概要
本稿では、IoT(Internet of Things)分野のアプリケーションに最適なバッテリ技術について検討します。電源の供給に関連して直面するいくつかの問題について説明した上で、アナログ・デバイセズが提供するパワー・マネージメント・ソリューションを紹介することにします。それらのソリューションの最大の特徴は、高い効率が得られることです。加えて、サイズ、重量、温度などの面でも、IoTアプリケーションで使用されるノード側のデバイス(以下、IoTデバイス)に対してメリットをもたらします。
産業用機器、ホーム・オートメーション機器、医療用機器などの分野では、IoTデバイスの利用が拡大しています。それに伴い、パワー・マネージメントの最適化を図る必要性が高まっています。最適化の内容としては、フォーム・ファクタの小型化、効率の向上、消費電流の削減、充電時間の短縮(可搬型のIoTデバイスの場合)などが挙げられます。熱的な悪影響や、IoTデバイスによるワイヤレス通信に対して干渉を及ぼすことなく、そうした改善を図る必要があります。
IoTデバイスとは何なのか?
IoTの分野には、多種多様なアプリケーションが存在します。一般に、IoTデバイスとは、ネットワークに接続されたスマートな電子機器のことを指します。ほとんどの場合、それらのデバイスはバッテリで駆動されます。また、IoTデバイスはデータを処理する機能と、その結果をクラウド・ベースのインフラに送信する機能を備えています。プロセッサ、通信用のIC、センサーなどを統合した組み込みシステムによって、データを収集したり、ネットワーク内のセンター・ポイントや他のノードに対してデータを送信したり応答したりするケースもあります。シンプルなアプリケーションの例としては、温度センサーによる測定結果を中央の監視エリアに報告するといったものが挙げられます。あるいは、非常に高価な工場の設備の健全性を長期的に監視/追跡するといったアプリケーションも構築できるはずです。このように、IoTデバイスを利用するアプリケーションとしては、あらゆるものが考えられます。
アプリケーションがどのようなものであったとしても、IoTデバイスは特定の課題を解決するために開発されます。課題の例としては、ホーム・オートメーションやビル・オートメーションのように、通常は人の介入が必要な業務を自動化するといったものが挙げられます。産業用のIoTアプリケーションでは、設備の使いやすさや寿命を改善することが課題になるケースもあるでしょう。更に、橋梁などの構造物の安全性を確保するために、IoTを活用して状態基準保全(Conditional Based Maintenance)向けのアプリケーションを構築するといったことも行われます。
アプリケーションの例
上述したように、IoTデバイスを用いたアプリケーションとしては、ありとあらゆるものが想定できます。実際、新たなデバイスやユース・ケースが毎日のように考えだされています。例として、スマート・トランスミッタをベースとしたアプリケーションについて考えてみます。その主な役割は、同デバイスが配備された環境に関するデータを収集することです。それらのデータは、熱の制御、アラームの作動、特定の作業の自動化などに関する意思決定に活用できます。また、ガス・メータや大気質の測定システムといったIoTベースの可搬型計測器も実現されています。そうしたデバイスを利用すれば、クラウドを介して正確な測定値をコントロール・センターに提供することが可能になります。GPSを利用した追跡システムも、IoTアプリケーションの一例です。この種のシステムを利用すれば、輸送用コンテナの追跡や、スマート・タグを耳に装着した家畜の追跡といったことが行えます。このようなシステムは、クラウドに接続されるIoTデバイスのほんの一例にすぎません。他にも、ウェアラブルなヘルスケア機器やインフラの監視用デバイスといったアプリケーションも存在します。
IoTアプリケーションの成長が著しい領域としては、産業分野が挙げられます。この分野では、スマート・ファクトリを中心とする第4次産業革命(インダストリ4.0)が大きなトレンドになっています。その一環として、IoTアプリケーションが広範に適用されつつあります。最終的な目標は、工場を可能な限り自動化することです。それに向けて、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)、RF IDタグ、圧力計などのスマート・センサー、工場の周辺に配備される環境センサーなどが使用されています。
