「Power by Linear」が取り組む次なる課題

「Power by Linear」が取り組む次なる課題

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Tony Armstrong

Tony Armstrong

アナログ・デバイセズは、電源に関する次なる課題に対して、どのように取り組んでいるのでしょうか。本稿では、このテーマについて、Tony Armstrongが説明します。Armstrongは、アナログ・デバイセズのPower by Linear製品グループの製品マーケティング・ディレクタを務めています。パワー・コンバージョン製品やパワー・マネージメント製品の構想から生産終了までのあらゆる側面に対応する役割を担っています。

アナログ領域の強力なリーダーに

アナログ・デバイセズは、2017年3月にLinear Technologyを買収しました。当社は、この買収によって「ハイ・パフォーマンスなアナログ・リーダーが誕生する」と宣言しました。当時、アナログ・デバイセズの社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるVincent Rocheは次のように述べていました。「アナログ・デバイセズとLinear Technologyは、いずれもビジネス及び技術の両面で半導体業界において極めて強力な基盤を持つ企業です。両社は、それぞれ卓越した技術開発力を備えています。それに加え、業界をリードする両社の製品群は、極めて高い補完関係にあります。この買収によって両社が統合されることにより、アナログとデジタルの世界をつなぐ領域で、顧客企業が直面している最も大きく最も複雑な課題を解消できるようになります。当社は、従来にないレベルのイノベーションを生み出すことで、産業用機器や車載機器、通信インフラといった分野のパートナー企業をサポートしていきます。今回の統合がお客様や従業員、ひいては業界にとって、大きな意味を持つことになると大いに期待しています」。買収が完了してからまだ2年も経っていませんが、ハイ・パフォーマンスなアナログ・リーダーが実現されたと考えています。

これから注力すべき分野

アナログ・デバイセズは、バッテリ管理やエナジー・ハーベスティング、電力制御といった分野を対象とするパワー・エレクトロニクス製品群によって、広範なアプリケーション分野に対応しています。では、現時点で特に注力しているのはどのような分野なのでしょうか。また、将来的に大きな成長が見込まれるのはどの分野なのでしょうか。

現在、アナログ・デバイセズでは、µModule®ファミリのレギュレータを代表的なパワー・エレクトロニクス製品として位置づけています。µModuleファミリの製品開発を担当しているのが、当社のPower by Linear(PbL)グループです。µModuleファミリの製品はSiP(System in Package)の形態で提供され、設計期間の短縮を実現すると共に、基板上の実装面積、放熱、密度といった、最も一般的な課題の解決に貢献します。完全なパワー・マネージメント・ソリューションであり、DC/DCコントローラ、パワー・トランジスタ、入出力コンデンサ、補償用の部品、インダクタをコンパクトな表面実装型のBGA/LGAパッケージに収容しています。µModule製品を採用すれば、設計の複雑さにもよりますが、設計作業を完了させるまでに必要な時間を最大で50%も短縮することができます。µModuleファミリのレギュレータ製品は、部品の選定、最適化、レイアウトという設計上の負担から、設計者を解放してくれるからです。そうした作業はデバイス側で肩代わりしてくれていると表現することができるでしょう。その結果、設計に要する時間やシステムのトラブルシューティングにかかる時間を削減でき、最終的には市場投入までの期間を短縮することが可能になるのです。なるべく早く製品を市場に投入しなければならないというプレッシャーは大きくなるばかりです。一方で、スイッチング・レギュレータの設計に関する専門知識を持つ人材は、世界中で不足する傾向にあります。そのため、正しく動作することが保証された完全な電源を利用したいと考える顧客は少なくありません。シンプルかつ即座に使用できる形態で提供されるµModuleのソリューションは、そうした顧客に対して数多くのメリットをもたらします。

µModuleファミリのレギュレータ製品では、ディスクリート構成の電源や、シグナル・チェーン、絶縁設計に一般的に用いられる主要なコンポーネントが、一般的なICと同様のコンパクトなフォーム・ファクタに収容されています。それらの製品群は、アナログ・デバイセズの信頼性の高い製造プロセスと厳格なテストによって支えられています。そうした製品を採用することで、パワー・コンバージョン回路の設計と基板レイアウトの作業の負荷を軽減することができます。

