概要

設計リソース

設計/統合ファイル

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評価用ボード

型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。

  • EVAL-CN0416-ARDZ ($58.85) Isolated/Non-Isolated RS-485 Transceiver
在庫確認と購入

機能と利点

  • 全二重/半二重(選択可)
  • 絶縁型/非絶縁型RS-485
  • 最大16Mbpsのデータ伝送
  • オンボード・ロータリ・エンコーダを使用したマルチノード接続

回路機能とその特長

最も広く使われている伝送線標準であるTIA/EIA-485-Aは、RS-485インターフェースの物理層を記述するもので、通常は、Profibus、Interbus、Modbus、BACnetなどのより高レベルのプロトコルと共に使われます。アプリケーションには、プロセス制御ネットワーク、工業用オートメーション、リモート端末、ビルディング・オートメーション(暖房、換気、空調(HVAC))、セキュリティ・システム、モータ・コントロール、モーション・コントロールなどがあります。RS-485インターフェースは、比較的長距離(最大1km)でも信頼性の高いデータ伝送を実現します。 

図1に示す回路は汎用RS-485通信プラットフォームで、絶縁型および非絶縁型両方のRS-485設計を実装しています。非絶縁型回路は±25Vの拡張コモンモード電圧範囲を提供し、−7V~+12VのRS-485仕様を改善します。これにより、例えばすべてのノードが同じ電源ラインと接地ラインから電源とリファレンスを得ている場合など、多くのアプリケーションでは絶縁の必要がなくなります。  

しかし、ビル間通信のようなリモート・ノード間の確実な通信を必要とする大規模システム用の絶縁インターフェースは、コントローラのグラウンドとRS-485信号の間で最大500Vの絶縁に対応します。長距離ネットワークにおけるコモンモードの影響を取り除くには、ノードやリピータを互いに絶縁する必要があり、UL1577準拠の認定を受けた絶縁型トランシーバーでは、コントローラのグラウンドとRS-485信号間で最大5000Vの保護と絶縁が可能です(1分間、UL1577による)。

この回路は、アプリケーションに応じて全二重および半二重で動作するように設定できます。各接続の終端はオープン終端または抵抗終端とすることができるので、ユーザがバスラインに容易にノードを追加したり取り外したりすることが可能です。更に、終端抵抗は標準のRS-485ケーブルまたはCAT5イーサネット・ケーブルを使用するように設定できます。デバイスへの電源には、オンボード電源またはバス電源ラインを使用できます。 

回路は、内蔵のアドレス・セレクタを使って、ポイントtoポイント・システムやマルチドロップ・システムに使用することができます。各回路は、アプリケーションと、そのデバイスを使用するネットワークに応じて、マスタ・デバイスまたはスレーブ・デバイスとして設定できます。ADALM-UARTJTAG互換のオンボードの10ピン・コネクタを使用すれば、USB仮想COMポート経由で、マスタをホスト・コンピュータとRS-485バス間のゲートウェイとして動作させることができます。

図1. 絶縁型および非絶縁型RS-485トランシーバーの簡略化した回路図

回路説明

RS-485バス規格

RS-485バス規格は、マルチドロップ通信リンクと最大1200mの長距離データ転送が可能なローカル・ネットワークを必要とする工業用アプリケーションにおいて、最も広く使われている物理層の1つです。ケーブル長12mまでは10Mbpsのデータ・レートを実現可能ですが、図2に示すように1200mでは100kbpsに低下します。

図2. ケーブル長とデータ・レート

 

RS-485バス規格の仕様の一部と、ADM2682EおよびLTC2865が提供する拡張仕様を表1に示します。

これらのトランシーバー・デバイスの詳細については、それぞれのデータシートを参照してください。ADM2682EとLTC2865の拡張仕様は、公称値上は仕様を満たすものの、場合によっては規格を下回る可能性があるようなシステムの信頼性を向上させます。例えば、工場内にある2つの装置キャビネットを、共にアース・グラウンドに接続できる場合を考えます。このときのグラウンド間の電圧差は数VACに過ぎません。しかし、一方のキャビネットがESDを受けると、そのコモンモード電圧が一時的に20Vに達することがあります。LTC2865はこのような状態に対応可能ですが、単に規格を満たしているだけのトランシーバーでは、データが破損したりトランシーバー自体が故障したりすることがあります。

