インシュリン・ポンプ
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ADUCM360

ADuCM360は、3.9kSPS、24ビット・データ・アクイジション・システムで、デュアルの高性能マルチチャンネル・シグマ・デルタ(Σ-Δ)A/Dコンバータ(ADC)、32ビットARM Coretex™-M3プロセッサ、とフラッシュ / EEメモリをすべてシングル・チップ上に内蔵しています。ADuCM360は、有線およびバッテリ駆動アプリケーション両方の外部高精度センサーと直接インターフェースするために設計されています。ADuC361は、1つの24ビットΣ-Δ ADC(ADC1)のみが可能である以外は、ADuC360全ての機能を含んでいます。
ADuCM360 / ADuCM361は、32kHzの発振器と内部の16MHz高周波発振器を内蔵しています。高周波発振器は、プログラマブルなクロック分周器を介して分配され、この分周器からプロセッサ・コア・クロックの動作周波数が生成されます。最大のコア・クロック速度は16MHzで、この速度は動作電圧や動作温度によって制限されることはありません。
マイクロコントローラのコアは、ARM Cortex-M3プロセッサ、32ビットRISCマシーンで、最大20MIPSのピーク・パフォーマンスを提供します。Cortex-M3プロセッサは柔軟な11チャンネルのDMAコントローラを採用しており、全ての有線コミュニケーション周辺装置(SPI、UART、I2C)をサポートしています。また、128 kBの不揮発性フラッシュ / EEメモリと8kBのSRAMがチップ上に集積されています。
アナログ・サブシステムは、デュアルADCを含んでおり、各ADCは柔軟な入力マルチプレクサに接続されています。両方のADCは、完全差動とシングルエンドモードで動作することができます。その他内蔵ADCの特長として、デュアルのプログラマブル励起電流源、診断用電流源およびAVDD_REG/2(900mV)を入力チャンネルのコモンモード設定するためのバイアス電圧発生器があります。ローサイドの内部グランド・スイッチが提供されているため、変換期間に外部回路(例として、ブリッジ回路)のパワーダウンが可能となっています。
ADCには、2つのパラレル・フィルタが含まれています:sinc2フィルタにパラレル接続されたsinc3またはsinc4フィルタです。sinc3またはsinc4フィルタは高精度計測で使われます。sinc2フィルタは、高速計測と入力信号内のステップ変化を検出するために使われます。
このデバイスは低ノイズ、低ドリフトの内部バンドギャップ・レファレンスを含んでいますが、これらは、レシオメトリック測定構成で1つまたは2つの外部リファレンス源を許容する構成にすることができます。外部リファレンス入力をバッファするためのオプションがチップ上に提供されています。オンチップに、シングル・チャンネルのバッファ付き電圧出力D/Aコンバータも内蔵されています。
ADuCM360 / ADuCM361は、さまざまなオンチップ周辺装置を集積しており、これら周辺装置は、アプリケーション内で必要とするマイクロコントローラのソフトウェアの制御下で構成することができます。周辺装置には、UART、I2C、およびデユアルSPIシリアルI/O通信コントローラ、19ピンGPIOポート、2つの汎用タイマ、ウェイクアップ・タイマおよびシステム・ウォッチドック・タイマが含まれています。また、6個の出力チャンネルを持った、16ビットのPWMコントローラも備わっています。
ADuCM360 / ADuCM361は、特に低消費動作を重要とするバッテリ駆動アプリケーションでの動作のために設計されています。マイクロコントローラのコアは、ノーマル動作モードでの構成で290μA/MHz(フラッシュ / SRAMのIDDを含む)を消費します。2つのADC(入力バッファはオフ状態)、4倍ゲインのPGA、1つのSPIポートがオン状態、および全てのタイマがオン状態の動作が、1mAの全システム電流消費で実現することができます。