アナログ・デバイセズとしては、以下の5つの主要分野におけるIoTを最も重視して取り組みを進めています。
- スマート・ヘルス:臨床向けと民生向けの両方を対象として、バイタル・サインの監視アプリケーションへの対応を図ります。
- スマート・ファクトリ:工場の応答性、柔軟性、効率性を向上することで、インダストリ 4.0 の実現に向けて注力します。
- スマート・ビル/スマート・シティ:インテリジェントなセンサーによるビルのセキュリティの確保、駐車スペースの占有検知、熱や電気の制御といったアプリケーションを実現します。
- スマート農業:実利用が可能な技術によって、農作業の自動化と資源の利用効率の向上を図ります。
- スマート・インフラ:当社の状態基準保全技術を基盤として用い、移動体や構造体の健全性の監視を実現します。
これらの分野、それぞれに対応する技術の詳細については、analog.com/jp/IoTをご覧ください。
IoTに関する設計上の課題
IoTの分野では著しい成長が続いています。そのような状況下で、アプリケーションの設計者が直面する主要な課題にはどのようなものがあるのでしょうか。それは電源の問題です。IoTに対応するデバイスやノードの大半は、既存のシステムをベースとして後から追加されたり、人の手が届きにくい場所に設置されたりすることになります。つまり、IoTデバイスのためにAC配電網が敷設されるということはあり得ません。したがって、電源としてはバッテリやエナジー・ハーベストに全面的に頼ることになります。
大規模な施設の場合、電源に関連する設備の移動などを行おうとすると、かなりの費用がかかる可能性があります。例として、工場内に配備されたリモートのIoTノードに電源を供給するケースを考えてみます。そのIoTデバイス向けに新たに電源ケーブルを敷設して給電しようとすると、多大な時間とコストがかかります。そのため、それらのデバイスへの給電方法としては、事実上、バッテリまたはエナジー・ハーベスト以外の選択肢は存在しません。
バッテリに頼る場合、厳しい電力バジェットを遵守しなければならないことが課題になります。ただ、これはバッテリの寿命を最大限に延ばすためには必須です。当然のことながら、デバイスの総所有コストにも影響を及ぼします。バッテリを利用する場合のもう1つのデメリットは、その寿命が尽きたら交換が必要になるということです。そうすると、新規のバッテリのコストだけでなく、古いバッテリの交換/廃棄に伴う人件費もコストとして加わります。
バッテリのコストとサイズについては、もう1つ考慮すべきことがあります。この種のアプリケーションでは、バッテリに対して10年以上の寿命が要件として課せられる可能性が高くなります。その要件は、使用するバッテリの数を増やすという単純な方法を採用すれば満たすことができます。しかし、そのような設計は、コストとサイズの観点から明らかに不適切です。設計上の要件を満たしつつ最小限のバッテリで対応できるようにするためには、電力バジェットを最適化しなければなりません。もちろん、エネルギーの使用量を可能な限り抑えることも非常に重要です。
IoTデバイスに適した電源
IoTデバイス用の電源については、以下の3つのシナリオが想定できます。
- 非充電式のバッテリ(以下、1 次電池)を使用する
- 充電式のバッテリを使用する
- エナジー・ハーベストを利用して電力を収集/供給する
これらの電源は、個別に使用することもできますし、必要に応じて組み合わせて使用することも可能です。
1次電池を使用するアプリケーション
1次電池というのは、非充電式のバッテリのことです。1次電池を使用するアプリケーションは数えきれないほど存在します。1次電池が適しているのは、電力が使用される頻度が少なく、使用時間も短いアプリケーションです。そうしたアプリケーションで使われるデバイスの多くは、そもそも電源が投入される頻度が低く、電源の投入後にはディープ・スリープ・モードで動作する時間が長くなるので、最小限の電力しか消費しません。1次電池を使用することによる主なメリットは、エネルギー密度が高く、バッテリの充電/管理用の回路が不要であるため、システムの設計がシンプルになることです。また、1次電池は安価であり、必要な電子回路も少ないため、全体としてのコストを抑えることができます。このように、1次電池は低コスト、低消費電力であることが求められるアプリケーションには最適です。しかし、その寿命は有限なので、消費電力が必ずしも少ないとは言えないアプリケーションにはあまり適していません。1次電池を使用する場合、交換用のバッテリのコストと交換に必要な人的コストの両方が後から追加で必要になります。