µModule製品は、POL(Point of Load)コンバータ、バッテリ・チャージャ、LEDドライバ、パワー・システム・マネージャ(PMBusを使用し、電源をデジタル的に管理する)、絶縁型コンバータなど、広範なアプリケーションに適用できます。すべての製品には、実際に使用可能なプリント回路基板用のガーバ・ファイルが用意されています。µModule製品は、高度な統合を実現したソリューションです。これを採用することで、時間とスペースの制約に対処しつつ、高い効率と信頼性を得ることができます。また、一部の製品は、EN 55022のクラス Bに準拠しており、非常に優れたEMI性能が得られます。

開発しなければならないシステムはますます複雑になるのにもかかわらず、設計に許される時間は短縮される一方です。そのため、設計リソースはひっ迫し、システムの主要なIP(Intellectual Property)の開発に重点が置かれるようになります。その結果、電源の設計については、開発の最終段階まで放置された状態になるということが少なくありません。開発の現場では、電源の設計のために十分な時間を確保できないことに加え、おそらくは電源の設計を専門とする人材にも限りがあるはずです。それにもかかわらず、最小限の実装面積で高効率のソリューションを実現しなければならないというプレッシャーがのしかかります。

そのような場合には、µModuleファミリのレギュレータが理想的な解決策となります。µModuleは「内部は複雑に、外部はシンプルに」をコンセプトとしており、スイッチング・レギュレータの効率とリニア・レギュレータのシンプルな設計を兼ね備えます。スイッチング・レギュレータを使用する場合、設計、基板のレイアウト、部品の選択が非常に重要な要素となります。経験豊富な設計者の多くは、駆け出しの頃に基板が燃える独特の匂いをかいだ経験を持つでしょう。納期が短く、電源の設計リソースが限られている場合には、完成した状態で提供されるµModule製品が開発期間の短縮とリスクの軽減に大いに役立つはずです。ここまでに説明したあらゆる機能、もたらされるメリットから、µModuleファミリのレギュレータが、当社で最も成長著しい製品カテゴリの1つであることがご理解いただけるでしょう。

パワー・エレクトロニクスの成長が見込める市場とは?

現時点では、パワー・エレクトロニクスについては、事実上すべての市場/地域で多くの需要があると言えます。市場を牽引する主要な要素としては、4G(第4世代移動通信システム)、特にLTEのインフラが挙げられます。また、自動車の電動化も大きな牽引要素です。更に、やり取りされるデータの量がとどまることなく増加していることから、高いスループットを提供できるデータ・センターを増設する必要性が生じていることなどが挙げられます。

1つの例として、自動車の電動化を取り上げてみましょう。新たに提案された車載規格LV148では、既存の12Vのシステムに補助的な48Vの電源バスを組み合わせると規定されています。48Vの電源レールは、ISG(Integrated Starter Generator)またはベルト駆動式の発電機、48Vのリチウムイオン・バッテリ、双方向のDC/DCコンバータによって実現されます。LV148では48Vのバッテリと12Vのバッテリを合わせて、最大10kWの有効なエネルギーを供給します。自動車メーカーは、ますます厳しくなるCO2の排出量の規制に準じる必要があります。LV148は、内燃機関だけで走行する従来の自動車だけでなく、ハイブリッド車やマイルド・ハイブリッド車も対象としています。

この新規格でも、点火、照明、インフォテインメント、オーディオの各システムには、従来どおり12Vの電源バスによって電力が供給されます。一方、48Vのバスは、アクティブ・シャーシ・システム、エアコン用のコンプレッサ、アジャスタブル・サスペンション、電動スーパーチャージャ/ターボに電力を供給すると共に、回生制動もサポートします。追加で使用されることが決まった48Vの電源バスは、複数の生産モデルで間もなく利用可能になる見込みです。エンジンの始動もサポート可能なので、停止と始動の動作がより滑らかになるはずです。また、電圧が高くなるということは、より細いケーブルを使用できるということを意味します。したがって、ケーブルのサイズと重量が減少します。今日の高級車の場合、配線の全長が4kmを超えることがあります。車はPCのような状態になり、プラグ&プレイが可能なデバイスが数多く登場する可能性があります。自動車で通勤している人は、1日のうち平均で9%を車内で過ごしています。車にマルチメディアとテレマティックスを導入することにより、娯楽が増えるだけでなく、生産性が高まる可能性もあります。

