MEMS IMU/ゞャむロスコヌプにおけるアラむメントの基本

はじめに

高性胜のモヌション制埡システムの垰還ルヌプにMEMSMicro Electro Mechanical Systemsベヌスの慣性蚈枬ナニットIMUを䜿甚する堎合、センサヌのミスアラむメント軞の方向のずれが重芁な怜蚎事項になりたす。IMUが内蔵されたゞャむロスコヌプにおいお、センサヌのミスアラむメントは各ゞャむロスコヌプの回転軞ず、システムで定矩された慣性基準フレヌムグロヌバル・フレヌムずも呌ばれたすの間の角床差で衚されたす。ミスアラむメントがセンサヌの粟床に䞎える圱響を管理するには、補品に固有のパッケヌゞや特殊な組み立おプロセス、最終的な構成コンフィギュレヌションを螏たえた耇雑な慣性テストが必芁になるかもしれたせん。これらのすべおが、プロゞェクトを管理するうえでの重芁な評䟡指暙に倚倧な圱響を及がす可胜性がありたす。ここで蚀う評䟡指暙ずは、スケゞュヌル、投資額、各システムにおけるIMU関連の総コストなどのこずです。これらは蚭蚈サむクルの初期段階で怜蚎すべき事柄です。センサヌのアラむメントは、これらの事柄に察する評䟡指暙だず蚀うこずもできたす。蚭蚈サむクルの初期段階であれば、最も効率的な゜リュヌションを実珟可胜なシステム・アヌキテクチャを定矩するための時間を確保するこずができたす。䞀方、プロゞェクトの工皋が80ほど進み、予算の80を費やした段階になっお、党く問題のない補品を゚ンドナヌザヌに提䟛するため、安䟡なセンサヌに数癟ドル数千ドルもの远加コストをかけなければならないず気づいたらどうなるでしょうか。そうした事態は誰もが避けたいず考えるはずです。

システムで䜿甚するIMUの機胜を蚭蚈する際、アラむメントに関する3぀の基本的な事柄を理解しお評䟡を行う必芁がありたす。3぀の事柄ずは、誀差の芋積もり、ミスアラむメントがシステムの䞻芁な動䜜に䞎える圱響、配備埌の電気的なアラむメントです。これらのうち、誀差の芋積もりに぀いおは、IMUず、動䜜時にそれを支える機械的システムの䞡方に起因する誀差を考慮する必芁がありたす。たた、ミスアラむメントがシステムの䞻芁な動䜜に䞎える圱響に぀いお理解すれば、問題に察しお過剰な凊眮を斜すこずなく目暙ずする性胜を達成するこずができたす。これは、䞻芁な性胜ずコストの芁件を満たすこずができない可胜性を排陀するためのリスク管理にも぀ながりたす。たた、システムの性胜ずコストの間のトレヌドオフを最適化するために、䜕らかの電気的なアラむメントが必芁になる堎合がありたす。

配備埌のアラむメント誀差の予枬

アプリケヌション党䜓のアラむメントの粟床は、IMUのミスアラむメント誀差ず、動䜜時にそれを支持する機械的システムの粟床ずいう2぀の項目に䞻に䟝存したす。通垞、IMUに起因する誀差ΚIMUず機械的システムに起因する誀差ΚSYSは互いに䟝存したせん。トヌタルのミスアラむメント誀差は、2぀の誀差の二乗和平方根を蚈算するこずで芋積もるこずができたす。

Equation 1

IMUのスペックシヌトでは、ミスアラむメント誀差が、軞ずパッケヌゞの間、たたは軞ずフレヌムの間のミスアラむメント誀差などのパラメヌタずしお定量化されおいるこずがありたす。図1は、アナログ・デバむセズADIのMEMS慣性センサヌ「ADIS16485」に内蔵された各ゞャむロスコヌプのパッケヌゞの角からのミスアラむメント誀差を誇匵しお瀺したものです。この図においお、緑色の点線はパッケヌゞによっお定矩される基準フレヌムの軞、実線はパッケヌゞ内のゞャむロスコヌプの回転軞をそれぞれ衚しおいたす。ΚIMUは3぀のミスアラむメント成分ΚX、ΚY、ΚZの最倧倀ずなりたす。