ADuCM360 / ADuCM361は、直接のプログラム制御の基で、消費電流がわずか4μAのハイバーネイト・モード(内部ウェイクアップ・タイマがアクティブ)を含む幾つかの低パワー動作モードでの構成が可能です。ハイバーネイト・モードでは、外部割込みまたは内部ウェイクアップ・タイマのような周辺装置で、デバイスをウェイクアップさせることができます。このモードのため、デバイスは超低パワーでの動作が可能で、しかも非同期の外部または周期的なイベントに応答することが可能です。
アプリケーション
- 工業用自動制御、プロセス制御
- インテリジェント高精度センシング・システム
- 4mA~20mAのループ給電のスマート・センサー・システム
- 医療用デバイス、患者モニタリング
Applications
ADUM4160

ADuM4160は、アナログ・デバイセズのiCoupler®技術に基づく、USBポート・アイソレータです。高速CMOSとモノリシック空心コアのトランス技術の組み合わせにより、これらのアイソレーション製品は並外れた性能特性を提供し、低速およびフル・スピードのUSB互換周辺デバイスに容易に集積することができます。
多くのマイクロコントローラは、D+とD-ラインのみを外部ピンに提供してUSBを導入しています。これは、外部部品を最小化し設計を簡素化しますので、多くのケースで好ましいことですが、アイソレーションを必要とする場合は、特別な課題が起こります。USBラインは動的にD+ / D-のドライブを切り替えねばならなく、外部抵抗によってバスの状態を設定しますが、ADuM4160はデータの流れる方向を検出する機構を提供し、出力バッファーの状態を制御します。データの方向は、パケット基準によってパケット毎に決定されます。
ADuM4160は、iCoupler技術に基づくエッジ検出技術と、わかりやすく、簡単に構成された、ポート・アイソレータに対するアップストリームを実装するための内部ロジックの組み合わせを使っています。アイソレーションされたアップストリーム・ポートは、簡単なパワーマネージメント機能と堅牢な動作など、いくつかの優位性を提供します。
アイソレータは、標準的なハブやケーブルに匹敵する伝播遅延を備えています。この製品はどちら側も3.1V~5.5Vの電源電圧範囲で動作し、信号レベルの電圧に内部で安定化することで直接VBUSに接続することができます。ADuM4160は、プルアップ抵抗のアイソレーション制御を提供し、ペリフェラルの接続タイミングを制御することができます。この製品は充分低いアイドル電流を使うため、サスペンド状態は必要ありません。
アプリケーション- USBペリフェラルのアイソレーション
- アイソレートされたUSBハブ
Applications
ADF7242

ADF7242はIEEE 802.15.4-2006 2.4 GHz PHY要求に準拠しており、250kbpsのデータ・レートとDSSS-OQPSK変調を採用しています。GFSK/FSK/GMSK/MSK変調方式をサポートすることによって、このICは50kbps~2Mbpsの広い範囲にわたって動作することが出来ます、したがって、スマート・メータリング(電気/ガスなどの自動読み取り)、工業用制御、ホームまたはビルディングの自動化あるいは民生用エレクトロニクスなどの独自のアプリケーションにも適しています。さらに、短いターンアラウンド時間と共にADF7242のアジャイル周波数合成は、FHSSシステムへの応用も容易となっています。
ADF7242の送信経路は、低ノイズのフラクショナル-N RF周波数シンセサイザを用いた、ダイレクト・クローズド・ループVCO変調方式をベースとしています。自動校正されるVCOは、スプリアス放出を軽減しPA周波数引き込みを避けるため、基本周波数の2倍で動作します。RF周波数シンセサイザの帯域幅は、最適な位相ノイズ、変調品質、シセサイザ設定時間などの性能が達成され、自動的に、送信及び受信動作に関して最適化されます。送信出力のパワーは-20dBm~+4dBm間でプログラマブルとなっており、トランジエントのスプリアス仕様にミートする自動PAランプ動作を伴います。IC内にバイアッシングと制御回路が内蔵されており、外部PAとのインターフェースを著しく簡素化します。
