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閉じるエネルギー貯蔵技術で世界中に電力を供給する
エネルギーの供給については1つの課題が存在します。それは、最もエネルギーを必要としている世界の地域に、手ごろな料金で供給できるようにするというものです。つまり、電力網がまだ整備されていない開発途上国が数多く存在することが大きな問題です。停電、電圧の低下、危機的なエネルギー不足は、蓄電量を確保できないことや、需要がピークに達する時間帯に電力を適切にレギュレートできないことが原因で発生します。このような問題の根本的な原因としては、現状のエネルギー貯蔵技術は十分なレベルに達していないということが挙げられます。既存の送電網に不足する能力を補うためには、エネルギーの貯蔵技術を適用する方法が有効であるはずです。しかし、経済的な面で、この用途において実用に耐えると言えるバッテリはまだ存在しません。
![Wind turbines](/jp/_/media/analog/en/signals/battery-second-life/electrification-sf01.jpg?rev=dca3514c840f45079b9525aef302c0e6&sc_lang=ja&la=ja&h=300&w=930&hash=9772508B8F291802F67C6E429B7DBB1F)
別の場所や別の業界にも独特な問題が存在します。電気自動車(EV)は、内燃機関や化石燃料を使用しないため、環境に優しい輸送手段であると考えられています。しかしEVにも弱点はあります。バッテリは、使用期間が長くなると性能が劣化します。自動車への給電に十分な充電量を持続できなくなると、重さが0.5tにも達するバッテリをどうすればよいのかということが問題になります。現時点での最良の答えは、バッテリをリサイクルして原料を回収するというものになります。しかし、このリサイクルにはコストがかかります。また、それに関する規制は設けられておらず、明確に定義されたサプライ・チェーンも存在しません。このような背景から、IER(Institute for Energy Research)は「2019年に約5万5000個であったEV用のバッテリの廃棄数は、2025年までに340万個以上に増加する」と予想しています。
![Electric car charging at public station](/jp/_/media/analog/en/signals/battery-second-life/electrification-sf02.jpg?rev=1cafa26e46fa4900ae98dc4eed233213&sc_lang=ja&la=ja&h=300&w=930&hash=AB81D64EEB99DC27B4B1B87C51C65642)
より良いエネルギー貯蔵技術を実現するためには、より良いバッテリ技術が必要になります。アナログ・デバイセズは、この問題に向けた重要なエレクトロニクス技術を提供しています。その画期的な技術は、バッテリ・マネージメント・システム(BMS)に向けた当社の技術の進化に基づいています。当社は、バッテリの接続にワイヤ・ハーネスを使用するBMSの分野でリーダーシップを発揮してきました。それを基盤とし、当社は画期的なWBMS(Wireless BMS)技術を開発しました。自動車のメーカーにとって、WBMSはEVの更なる普及を進めるための重要な鍵になります。低コストで柔軟性が高く再利用が可能なプラットフォームを実現できることに加え、バッテリ・セル・モジュールのセカンドライフ(再利用)を可能にするデータを取得できるようになるからです。
上述した進化によって、蓄電システム(ESS:Energy Storage Systems)のようなアプリケーションでEV用のバッテリの再利用が進む可能性があります。それにより、従来よりもESSの実用性が高まると言うこともできます。ESSを利用すれば、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによって生成した電力を貯蔵しておき、電力需要が高まるピーク時に送配電網による電力供給を支援することが可能になります。その実装は、WBMSをベースとするセンサーで実現される堅牢なデータ収集機能により大きく改善されます。バッテリの販売者は、バッテリを再利用に回す前に、取得したデータを使用して各バッテリの劣化状態(SoH:State of Health)の詳細な履歴を作成することができます。そのバッテリの所有者(EVの所有者)はフル充電や部分充電(または放電)を何回くらい行ったのか、そのEVは事故に遭遇したことはあるのか、そのEVのメンテナンス記録は何を表しているのかといった履歴です。従来はデータの収集が困難だった状況下でも、このような粒度の細かい状態監視機能を提供できるようになるのです。
アナログ・デバイセズは、わずか1つの優れたバッテリ技術により、大規模でグローバルな2つのエネルギー問題の解決を支援します。1つは、EVのバッテリを再利用することにより、開発途上国向けの持続可能な電力の貯蔵方法を確立することです。もう1つは、EV自体をより低価格で実現できるようにすることです。このような未来は手の届くところまで来ています。ただ、これは当社にとって1つのマイルストーンにすぎません。当社は今後も、人の生活をより良くする画期的な技術を開発するという取り組みを継続していきます。