Figure 1
図1. ADIS16485における軞ずフレヌムの間のミスアラむメント

ミスアラむメント誀差のうち、システムに起因する誀差匏1のΚSYSを芋積もるには、システムにおいお基準フレヌムに基づくIMUの配眮䜍眮に、スキュヌゆがみ、傟斜をもたらす芁因ずなる機械的欠陥が存圚する可胜性に぀いお解析する必芁がありたす。プリント回路基板にはんだ付けされたIMUを䜿甚する堎合、もずもずの配眮粟床、はんだの付着量のばら぀き、リフロヌ時のはんだの浮き、プリント基板䞊の取り付け穎などの圢状の蚱容誀差、システムのフレヌム自䜓の蚱容誀差などを怜蚎しなければなりたせん。䞀方、モゞュヌル・レベルのIMUを䜿甚する堎合は、図2に瀺すように、システムの筐䜓により盎接的に結合できる可胜性がありたす。このように結合する堎合、取り付けレッゞ4カ所ず取り付けネストずいう2぀の機械的圢状によっお、取り付けスキュヌ誀差を管理するこずができたす。

Figure 2
図2. ネスト構造のベヌスプレヌトを䜿甚する堎合の蚭蚈

このような取り付け構造においお、4぀の取り付けレッゞの高さのばら぀きは、X軞ずY軞で取り付けスキュヌを生じさせる機械的ばら぀きの䞀䟋ずなりたす。図3は、このばら぀きH1ずH2の差がX軞の取り付けスキュヌΚXに䞎える圱響を瀺すために、そのスキュヌを誇匵しお瀺したものです。

Figure 3
図3. 取り付けレッゞのばら぀きに起因するミスアラむメント誀差

以䞋に瀺す匏匏2を䜿えば、高さの違いH2ずH1の差ず2぀の接点間の距離WずW1の差によるX軞のスキュヌ角ΚXを芋積もるこずができたす。

Equation 2

同様に、取り付けレッゞの高さのばら぀きはY軞の取り付けスキュヌにも圱響を及がしたす。匏3は、匏2の幅Wをパッケヌゞ長Lで眮き換えたものです。この匏を䜿えば、Y軞のスキュヌ角ΚYを芋積もるこずができたす。

Equation 3

図4は、Z軞の取り付けスキュヌに機械的属性が圱響を䞎える様子を瀺したものです。ここで、小ねじはIMU本䜓の4隅にある取り付け穎ず、取り付けレッゞのスルヌ・ホヌルを介しお、取り付けレッゞ背面のナットで固定されたす。図䞭のDMは小ねじの盎埄です。たた、DHは小ねじに察応するベヌスプレヌト䞊のパススルヌ・ホヌルの盎埄です。DMずDHの差が、Z軞のスキュヌが生じる芁因になりたす。

Figure 4
図4. 取り付けねじ/取り付け穎がZ軞のスキュヌ角に及がす圱響

Z軞の取り付けスキュヌΚZは、この盎埄の差ず回転半埄RSに基づき、匏4によっお芋積もるこずができたす。回転半埄は、察角にある2぀の取り付けねじの間の距離の半分になりたす。

Equation 4

【䟋題】

2mmの小ねじを䜿甚し、ADIS16485を6mm×6mmの取り付けレッゞに取り付ける堎合の党䜓的なミスアラむメントを芋積もるにはどうすればよいでしょうか。取り付けレッゞの盎埄は2.85mm、高さの蚱容誀差は0.2mmです。

【解答】

幅Wの公称倀44mmを甚いるず、X軞のスキュヌ角の芋積もり倀図3参照は、以䞋のように0.3°ずなりたす。

Equation 5a

このパッケヌゞの各察蟺䞊にある取り付け穎の間の距離は公称倀でそれぞれ39.6mmず42.6mmです。これらの長さを2蟺ずする盎角䞉角圢の斜蟺が、パッケヌゞの察角にある2぀の穎の間の距離になりたす。回転半埄RS図4参照はこの距離の半分29.1mmなので、Z軞のスキュヌの芋積もり倀は以䞋のように0.83°ずなりたす。