受信経路は、ゼロIFアーキテクチャをベースとしており、非常に高いブロッキングの復元性と選択性を可能としています。これは、2.4GHzバンドのような干渉に支配される環境での重要な性能基準となります。さらに、このアーキテクチャは、特に低IF受信で見受けられるような、イメージ・チャンネルでのブロッカー除去のいかなる劣化からも影響されません。GFSK/FSKモードでの受信では高速自動周波数制御(AFC)ループを特長としており、周波数シンセサイザは、受信パケット内のいかなる周波数でも見つけ出して修正することが出来ます。このICは、1.8V~3.6V間の電源で動作でき、受信及び送信モードで非常に低い消費電力となっています、同時に優れたRF性能を備えていますので、特にバッテリ駆動のシステムに最適となっています。
ADF7242は柔軟なデュアル・ポートのRFインターフェースが備わっているため、スイッチド・アンテナ・ダイバシティをサポートするための、外部LNAまたはPA用として使うことが出来ます。
ADF7242は非常に低消費のカスタム8ビット・プロセッサを採用しているため、数多くのトランシーバ・マネージメント機能をサポートしています。これらの機能は、プロセッサの2つのメイン・モジュール、無線制御及びパケット・マネージャ、によってハンドリングされます。
更なる詳細については、データシートを参照してください。
アプリケーション
- 無線センサー・ネットワーク
- 自動検針(AMR)/スマート・メータ
- 工業用無線制御
- ヘルスケア
- 無線オーディオ/ビデオ
- 民生用電子機器
- ジグビー
Applications
リファレンス設計
CN0160

USB(ユニバーサル・シリアル・バス)は急速に広まり、ほとんどのPCの周辺装置用の標準インターフェースになりつつあります。これは、優れた高速性、柔軟性および周辺装置とのホットスワップのサポートなどの理由で、RS232やパラレル・プリンター・ポートに置き換わっているからです。工業や医療機器の製造にも、このバスを使うことに対する強い要望がありますが、この採用は遅々としています、それは危険な電圧を制御する機械へ接続するために必要な、あるいは医療機器での低リークの耐除細動のために必要な、アイソレーションを提供する良い方法がないためでした。
ADuM4160 は、それほど高価でなく容易に、医療機器や工業用周辺装置向けのアイソレート・バッファを実現します。以下は今後の課題となる項目です:
- USB・D+とD−ラインを、直接的にアイソレートして、マイクロプロセッサ内に実在するUSB基盤の使用を可能にする。
- 外部制御ラインを使う必要なく、制御データの流れに対する自動的なスキームの導入を可能とする。
- メディカル・グレードのアイソレーションを提供する。
- 周辺機器をUSB認定規格に完全に準拠するようにする。
- フルスピード(12Mbps)とロースピード(1.5Mbps)の信号レートをサポートする。
- 柔軟な電源構成をサポートする。
図1に示す回路は、すでにUSBインターフェースを備えている周辺装置をアイソレートします。この回路では、周辺装置は明確に定義されていませんので、アイソレータの2次側を動作させるパワーは、このソリューションの一環として提供されています。もしこの回路が周辺装置設計のPCB上に構築されるならば、パワーは、アプリケーションの必要性に応じて、周辺装置とは切り離された電源、バッテリあるいはUSBケーブルのバス・パワーから供給することができます。
ここで示されたアプリケーション回路は、多くの医療および工業アプリケーションに適用します。
対象となる製品
Applications
CN0274

図1に示すデバイスの組合わせは、最大1.1 Aの負荷電流を制御可能な超低消費電力、3軸、モーション起動パワー・スイッチのソリューションを提供します。この回路は、長いバッテリ寿命が求められるアプリケーションに最適です。スイッチがオフのときバッテリからの電流は300 nA未満です。スイッチがオンのとき消費電流は3 μA未満です。この回路はワイヤレス・センサー、計測機器、在宅ヘルスケアなどの携帯型アプリケーションに適した、業界先端の低消費電力モーション検出ソリューションを実現します。