ADM2682Eではコモンモード許容値が大幅に向上しており、25kV/µsの過渡耐圧と、5000Vのデバイス間電位差(1分間、UL1577による)に耐えることができます。安全性と規制に関する認定の詳細については、ADM2682Eのデータシートを参照してください。

表1. RS-485バス規格仕様
Specification Standard ADM2682E LTC2865
Data Rate 10 Mbps 16 Mbps 20 Mbps
Driver Output Applied Voltage Range −7 V to +12 V −9 V to +14 V, isolated −60 V to +60 V
Receiver Input Voltage Range −7 V to 12 V −9 V to +14 V, isolated −60 V to +60 V
Receiver Input Sensitivity ± 200 mV −200 to −30 mV ±200 mV
Cable Length Up to 1200 m Up to 1200 m Up to 1200 m
Receiver Input Resistance ≥12 kΩ 96 kΩ 112 kΩ
Number of Drivers and Receivers 32 drivers 256 drivers and receivers 256 drivers and receivers
32 receivers

 

EVAL-CN0416-ARDZには絶縁型トランシーバーと非絶縁型トランシーバーが含まれているので、エンド・アプリケーションの実際の条件と実装を決定する際の助けとなります。

回路は4個のオンボード・イーサネット・ジャックを備えていますが、このうちの2個が絶縁型通信用、別の2個が非絶縁型通信用です。イーサネット・ケーブルはRS-485アプリケーションに使用することを意図したものではなく、インピーダンスはRS-485用の120Ωに対して100Ωです。ただし一般的なCAT5ケーブルとCAT6ケーブルが広く普及しているので、開発時にプロトタイプ・システムを構築する便利な手段として使用できます。また、イーサネット・ポートの各ペアはピンがクロス配置になっているので、マルチノード・システムにストレート・イーサネット・ケーブルを使用することができます。更にRS-485信号への接続ポイントが設けられているので、容易に他のコネクタを使用したり、アプリケーションのRS-485ケーブルに直接配線することができます。


RS-485バスのノード容量 

ADM2682EとLTC2865は、共に最小96kΩ、1/8ユニット負荷のインピーダンスを備えており、1つのバス・システムに最大で256個のノードを接続できます(RS-485規格の仕様に規定されているレシーバー入力インピーダンスは12kΩで、最大ノード数は32個)。


終端

終端の一般的なガイドラインは、ケーブル伝搬遅延の4倍未満の立上がり/立下がり時間で信号伝送ラインを終端することです。標準的なCAT5ケーブルの伝搬遅延は4.8ns/m~5.3ns/mで、ADM2682EとLTC2865の最大立上がり/立下がり時間は15nsです。したがって、長さ0.78mを超えるラインについては、終端を使用することを推奨します。最も望ましいのは、すべてのRS-485システムを適切な方法で終端することです。

図3. 終端選択スイッチ

 

図3に示す回路は、RS-485ラインの終端を差動抵抗またはオープン状態に設定します。絶縁型通信にはS7を、非絶縁型通信にはS6を使用してください。全二重RS-485規格では、マスタ・ノードと最も遠いスレーブ・ノードを終端する必要があります。

半二重接続の場合は伝送ケーブルの両端を終端してください。終端抵抗の値は、ケーブルの特性インピーダンスと同じにする必要があります。CAT5ケーブルの場合は100Ωです。デフォルトの回路では100Ωの終端抵抗が使われますが、ハンダ接続により標準のRS-485終端抵抗である120Ωに設定することができます。オープン終端および抵抗終端のRS-485通信の長所と短所を表2に示します。

表2. 終端の長所と短所
Termination Advantages Disadvantages
Open or No
        Termination
Simple, low power For slow and short communications
Parallel
        Resistance
Supports long distance and fast communications High power

 

半二重動作 

図4. 半二重/全二重選択スイッチ

 

