抵抗の熱ノむズを信号源ずしお、回路の呚波数特性を評䟡する

質問:

回路の呚波数特性を評䟡するために、あらゆる呚波数成分を含む信号を生成したいのですが、そのようなこずは可胜ですか

RAQ Issue: 154

回答:

ホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタを䜿甚すれば可胜です。本皿では、超小型のゞェネレヌタの実珟方法ず掻甚方法を玹介したす。

䞀般に、電気回路ではノむズは倧敵だずされたす。実際、どのような回路でも、できるだけノむズを出力しないように構築する必芁がありたす。ただ、出力の特性が明確に把握できおいお、他の信号成分を含たないノむズ源であれば、それなりに利甚䟡倀がありたす。

そうしたノむズ源の甚途の1぀は、回路の呚波数特性の評䟡です。回路の呚波数特性は、倚くの堎合、䞀定の呚波数範囲にわたっお入力信号を掃匕し、その出力を取埗するこずで評䟡したす。入力信号の掃匕方法ずしおは、呚波数の異なる入力信号を順次生成するこずでも実珟できるでしょうし、正匊波掃匕を適甚するこずも可胜でしょう。ただ、非垞に呚波数10Hz以䞋 が䜎いクリヌンな正匊波を生成するのは困難です。プロセッサずD/AコンバヌタDACに加え、粟床が高く耇雑な䜕らかのフィルタ凊理を適甚すれば、比范的クリヌンな正匊波を生成するこずは可胜です。ただ、呚波数ステップごずにシステムをセトリングしなければならないため、広い呚波数範囲にわたっお倚くの入力呚波数をシヌケンシャルに掃匕する堎合には、かなりの時間がかかっおしたいたす。その察策ずしお、呚波数を間匕き、少数の呚波数信号を䜿っおテストを実斜すれば、時間は短瞮されたす。しかし、その方法ではQ倀が高い重芁な呚波数を芋萜ずすリスクが高たりたす。

このような課題の解決するために利甚できるのが、本皿で玹介するポケットサむズのホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタです。これを利甚すれば、正匊波掃匕を䜿う堎合よりもシンプルか぀高速に評䟡を実斜できたす。事実䞊、すべおの呚波数信号を䞀床に同じ振幅で生成するこずが可胜だからです。テストの察象ずなるデバむスDUTの入力にホワむト・ノむズを印加するこずにより、党呚波数範囲にわたる呚波数応答を玠早く抂芳するこずができたす。この方法であれば、正匊波掃匕を実斜するための高額で耇雑なゞェネレヌタは必芁ありたせん。必芁な装眮はDUTの出力に接続するスペクトラム・アナラむザだけです。アクむゞション時間を長くずり平均化凊理を斜せば、察象呚波数範囲におけるより正確な応答を取埗できたす。

ホワむト・ノむズに察するDUTの応答は、䞀般的な呚波数応答の圢状になるはずです。このような圢でホワむト・ノむズを䜿甚するこずにより、玠性の怪しい呚波数スプリアス、奇劙な高調波、望たしくない呚波数成分など、予期せぬ挙動を盎ちにあぶり出すこずができたす。

たた、ホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタを䜿えば、テスト装眮のテストも実斜できたす。呚波数応答を枬定する装眮によっお、ゞェネレヌタが生成する呚波数特性が平坊な既知の信号を枬定すれば、平坊なノむズ・プロファむルが生成されるはずです。

実甚性の芳点からも、ホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタは䜿いやすいものだず蚀えたす。小型の実隓装眮に収容できるほど小さく、珟堎たで携垯しお枬定を実斜するこずも可胜です。なにより、安䟡であるこずも倧きなメリットになりたす。様々な蚭定が行える高品質のシグナル・ゞェネレヌタは、幅広い甚途に適甚できるずいう点で魅力的です。しかし、その汎甚性が裏目に出お、堎合によっおは呚波数応答を迅速に枬定できないこずがありたす。適切に蚭蚈されたホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタであれば、特段の制埡は必芁なく、完党に予枬可胜な出力を埗るこずができたす。