3軸加速度センサーは3軸で加速度を検出してハイサイド・スイッチを制御し、動きの有無に従ってスイッチを開閉します。
ADXL362は超低消費電力の3軸加速度センサーで、ウェークアップ・モードで消費する電流は100 nA未満です。パワー・デューティ・サイクリングを用いて低消費電力を実現する加速度センサーとは異なり、ADXL362はアンダーサンプリングによって入力信号をエイリアス(折り返し)せず、すべてのデータレートで連続的にサンプリングします。精度が±0.5°の12ビット温度センサーも内蔵しています。
ADXL362は出力分解能が12ビットで、動作範囲が±2 g、±4 g、±8 gの3つです。仕様は−40°C~+85°Cの最小温度範囲で規定されています。480 μg/√Hz未満のノイズ・レベルが必要なアプリケーションでは、電源電流の増加を最小限に抑えつつ、2つの低ノイズ・モード(120 μg/√Hzまで減少可)のどちらかを選択することができます。
ADP195 は1.1 V~3.6 Vで動作するように設計されているハイサイド負荷スイッチで、出力から入力への逆電流に対して保護されています。このデバイスは1.1 Aを超える連続負荷電流をサポートするオン抵抗の低いPチャンネルMOSFETを内蔵しており、電力損失を小さく抑えます。

ADXL362の基本動作
ADXL362は超低消費電力の3軸加速度計測システムで、動作や衝撃によって生じる動的加速度と静的加速度(つまり重力)を測定することができます。
センサーの可動部分は表面をマイクロ加工したポリシリコンの構造体で、ビームとも呼ばれ、シリコン・ウェハー上に構成されます。ポリシリコンのスプリングがこの構造体をウェハー表面上に支え、加速力に対する抵抗を生じます。
構造体の変位は差動コンデンサを使って測定します。各コンデンサは、独立した固定プレートと可動部に取り付けられたプレートで構成されています。
加速度によりビームにずれが生じ、差動コンデンサが不平衡になり、センサー出力の振幅が加速度に比例します。位相検波によって加速度の大きさと極性が決定されます。
動作モード
ADXL362にはスタンバイ、測定、ウェークアップの3つの基本動作モードがあります。
- ADXL362をスタンバイ・モードにすると、測定が中断され、消費電流を10 nAまで下げます。処理途中のデータや割込みは保持されますが、新しい情報は処理されません。ADXL362はスタンバイ・モードではパワーアップしていますが、全てのセンサー機能はオフしています。
- 測定モードはADXL362の通常の動作モードです。このモードでは加速度データを連続的に読み取ることがでます。き2.0 V電源を使用した際の加速度センサーの消費電流は、最高400 Hzの出力データレートの範囲全体で3 μA未満です。このモードで動作中は、データシートに記載の全機能を使用できます。また、12.5 Hz~400 Hzまでのデータレートで連続的にデータを出力しながら、消費電流を3 μA未満に抑えることができるので、ADXL362は超低消費電力の加速度センサーといえます。また、全てのデータレートでADXL362はセンサーの最大帯域幅を連続的にサンプリングするため、アンダーサンプリングやエイリアシング(折り返し)は生じません。
- ウェークアップ・モードは、非常に低い消費電力で(2.0 V電源電圧で270 nA)、動きの有無だけを簡単に検出するのに最適です。このモードはモーション起動オン/オフ・スイッチの実現に特に有用で、動作が検出されるまでシステムの大部分をパワーダウン状態に保持できます。ウェークアップ・モードは、1秒間にわずか6回だけ加速度を測定し、動きの有無を検出することにより、消費電流を非常に低いレベルにまで低減します。ウェークアップ・モードでは、アクティブ・タイマ以外の全ての加速度センサーの機能を使用できます。全てのレジスタにアクセスでき、リアルタイム・データが得られます。