図4に示す回路は通信を半二重モード動作に設定できます。スイッチS5は絶縁型通信用、スイッチS4は非絶縁型通信用です。ドライバの非反転出力はレシーバーの非反転入力に短絡され、ドライバの反転出力はレシーバーの反転入力に短絡されます。これは2線式RS-485ネットワークを使用可能にする構成ですが、バスが一度に対応できるのは1方向のデータ伝送だけです。ドライバとレシーバーのイネーブル・ピンは、1つのドライバだけをイネーブルしてデータを送信できるようにする必要があります。3個のスレーブ・ノードで構成される半二重絶縁型RS-485通信のセットアップを図5に示します。スレーブ・ノードは同じイーサネット・ジャックを介して接続します。例えば、スレーブAのP5は、ストレートスルーのCAT5ケーブルを使ってスレーブBのP5に接続します。マスタ・ノードは、反対側のイーサネット・ジャックを介してスレーブ・ノードに接続します。例えば、スレーブAのP5は、ストレートスルーのCAT5ケーブルを使ってマスタ・ノードのP4に接続します。

図5. ADM2682E絶縁型RS-485通信トランシーバーを使用した3ノードの半二重スイッチ設定と接続図

 

表3. 図5のノードとスイッチ設定
Type of Node
Switch Settings
Master Node with Termination
S4 = half duplex, S5 = half duplex
S6 = terminated, S7 = terminated
Slave Node with Open Termination S4 = half duplex, S5 = half duplex
S6 = open, S7 = open
End Slave Node with Termination
S4 = half duplex, S5 = half duplex
S6 = terminated, S7 = terminated

 

全二重動作 

図5に示す回路は通信を全二重モードに設定できます。S5は絶縁型通信用、S4は非絶縁型通信用です。全二重モードでは、回路はすべてのレシーバーとドライバの入力と出力をそれぞれ使用します。これにより4線式RS-485ネットワークを使用し、マスタ・ノードとスレーブ・ノードの間で、両方向のデータ伝送を同時に行うことができます。3個のスレーブ・ノードで構成される全二重非絶縁型RS-485通信のセットアップを図6に示します。ストレートスルーのイーサネット・ケーブルを使用する場合、スレーブ・ノードは同じイーサネット・ジャックを介して接続します。例えば、スレーブAのP6は、ストレートスルーのCAT5ケーブルを使ってスレーブBのP24に接続します。マスタ・ノードは、反対側のイーサネット・ジャックを介してスレーブ・ノードに接続します。例えば、スレーブAのP6は、ストレートスルーのCAT5ケーブルを使ってマスタ・ノードのP24に接続します。

図6. LTC2865を使用した3ノードの全二重スイッチ設定と接続図

 

表4. 図6のノード・タイプとスイッチ設定
Type of Node Switch Settings
Master Node with Termination
S4 = full duplex, S5 = full duplex
S6 = terminated, S7 = terminated
Slave Node with Open Termination S4 = full duplex, S5 = full duplex
S6 = open, S7 = open
End Slave Node with Termination
S4 = full duplex, S5 = full duplex
S6 = terminated, S7 = terminated

 

真のフェイルセーフ・レシーバー入力 

マルチノード・システムでは、すべてのノードが受信モードになると、バス・アイドル状態になります。バス・アイドル状態での差動入力電圧は0Vです。前世代のRS-485レシーバーでは、バス・アイドル状態で誤ったデータが生成されるのを防ぐために、外部のフェイルセーフ終端とバイアスが必要でした。ADM2682EとLTC2865は、共に外部回路なしでバス・アイドル状態に対応できます。

ADM2682Eは真のフェイルセーフ・レシーバー入力を備えており、差動入力スレッショールド電圧は−200mV~−30mVです。したがって、0V差動入力電圧は定義されたロジック・レベルとして受け入れられ、ランダムなエラー・データがシステムに入り込んだり影響を及ぼしたりするのを防ぎます。