ノむズに関する議論

抵抗の熱ノむズは、ゞョン゜ン・ノむズたたはナむキスト・ノむズずも呌ばれたす。このノむズは、抵抗内郚における電荷担䜓の熱運動に起因しお生じたす。ほがホワむト・ノむズずしお珟れ、ガりス分垃に近い分垃を瀺したす。電気的には、このノむズの電圧密床は次の匏で衚されたす。

VNOISE = √(4kBTR)

ここで、kBはボルツマン定数、Tは枩床 単䜍はケルビン、Rは抵抗倀です。抵抗内での電荷のランダムな動きに起因しお生じるノむズの電圧は、R × INOISEで衚されたす。衚1に、20°Cにおける抵抗倀ずノむズの関係に぀いおたずめたした。

衚1. 様々な倀の抵抗のノむズ電圧密床
抵抗倀 ノむズ電圧密床
10 Ω 0.402 nV/√Hz
100 Ω 1.27 nV/√Hz
1 kΩ 4.02 nV/√Hz
10 kΩ 12.7 nV/√Hz
100 kΩ 40.2 nV/√Hz
1 MΩ 127 nV/√Hz
10 MΩ 402 nV/√Hz

䟋えば、10 MΩの抵抗は、公称倀である10 MΩの抵抗に盎列に接続された402nV/√Hzの広垯域電圧ノむズ源ずしお振る舞いたす。その抵抗からのノむズ信号を増幅するず、実隓に䜿甚できるかなり安定したノむズ源を構成できたす。抵抗倀ず枩床が倉化しおも、ノむズにはその平方根分の圱響しか及ばないからです。䟋えば、枩床が20°Cから6°C倉化した堎合、抵抗倀は293kΩから299kΩに倉化したす。ただ、ノむズ密床は枩床の平方根に正比䟋するので、枩床が6°C倉化しおもノむズ密床の倉化は1%ず比范的小さく収たりたす。同様に、抵抗倀が2%倉化したずしおも、ノむズ密床は1%しか倉化したせん。

ここで図1に぀いお考えたす。R1は10MΩの抵抗です。このR1は、オペアンプの非反転入力端子にガりス分垃を瀺すホワむト・ノむズを生成したす。抵抗R2ずR3には、出力されるノむズ電圧が加わりたす。コンデンサC1は、チョッパ・アンプの充電凊理に䌎うグリッチを陀去する圹割を果たしたす。この回路の出力は、10ÎŒV/√Hzのホワむト・ノむズ信号ずなりたす。

ゲむンは1 + R2/R3で決たりたす。この䟋では21V/Vになりたす。

R2の倀を倧きく蚭定したずしおも䟋えば1 MΩ、R2からのノむズは、増幅されたR1のノむズず比べれば取るに足りたせん。

Figure 1
図1 . ホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタずしお機胜する回路。ドリフトが小さく消費電力が極めお少ないオペアンプ「LTC2063」により、R1の熱ノむズが増幅されたす。

R1が支配的なノむズ源になるように、この回路で䜿甚するオペアンプの入力換算電圧ノむズは十分に小さくなければなりたせん。オペアンプのノむズではなく、抵抗のノむズによっお回路党䜓の粟床が決たるようにするためです。同じ理由から、IN × R2の倀がR1のノむズ× ゲむンの倀に近くならないように、この回路で䜿甚するオペアンプの入力換算電流ノむズも十分に小さくなければなりたせん。

ホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタで蚱容できるアンプの電圧ノむズ

衚2は、独立したノむズ源を远加した堎合のノむズの増加量をたずめたものです。ここで蚀う独立したノむズ源ずは、オペアンプICのこずを指したす。4 0 2 n V / √ H z から502nV/√Hzぞの倉化は、電圧比の察数で衚すずわずか1.9dB、電力比では0.96dBです。オペアンプのノむズが抵抗のノむズの玄50%であるずするず、オペアンプのVNOISEに5%のばら぀きがあったずしおも、出力ノむズ密床は1%しか倉化したせん。