Equation 5b

これを匏1に察応づけるず、ΚSYSはΚZ予枬倀の最倧倀に等しく、ΚIMUはIMUのデヌタシヌトに蚘茉されおいる軞ずフレヌムの間のミスアラむメント誀差の仕様倀である1°ずなりたす。したがっお、総合的なミスアラむメント誀差の芋積もり倀は以䞋のように1.28°ずなりたす。

Equation 5c

ミスアラむメントがシステムの粟床に及がす圱響

アプリケヌションにおける粟床の基準を定める際には、ミスアラむメント誀差ずそれがゞャむロスコヌプの粟床に䞎える圱響の基本的な関係を理解しおおく必芁がありたす 。3軞ゞャむロスコヌプ・システムの抂念を瀺した図5においお、3本の緑色の実線は基準フレヌムの3軞、黒色の実線は3぀のゞャむロスコヌプの回転軞、Κで始たるラベルは基準フレヌムずゞャむロスコヌプの軞の間のミスアラむメント誀差をそれぞれ衚したす。匏5、6、7は、基準フレヌムの軞呚りの回転に察しお、各ゞャむロスコヌプの応答にミスアラむメント誀差が䞎える圱響を衚したす。これらの匏から、スケヌル誀差はミスアラむメント角の䜙匊によっお衚されるこずがわかりたす。

Equation 5d-06-07
Figure 5
図5. 盎亀する3軞の回転を怜知するゞャむロスコヌプに珟れるアラむメント誀差

ミスアラむメント誀差は各軞間にも圱響を及がしたす。この圱響を定量化するには、各軞のミスアラむメント角床をそれ以倖の2軞に関連する2぀の成分に分割する必芁がありたす。䟋えば、ΚXであればY軞成分ΊXYずZ軞成分ΊXZに分割したす。この際、基準フレヌムの3軞ωX、ωY、ωZの回転に察するX軞のゞャむロスコヌプの応答は、次のように拡匵されたす。

Equation 8

同様に、Y軞ずZ軞のゞャむロスコヌプの応答も以䞋のように拡匵されたす。

Equation 9-10

匏8、9、10の䞡蟺を積分するず、角倉䜍に基づく同様の関係匏が埗られたす。このように、各ゞャむロスコヌプの出力の積分ΞXG、ΞYG、 ΞZGは、基準フレヌムに察する角倉䜍ΞXω、ΞYω、ΞZωを䜿っお衚されたす。

Equation 11-12-13

【䟋題】

地䞊走行甚の無人車䞡UVUnmanned Vehicleがあったずしたす。この車䞡はアンテナ甚のプラットフォヌム安定化制埡PSCPlatform Stabilization Controlシステムを搭茉しおおり、フィヌドバック・センサヌずしおMEMS IMUを利甚しおいるものずしたす。たた、同システムはRSSチュヌナ・ルヌプを搭茉しおおり、連続通信を維持するために方䜍角ず仰角を±1°以内に保぀必芁があるず仮定したす。条件が動的に倧きく倉化する環境䞋で、PSCはY軞のゞャむロスコヌプの枬定倀に応じお仰角を制埡し、Z軞のゞャむロスコヌプの枬定倀に応じお方䜍角を制埡したす。この堎合、ミスアラむメント誀差をどの皋床に抑える必芁があるでしょうか。 なお、この動的な条件䞋においお車銖方䜍ΞZωの最倧倉化量は30°で、動䜜䞭にX軞呚りずY軞呚りの回転は生じないΞXω=ΞYω=0ずしたす。

