AD569

AD569は、アナログ・デバイセズのBiMOS IIプロセスで製造されたモノリシック16ビットD/Aコンバータ（DAC）です。BiMOS IIプロセスでは、同一のチップ上に高精度のバイポーラ・リニア回路と低消費電力のCMOSロジック機能を集積化できます。チップ上には、2個の抵抗ストリング、セレクタ・スイッチ、デコーディング・ロジック、バッファ・アンプ、ダブルバッファ入力ラッチを内蔵しています。

AD569はその電圧セグメント化アーキテクチャの採用により、時間の経過と温度変動に対して16ビットの単調増加性を保証します。積分非直線性は±0.01％、微分非直線性は±0.0004％にそれぞれ維持します。オンチップの高速バッファ・アンプは、フルスケール・ステップで±0.001％以内までの精度で3µsの電圧出力セトリング・タイム特性を備えます。

出力電圧範囲を決定するリファレンス入力電圧は、ユニポーラまたはバイポーラのいずれかが可能です。リファレンス電圧範囲の公称値は±5Vであり、高精度アプリケーション向けにリファレンス・フォースおよびセンス接続を別途用意しています。乗算アプリケーションでは、AC電圧リファレンスを使用してAD569を動作させることができます。

8ビットと16ビットのバスからAD569の入力ラッチにデータをロードできます。ダブルバッファ構造の採用により、8ビット・バスとのインターフェース接続が容易で、複数個のD/Aコンバータにデータを非同期にロードし、その出力を同時にアップデートできます。CS、LBE、HBE、LDACの4つのTTL / LSTTL / 5V CMOSロジック・コンパチブル信号を使用してラッチを制御します。

AD569には、5つのグレードがあります。JおよびKバージョンは0～＋70℃の温度範囲で仕様規定しており、28ピン・プラスチックDIPと28ピンPLCCパッケージがあります。ADおよびBDバージョンは－25～＋85℃の温度範囲で仕様規定し、パッケージは28ピン・セラミックDIPです。同様に28ピン・セラミックDIPのSDバージョンは、－55～＋125℃の温度範囲で仕様規定しています。