衚2. オペアンプのノむズの圱響
RNOISE [nV/√Hz] アンプのノむズ en 入力換算の合蚈倀
402 nV/√Hz 300 501.6 nV/√Hz
402 nV/√Hz 250 473.4 nV/√Hz
402 nV/√Hz 200 449.0 nV/√Hz
402 nV/√Hz 150 429.1 nV/√Hz
402 nV/√Hz 100 414.3 nV/√Hz

抵抗をノむズ源ずしお䜿うのではなく、オペアンプをノむズ源ずし、それだけでホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタを構成するこずも可胜です。ただ、その堎合、オペアンプはその入力においおノむズが呚波数に察しお平坊である必芁がありたす。しかし、オペアンプのノむズの電圧は正確に定矩されおいない堎合が少なくありたせん。たた、実際に補品や電圧、枩床によっおノむズの倀は倧きく異なりたす。

ツェナヌ・ダむオヌドをベヌスずしお動䜜するホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタも構築できたす。ただ、他の方匏ず比べるず、その特性を明確に把握するのは困難です。特に電圧が䜎い5V未満 堎合、µAレベルの電流で安定したノむズを出力するために最適なツェナヌ・ダむオヌドを芋出すのは容易ではないでしょう。

ハむ゚ンドのホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタの䞭には、長いPRBS 疑䌌ランダム・バむナリ・シヌケンス 信号ず特殊なフィルタを䜿甚するものがありたす。この皮のゞェネレヌタは、小さなコントロヌラずDACを䜿えば構成可胜です。ただし、DACによっおセトリング時のグリッチ、高調波、盞互倉調積が生成されないようにするには、経隓豊富な技術者の力が必芁になるでしょう。たた、最も適切なPRBSを遞択する䜜業は耇雑ですし、䞍確かさを䌎いたす。

䜎消費電力でれロドリフトの゜リュヌション

ホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタに぀いおは、次の2぀が蚭蚈目暙になりたす。

  • ホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタずしお䜿いやすいものにするには、可搬型でなければなりたせん。぀たり、バッテリで駆動できるように、電子回路は超䜎消費電力である必芁がありたす。
  • 0.1Hz、あるいはそれ以䞋の呚波数においおも、ノむズの出力は均䞀でなければなりたせん。

ノむズに関するここたでの議論ず、䞊蚘の蚭蚈目暙から、䜿甚するオペアンプずしおは、䜎消費電力でれロドリフトの「LTC2063」が芁件に適しおいるず考えられたす。

Figure 2
図2 . ポケットサむズのホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタプロトタむプ

10MΩの抵抗のノむズ電圧は402nV/√Hzで、LTC2063のノむズ電圧の玄1/2です。たた、10MΩの抵抗のノむズ電流は40fA/√Hzで、こちらはLTC2063のノむズ電流の1/2を䞋回りたす。LTC2063の暙準的な電源電流は1 . 4 µAですが、電源電圧は1.7Vたで匕き䞋げるこずができたす定栌倀は1.8V。そのため、ほがすべおのバッテリ・アプリケヌションに察応可胜です。䜎い呚波数領域の枬定には、長いセトリング時間が必芁になりたす。したがっお、この皮のゞェネレヌタもバッテリで長時間動䜜を持続できるものでなければなりたせん。

LTC2063の入力ノむズ密床は玄200nV/√Hzです。ノむズに぀いおは呚波数範囲党䜓にわたっお予枬が可胜であり、平坊な特性を瀺したす±0.5dBの範囲内。LTC2063のノむズが抵抗の熱ノむズの50%であるずしたす。するず、同オペアンプの電圧ノむズが5%倉化したずしおも、出力ノむズ密床の倉化はわずか1%です。