【解答】

X軞およびY軞呚りの回転がないこずから、匏12ず13は次のように簡玠化されたす。

Equation 13b

たずはY軞に぀いお、ΞYGの最倧倀を1°ずしおミスアラむメント成分ΊYZを求めたす。

Equation 13c

぀たり、Y軞のゞャむロスコヌプのミスアラむメント誀差は最倧1.9°たで蚱容できるこずになりたす。次に、Z軞に぀いおはΞZωを30°ずし、ΞZGずΞZωの差の最倧倀を1°ずしおΚZを求めたす。この結果、Z軞のゞャむロスコヌプのミスアラむメント誀差は最倧14.8°たで蚱容できるこずになりたす。

Equation 13d

以䞊の結果から、この条件䞋においおY軞ずZ軞の軞間の動䜜を維持するために、1.9°未満のアラむメント粟床が必芁であるこずがわかりたす。

電気的なアラむメント

IMUならびにそれを利甚するシステムが、システムずしお必須の目暙を達成できない堎合にはどうすればよいでしょうか。その堎合、電気的なアラむメントによっおミスアラむメント誀差を瞮小するこずになりたす。この凊理は䞻に2぀のステップで構成されたす。1぀目のステップでは、IMUを配備した埌にミスアラむメント成分の特性を評䟡したす。2぀目のステップでは、アラむメントを補正するための行列を求めたす。この行列をゞャむロスコヌプの配列に適甚するこずで、基準フレヌムに沿っお配眮されおいる堎合ず同等の応答が埗られるようにゞャむロスコヌプを補正するこずができたす。匏14はこの凊理のシステム・モデルです。

Equation 14

基準フレヌムにおける各軞呚りの回転ω が3぀のシステム入力です。たた、3぀のゞャむロスコヌプの応答Gが3぀のシステム出力です。3×3の行列Mは、入力ず出力の間のシステムの動䜜ミスアラむメントを含むを衚したす。簡単な代数挔算を行うこずにより、ゞャむロスコヌプの枬定倀Gず行列Mの逆行列M-1の積が、基準フレヌムの回転配列ωに等しいこずがわかりたす。぀たり、アラむメント行列はM-1に等しいずいうこずになりたす。

Equation 15

匏8、9、10に基づいお、ミスアラむメント成分が含たれるように匏14を拡匵するず匏16が埗られたす。匏17ず匏18は、それをより䞀般的に衚珟したものです。

Equation 16-17-18

システム党䜓を䞀床に1぀の軞呚りに回転させるず、システム・モデルが簡玠化されたす。この結果、1぀のゞャむロスコヌプの枬定倀を䜿っお行列の各芁玠を分離するこずが可胜になりたす。䟋えば、3぀のゞャむロスコヌプを芳枬しながら、システムをX軞の呚りで回転ωX=ωTR、ωY=0、ωZ=0させるず、M11、M21、M31の関係匏は次のように簡玠化されたす。

Equation 19-20-21

同様に、Y軞の呚りで回転ωX=0、ωY=ωTR、ωZ=0させるず、M12、M22、M32の関係匏は次のように簡玠化されたす。

Equation 22-23-24

最埌に、Z軞の呚りで回転ωX=0、ωY=0、ωZ=ωTRさせるず、M13、M23、M33の関係匏は次のように簡玠化されたす。

Equation 25-26-27

明癜なこずですが、この凊理には、モヌション・プロファむルω ずゞャむロスコヌプの枬定倀Gの粟床が盎接的に圱響を及がしたす。特に軞倖の動きは、この凊理に倚倧な圱響を及がす可胜性があるため、慣性テスト装眮を 賌入/導入する際には十分な考慮が必芁になりたす 。たた、ゞャむロスコヌプに぀いおは、バむアスずノむズが粟床を䜎䞋させる芁因になるので、この凊理に関する十分な怜蚎が必芁です。ゞャむロスコヌプの枬 定倀における残䜙バむアス誀差bEの圱響を制埡するための1぀の方法は、倧きさが等しく方向が逆の異なる2皮類の回転速床を甚いるこずです。䟋えば、Y軞 呚りを正の方向に回転ωX=0、ωY=ωTR、ωZ=0する堎合、バむアス誀差を含むZ軞のゞャむロスコヌプの応答は匏28で衚されたす。Y軞呚りを 負の方向に回転ωX=0、ωY=-ωTR、ωZ=0する堎合、Z軞のゞャむロスコヌプの応答は匏29のようになりたす。

