要約
本稿では、深部体温(Core Body Temperature: CBT)センサー・デバイス開発用のリジッド・フレックス回路基板の設計ガイドラインを示します。これらのガイドラインは一般的なもので、高い精度(±0.1ºC)が求められる複数の温度検出アプリケーションに適用できます。
ここに示す推奨事項は、テキサスA&M大学とアナログ・デバイセズ(ADI)によるCBTセンサー・デバイスの共同開発において確立されたものです。このCBTデバイスは1つのアッセンブリに4個のMAX30208温度センサー・デバイスを使用しており、このアッセンブリが熱流束を測定して、測定対象者のCBTを正確に推定します1。
はじめに
このガイドラインの目的は、高精度(±0.1ºC)の温度検出回路を設計する際に、設計者が複数の領域における潜在的な問題を特定し、それらの問題の影響を軽減するのを助けることにあります。ここでは、最近のCBT設計の例を通じてその方法を実際に示し、熱的、電気的、および機械的側面を同時に扱って、適切なトレードオフを行っていきます。設計時に考慮すべきこれらの事項は、以下の点で設計者の助けとなります。
- 正確なCBT検出デバイスの開発に伴う設計上の課題を特定し、トレードオフを行ってそれらの課題を軽減する手法を習得する。
- リモート患者モニタリング・アプリケーション用の信頼できるリジッド・フレックス・プリント回路基板の設計方法を習得する。
- 熱流束および機械的構造の検討に設計ガイドラインを適用する。
- リジッド・フレックスPCBの製造に設計ガイドラインを適用する。
CBTデバイス設計の概要
CBTパッチは、人間のCBTを正確に予測するフレキシブルなウェアラブル熱検出デバイスとして開発されました(図1a)。図1bは、このサーマル・デバイスの主要コンポーネントを示した図です。このデバイスは4個の温度センサー(MAX30208)で構成されており、これらのセンサーは、CBTを正確に数値化するために熱伝導率の異なる材料で分離されています。温度センサーは0.1ºCの精度を備えており、電源電圧は1.8Vで、低消費電力で動作します。温度センサー・デバイスの1つはPCBの中心に置かれており、あと2個の温度センサー・デバイスがPCBの中間部分とエッジ部分に置かれています。更に4個目のセンサーがフレキシブル・フィンガーの先端部分に置かれていて、これはリジッドフレックスPCBの中心方向へ向け、ネック部分で折り返されています(図1c)。
CBTパッチは、手術前、手術中、および手術後の患者のモニタを意図したデバイスです。このような環境における代表的な周囲温度範囲は20ºC~24ºCで、最大空気対流率は5W/m2Kです。前頭部の標準的な深部体温は36ºC~38ºCの範囲であり、36ºC未満の場合はハイポサーミア(低体温)と呼ばれ、38ºCを超える場合はハイパーサーミア(高体温)と呼ばれます。これらはどちらも深刻な状態と見なされ、その状態の確認後は、すべての外科的処置段階で体温をモニタする必要があります。
熱流に関してレイアウト設計時に考慮すべき事項
CBTパッチ・デバイスは、2個のMAX30208温度検出デバイスを使って、人体組織表面からの垂直方向の熱流を測定するように設計されています。これを図2に示します。MAX30208温度センサーは「TS」で示されています。他の2つの温度センサー(図1を参照)は、横方向の熱損失を考慮する助けとなります。温度センサーからのデータは、熱伝導プラグや断熱材の熱モデルと組み合わされて、前頭部のCBTを正確に予測するために使われます。
このタスクを完了させるために、温度検出回路を搭載したリジッド・フレックスPCBは次の条件を満たす必要があります。
- 高精度の温度センサーを使用する。
- 測定対象の熱システムに悪影響を及ぼさないように、(温度センサーの)消費電力が十分に小さい。
- 電気信号の伝送に適したサイズの信号用配線パターンを備えている。
- 測定対象の熱システムに悪影響を及ぼさないように、MAX30208温度センサーからの(またはセンサーへの)熱流を最小限に抑えられるサイズの信号用配線パターンを備えている。
- PCB配線パターンから熱伝導プラグ部分への熱輻射(つまりI2R損失)を最小限に抑えられるサイズの信用配線パターンを備えている。