CN0274評価用ソフトウェアは、ADXL362のウェークアップ・モードを使うことができます。すなわち、ADXL362はモーションを検出するまでスリープ状態に保たれ、検出した時点で測定モードに移行します。
電力とノイズのトレードオフ
ADXL362は、消費電流をわずかに増やすことでノイズを減らすオプションをいくつか提供しています。
ADXL362の通常動作時のノイズ性能は100 Hz帯域幅で標準7 LSB rmsであり、帯域幅と必要な分解能にもよりますが、大部分のアプリケーションにはこれで十分です。ノイズをさらに下げる必要がある場合、ADXL362は電源電流がいくらか増加しますが、ノイズを低減できる2つの低ノイズ動作モードを備えています。
モード |
ノイズ (µg/√Hz Typical) |
消費電力 (µA Typical) |
通常動作 |
380 |
2.7 |
低ノイズ |
280 |
4.5 |
超低ノイズ |
175 |
15 |
標準3.3 V電源で、通常動作および2つの低ノイズ・モードで得られる電源電流値とノイズ密度を表1に示します。
CN0274評価用ソフトウェアは、ADXL362の通常動作のノイズ・モードを使います。
モーション検出
ADXL362はアクティブ(スレッショールド値を超える加速度が存在する状態)とインアクティブ(スレッショールド値を超える加速度が存在しない状態)を検出するロジックを内蔵しています。
アクティブまたはインアクティブのイベントの検出はステータス・レジスタで表示され、割込みを発生させるように設定することもできます。さらに、デバイスのアクティブ状態、つまり動いているか、静止しているかをAWAKEビットで示します。
アクティブ/インアクティブの検出機能は、加速度センサーが測定モードまたはウェークアップ・モード時に使用できます。
アクティブ検出
アクティブ・イベントが検出されるのは、加速度が、ユーザーが指定した期間にわたって仕様規定された閾値(スレッショールド値)を上回り続けた場合です。アブソリュートとリファレンスの2つのアクティブ検出イベントがあります。
- アブソリュート・アクティブ検出を使用した場合、加速度サンプルとユーザーが設定した閾値とを比較して、動きが存在するかどうかを判定します。たとえば、0.5 gの閾値が設定され、ある軸での加速度がユーザー定義によるアクティブ検出時間よりも長い間1 gである場合、アクティブ・ステータスが起動されます。多くのアプリケーションでは、絶対的な閾値ではなく、基準となるポイントまたは向きからのずれをアクティブ検出のベースにするほうが有利です。この方式が特に便利なのは、重力によって加えられる静的な1 gがアクティブ検出に与える影響を除去できるからです。加速度センサーが静止している場合、たとえモーションが加っていなくても、その出力は1 gに到達することがあります。アブソリュート・アクティブでは、閾値が1 g未満に設定されると、この場合はすぐにアクティブが検出されてしまいます。
- リファレンス・アクティブ検出では、加速度サンプルがユーザー定義された時間にわたって、内部定義されたリファレンス値を基準としてユーザー定義された閾値を上回ったとき、アクティブが検出されます。閾値は、アクティブ検出モードが作動すると計算され、最初に得られたサンプルがリファレンス・ポイントとして使われます。アクティブは、加速度がこの最初の方向から十分変位したときだけ検出されます。リファレンス・モードでは、最もわずかなモーション・イベントさえ検出する、きわめて高感度なアクティブ検出が得られます。
CN0274評価用ソフトウェアは、アクティブ検出にリファレンス・モード動作を使います。
インアクティブ検出
インアクティブ・イベントが検出されるのは、加速度が、仕様規定された時間にわたって設定された閾値を下回り続けた場合です。アブソリュートとリファレンスの2つのインアクティブ検出イベントがあります。
- アブソリュート・インアクティブ検出では、加速度サンプルとユーザーが設定した閾値とをユーザーが設定した時間にわたって比較し、モーションが存在するかどうかを判定します。