48Vのバッテリ・システムは、間もなく実現されます。一部の自動車メーカーによると、48Vをベースとする電気システムを使用することで、内燃機関を使って走行する自動車の場合、燃費が10%~15%向上します。それに伴って、CO2の排出量も削減されます。

また、48V/12Vのデュアル・システムを使用する将来の自動車には、エンジンの負荷とは無関係に動作する電気ブースタ機能を搭載できるようになります。その結果、加速性能が向上します。既に先行開発が進められており、コンプレッサを吸気系統と中間冷却器の間に配置し、48Vの電圧を使用してターボの回転数を上げるということが行われています。

なお、専門家らによると、パワー・エレクトロニクスの中で、パワー・モジュールが最も大きな成長を見せているといいます。実際、パワー・モジュールが大きく成長していることに間違いはありません。その理由は、μModuleについての説明で示したとおりです。

新たな技術の可能性

パワー・エレクトロニクスの分野では、SiC、GaN、IEGT(Injection Enhanced Gate Transistor)、ワイド・バンド・ギャップなど、新たな技術が続々と登場しています。近い将来、アナログ・デバイセズのパワー・エレクトロニクス製品でも、そうした新たな技術への対応を図ることになるはずです。

SiCとGaNの技術が進化して、いずれは主流になるのかもしれません。これらの技術が将来的に大きく成長する可能性を秘めていることは明らかです。ここでは、SiCやGaNに対応する製品分野において、当社がどのような取り組みを行っているのか具体的に説明するのは控えることにします。ただ、SiC/GaN技術の進化の状況とその市場の成長について注視していることは間違いありません。強力なソリューションを投入できる領域があれば、それをターゲットとした高性能の製品の設計/開発を進めるつもりです。

5Gとパワー・エレクトロニクスの関係

アナログ・デバイセズのCEOを務めるRocheは、「5Gの実用化は当社にとって極めて大きなチャンスになる」と述べています。では、その中でパワー・エレクトロニクス製品はどのような位置づけにあるのでしょうか。

5Gの性能は、4Gの性能の数百倍に上ります。下りの通信速度は、理論的には10Gbpsにも達します。また、信頼性は劇的に向上し、遅延は大幅に低減されます。しかし、重要なことは、5Gがどれだけ普及するのか、それが私たちの生活にどのような影響を与えるのかということです。解像度が4Kの長編映画のデータをわずか数秒でダウンロードできるようになり、仮想現実と真の現実を完全に区別するのが困難になる状況を想像してみてください。

また、500億台ものデバイスが常に稼働していて、それらが常時ネットワークに接続されている世界を想像してみてください。それらすべてのデバイスが、人々の通勤を快適にし、家庭内の環境をスマートにし、人々の健康に寄与し、娯楽に没入感を与え、世界を安全にするのです。それが5Gによってもたらされる未来です。最も素晴らしいのは、5Gに関する設計とテストが既に進んでいて、そうした未来が日々近づいていることです。アナログ・デバイセズは、National Instruments(以下、NI)と共同で、5Gに関する開発に取り組んでいます。イノベーションとパートナーシップによって、想像を超える可能性を追求しています。

NIは、技術者や研究者が、明日を形作る画期的なソリューションを生み出すために必要な革新的なツールを提供しています。5Gの研究/開発を支援するNIの設計/テスト用の計測器も、NIのコミットメントを体現するものです。

その1つの例が、NIが提供する第2世代のベクトル信号トランシーバー(VST:Vector Signal Transceiver)です。RFに対応するVSTは、RF対応の信号発生器と信号アナライザ、ユーザが構成可能なFPGAなどを組み合わせて、2スロットのPXI(PCIeXtensions for Instrumentation)モジュールとして製品化したものです。同様に、ベースバンドに対応するVSTは、ベースバンド帯のI/Q信号発生器、ベースバンド帯のI/Q信号デジタイザ、ユーザが構成可能なFPGAを2スロットのPXIモジュールとして統合しています。両モジュールに適用されている独自の設計は、計測の迅速化と資本設備コストの低減によって、テストにかかるコストの削減に貢献します。