適切な熱伝導材料と断熱材料を選択することによって、前頭部CBTの正確な予測を可能にする物理的構造が得られます。この機械的設計と、MAX30208などの高精度低消費電力温度センサーを組み合わせることで、目標とする設計を実現できます。ただし、電子デバイスに必要な電気的接続は熱も伝えます。これは望ましくない現象です。
このような伝熱経路の主なものを図3に示します。通常、このような場合は、PCB配線パターンの熱抵抗を熱伝導プラグのそれと比較して非常に大きい値に設計して、これらの熱損失(またはゲイン)による誤差を無視できる範囲に抑えます。
熱と電気は共に電子の動きを介して伝達されるので、両者は互いに緊密に関係しています。Wiedermann-Franzの法則2によれば、熱伝導率と電気伝導率の比は、異なる金属でも温度が同じであればほぼ一定です。言葉を変えると、熱抵抗にとって良いことは、電気伝導にとっては望ましくないということです。また、その逆も成り立ちます。幸いなことに、このユースケースでは温度範囲が非常に限られているので、市販されている金属とは別の金属を選んで使用する必要はありませんでした。
信号および電源用の配線パターンには市販されている金属を使用する一方で、リジッド部分とフレックス部分の相互接続部分については、やはり熱的設計と電気的設計のトレードオフが必要です。電気抵抗と熱抵抗に関する設計公式を図4に示します。リジッド・フレックスPCBの配線パターンが、より薄く、より長くなるほど、熱抵抗も大きくなります。これは、メインとなる熱伝導プラグよりパターンの熱抵抗を大きくする手段を提供し、CBTの熱システムからの熱漏れ(つまり誤差)を最小限に抑えます。しかし、残念ながらこの場合は電気抵抗も大きくなります。これは、電源ラインの電圧降下、PCB配線パターンの温度上昇、I2C通信ラインのRC時定数増大といったいくつかの悪影響をもたらします。
PCB配線パターンについて検討する前に、まず熱伝導プラグの熱的挙動を評価して、設計基準を確立しておく必要があります。伝熱経路は、図5に示すように円筒形状をしています。.
CBTパッチに使用する熱伝導プラグの熱抵抗は、その材料の熱伝導率と寸法が分かれば次式で計算できます。
PCB配線パターンの熱抵抗に注意を向けると、いくつかの点を考慮する必要があります。
- PCB配線パターン(PCB trace)の熱抵抗は、CBTパッチの熱伝導プラグ(conductive plug)の抵抗よりはるかに大きくする必要があります(例えば、RTH (PCB trace) ≥ 100 ∙ RTH(conductive plug))。
- 温度検出デバイス(例えばMAX30208)の電源要件を明らかにして、これに対応する配線パターンからBCTパッチ熱伝導プラグへの熱損失を最小限に抑えられるように、PCB配線パターンの寸法を設計する必要があります。熱損失は、MAX30208などの低消費電力温度センサー・デバイスを採用することによって、大幅に軽減できます。
- 熱伝導コアと接触するPCBトレースについては、熱輻射の有無をチェックする必要があります。配線パターンの熱に関する検討が不十分な場合は、それだけI2Rによる伝熱誤差が大きくなる可能性があります。
- 所定の断面積を持つPCB配線パターンの合計長は、(CBT熱伝導プラグと比較して)大きい熱抵抗を確保できるような適切な値とする必要があります。
PCBに使われている様々な金属の熱的/電気的特性を、図6に示します。PCBの製造に広く使われている金属(例えば金、銅、銀、アルミニウム)の熱伝導率と電気伝導率の値にはそれほど大きな差はないので、特定の金属を選択したことによって設計の選択肢が限定されてしまうようなことはありません。ここでは、コスト、入手性、機械的な柔軟性などの理由から銅を選択しました(これについては次のセクションに述べます)。
銅の熱伝導率はCBTパッチの熱伝導プラグの熱伝導率より1000倍以上大きいので、薄い銅の配線パターンの寸法は、その熱抵抗が49.8K/W(CBTパッチの熱伝導プラグの熱抵抗)よりずっと大きくなるようなものを選択しました。