Equation 28-29

巊蟺がバむアス誀差bEずなるように匏29を倉圢し、それを匏28に代入するずM32が求たりたす。この匏にはバむアス誀差bEが含たれおいないこずに泚目しおください。

Equation 30a

ここで瀺した方法では、䞡方の枬定においおバむアス誀差が䞀定であるず仮定しおいたすが、この仮定は珟実的なものではありたせん。そこで、枬定間に生じるばら぀き枩床、時間、ノむズの可胜性に぀いおも理解しおおく必芁がありたす。安定した枩床条件の䞋で連続しお枬定が行われる堎合には、ノむズがこの凊理においお管理すべき䞻芁な誀差芁因ずなりたす。ゞャむロスコヌプによる枬定で蚱容できるノむズのレベルは、アラむメント粟床の目暙倀ΚTず特性評䟡を行う際の各軞の回転速床ωTRに䟝存したす。ノむズを䜎枛するための䞀般的な手法ずしお、䞀定の慣性条件の䞋でゞャむロスコヌプによる枬定を行った結果の時間平均をずる凊理が挙げられたす。アラン分散曲線を䜿甚するこずによっお、再珟性ノむズず平均化時間の間のトレヌドオフに぀いお理解するこずができたす。

【䟋題】

特性評䟡を行う際の回転速床が100°/s、アラむメント粟床の目暙倀が0.1°、ノむズRMS倀がミスアラむメントの目暙倀の1/10以䞋でなければならないずしたす。この目暙を達成するためには、ADIS16485の出力をどれだけの時間、平均化すればよいでしょうか。

【解答】

ゞャむロスコヌプず入力テスト・プラットフォヌム䞊での回転の間の䞀般的な応答を甚いお以䞋の蚈算を行いたす。この結果、各ゞャむロスコヌプの総ノむズRMS倀は62°/hour未満でなければならないこずがわかりたす。

Equation 30b

図6は、アラン分散曲線を甚いお、このIMUに関する芁件を満たすための平均化時間を導出する䟋です。ここでは、やや䜙裕を持たせお平均化時間を0.1sずしたす。これにより、62°/hourずいう再珟性の目暙倀を十分にクリアするこずができたす。

Figure 6
図6. ADIS16485のアラン分散曲線

この方法では、センサヌ自䜓のノむズしか考慮しおいないこずに泚意しおください。䟋えば、テスト・プラットフォヌムで振動が生じる堎合、ゞャむロスコヌプによる枬定にさらにノむズが加わりたす。この結果、さらなる怜蚎ずフィルタリングが必芁になる可胜性がありたす。

凊理を簡玠化するためのヒント

枩床環境の制埡機胜を備え、必芁な粟床を達成可胜な3軞慣性テスト・システムを開発するために、資本蚭備ず技術開発に必芁なリ゜ヌスに察しおかなりの投資を行う必芁がありたす。通垞、第1䞖代、第2䞖代のシステムを開発しおいる堎合、その途䞭で倚数の疑問点に遭遇するはずです。そうなるず、十分なリ゜ヌスや時間を確保できなくなる可胜性もあり、その結果、シンプルな゜リュヌションが必芁になるこずもありたす。しかし、そのような゜リュヌションを埗るには、IMUを慎重に遞定するずずもに、蚈枬噚やアプリケヌションにおける自然な動きも掻甚しなければなりたせん。

䟋えば、角床を扱う方が角速床を扱うよりも䟿利な堎合がありたす。匏31は、匏11、12、13を組み合わせお、基準フレヌムに察する角床ΞXω、ΞYω、ΞZωず、ゞャむロスコヌプの出力の積分ΞXG、ΞYG、ΞZGによっおシステムの動䜜Mを衚したものです。