多くのノードを使用する大規模なIoTアプリケーションを導入するケースについて考えてみましょう。そうした場合、バッテリが寿命を迎えた1つのデバイスだけを対象にするのではなく、すべてのデバイスのバッテリを現場で一度に交換してしまうということが非常によく行われます。その目的は、人件費を節約することです。もちろん、これは無駄の多い手法であり、地球レベルの廃棄物の問題を増大させることにもつながります。しかも、1次電池は、それを製造するために使用される電力の約2%に相当する電力しか供給することができません。つまり、98%ものエネルギーが無駄になるのです。したがって、1次電池は非常に経済性の低い電源だと言えます。
とはいえ、IoTアプリケーションは1次電池が活躍できる場であることは確かです。初期コストを比較的低く抑えられるので、消費電力が非常に少ないアプリケーションには最適だと言えます。様々な種類、サイズの製品が提供されていることに加え、充電や管理のための電子回路はあまり必要ないので、1次電池はシンプルなソリューションとして活用できます。
設計上の観点からは、1次電池から得られる限られたエネルギーを最大限に活用することが重要な課題になります。これに対処するためには、まず多くの時間を費やして電力バジェットを策定する必要があります。それに基づき、一般的な目標である10年間にわたって1次電池の寿命を維持できるようにしなければなりません。
1次電池を使用するアプリケーションでは、アナログ・デバイセズが提供するナノパワー製品ファミリの採用を検討してみることをお勧めします。図1に示すクーロン・カウンタ「LTC3337」と降圧レギュレータ「LTC3336」が有力な候補になるはずです。
LTC3336は、最大15Vの入力電圧で動作する低消費電力のDC/DCコンバータICです。出力電流のピーク・レベルはユーザが設定できるようになっています。最小入力電圧は2.5Vなので、バッテリ駆動のアプリケーションに最適です。
無負荷の条件下でレギュレーション動作を行っている場合の自己消費電流は、65nAという極めて低い値に抑えられています。DC/DCコンバータとしては設定が非常に容易なものであり、新たに設計するシステムに適用しやすくなっています。なお、出力電圧の値は、OUT0ピン~OUT3ピンの結線方法によって設定します。
LTC3337は、LTC3336のコンパニオン・デバイスです。これは、超低消費電力のクーロン・カウンタであり、1次電池の状態の監視に使用できます。これも新たに設計するシステムに適用しやすい製品です。必要に応じてIPK[2:0]ピンを結線するだけで、5mA~100mAの範囲でピーク電流を設定することが可能です。選択したバッテリに応じて簡単な計算を行えば、ピーク電流に対して推奨される出力コンデンサの値を決定できます。その計算方法についてはデータシートに記載されています。
LTC3336とLTC3337を組み合わせれば、電力バジェットが厳しいIoTアプリケーションに対する優れたソリューションになります。1次電池のエネルギーの使用量を正確に監視しつつ、その出力をシステムに必要な電圧に効率的に変換することができます。
充電式のバッテリを使用するアプリケーション
続いて、充電式のバッテリを使用するアプリケーションを取り上げます。充電式のバッテリは、大きな出力が必要なIoTアプリケーションや、消費電力が多いIoTアプリケーションに適しています。つまり、1次電池では交換頻度が高くなってしまうアプリケーションにとって有用だということです。充電式のバッテリを使用するアプリケーションは、導入コストが高くなります。つまり、バッテリと充電回路による初期コストが大きくなります。しかし、バッテリを頻繁に充電することにより、消費電力の多いアプリケーションにも対応できるため、導入コストに見合う効果が得られます。
充電式のバッテリとしては、様々な化学物質(ケミストリ)を使用したものが製品化されています。なかには、初期エネルギーが1次電池よりも少ないものもあります。しかし、長期的に見れば高い効率が得られる選択肢であり、全体としての無駄は少なくなります。必要な電力量によっては、コンデンサやスーパーキャパシタも選択肢になり得るかもしれません。ただ、それらは短い時間を対象とするバックアップ用の蓄電デバイスとして使用する方が妥当でしょう。
