LTC3786: リチウムイオン・バッテリからUSBへの高効率昇圧コンバータ

LTC3786: リチウムイオン・バッテリからUSBへの高効率昇圧コンバータ

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Goran Perica

Gabino-Alonso

Gabino Alonso

 

LTC3786 - High Efficiency Li-Ion Battery to USB Boost Converter

 

LTC3786 - High Efficiency Li-Ion Battery-to-USB Boost Converter

LTC3786は、すべてNチャネルのパワーMOSFETをドライブする、高性能な同期整流式昇圧コンバータ・コントローラです。同期整流によって効率が向上し、電力損失が減少し、熱要件が緩和されるので、高電力の昇圧アプリケーションで使用可能です。入力電源範囲が4.5V~38Vと広いので、幅広いシステム・アーキテクチャと各種バッテリに対応できます。昇圧コンバータの出力や別の補助電源からバイアスされる場合、起動後は入力電源電圧が2.5Vまで下がっても動作可能です。無負荷時の消費電流が55μAなので、バッテリ駆動システムの動作時間を延ばします。

上に示されている回路図と、それに関連したLTspiceによるシミュレーションは、セル電圧の範囲が2.7V~4.2Vのリチウムイオン・パワーパックからスマートフォンやタブレットなどのリチャージャブルUSBデバイスに給電する高効率で小型のコンバータとして設計されています。これらのパワーパックは非常にコンパクトなので、発熱が問題を生じる可能性があり、小型で高効率のコンバータが必要です。LTC3786の同期整流式動作は非常に効率が高いので、このアプリケーションに最適です。

効率を改善するため、RDS(ON)がちょうどよい大きさのMOSFETを選択しました。また、スイッチング損失を小さく抑え、インダクタを小さく保つため、スイッチング周波数は350kHzに設定しました。LTC3786回路はバイアスに外部5V、10mAの電源を必要とします。ただし、満充電されたリチウムイオン・セル(4.2V)から起動する条件が満たされれば、自己の5V出力から内部でバイアスすることができます。効率を上げるには、DCRが2mΩ未満のインダクタで直流抵抗検出を使います。ただし、これにより、必要な5A出力より高い電流リミットが生じます。電流制限が必要なら、LTC4231 µPower Hot Swapコントローラによって提供されるようなHot Swap™回路が電流保護を与えることができます。