GPS用RF ICビルディングブロックソリューション
要約
GPS RF-IFレシーバを実装するためのマキシムの高性能CMOSおよびシリコン・ゲルマニウム(SiGe)ビルディングブロックRF ICファミリについて説明します。
追加情報:
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ワイヤレスの製品ラインページ
- アプリケーションのテクニカルサポート
- アプリケーションノート3447 「MAX2742を用いたスタンドアロンGPSレシーバの全体ソリューション」
- アプリケーションノート1985 「GPSに最適化したLNA (REP024)」
- アプリケーションノート3248 「利得ステップを備え、GPSアプリケーション用に再チューニングされたMAX2653 LNA」
- アプリケーションノートAN1749 「MAX2655 GPS LNAの安定性の測定」
- アプリケーションノート890 「シリコンゲルマニウム(SiGe)ダウンコンバータをGPSレシーバ用にチューニング」
- アプリケーションノート957 「GPSフロントエンド用にMAX2681 SiGeダウンコンバータミキサをチューニング」
- アプリケーションノート2242 「183.6MHz IF用に最適化されたGPS IF LCフィルタをMAX2538に使用」
- アプリケーションノート640 「A Single Chip Silicon Bipolar Receivers for GPS/GLONASS Applications」
MAX2741/MAX2742/MAX2745は、高性能CMOSシングルチップGPSフロントエンドダウンコンバータファミリです。これらの最先端デバイスの消費電力は非常に低く、高価なIF SAWフィルタや大型のディスクリートIFバンドパスフィルタが必要ありません。これらデバイスはすべて、低ノイズアンプ、ミキサ、BPF、自動利得制御アンプ、ローカルオシレータシンセサイザ、クロックバッファ、およびディジタルサンプラを完全装備しています。これらの製品の選択ガイドを表1に示します。製品詳細については下記データシートおよびアプリケーションノートへのリンクをご利用ください。
表1. CMOS GPS RFフロントエンドレシーバICの選択ガイド
Part | Supply Voltage (V) | Supply Current (mA) | Reference Clock (MHz) | IF Frequency (MHz) | Conversion Gain (dB) | Noise Figure (dB) | IIP3 (dBm) |
MAX2741 | 2.7 to 3.0 | 30 | 2 to 26 | 37.38 (first) 3.78 (second) |
32 (first) 47 (second) |
4.7 (first) 12 (second) |
-30 (first) -36 (second) |
MAX2742 | 2.4 to 3.6 | 14 | 18.414 | 1.023 | 117 | 4.5 | -32 |
MAX2745 | 2.4 to 3.6 | 21 | 16.368 32.736 |
4.092 | 120 | 3.5 | -25 |
MAX2654/MAX2655 SiGe LNAは、1575MHzで高利得、低ノイズ、高直線性を提供します。どちらのRF ICも50Ωの出力マッチングネットワークを内蔵し、部品数を減らしています。MAX2654 RF ICは、15.1dBの利得、1.5dBのノイズ指数、-7.8dBmの入力3次インターセプトポイント(IIP3:Input Third-Order Intercept Point)を実現しています。直線性向上のため、MAX2655 RF ICは14.1dBの利得、1.45dBのノイズ指数、+2.2dBm~+3.8dBmに調整可能なIIP3性能を実現します。MAX2654の消費電流は5.8mAと少なく、一方、MAX2655の消費電流は5.9mA~10.1mAまで調整可能です。両デバイスとも0.1µA低電力シャットダウンモードの機能を備えています。MAX2641 SiGe LNAはもう1つの優れた製品であり、1575MHzで15.7dBの利得、1.2dBのきわめて低いノイズ指数、+1.4dBmのIIP3を実現しています。消費電流は少なく、3.5mAです。MAX2641は、低電力シャットダウンモードや統合出力マッチングネットワークを備えていません。
マキシムは、現在ゲインステップをサポートするスタンドアロンGPS LNAを提供していませんが、MAX2563をGPS帯域に再チューニングすることによって優れたソリューションを提供することが出来ます。MAX2563はUSのPCSおよび欧州のDCS受信帯域で動作するように設計されたSiGe LNAです。マッチング部品を置き換えることによってMAX2563は19.2dBの利得、1.57dBのノイズ指数、-5.2dBmのIIP3を提供します。詳細についてはアプリケーションノート3248 「利得ステップを備え、GPSアプリケーション用に再チューニングされたMAX2653 LNA」をご覧ください。
MAX2680/MAX2681/MAX2682はシリコン・ゲルマニウムダウンコンバータミキサのファミリです。これらは2.5GHz~400MHzの範囲でRF周波数を受け取りますが、これにより、1575MHzのGPSアプリケーション用として優れたダウンコンバータミキサとなっています。IF出力は10MHz~500MHzのIF周波数にチューニングできます。MAX2680、MAX2681、およびMAX2682の性能については以下の表2を参照してください。
表2. GPSシリコン・ゲルマニウム(SiGe)ダウンコンバータICの選択ガイド
Part | Supply Current (mA) | ||||||
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MAX2680 | 5.0 | -12.9 | 6.3 | 11.6 | -8.2 | 8.3 | 7.6 |
MAX2681 | 8.7 | -6.1 | 7.0 | 14.2 | +0.5 | 11.1 | 8.4 |
MAX2682 | 15.0 | -1.8 | 6.5 | 14.7 | +4.4 | 10.2 | 10.4 |
次のブロック図は、マキシムの多様なビルディングブロックGPS RF ICの重要な特性を要約したものです。
GPSレシーバ用のRF IC