PCB配線パターンは、1/2オンス銅箔(厚さ17.3μm)のコア、1.5μmのニッケル層、および0.1μmの金の外層で構成されています。これらの相対寸法を前提として、以下のすべての計算は、銅をコアとするPCB配線パターンだけを使用するものと仮定して行います。
各PCB配線パターンは幅76.2μm(3mil)で製造されているので、以下の値が得られます。
注:熱抵抗を大きくするには配線パターン幅を小さくする必要がありますが、それぞれのPCBファブ・ハウスには最小パターン幅に関する制約があります。例えば、アナログ・デバイセズでは当初2.5milのトレース幅を想定していましたが、プロトタイプの作成時には最終的にファブ・ハウスの推奨値である3milの配線パターン幅を採用しました。
更に、それぞれのMAX30208温度デバイスには、同じ寸法の配線パターン4本がセットで使われています。図7を参照してください。したがって全体的な熱抵抗は1/4に減少し(つまり、並列の熱経路が4本)、その値は次のようになります。
出力コネクタCN1へ続く4本の温度センサーI/Oライン各セットの、大体の熱抵抗値を図8に示します。
4本のI/O信号ラインのセットの中で最も熱抵抗が小さいもの(例えばTS1~CN1)の抵抗値は、CBTの熱伝導プラグの抵抗値の約380倍です。これは、100倍以上という設計上の目標を達成しています。これは、コネクタCN1からMAX30208EVSYSインターフェース・ボードへのバス・ワイヤ延長によって、更に改善されます。このプロトタイプ・システムでは長さ200mm(7.9インチ)の28AWGワイヤを使用し、耳の上部を回り込むようにしてインターフェース・ボードまで配線しました。
注:熱抵抗は熱伝導コア内部の熱伝導を分離できるだけの妥当なものとなりましたが、インターフェース・ボードで発生する熱についても検討する必要があります。発生熱が十分に大きい場合は、熱エネルギーがCBTパッチに伝わって誤差を発生させる可能性がありますが、アナログ・デバイセズの評価システムでこれが問題となることはありませんでした。
電気システムの熱誤差の軽減
電気システムに目を向けると、問題となりそうな2つの部分に注意する必要があります。すなわち、(1)MAX30208から発生する熱(例えば自己発熱)と、(2)PCB配線パターンによって発生する熱(例えば熱輻射)です。どちらの部分も、熱エネルギーがボードからCBTパッチへ(あるいはCBTパッチからボードへ)伝わることによって、熱システムの性能に悪影響を及ぼす可能性があります。MAX30208の代表的な回路設計を図10に示します。
MAX30208(精度±0.1ºC、I2C)デジタル温度センサーを選択した理由は、その高精度と低消費電流にあります。CBTパッチの電気システムには、MCUインターフェース・ボードにある安定化電源から1.8VDCが供給されます。MCUボード上には、大きな熱エネルギー源となるI2Cプルアップ抵抗が置かれています。CBTパッチのリジッド・フレックスPCBには、I2Cプルアップ抵抗が実装されていません。
37ºCで動作したときの各I/Oピンの電流および電圧のレベルを表1に示します。これらの値は、MAX30208のデータシートの電気的特性の表と、対応するTOCの図から補外されています。
消費電力のほとんどはI2C信号ラインと電源ラインによるもので、その値は連続動作時で約810μWです。温度信号は急激に変化しないので、周期的なサンプリングを採用することができます。これはデータ管理の助けとなるだけでなく、全体的な消費電力に関する要求を緩和することも可能にします。更にこれは、MAX30208デバイスに関係する信号パターンと電源パターンの放熱量を減らす助けとなります。
MAX30208の積分時間は代表値で15msです。サンプリング・レートが1Hzの場合、平均消費電力は次のようになります。
通常、パッケージの熱抵抗はデータシートに示されていますが、これを使って熱伝達を予測するにあたっては注意が必要です。θjA(ジャンクションから周囲への熱抵抗)とθjC(ジャンクションからケースへの熱抵抗)は、共にJEDEC環境によって評価されますが、これは実際のアプリケーションと大きく異なることがあります。通常、JEDEC環境は、競合するデバイス同士を比較する場合の性能指数値として使われます。