デバイスの入力スレッショールド電圧を調整する必要がある場合は、この調整によってレシーバー出力のデューティ・サイクルが非対称になりますが、これは入力信号レベルが小さいときや入力エッジ・レートが低いときには更に悪化します。LTC2865では、入力スレッショールド電圧の調整なしで完全なフェイルセーフ動作が可能です。LTC2865では、入力スレッショールド電圧を調整する代わりに内部ウィンドウ・コンパレータを使用して、入力電圧が正の閾値と負の閾値の間の範囲まで低下したかどうかを判定します。このフェイルセーフ状態が3µsを超えて続くと、フェイルセーフ状態がアサートされ、信号がハイ状態になります。


信号と電源の絶縁 

CN-0416回路は、スイッチS2を介して、ADM2682Eを通じた絶縁型通信か、LTC2865を通じた非絶縁型通信のどちらかを使用するように設定できます。

ストレートスルーのイーサネット・ケーブルを使って2つのスレーブ・ノードの絶縁型イーサネット・ジャックと非絶縁型イーサネット・ジャックを接続する場合は、P4をP24に、P5をP6に接続してください。これに対し、同じ状況でマスタ・ノードとスレーブ・ノードを接続するときは、P4をP6へ、P5をP24へ接続します。同じ電気システムを使用してすべてのノードに電源を供給する場合は、それらをすべて同じアース・グラウンドに接続すれば、グラウンド電位の異なるノード間をグラウンド電流が流れることによって生じるノイズを減らすことができます。アース・グラウンドが1つだけの構成にする場合は、非絶縁型RS-485通信が最も適しています。 

各ノードへの電源供給に異なる電気システムを使う場合、特にそれらがそれぞれ異なるビル内に置かれているような場合は、アース・グラウンドのインピーダンスが大きくなることが考えられ、それによって、ノード間に電流が流れる可能性が高くなります。グラウンド電流が予想される状況では、絶縁型RS-485通信を使用する必要があります。ADM2682Eは、アナログ・デバイセズのiCoupler®データ・チャンネルを使用して、5kVrmsの信号絶縁を実現します。同時に、アナログ・デバイセズのisoPower®集積化絶縁型DC/DCコンバータを使用して、5kVrmsの電源絶縁も実現します。

バリエーション回路

イーサネット・ポート内にあるRS-485ラインは、ドライバとレシーバーの反転入力と非反転入力、および電源ラインとグラウンド・ラインです。この他、標準RS-485ケーブルを容易に配線できるように通常のネジ式端子を使用した設計もあり、これにはシールド用の接続も含まれています。

EVAL-CN0416-ARDZボードにはADALM-UARTJTAGプログラミング・ボードと互換のコネクタがあり、PCと容易にインターフェースをとることができます。更に、3.3V電源出力を使用するためにUSB/シリアル・コンバータを選択して、ADM2682EとLTC2865の電流条件を満たすことができます。この場合、ADP7102低ドロップアウト・レギュレータは必要ありません。汎用入出力(GPIO)の数を減らしてコストを下げるためにオンボードの16進スイッチをなくし、代わりにノード選択用のフル・ソフトウェア実装を使用することができます。

回路の評価とテスト

CN-0416には、2クラスの回路評価セットアップまたはテスト・セットアップがあります。1つは直接通信用、もう1つはマルチノード・ネットワーク用です。直接通信セットアップは、エンド・ノードからエンド・ノードへの全二重接続です。マルチノード・ネットワークは、1つのマスタと複数のスレーブ間のマスタ/スレーブ通信で構成されます。

どちらのセットアップも、EVAL-CN0416-ARDZ回路評価用ボード、ADALM-UARTJTAGプログラミング・ボード、およびEVAL-ADICUP3029を使用します。テスト・メッセージを送って表示するには、シリアル・ターミナル・ソフトウェアが必要です。デバイスの接続後や取り外し後に自動接続を行う、Tera Termなどのシリアル・ターミナル・ソフトウェアを使用することを推奨します。


必要な装置

  • Windows 7(32ビット)以降を搭載したUSBポート付きのPC 
  • EVAL-CN0416-ARDZ回路評価用ボード
  • ADALM-UARTJTAGボード
  • ストレートスルーのRJ45 CAT5/CAT5Eケーブル
  • USB-microUSB変換ケーブル
  • 対応電源アダプタ付きのEVAL-ADICUP3029(CN-0416マルチノード全二重サンプル・コード搭載)