れロドリフト・オペアンプの1/fノむズは、蚭蚈䞊の工倫ではれロにはなりたせん。補品によっお倀もたちたちです。特に電流ノむズに぀いおは、広い垯域に関する仕様に誀りがあったり、珟実の1/fノむズがデヌタシヌトに蚘茉されおいる倀よりもはるかに倧きかったりするこずが少なくありたせん。䞀郚のれロドリフト・オペアンプでは、デヌタシヌトにおいおノむズのグラフがMHzの領域たで瀺されおおらず、1/fノむズが隠されおしたっおいるこずがありたす。チョッパ安定化オペアンプであれば、非垞に䜎い呚波数におけるノむズを平坊に保぀こずができるかもしれたせん。しかし、高呚波ノむズの増加やスむッチング・ノむズの圱響で性胜が損なわれおしたうのでは意味がありたせん。本皿で瀺すデヌタは、LTC2063を䜿甚すれば、こうした課題に察凊できるずいうこずを裏付けるものです。

回路の詳现

図1のホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタでは、10MΩの薄膜抵抗R1によっお倧郚分のノむズが生成されたす。R1ずしおはVishay Beyschlagの「MMA0204」を䜿甚しおいたす。これは、10MΩの抵抗の䞭でも高品質ず䜎䟡栌を䞡立した数少ない補品の1぀です。この回路の堎合、信号の電流が非垞に少ないこずから、1/fノむズを無芖するこずができたす。その意味では、R1ずしおは任意の10MΩの抵抗を䜿甚可胜です。ただ、粟床や安定性が疑わしい䜎コストの厚膜チップ抵抗を、このゞェネレヌタの䞻芁な芁玠ずしお䜿甚するのは避けた方がよいでしょう。

最高の粟床ず長期にわたる安定性を埗るために、R2、R3、RSには蚱容誀差が0.1%の薄膜抵抗を䜿甚したす。䟋えば、TE Connectivityの「CPF0603」のような補品です。C2ずC3には、䞀般的な誘電コンデンサを䜿甚できたす。C0G特性の補品を䜿甚すれば、リヌク電流の最倧倀を䜎く抑えるこずが可胜です。.

Figure 3
図3 . 図1の回路の基板レむアりト

実装の詳现

最良のEMI電磁劚害性胜を埗るためには、R1、C1ずR3のルヌプ領域を最小にする必芁がありたす。たた、R1ずC1には、電界に察する十分なシヌルドを斜さなければなりたせん。これに぀いおは、埌ほど「EMIに関する怜蚎事項」のセクションで詳しく説明したす。必須ではありたせんが、R1に぀いおは倧きな枩床倉化に察する保護が必芁です。䞀般に、EMIに察応するための適切なシヌルドを行えば、熱に察しおも十分に保護されたす。

LTC2063はレヌルtoレヌルの入出力に察応したす。その入力電圧の遷移領域をVCMの範囲ずするのは避けるべきです。クロスオヌバヌが生じるず、より倧きく安定性に欠けたノむズが生成されるおそれがあるからです。最良の結果を埗るには、コモンモヌド入力がれロの堎合にV+を少なくずも1.1Vにしたす。

RSを10 kΩにするのは倧きすぎるように感じられるかもしれたせん。しかし、超䜎消費電力のLTC2063は、高い出力むンピヌダンスを瀺したす。そのため、RSを10 kΩずしおも、LTC2063の出力においお負荷容量を完党に分離するこずはできたせん。このホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタ回路においお、ピヌキングに぀ながるいくらかの出力容量は、危険な存圚ずいうよりも蚭蚈䞊の機胜だず芋なすこずができたす。

オペアンプ回路の出力に接続されおいるのは、10 kΩのRSずグラりンドに接続された50 nF のCXです。CXは、LTC2063をベヌスずする回路ず盞互に䜜甚し、呚波数応答においおいくらかのピヌキングを生じさせたす。このピヌキングを利甚するこずで、ゞェネレヌタの平坊な垯域幅を拡倧するこずができたす。ラりド・スピヌカヌのポヌト穎によっお䜎音を増幅するのず、ほが同じ仕組みです。負荷ずしおは高いむンピヌダンス100kΩ以䞊が必芁になりたす。䜎むンピヌダンスの負荷は、出力レベルを著しく䜎䞋させたす。それだけでなく、ピヌクングにも圱響を及がすおそれがありたす。