したがって、ジャンクション温度の予測に周囲温度を使用することは推奨できません4。特に、このアプリケーションの温度センサーは断熱材料と非断熱材料の間に挟まれているので、この方法には適していません。
MAX30208の温度測定回路は集積回路に組み込まれているので、それに伴うダイの自己発熱は最も関心のあるところです。このデバイスは、パッケージの上面(または下面)で外部温度を測定するように設計されています。ケース温度がダイと同じ温度だとすると、自己発熱による温度誤差は次式で予測できます5。
これはMAX30208の精度(例えば±0.1ºC)の1/100未満の大きさなので、ケースとダイが同じ温度だという仮定は受け入れ得るものです。
注:これが必ずしも常に当てはまるというわけではなく、当てはまらない場合はダイ温度の特性を評価する必要があります。このための有効な手法の1つが、ESDダイオード(通常はICのI/Oライン上に実装)を温度センサーとして使用し、ICダイの温度上昇特性を評価する方法です。
次に、熱伝導コア部分にあるPCB配線パターンのI2Rによる熱輻射に目を向けます。図8を見ると、TS1またはTS4から熱伝導コア外縁までの距離は7.5mmです。これに基づいて1本のPCB配線パターンの電気抵抗を表す式(図4を参照)と銅の抵抗率を使い、次式により抵抗値を計算します。
SCLおよびSDA信号ラインの最大電流は383μApkです。これを使用して、次式により1本のPCB配線パターンからの熱輻射の値を計算します。
これは対象となる熱システムにとって無視できる程度の値です。更に、周期的なサンプリングを行わない場合は、これが最悪条件時の絶対レベルです。結論として、MAX30208の自己発熱と、熱伝導コアのPCB配線パターンによる熱輻射の両方から生じる熱誤差が、全体に大きく影響することはありません。
ライン電圧降下も受け入れ得るレベルです。最も長いワイヤは長さ88mm(TS4~CN1)で、更にMAX3020xインターフェース・ボードへの接続に使用する200mmの28AWG(直径0.32mm)ワイヤがこれに加わります。電気抵抗の計算に使った式と同じ式を最長ラインにも使用すると、次式により抵抗値が得られます。
VDDの最大電流は67μAです。これを使用して、次式によりライン電圧降下の値が得られます。
これは十分に小さい値なので、電源電圧変動除去に関する問題が生じることはありません。
ここまで、CBTパッチに使用するリジッド・フレックスPCBの熱的および電気的な設計時に考慮すべき重要な事項に焦点を当ててきましたが、設計時は有限要素法解析(FEA)の使用を強く推奨します。この例では、最初のパッチのプロトタイピングの前に、トランジェント解析の妥当性を評価するためにFEA(熱)を実施しました。本稿では、熱容量と電気容量についての検討は行いませんでした。熱容量と電気容量は、どちらもこのアプリケーションの性能には大きく影響しませんが、設計段階においてはこれらについての分析も行うことを推奨します。
CBTデバイスの回路図を図11に示します。この図では、熱流を減らし、2層ポリイミド・リジッド・フレックス・ボード内での電気的な相互接続を確立するために使われる、PCB配線パターンのブランチに焦点を当てています。
レイアウト設計時に機械的構造と信頼性について考慮すべき事項
リジッド・フレックス回路は、従来型リジッドPCBとフレキシブル回路のハイブリッド構造です。この回路は前頭部の表面形状に沿って取り付けができるような機械的特性を持つように設計されていますが、いくつかの重要な場所には剛性が求められます。これらの場所を以下に示します。
- 9個のSMTコンポーネントの取り付け位置。
- 円形状回路部分から温度センサー(TS4)へと続く回路フィンガー部分。
- 円形状回路部分からコネクタ(CN1)へと続く回路フィンガー部分。
- リジッド回路からフレックス回路への境界部分。
通常、SMTコンポーネントは半田リフローを使って取り付けられます。したがって、組み付けるコンポーネントは、半田付けの完全性を保つために硬いPCB材料の上に置く必要があります。また、フレックスPCB材料上にハンダ付けしたSMTコンポーネントは、応力が加わらないように注意して扱う必要があります。ユースケースが比較的物理的外乱を受けないようなものであったとしても、長期的な信頼性を確保するには、取り扱いや次段階のアッセンブリについて十分に考慮する必要があります。
