AD7768/AD7768-4は8/4チャンネル、同時サンプリングΣ-Δ A/Dコンバータ(ADC)で、Σ-Δ変調器、チャンネルごとのデジタル・フィルタ、AC信号とDC信号の同期サンプリングのイネーブル機能を備えています。
AD7768/AD7768-4は最大入力帯域幅の110.8 kHzで108 dBのダイナミック・レンジを実現するとともに積分非直線性(INL)±2 ppm、オフセット誤差±50 μV、ゲイン誤差±30 ppmの標準性能が得られます。
AD7768/AD7768-4を使用することにより入力帯域幅、出力データ・レート、消費電力のいずれかを優先することができます。3つのパワーモードの1つを選び、目標ノイズと消費電力を最適化してください。AD7768/AD7768-4の柔軟性により、低消費電力DC測定モジュールと高精度AC測定モジュールの再利用できるプラットフォームが可能になります。
AD7768/AD7768-4には3つのモードがあります:高速モード(256 kSPS max、入力帯域幅110.8 kHz、51.5 mW/チャンネル)、中間モード(128 kSPS max、入力帯域幅55.4 kHz、27.5 mW/チャンネル)、低消費電力モード(32 kSPS max、入力帯域幅13.8 kHz、9.375 mW/チャンネル)。
AD7768/AD7768-4は広帯域、低リップル(±0.005 dB)通過帯域、急峻なロールオフのアンチ・エイリアシング・ローパス・フィルタ、ナイキスト周波数での減衰度105 dBのような多様なデジタル・フィルタ処理能力を提供します。
周波数領域の測定には広帯域リニア位相フィルタが使用できます。このフィルタは256 kSPSではDC~102.4 kHz、128 kSPSではDC~51.2 kHz、32 kSPSではDC~12.8 kHzで通過帯域が平坦(リップル±0.005 dB)になっています。
AD7768/AD7768-4は、又sinc5フィルタを介したsinc応答、低帯域幅向け低遅延経路、低ノイズ測定を提供します。広帯域幅とsinc5フィルタを選択でき、チャンネル・ベースごとに駆動できます。
これらのフィルタ・オプションの中で、デシメーション・レートを×32、×64、×128、×256、×512、×1024の中から選択してダイナミック・レンジを改善することができます。デシメーション・フィルタを変更する機能により、希望の入力帯域幅に対してノイズ性能を最適化できます。
アナログ入力電流を低減する各アナログ入力のプリチャージ・バッファやリファレンス入力端子の入力電流/グリッジを低減するチャンネルごとのプリチャージ・リファレンス・バッファのような各ADCに組み込まれたアナログ機能により設計が容易になります。
この製品はAVDD1A = AVDD1B = 5V、AVDD2A = AVDD2B = 2.25 V ~ 5.0 V 、IOVDD = 2.5 V ~ 3.3 V 又は1.8 V (IOVDD=1.8 Vでの動作が必要になる特殊の場合は「1.8 V IOVDD動作セクション」を参照してください)の電源で動作します。
この製品には外部リファレンスが必要です。絶対入力リファレンス電圧範囲は、1V~AVDD1 − AVSSです。
アプリケーション
- データ・アクイジション・システム:USB/PXI/イーサネット
- 計装および工業用制御ループ
- オーディオのテストおよび測定
- 振動と資産状態の監視
- 3相電力品質解析
- ソナー
- 高精度の医療脳波図(EEG)/筋電図(EMG)/心電図(ECG)