充電式のバッテリについては、採用しているケミストリに応じ、異なるモードや専用のプロファイルに基づいて充電を行う必要があります。図2に示したのはその一例です。これは、リチウム・イオン・バッテリの充電プロファイルであり、横軸はバッテリ電圧、縦軸は充電電流を表しています。
図2からは、次のようなことがわかります。まず、バッテリがほぼ放電済みである場合、チャージャはプリチャージ・モードで動作する必要があります。それにより、バッテリ電圧を安全なレベルまでゆっくりと上昇させます。その上で、チャージャは定電流モードに移行します。チャージャは、このような巧妙な仕組みを備えていなければならないということです。
定電流モードで動作するチャージャは、バッテリ電圧が、設定されたフロート電圧に達するまで一定の充電電流を流し込みます。
フロート電圧と充電電流の設定値は、使用するバッテリの種類に応じて決定します。充電電流は、Cレートと必要な充電時間によって制限されます。一方、フロート電圧としてはバッテリの安全性を確保できる値が設定されます。システムにおいては、必要に応じ、フロート電圧としてやや低めの値を設定することでバッテリの寿命を延ばすといったことも行えます。これは、電力に関するあらゆる事柄と同様のトレードオフの対象だと言えます。
フロート電圧に達すると、充電電流がゼロになります。アルゴリズムによって制御される充電終了時の動作として、この電圧が一定の時間維持されることがわかります。
図3に示したのは、3個のセルを使用するアプリケーションの例です。時間の経過に伴う挙動を表したものであり、バッテリ電圧を赤色、充電電流を青色で示しています。この場合、チャージャは定電流モードで充電を開始し、バッテリ電圧が12.6Vという定電圧に達するまで最大値である2Aの充電電流を維持します。そして、終了タイマーで規定されている時間(この例では4時間)にわたり、この電圧を維持するように動作します。多くのチャージャ製品では、その時間はユーザが設定できるようになっています。
アナログ・ダイアログの記事「あらゆる種類のバッテリに対応できるシンプルなチャージャIC」では、バッテリの充電に関する詳細や有用な製品について解説しています。ぜひ、この記事も参考にしてください。
図4に示したのは、代表的な降圧バッテリ・チャージャである「LTC4162」の使用例です。この製品を使えば、最大3.2Aの充電電流を供給することができます。汎用性の高い製品であり、可搬型の計測器のほか、大きなバッテリ/マルチセルのバッテリを必要とするアプリケーションなどにも適しています。また、太陽電池からの充電に対応することも可能です。
エナジー・ハーベストを使用するアプリケーション
IoTデバイスの給電方法としては、エナジー・ハーベストも有力な選択肢になり得ます。もちろん、考慮すべき事柄はいくつもありますが、無償のエネルギーの魅力は計り知れません。電力に関する要件がそれほど重要ではなく、一度設置したIoTデバイスには二度と触れない可能性がある場合(サービス技術者が、その場所に行けない場合など)には特に有用です。
エナジー・ハーベストのエネルギー源には、様々な選択肢があります。代表的なエネルギー源としては太陽光が挙げられますが、必ずしも屋外のアプリケーションにしか適用できないというわけではありません。圧電エネルギーや振動エネルギー、熱電エネルギー、RFエネルギー(但し、これは電力レベルが非常に低い)も収集の対象にすることができます。
ここで、図5をご覧ください。これは、エナジー・ハーベストの様々な利用形態についてまとめたものです。おおよそのエネルギー・レベルも示してあります。
エナジー・ハーベストには欠点もあります。1つは、1次電池や充電式のバッテリを使用する場合と比べて初期コストがかさむことです。太陽電池パネル、圧電レシーバー、ペルチェ素子などのハーベスト用の素子や、エネルギー変換IC、関連部品などが必要になるからです。
もう1つの欠点は、ソリューション全体のサイズが大きくなることです。特に、コイン電池などと比較すると大きさが目立ちます。ハーベスト用の素子や変換ICを組み合わせて、サイズを抑えたソリューションを実現するのは容易ではありません。