NIの製品の性能とリプログラマビリティにより、複数のセルラ規格(3G、4G、LTE、5Gに加え、Wi-FiやBluetooth)に関するテスト用のプログラムや特性評価用のプログラムを、1つの統合されたソリューションを使って開発することができます。第2世代のVSTを使えば、ソフトウェアによって新しい個々の規格に素早く適応することが可能です。そのため、5Gのプロタイピングとテスト用の開発を大幅に加速することができます。

そのようにして得られる効率の向上により、テストにかかる時間とコストが削減されます。その結果、最先端の設計を適用した製品を市場に迅速に投入することが可能になります。NIの製品が有用であるという証拠は、既に世界各地の大学や企業の取り組みによって確認することができます。NIのリプログラマブルな計測器を利用し、Massive MIMO(Multiple Input, MultipleOutput)、ミリ波、チャンネル・サウンディング、変調方式の開発など、5G NR(New Radio)に対応するための技術のプロトタイピングが行われています。

第2世代VSTは、その性能と柔軟性によって、変化する規格に適応する能力をもたらします。そのため、VSTは、将来的にも利用が可能な製品です。5Gの開発が更に進むにつれ、難易度の高い課題の解決に欠かせないテスターになるでしょう。

実は、第2世代のVSTには、アナログ・デバイセズの100種以上の製品が使用されています。それらの製品は、VSTにおける様々な性能の向上とフォーム・ファクタの縮小に貢献しています。実際、それらの製品によって、VSTの最適化が図られているというのは大きな事実です。ただ、それと同等に重要なのは、アナログ・デバイセズとNIの間の緊密なパートナーシップです。アナログ・デバイセズとNIは、第2世代のVSTが業界で求められる性能レベルで機能するにはどうすればよいのか話し合いました。その結果、アナログ・デバイセズは、NIの求める厳格な仕様に応じてカスタマイズした製品を供給することができました。アナログ・デバイセズはNIと協力し、反復的な方法によってIC製品の性能をテストして最適化を進めました。それにより、第2世代のVSTに盛り込む理想的なソリューションをNIに提供しました。そうした一連の取り組みにより、5Gの性能に対するニーズについて、深い洞察を共有することができました。

その他の有望な市場

アナログ・デバイセズは、Power by Linearの製品として、高性能のバッテリ・チャージャICの包括的なラインナップを用意しています。リチウムイオン、鉛酸、ニッケル・ベースなど、様々なポータブル製品に使われるあらゆる充電式バッテリに最適な製品を提供しています。そうしたバッテリ・チャージャICは、リニア・トポロジまたはスイッチング・トポロジを採用しています。完全に自律的に動作する製品もあれば、マイクロコントローラと共に使用する製品もあります。各製品を使用すれば、最小で10mA、最大で4Aまでの充電電流を簡単に得ることができます。その他の注目すべき機能としては、バッテリのプリコンディショニング、温度制御、NTC(NegativeTemperature Coefficient)サーミスタ用のインターフェース、SMBusまたは I2Cのインターフェースを介したデュアル・スマート・バッテリ・システムの管理などが挙げられます。メインのバッテリが切断されたり、無線システムを介した緊急通報が必要になったりした場合に対応できるので、自動車で使われるバッテリの充電と管理を行うための優れた選択肢となります。

当社が関心を寄せているもう1つの主要な市場が、環境技術の分野です。省エネやエナジー・ハーベスティングをターゲットとするすべての製品は、現在の市場の状況にさほど依存することのない成長の可能性を秘めています。エネルギー関連のコストや環境の悪化について懸念されていることに加え、モバイル機器で使われるバッテリの寿命を延伸したいというニーズがあることから、広範な種類のアプリケーションにおいて、いかに電力の最適化を図るかということに注目が集まっています。エネルギー効率の高い当社の製品は、電力の効率的な変換、消費電力の削減、バッテリ寿命の延伸というメリットをもたらします。例えば、当社のLEDドライバであれば、自動車、医療用機器、ノート型PC、オフィスの照明など、多種多様なアプリケーションにおいてこれまでにないレベルで消費電力を抑えることができます。当社の効率的なアナログ・ソリューションは、太陽光発電や風力発電といった革新的なクリーン技術の開発/普及を促進する役割を担っています。

