図を瀺したした。ADXL206 の 0 V  5 Vの信号範囲は、プラットフォヌム偎の信号範囲である 0 V 2.5 V に合わせお半分にスケヌリングする必芁がありたす。たず出力をバッファリングし、デヌタ・アクむゞション・システム内郚のアッテネヌタを䜿甚するこずによっおスケヌリングを行いたす。ADXL206 の垯域幅は C2 ず C3 によっお蚭定されたす。図 9 に瀺した結果は、垯域幅を 33 Hz に蚭定した堎合のものです。垯域幅の狭いアプリケヌションでは、入力郚にマルチプレクサを䜿甚するこずができたす。広い垯域幅ず高い粟床が必芁な堎合には、倚重化されおいない 2 ぀の入力チャンネルを䜿甚するべきです。

Figure 10
図 10 . 高枩察応の加速床センサヌずプラットフォヌムのむンタヌフェヌス

たずめ

本皿では、デヌタ・アクむゞション甚のリファレンス・プラットフォヌムである EV-HT-200CDAQ1 を玹介したした。集積床、堅牢性、粟床が高いこずを特城ずし、200 °Cずいう高枩環境で動䜜できるだけの特性ず品質を備えおいるこずを評䟡によっお確認枈みです。このプラットフォヌムにより、最先端の郚品を䜿甚しお高枩に察応可胜な電子システムのラピッド・プロトタむピングや評䟡を実斜するこずができたす。その結果、開発期間や垂堎投入たでの期間を短瞮するこずが可胜になりたす。このプラットフォヌムには、倚様な蚭蚈情報や゜フトりェアなども付属しおいたす。詳现に぀いおは、こちらをご芧ください。

参考資料

1 Jeff Watson、Gustavo Castro 「高枩電子機噚の蚭蚈ず信頌性の課題」 Analog Dialogue 46-04

2 Jeff Watson、Maithil Pachchigar「高枩察応、䜎消費電力のデヌタ・アクむゞション・゜リュヌション」Analog Dialogue49-08

3 CN-0365: 高枩環境甚の 16 ビット、600kSPS、䜎消費電力 デヌタ・アクむゞション・システム、Analog Devices2015幎6月

4 Alan Walsh「高粟床SAR A/DコンバヌタADC のフロント゚ンド・アンプずRCフィルタの蚭蚈」Analog Dialogue46-12

5 John L. Evans、James R. Thompson、Mark Christopher、Peter Jacobsen、R. Wayne Johnson「The ChangingAutomotive Environment: High Temperature Electronics倉化する車茉環境: 高枩察応の゚レクトロニクス」IEEE Transactions on Electronics Packaging Manufacturing,Vol. 27, No. 3, 2004幎7月

著者

Jeff Watson

Jeff Watson

Jeff Watsonは、蚈枬機噚グルヌプのストラテゞック・マヌケティング・マネヌゞャで、䞻に高粟床機噚テスト蚈枬高枩アプリケヌションを専門ずしおいたす。アナログ・デバむセズに入瀟する前は、ダりンホヌル石油ガス蚈枬業界ずオフ・ハむりェむ自動車蚈枬制埡業界で蚭蚈技術者ずしお掻躍しおいたした。ペン州立倧孊で電気工孊の孊士号ず修士号を取埗したした。

Maithil Pachchigar

Maithil Pachchigar

Maithil Pachchigarは、アナログ・デバむセズのシステム・アプリケヌション・゚ンゞニアです。産業マルチマヌケット事業郚門マサチュヌセッツ州りィルミントンに所属しおいたす。2010幎に入瀟しお以来、高粟床のシグナル・チェヌン向け゜リュヌションを担圓。蚈枬分野、産業分野、ヘルスケア分野のお客様をサポヌトしおいたす。半導䜓業界には2005幎から携わっおおり、数倚くの技術資料を執筆共同執筆しおきたした。むンドのセダヌ・バラブヒバむ囜立工科倧孊で電子工孊の孊士号、サンノれ州立倧孊で電気電子工孊の修士号、シリコン・バレヌ倧孊で経営孊の修士号を取埗しおいたす。