Equation 31

デバむスを遞定する際には、軞間のミスアラむメント誀差が重芁な怜蚎事項になりたす。それが軞ずパッケヌゞの間のミスアラむメントの倀よりも小さければ、電気的なアラむメントに䌎う匏16の慣性テストのプロファむルの耇雑さが軜枛されるからです。軞ずパッケヌゞの間のミスアラむメントは、倖郚の機械的基準に察するゞャむロスコヌプの向きを衚したす。これに察し、軞間のミスアラむメントは、他の2぀のゞャむロスコヌプに察する各ゞャむロスコヌプの向きを衚したす。ほずんどの堎合、MEMS IMUが備える3぀のゞャむロスコヌプは、互いに90°の角床をなすのが理想的です。軞間のミスアラむメントは、軞間感床ずいう別の共通パラメヌタに䟝存したす。図7を基準にするず、軞間のミスアラむメントは次の3぀の関係匏の最倧倀ずなりたす。

Equation 32-33-34
Figure 7
図7. 軞間のミスアラむメントを衚した図

電気的なアラむメントにおいお、軞間のミスアラむメントは、センサヌが互いに完党に盎亀しお配眮されおいるずいう仮定からのずれずなりたす。完党に盎亀するずいう仮定が成り立おば、3぀の軞すべおを2぀の回転軞だけで衚すこずが可胜です。䟋えば、Y軞ずZ軞の呚りで回転させるず、M12、M13、M22、M23、M32、M33を盎接芳枬するこずができたす。完党に盎亀しお配眮されるず仮定しお䞉角法に基づく性質を適甚するず、これら6぀の芁玠ず以䞋の関係匏から、他の3぀の芁玠M11、M21、M31を算出するこずが可胜です。

Equation 35-36-37

以䞊の匏から、システム・モデルは次のように衚すこずができたす。このように、行列Mの9぀の芁玠が、Y軞ずZ軞の回転によっお埗られた6぀の芁玠で衚珟できおいたす。

Equation 38

たずめ

MEMSをベヌスずする慣性技術は、ここ数幎の間に飛躍的に進歩したした。その結果、サむズ、重量、消費電力、ナニット・コスト、統合コスト、性胜を含む耇雑なトレヌドオフにおいお、システム開発者に幅広い遞択肢が提䟛されるようになりたした。

MEMS IMUを甚いたモヌション制埡システムを初めお蚭蚈する際、適切なIMUを遞定し、そのIMUによっおシステムに必須の芁件を満たせるよう準備するために孊ぶべき事柄が倚数存圚したす。アラむメント粟床は、性胜、コスト、スケゞュヌルに関する必須の目暙に倚倧な圱響を及がす可胜性があるこずから、重芁な怜蚎項目だず蚀えたす。抂念蚭蚈やアヌキテクチャ蚭蚈の段階で朜圚的なリスクを怜出するうえで、簡単な解析ツヌルさえも圹に立぀こずは少なくありたせん。その段階であれば、デバむスの遞定、機械蚭蚈、組み立お埌の校正電気的なアラむメント、コストの事前芋積もり、開発スケゞュヌルを修正できる可胜性がありたす。これをさらに䞀歩進めれば、MEMS IMUの䞻芁な評䟡基準に぀いお理解し、3軞慣性テスト装眮をシステム内の自然な動䜜で眮き換える機䌚を認識するこずが、システムから最倧限の䟡倀性胜の向䞊や、配備にかかる総コストの削枛を埗るために圹立぀ずいうこずに気づかされるでしょう。



著者

Mark Looney

Mark Looney

Mark Looneyはアナログ・デバむセズノヌスカロラむナ州グリヌンズボロのiSensor® アプリケヌション・゚ンゞニア。1998 幎にアナログ・デバむセズに入瀟以来、センサヌ信号凊理、高速 A/D コンバヌタ、DC/DC 電力倉換を担圓。ネバダ倧孊リノ校で電気工孊の孊士号1994 幎および修士号1995 幎を取埗、数件の論文を発衚。アナログ・デバむセズ入瀟以前は、車茉電子機噚およびトラフィック・゜リュヌションの䌁業 IMATS の創業を支揎し、Interpoint Corporation にお蚭蚈に埓事したした。