TMC技術アクセス・パッケージ

オープンソースICソフトウェアAPI

ADI Trinamicアプリケーション・プログラミング・インターフェースを使用することで、CまたはC++におけるADI Trinamic ICの使用が簡素化されます。このインターフェースは、モジュラ評価用システムの一部であるLandungsbrückeインターフェース・ボードおよびStartrampeインターフェース・ボードに搭載されているCPUを含む、様々なCPUタイプに使用できます。この2種類のボードには、それぞれFreescale MK20 Cortex® M4プロセッサとSTM-F205 Cortex M3プロセッサが搭載されていますが、その他のCPUもサポートされています。オープンソースのCコードを使用して、お客様独自のファームウェア・プロジェクトにシームレスに統合できます。


ソフトウェアAPIプロジェクトの構造

このAPIは、s32やint32_tなどの一般的な定義から、ホーミングやソフトウェア・ランプなどの高レベルの機能まで、様々なレイヤで構造化されています。各レイヤはそれ自身のフォルダで表されます。使用されるプロセッサに関係なく、tmc/helpersフォルダにデータ型とビット処理の一般的な定義が含まれます。tmc/icフォルダには、各ADI Trinamicチップに対応するフォルダが含まれます(例:tmc/ic/TMC4671)。この各フォルダには、チップのレジスタ・アドレスのリストが記載されたヘッダ・ファイルが含まれます(例:TMC4671_Register.h)。その他の.hファイルと.cファイル(例:TMC4671.h/.c)は、特定のチップの低レベル、中レベル、高レベルの関数を提供します。SPIの読出しアクセスと書込みアクセスには低レベル関数が必要です。setTargetVelocity(...)やgetActualPosition()などの中レベルの関数は、速度モードや位置モードなど、様々なアプリケーション・シナリオに対応する一般的なレジスタ・アクセスを示すものです。一部のチップでは、エンコーダの初期化と現実的な電流スケーリングに対応する関数も用意されています。

評価用ボード・プロジェクトの構造

評価用ボード・プロジェクトはAPIの使用方法を示すもので、お客様が独自のファームウェアを開発する際の出発点として使用できます。サンプルとして役立つため、ADI Trinamicのモーション・コントロールICに基づいたファームウェア開発を簡素化し、スピードアップすることができます。このプロジェクトはMakefileであり、モジュラ評価用システムで使用される2種類のプロセッサをサポートします。このMakefileのビルド・コマンドでプロセッサを選択でき、完結したファームウェア・プロジェクトを自由に使用してニーズに合わせることができます。CまたはC++の開発者向けのEclipse IDEを使用しており、他のプロセッサ・タイプや評価用ボード向けに簡単に拡張できます。CPU固有のファームウェア部分を基盤とし、ハードウェア抽象化レイヤを使用して、デジタルIO、ADC測定、SPI、通信、PWM、評価用ボード検出へのアクセスを、CPU固有のファームウェア部分から抽象化します。各評価用ボードはハードウェア抽象化レイヤを使用することで、CPUにかかわらず幅広いCPU機能にアクセスできます。

最新のAPIと評価システム・ファームウェアのダウンロード

ファイル タイプ サイズ 日付
TMC-EvalSystemプロジェクト zip 1.9MB 2020年7月7日午後4時26分
アプリケーション・ノート038—ADI Trinamic ICソフトウェアAPIの使用と例 html 520KB 2022年2月7日午後3時41分

要件とインストール

お客様独自のプロジェクトでAPIを使用するには、いくつかのソフトウェア・パッケージが必要になります。1つ目は、オープンソースの統合開発環境であるEclipseソフトウェアです。2つ目に必要なのは、GNU Arm® Embedded Toolchainです。これは、Arm Cortex-Mプロセッサ向けの事前構築済みGNUツールチェーンです。3つ目に必要なのは、TMCL-IDEです。これは、ADI Trinamicモジュールと評価用キットの制御と更新に使用されるADI Trinamic GUIです。