設計の開始にあたって 

EVAL-CN0416-ARDZの詳細なユーザ・ガイドはAnalog Devices Wikiで入手できます。ハードウェアおよびソフトウェア動作のあらゆる側面に関しては、このユーザ・ガイドを参照してください。

また、テスト・セットアップ全体の電源をオンにする前に、EVAL-CN0416-ARDZのオンボード・スイッチをテスト・セットアップに対応する通信設定にしてください。


直接通信用テスト・セットアップと機能ブロック図 

それぞれのEVAL-CN0416-ARDZボードのオンボード・スイッチを、終端ありの全二重に設定します。通信のタイプは絶縁型と非絶縁型のどちらかを選択できます。

図7に示す接続をセットアップするには、以下のステップに従ってください。

  1. P11ジャンパ・ヘッダを介して、2枚のEVAL-CN0416-ARDZボードを2枚のADALM-UARTJTAGボードに接続します。
  2. ストレートスルーのCAT5ケーブルを使い、2枚のEVAL-CN0416-ARDZボードを互いに接続します。
    1.  絶縁型通信の場合は一方のボードのP4を他方のボードのP5に、またはその逆に接続してください。絶縁型通信のセットアップ接続を図7に示します。
    2.  非絶縁型通信の場合は一方のボードのP6を他方のボードのP24に、またはその逆に接続します。
  3. USB-microUSBケーブルを使い、ADALM-UARTJTAGプログラミング・ボードをPCに接続します。
    1.  ADALM-UARTJTAGボードが、正しい仮想COMポートを使用していることを確認してください。
    2.  PC上で、シリアル・ターミナル接続を介して1枚目のEVAL-CN0416-ARDZに接続します。ボー・レートとCOMポートが正しく設定されていることを確認してください。
    3.  PC上で、2つ目のシリアル・ターミナル接続を介して2枚目のEVAL-CN0416-ARDZに接続します。 ボー・レートとCOMポートが正しく設定されていることを確認してください。
  4. これで、RS-485通信を介して2つのシリアル・ターミナルが互いに接続されました。

一方のターミナルがメッセージを送信すると、もう一方のターミナルがそれを受信します。これら2つのシリアル・ターミナル間のメッセージは、送信と受信を同時に行うことができます。

図7. 直接通信用の絶縁型全二重RS-485通信の接続図

 

マルチノード・ネットワーク用テスト・セットアップと機能ブロック図

EVAL-ADICUP3029でインターフェースされた2つの異なるスレーブ・ノードを持つ絶縁型および非絶縁型両方のRS-485トランシーバーを使用する、マルチノード・ネットワークのセットアップを図8に示します。それぞれのEVAL-CN0416-ARDZボードのオンボード・スイッチを図8に示すように設定し、それぞれのボードの16進選択スイッチを固有アドレス値に設定します。

図8に示すネットワークをセットアップするには、以下のステップに従ってください。

  1. マスタ・ノードの10ピン・コネクタP11を、ADALM-UARTJTAGに接続します。
  2. ストレートスルー・イーサネット・ケーブルを使い、表示されたポートで(図8を参照)EVAL-CN0416-ARDZボード同士を接続します。
  3. USB-microUSBケーブルを使い、ADALM-UARTJTAGをPCに接続します。
  4. ADALM-UARTJTAGが正しい仮想COMポートを使用していることを確認してください。
  5. シリアル・ターミナル・ソフトウェアを起動して、Wikiユーザ・ガイドに定めるボー・レートでシリアル・ポートに接続します。
  6. 通信するスレーブ・ノードの16進アドレス(0~9およびA~F)を送って、ノードを選択します。
  7. マスタが送った小文字は、同時にスレーブ・ノードがシーザ暗号を使って暗号化し、マスタに送り返します。

図8. マルチノード・ネットワーク用に絶縁型と非絶縁型を組み合わせた全二重RS-485通信の接続図

 

電源構成

ADALM-UARTJTAGまたはEVAL-ADICUP3029に正しく接続すれば、EVAL-CN0416-ARDZ評価用ボードには、回路への電力供給に必要な電圧が供給されます。