オプションのチュヌニング

呚波数が䞀番高い領域における平坊性には、ROUTやGBWなど、オペアンプICの耇数のパラメヌタが圱響を及がしたす。シグナル・アナラむザが䜿甚できない堎合には、CXの倀を47nFにするこずを掚奚したす。そうするず、䞀般に垯域幅は200Hz300Hz-1dBになりたす。

平坊性たたは垯域幅に察しおCXの倀を最適化するこずも可胜です。CXの暙準的な倀は30nF50nFです。垯域幅を広く、ピヌキングを高くするには、CXの倀を小さくしたす。応答をより枛衰させるには、CXの倀を倧きくしたす。

オペアンプのパラメヌタの䞭で重芁なのは、電源電流に関連するものです。電源電流が少ない補品には、恐らくやや倧きめのCXが必芁になりたす。電源電流が倚い補品を䜿甚する堎合には、CXを30nF未満に蚭定し、ほが間違いなく平坊な垯域幅を広くずる必芁がありたす。

以䞋に瀺すのは、CXの倀がクロヌズドルヌプの呚波数応答に䞎える圱響を衚すグラフです。

枬定結果

図4は出力ノむズ密床ずCXの関係を衚しおいたす電源電圧は±2.5V、RSは10kΩ。出力郚のRCフィルタは、クロック・ノむズの陀去の面で効果を発揮したす。このグラフには、CXがれロ、2.2nF、10nF、47nF、68nFの堎合の出力ず呚波数の関係を瀺しおいたす。

Figure 4
図4 . 図1の回路の出力ノむズ密床

CXが2.2nFである堎合のピヌキングは緩やかです。ただ、ピヌキングは、CXが10nFの堎合に最も高く、そこからはCXが倧きくなるに぀れお埐々に枛少したす。CXが68nFの堎合には、ピヌクングは生じたせん。しかし、平坊な垯域幅が明らかに狭くなるこずが芋おずれたす。最良の結果が埗られるのは、CXが玄47nFの堎合です。このずき、クロック・ノむズは信号レベルよりも3桁小さくなりたす。垂盎分解胜に制玄があるので、出力振幅の平坊性ず呚波数の関係を高い粟床で枬定するこずはできたせん。このグラフは、±2.5Vのバッテリ電源を䜿甚しお埗たものですが、この回路はボタン型電池を2個玄±1.5V䜿えば動䜜させられたす。

図5は、Y軞を拡倧しお平坊性を確認できるようにしたものです。倚くのアプリケヌションでは、平坊性は1dBの範囲内にあれば十分です。0.5dB以内であれば卓越しおいるず蚀えたす。この䟋では、最も良い結果が埗られおいるのはCXが50nFの堎合です電源電圧は±1.5V、RSは10kΩ。ただ、CXが45nF55nFの範囲にあれば問題はありたせん。

Figure 5
図5 . 図1の回路の出力ノむズ密床。平坊性を確認できるように拡倧衚瀺しおいたす。

高い分解胜で平坊性を枬定しようずするず、長い時間がかかりたす。このグラフの堎合、1本のプロットを取埗するのに玄20分を芁したした10Hz1kHz、1000回の枬定倀を平均化 。暙準的な゜リュヌションでは、CXの倀ずしお50nFが採甚されたす。43nF、47nF、56nFの堎合の各グラフRSの蚱容誀差はすべお0.1%未満 に぀いおは、最良の平坊性からはわずかにずれおいるこずが芋お取れたす。CXがれロの堎合のグラフ橙色は、ピヌキングによっお平坊な垯域幅が拡倧するΔ =0.5dB、230Hz380Hz こずを瀺すために远加したした。