代表的なPCBスティフナには、FR4、ポリアミド、ポリイミド、金属などが使われます。このCBTパッチは、フレキシブル部分に厚さ4milのポリイミドを、リジッド部分に厚さ12milのポリイミドを使用しています。フレキシブル・フィンガー回路は、剛性を持たせるために金属部分を設けて補強されています。
CBTパッチのプロトタイプは、後で2箇所を静的に折り曲げることのできる、フラットなリジッド・フレックス・アッセンブリとして作成されました。図12に示すように、円形回路部分からTS4温度センサーへ続く回路フィンガーは、最終アッセンブリ時に2箇所で90ºに折り曲げる必要があります。
TS4フレックス・フィンガー部分は一度だけ静的に曲げますが、このときに生じる応力疲労を軽減するために、レンガ状に配置された金属片が使われています。図13は、レンガを互い違いに置くようにして配置したスティフナと、リジッド部分とフレックス部分の境界に加わる機械的応力を軽減するネック部分の補強です。更に、レンガ状パターンの隙間は、これらの金属に沿った熱伝導を無くします。この設計手法は、円形回路部分からコネクタ(CN1)へと続く回路フィンガー部分でも踏襲されています。
検討すべきその他の項目には、90ºのコーナーを避けること(例えば応力集中点)や、プリフォーム製造実現の可能性などが含まれます。
製造時に考慮すべき事項とガイドライン
堅牢かつ信頼性の高い設計を実現するために、設計者には、PCBファブおよびアッセンブリ・ハウスと密接に協力することを推奨します。すべての電気的、熱的、および機械的側面の詳細設計は、初品を製造する前に再確認する必要があります。多くの場合、ファブやアッセンブリ・ハウスは、設計改善のために使用できる代替の材料や手法を備えています。
CBTパッチのリジッド・フレックスPCBアッセンブリ・プロセス開発においては、いくつかの大きな問題を解決しなければなりませんでした。例えば使用する半田リフロー材料と、半田リフロー・プロファイルです。最初は標準的なリフロー半田を使用しましたが、剥離が生じてしまいました(図14を参照)。エア・ポケットは断熱材としての役割を果たし、リジッド・フレックスPCBを通過する熱に影響を与えるという事実を踏まえると、これは特に望ましくない事態です。この問題は最終的に低温の共晶半田を使用することによって軽減されましたが、受け入れ可能な製造量を実現するまでには、いくつかのバッチにわたって半田リフロー・プロファイルを精密に調整する必要がありました。
まとめ
以上、高精度伝熱アプリケーションの技術的障害を軽減するために、設計時に考慮すべき事項について述べてきました。具体的には、高精度低消費電力のデバイス(例えばMAX30208温度センサー)が、深部体温パッチの性能要求をどのように満たすことができるのかを示しました。適切なコンポーネントを選択することと、熱的、電気的、機械的設計の間でバランスの取れたトレードオフを実現する優れた手法を採用することで、優れた設計を行うことができます。
謝辞
CBTパッチ・デバイスの開発に際しては、以下の方々から多大なご協力を頂きました。この場を借りて感謝を申し上げる次第です:Dr. John Hanks、Dr. Amir Zavereh、Dr. Limei Tian、Miguel Rosas( 現在Empower勤務)、Saifur Rahman、Brittany Tran( 現在アーカンサス整骨医学大学学生)、Cody Carlisle、Christian Orred( 現在Argon Medical Devices Inc.勤務)、Ricky Lee(現在Rook Quality Systems勤務)、Texas A&M Engineering Experiment Station(TEES)のSavannah Rhodes(現在SageSensor勤務)、テキサスA&M大学、ならびにアナログ・デバイセズのGreg Schilling、Fahad Masood、Don Elloway、およびIan Chen(現在Silvaco Inc.勤務)。