- リファレンス・インアクティブ検出では、加速度サンプルが、ユーザーが設定した時間、ユーザーが指定したリファレンスと比較されます。デバイスが最初にアウェーク状態に入るとき、最初のサンプルがリファレンス・ポイントとして使われ、スレッショールドがその周囲に適用されます。加速度がスレッショールドの内側に留まれば、デバイスはスリープ状態に入ります。加速度の値がスレッショールドの外側に移動すると、そのポイントが次に新しいリファレンスとして使われ、スレッショールドがこの新しいポイントに再度適用されます。
CN0274評価用ソフトウェアはインアクティブ検出にリファレンス・モード動作を使います。
アクティブ/インアクティブ検出のリンク
アクティブ/インアクティブの検出機能を、ホスト・プロセッサによって同時に使用してマニュアルで処理したり、それらをいくつかの方法で連係動作するように設定できます。
- デフォルト・モードでは、アクティブ/インアクティブ検出はいずれも有効で、すべての割込みはホスト・プロセッサによって処理される必要があります。つまり、プロセッサが各割込みを読み取らなければ、割込みをクリアして再び使用することはできません。
- リンク・モードでは、同時に有効にできる機能が1つだけになるように、アクティブ/インアクティブ検出が互いにリンクされます。アクティブが検出されると、デバイスにモーションが加わっている、あるいはアウェーク(起動)状態と想定され、アクティブのスキャンを停止します。次のイベントとしてインアクティブが想定されるので、インアクティブ検出のみが動作します。インアクティブが検出されると、デバイスは静止している、あるいはスリープ状態と想定されます。次のイベントとしてアクティブが想定されるため、アクティブ検出のみが動作します。このモードでは、ホスト・プロセッサはまず各割込みを処理する必要があり、その後次の割込みがイネーブルされます。
- ループ・モードでは、モーション検出は前にリンク・モードで説明したように動作します。ただし、割込みはホスト・プロセッサによる処理を必要としません。この設定は一般に用いられるモーション検出の実装を簡素化し、バス通信に使用される電力を低減することで節電効果を高めます。
- リンクまたはループ・モードでは、自動スリープ・モードを有効にすると、デバイスはインアクティブが検出されると自動的にウェークアップ・モードに入り、アクティブが検出されると再び測定モードに入ります。
CN0274評価用ソフトウェアは自動スリープ・モードとループ・モードを使ってADXL362の機能を実証します。
AWAKE ビット
AWAKEビットは、ADXL362がアウェーク(起動された)状態であるかスリープ状態であるかを示すステータス・ビットです。デバイスは、アクティブ条件を検出した後にアウェーク状態であり、インアクティブ条件を検出した後にスリープ状態です。
アウェーク信号はINT1またはINT2ピンにマッピングすることができるので、加速度センサーのアウェーク状態に基づいて後段回路への電力を接続/切断するステータス出力として機能できます。この設定をループ・モードと組み合わせて使用すれば、単純で自律的なモーション起動スイッチを実装できます。
後段回路の起動時間を許容できる場合、このモーション・スイッチ設定は、残りのアプリケーション部分のスタンバイ消費電流をゼロにすることによって、システム・レベルの電力を大幅に節減することができます。なぜならこのスタンバイ電流は、時にADXL362の動作電流を上回ることがあるからです。
割込み
ADXL362の内蔵機能のいくつかは、割込みをトリガして特定のステータス条件をホスト・プロセッサに報告することができます。
割込みは、INTMAP1レジスタとINTMAP2レジスタの適切なビットをセットすることによって、それぞれ2本の指定された出力ピン(INT1とINT2)のいずれか(あるいは両方)にマッピングすることができます。すべての機能は同時に使用することができます。複数の割込みを1本のピンにマッピングした場合、ピンのステータスは、割込み信号のORをとることで決まります。