加えて、低いエネルギー・レベルをうまく扱い、良好な効率を得るのは困難である可能性があります。多くの場合、交流の電源を扱うことになるので、整流の処理が必要になるからです。その処理にはダイオードを使うことになるでしょう。そのため、ダイオードの固有の特性に起因するエネルギー損失に対処する必要があります。その影響は、入力電圧を高くすれば抑制できますが、常にそのようなことが可能であるとは限りません。
エナジー・ハーベスト向けの代表的な製品としては、パワー・マネージメント・ユニットである「ADP509xファミリ」やDC/DCコンバータである「LTC3108」が挙げられます。これらの製品は、複数の電源パスを備えています(図6)。また、設計において最高レベルの柔軟性を得るためのプログラマブルな充電管理用のオプションが提供されます。そのため、多様なエネルギー源に対応できます。様々なエネルギー源からADP509xに電力を供給したり、収集したエネルギーによってバッテリを充電したり、システムの負荷に電力を供給したりすることも可能です。IoTデバイス向けのエネルギー源としては、もちろん太陽光(屋外光と屋内光)を使用できます。また、ウェアラブル・アプリケーションにおける人体の熱やエンジンの熱からエネルギーを引き出す熱電発電機なども利用可能です。更に、圧電素子からエネルギーを収集することも可能であり、その場合はより高い柔軟性を得ることができます。例えば、稼働中のモータから電力を収集するといったことが行えます。
圧電素子に対応可能な降圧レギュレータとしては「ADP5304」が挙げられます。この製品は、非常に少ない自己消費電流(無負荷時で公称260nA)で動作するので、得られる電力量の少ないエナジー・ハーベスト・アプリケーションに最適です。図7に、同製品のデータシートに記載されている回路例を示しました。これは、標準的なエナジー・ハーベスト・アプリケーションに対応する回路です。圧電素子から電力を得て、A/DコンバータやRF ICに電源を供給します。
エネルギーの管理
電力バジェットが厳しいアプリケーションでは、エネルギーの管理についても検討する必要があります。その際には、アプリケーションの電力バジェットの計算を行うことから始めなければなりません。様々なパワー・マネージメント・ソリューションについて検討するのはその後です。電力バジェットの計算は重要なステップです。それにより、システムで使用する主要なコンポーネントと、それらに必要なエネルギー量を把握しやすくなります。また、1次電池、充電式のバッテリ、エナジー・ハーベスト(あるいはそれらの併用)のうちいずれを選択するのかという判断の材料になります。
エネルギーの管理について検討する際には、IoTデバイスが信号を収集し、中央のシステムやクラウドに対してどのくらいの頻度でデータを送信するのかということも重要になります。その頻度が、全体の消費電力に大きな影響を及ぼすからです。一般的な手法としては、電力を使用するデューティ・サイクルを設定するということが行われます。つまり、IoTデバイスがウェイク・アップしてデータを収集/送信する間隔を調整/設定するということです。
各電子デバイスがスタンバイ・モードを備えているなら、それも有効に活用するべきです。その種のモードは、システムで消費するエネルギー量を管理したい場合の有効な手段になります。
まとめ
あらゆる電子機器を設計する際には、回路のパワー・マネージメントについて、できるだけ早い段階で検討することが重要です。特に、IoTのように使用可能な電力量に制限のあるアプリケーションでは、そのことが重要になります。開発プロセスの早い段階で電力バジェットを策定することにより、小型のソリューションによって高いエネルギー効率を達成できるようになります。また、そうしたアプリケーションで生じる課題に対応できる最も効率的なパスや適切なデバイスを特定することが可能になります。
参考資料
Frederik Dostal「エネルギー・ハーベスト向け電力変換技術の進化」Analog Dialogue、Vol. 49、No. 3、2015年9月
Steve Knoth「あらゆる種類のバッテリに対応できるシンプルなチャージャIC」Analog Dialogue、Vol. 53、No. 1、2019年1月
Grainne Murphy「IoTの世界で、次に何が起きるのか?」Analog Devices、2018年1月
Zachary Pantely「汎用バッテリ・チャージャ」Analog Devices、2018年9月