ADM8832

ADM8832は、カラー薄膜トタンジスタ（TFT）LCDで使われるチャージ・ポンプ安定化電源です。このデバイスは、チャージ・ポンプ技術を使って、3Vの単電源入力から、3種の電圧（+5.1V±2%、+15.3V、-10.2V）を生成するように使うことができます。そして、これらの出力は、LCD制御（+5.1V）と、パネル内のトランジスタのゲート・ドライブ（+15.3Vと-10.2V）用の電源を提供するために使われます。このチャージ・ポンプ用として必要とするのは、わずかな外付けコンデンサのみです。また、高効率な低ドロップアウト電圧安定化電源は、電源効率を高めると同時に低リップルな5.1V出力を提供します。このLDOはシャットダウンして、5Vダブラー出力を安定化するために外部LDOを使うことができ、ユーザによって必要な場合は、チャージ・ポンプセクションへの入力をドライブして、+15.3Vと-10.2Vを生成します。

ADM8832は、スキャニング・モードのための100kHzの内部発振器を持っていますが、この製品は、ブランキング（低電流）モードでは外部クロック源によるクロッキングが必要となります。この内部発振器は、電流値が最大になるスキャニング・モード期間のチャージ・ポンプのクロックとして使われます。ブランキング期間では、ADM8832は、外部のより低い周波数クロックを使うように切り替えます。このことで、ブランキング期間中、ユーザは周波数を変化させパワー効率を最大化するために使うことができます。出力電圧上の偏差は、スキャニング・モードからブランキング・モードに切り替わる、または逆の時に、途切れることなく維持されます。

ADM8832は、低パワーのシャットダウン、上述記したブランキング期間中の静止時消費電流の削減など、多くのパワー・セービング機能を持っています。5.1V出力は最もパワーを消費しますので、発振器は(Green Idle™)方式が可能で、この出力時でのパワー効率は最大化されます。このことは、負荷電流を効率的にセンスし、5Vのポンプ・ダブラー出力に対して送り出すためにチャージを必要とする時のみにチャージ・ポンプに切り替リます。

ADM8832は、電力消費を最小化するためにCMOS技術を使って製造されています。この製品は、20ピンのLFCSP(リード・フレーム・チップ・スケール・パッケージ)を採用しています。

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