割込みピンに機能がマッピングされていない場合、そのピンは自動的に高インピーダンス(high-Z)状態に設定されます。ピンは、リセット時にも高インピーダンス状態に置かれます。
特定のステータス条件が検出されると、その条件がマッピングされているピンがアクティブになります。ピンの設定はデフォルトでアクティブ・ハイであるため、アクティブになると、ピンはハイレベルになります。ただし、INTMAPレジスタのINT_LOWビットをセットすることによって、この設定はアクティブ・ローに切り替えられます。
INTピンはホスト・プロセッサの割込み入力に接続することができ、割込みに割込みルーチンが応答するようにできます。同じピンに複数の機能をマッピングすることができるため、STATUSレジスタを使用して、割込みをトリガした原因を判定することができます。
CN0274評価用ソフトウェアは、アクティブが検出されたときはINT1ピンがハイに、インアクティブが検出されたときはINT1がローになるようにADXL362を設定しています。
テスト結果
EVAL-CN0274-SDPZとEVAL-SDP-CS1Zを使って全てのテストが行いました。アクティブ・スレッショールドを0.5 g、インアクティブ・スレッショールドを0.75 g、インアクティブのサンプル数を20に設定して、デバイスの機能を実証しました。アクティブを検出するには、ある軸の1つの加速度サンプルがスレッショールドを超えれば十分です。
バッテリ・パックがテーブルに対して平らになるように回路の方向が向いている状態で起動し(素子を水平にし)、プリント回路基板(PCB)を任意の方向にゆっくり90°回転させ、最初の方向に対して垂直に近づくときスレッショールドを横切らせることができます。
ADXL362が最初はスリープ状態でアクティブを監視している状態を示しているCN0274評価用ソフトウェアの画面を図2に示します。次に、サンプル11がスレッショールドを横切ると、ADXL362がアウェーク状態に入り、インアクティブを監視し始めます。スレッショールドが調整され、デバイスが今ではインアクティブを監視していることを示しています。

見やすいように、チャートの上部のラジオボタンを使ってX軸とZ軸のプロットは無効にしてあります。
ADP195の出力または割込みピン自体は、デジタル・マルチメータを使って測定しました。ADXL362がアウェーク状態のとき、割込みはハイになり、ADP195 のENピンをハイにドライブします。次にENピンはMOSFETのゲートをローにドライブするので、スイッチが閉じて(スイッチ・オン)その先のどの回路へも電源を接続します。逆に、ADXL362がスリープ状態のときは割込みによってADP195のENピンがローにドライブされ、次にENピンがMOSFETのゲートをハイにドライブするので、スイッチが開き(スイッチ・オフ)ます。
PCBのレイアウトの検討事項
高い精度が不可欠などんな回路でも、基板の電源とグラウンド・リターンのレイアウトの検討が重要です。PCBはデジタル部分とアナログ部分をできるだけ隔離します。このシステムのPCBは、面積の大きなグラウンド・プレーン層とパワー・プレーンを積み上げた4層に構成しました。レイアウトとグラウンド接続の詳細に関してはMT-031 Tutorial、デカップリング方法に関してはMT-101 Tutorialを参照してください。
ADXL362への電源は1 μFと0.1 μFのコンデンサでデカップリングし、ノイズを適切に抑えてリップルを減らします。コンデンサはできるだけデバイスに近づけて配置します。全ての高周波デカップリングにはセラミック・コンデンサを推奨します。
電源ラインはトレース幅をできるだけ大きくしてロー・インピーダンス経路を与え、電源ラインのグリッチの影響を減らします。クロックや他の高速スイッチング・デジタル信号を、デジタル・グラウンドを使って基板の他の部品からシールドします。PCBの写真を図3に示します。
この回路ノートの完全な設計支援パッケージがwww.analog.com/CN0274-DesignSupportから提供されています。
