質問:
「電子機器は面白い」を拝読しました。 企業によっては個人的なプロジェクトに 対するテスト用のギアを使用することを 認めているところがあるそうですね。 しかし、私の会社はスクルージ並みに ケチです。もちろん、テスト・ギアを 使用できないだけでなく、給料も 最低なので、自分でテスト・ギアを買う ことすらできません。どうしたら自分の 趣味を深めることができるでしょうか?
回答:
Analog Discoveryという強力な助っ人がいます。アナログ・デバイセズのエンジニアリング・ユニバーシティ・プログラム(Engineering University Program)は、学生や先生たちに携帯型のアナログ・デザイン・キットを提供しています。このプログラムの説明文を引用しましょう。「いつでも、どこでも高度な技術を使って簡単に実験をしたり、また現実世界の機能的なアナログ設計回路の作成やテストができるので、工学部の学生の学習経験を高めることができます」とあります。アナログ回路のエンジニアが趣味で製作をするのにも最適です。
このキットの中核をなすのがAnalog Discoveryです。PCと共に219ドル(認定の大学コースの一部では99ドル)の電子工学技術者向けのワークステーションとなり、学生や愛好家に、電子テスト・ギアを提供します。小さなケースに、2つの5MHzオシロスコープ・チャンネル、2個の5MHz任意波形発生器、16チャンネルのロジック・アナライザ/デジタル・パターン発生器を含んでいます。これは低周波(5MHz)のネットワーク・アナライザ&スペクトル・アナライザとして構成することができます。
このデバイスとPCさえあれば、自宅の作業場が近年の多くの専門ラボより優れた作業環境となります。ただ、ほかにも幾つか追加できます。
Analog Discoveryには±5V、50mAの電源があり、電圧測定に使用できますが、低価格の電源も利用することができます(最適な電源としては、固定5Vと可変の正側/負側出力を持ったもので、すべて可変電流制限値が付いたものです)。ノートパソコンで使われている「黒レンガ」のような電源を中古払下げ品販売店やガレージ・セールで入手して、電流制限の調整可能な可変DC電源に改造することは簡単です。
2台か3台、低価格のマルチメータも欲しくなるかもしれません。香港製の830B DVMは1台5ドル以下で、郵便料金は無料です(たくさんあっても無駄にはなりません)。AC電源回路で作業を行う場合は、交流電流や周波数を測定できる、もう少し高級なマルチメータも1台必要になるでしょう。
さらに、Analog Discoveryキットは、従来のオシロスコープ・プローブの使用に対応したアダプタや、アナログ電子部品の即席店舗棚のような電子部品キットも提供しています。
私が電子部品の愛好家として十分の一程度でも多く知識があったらよかったのにと思うこの頃です。では、スクルージにすべてを奪われないようにご注意ください!