容量センシング・ユーザ・インターフェースは、最新のコンスーマ向け電子製品にとって魅力的な機能です。携帯電話、メディア・プレーヤ、衛星ナビゲーション・システムなどでは、ヒューマン・インターフェースを強化する傾向が高まっています。ユーザのタッチによって容量が変化してスイッチが作動する原理は十分に理解されています。しかし、適切なシールディングと配線を備えたPCボード・センサ設計の実装は、ハードウェア設計者に課題を投げかけています。
指先タッチに対応して変化する容量は、1pFのわずか数分の1です。したがって、センサやセンサ・パターンに見られるわずかな寄生容量によって、容量センサ・コントローラのダイナミック・レンジが減少します。さらに、不十分なセンサ・シールディングによって、ノイズの多い応答を生み出す結合パスが生じることがあります。これによって、センサで達成可能なS/N比とユーザ・インターフェースの分解能が低下します。AD7147 CapTouchTMコントローラは、ボタン、スクロール・バー、ホイールなどの機能を実装した単極容量センサと組み合わせて使用するように設計されており、容量センサの寄生容量、リモート・センサ接続、センサ配線、シールディングの問題を最小限に抑えるアクティブなACSHIELD信号を提供します。
容量センシングの一般的な構成は、図1に示すように、メイン・ボード上にセンサ・コントローラを置き、別のセンサ・ボード上にセンサをパターン付けします。
センサ・ボードは、ケーブルによってメイン・ボードに接続されるのが普通です。このように分離することによって、高速信号が容量センサにカップリングすることを防ぎ、グラウンド・プレーンに起因する大きな寄生容量を低減します。さらに、センサはヒューマン・インターフェースであり、メイン・ボードから離れていることが要求される場合もあります。これらのセンサは、FR4または極薄の透明なITO材料の上に実装できます。
図2に示すように、AD7147の動作は、励起信号と容量デジタル・コンバータ(CDC)との間で容量センサを交互にスイッチすることです。
ACSHIELD 信号のメリットは、センサの励起と同相の信号によってセンサとセンサ・パターンを保護できることです。シールドとセンサ/センサ・パターン間の電位をなくすと容量もなくなります。したがって、寄生容量とノイズ結合を最小限に抑えるため、ACSHIELD信号をセンサ・ボード上に配置させ、すべてのセンサ・パターンに沿った保護信号として使用できます。AD7147でACSHIELD信号を使用することによって、コントローラとセンサの間を60cmまで分離できます。
アナログ・デバイセズは、コントローラ、評価ツール、センサ設計ライブラリ、ホスト・マイクロコントローラ用のソフトウェアなど、容量センシングに完全なソリューションを提供しています。