設計者に提供される強力なサポート

繰り返しになりますが、システムがより複雑になる一方で、設計に許される時間は短くなる傾向にあります。そのため、設計リソースがひっ迫し、システムの主要なIPの開発に重点が置かれるようになります。結果として、電源の設計については、開発の最終段階まで放置されることが少なくありません。電源の設計に許される時間が少ないだけでなく、おそらくは電源の設計を専門とする人材にも限りがあるはずです。それにもかかわらず、最小限の実装面積で高効率のソリューションを実現しなければなりません。これは設計者にとって大きなプレッシャーになります。

そのような場合に役に立つのが、Power by Linearグループのサポート・チームです。このチームは、電源に関するあらゆるニーズに応えるべく、あらゆる支援を提供します。当社は、実績のある完成した状態のソリューションを提供しています。ただ、それだけでなく、当社のアプリケーション・エンジニアが顧客のニーズに応じてパワー・ツリー全体の設計を担当することも可能です。また、当社のウェブサイトでは、多数のソフトウェア設計ツールを無償提供しています。パワー・エレクトロニクスに関連するものとしては、次のようなツールがあります。

  • LTpowerPlay®:アナログ・デバイセズのパワー・システム・マネージメント(PSM)製品をサポートする強力な開発環境です。PMBusに対応するパワー・システム・マネージャ製品や、PSM機能を搭載するDC/DCコンバータなどを対象とします。マルチチップに対応する構成ファイルを作成/保存した後に再ロードできるオフライン・モード(実際のハードウェアは不要)など、様々なタスクをサポートしています。
  • LTpowerCAD®:電源の設計に必要なあらゆる機能を備えるソフトウェア・ツールです。これを使用することにより、設計作業を大幅に簡素化することができます。アナログ・デバイセズのµModule製品やモノリシック型DC/DCレギュレータ製品を使用するアプリケーションに必要な部品のパラメータの推奨値や、回路全体の性能の予測値を提供します。設計プロセスの全体をサポートしているので、設計作業の負荷を軽減し、設計期間を短縮することができます。
  • ADIsimPE:アナログ/ミックスドシグナル回路の設計/開発向けに最適化された回路シミュレーション・スイートです。「SIMetrix/SIMPLIS」をベースとしています。SIMetrixモードを使えば、一般的な非スイッチング回路のシミュレーションを最適に実施することができます。業界標準のSPICEモデルと組み合わせて使用できるように、PSpice®に対する完全な適合性を実現しています。SIMPLIS(Simulation PiecewiseLinear System)モードを使えば、標準的なSPICEモデルと比べて堅牢性、速度、精度が大幅に改善された状態で、スイッチング回路の動作シミュレーションを行うことができます。これは、スイッチング電源やPLL、A/Dコンバータ、D/Aコンバータを使用するアプリケーションを扱う場合に特に有用です。
  • ADIsimPower Selector:アプリケーションの要件に応じて、300品種を超えるパワー・マネージメント製品と10種類以上の構成を基に、最適なソリューションを比較/選択することができます。ソリューションごとに、IC、外付け部品、動作条件を考慮して性能の予測を行い、比較を実施することが可能です。
  • LTspice®は、アナログ回路シミュレーションを容易にするための拡張機能とモデルを備えた、高性能SPICEシミュレーション・ソフトウェア、回路図入力、波形ビューアです。LTspiceのダウンロードには、汎用回路シミュレーション用のデバイス・ライブラリと共に、アナログ・デバイセズの大多数のスイッチング・レギュレータやアンプのマクロモデルが含まれています。LTSpiceは、回路設計者がリアルタイム(数分)で回路シミュレーションを実行できる、アナログ・デバイセズの無料ソフトウェア・プログラムです。

アナログ・デバイセズは、あらゆる分野に向けたパワー・エレクトロニクス製品を開発しています。既に、次世代の課題を解決するための準備を十分に整えていることもご理解いただけたでしょう。