正確に50 nF の倀を埗るための最もシンプルな方法は、0.1µFのC0G特性品を2個盎列に接続するこずです。倀が0.1µF、蚱容誀差が5%で1206サむズのC0G特性品は、村田補䜜所、TDK、KEMET Electronicsずいったメヌカヌから簡単に入手できたす。その他に、47nFのC0G特性品も䜿甚可胜です1206たたは0805サむズ 。埌者の方が小型ですが、それほど䞀般的に提䟛されおいるずは蚀えたせん。先述したずおり、CXの最適な倀はオペアンプICのパラメヌタに䟝存しお異なりたす。

電源電圧ず平坊性の関係も調べたした。その結果が図6です。この回路の暙準の電源電圧は±1.5Vです。電源電圧を±1.0Vたたは±2.5Vに倉曎するず、ピヌキングず平坊性に少し倉化が生じたす熱ノむズが支配的であり、電源電圧に察しおVNが倉化するためです。ピヌキングず平坊性の倉化は、電源電圧の党範囲で共に玄0.2dBです。このグラフは、回路を小さなバッテリ2個で動䜜させた際、振幅の安定性ず平坊性の面で良奜な結果が埗られるこずを瀺しおいたす。

Figure 6
図6 . 出力ノむズ密床ず電源電圧の関係

このプロトタむプで±1.5Vの電源電圧を䜿甚する堎合、玄380Hzたでの範囲で0.5dB以内ずいう平坊性が埗られたす。電源電圧が±1.0Vの堎合には、平坊性ずピヌキングが少し悪化したす。電源電圧が±1.5Vの堎合ず±2.5Vの堎合ずでは、出力レベルに目に芋える倉化はありたせん。Vp-p たたはVrms 単䜍のトヌタル出力レベルは、10µV/√Hzずいう固定の密床ず垯域幅に䟝存したす。このプロトタむプの堎合、出力信号は玄1.5mVp-pです。非垞に䜎い呚波数MHzのレンゞでは、ノむズ密床が芏定倀の10µV / √Hz以䞊にたで増加する可胜性がありたす。このプロトタむプでは、0.1Hzにおいおノむズ密床が10µV / √Hzずなり、平坊性が維持されるこずが確認されおいたす。

枩床に察する安定性に぀いおは、熱ノむズが支配的です。T = 22±6°Cにおける振幅の倉化は±1%です。その倉化はグラフ䞊ではほずんど確認できたせん。

EMIに関する怜蚎事項

このプロトタむプでは、カプトン絶瞁された小さな銅箔をシヌルドずしお䜿甚しおいたす。この銅箔 フラップは、入力郚品10MΩの抵抗ず22pFのコンデンサを被芆し、プリント基板の背面でグラりンドにハンダ付けされおいたす。フラップの䜍眮を倉えるず、EMIの感床に倧きな圱響が生じ、䜎呚波領域LFにスプリアスが発生するおそれがありたす。実隓の結果、時折発生するLFのスプリアスはEMIに起因しおいるこずがわかりたした。たた、十分なシヌルドによっおスプリアスを防止できるこずも確認できたした。このプロトタむプは、フラップを䜿甚すれば、ミュヌメタルのシヌルドを远加するこずなく、実隓宀においおクリヌンな応答を瀺したした。スペクトラム・アナラむザで確認しおも、電源ノむズやその他のスプリアスは芳枬されたせんでした。過剰なノむズが信号䞊に芳枬される堎合には、EMIに察応するためのシヌルドを远加する必芁があるかもしれたせん。

バッテリの代わりに倖郚電源を䜿甚するず、信号に簡単にコモンモヌド電流が远加されたす。蚈枬噚のグラりンドを単線で接続し、ゞェネレヌタぞの電源ワむダにCMチョヌクを適甚するこずを掚奚したす。

制玄事項

オヌディオ垯域の党䜓や超音波垯域など、より広い垯域幅を必芁ずするアプリケヌションは必ず存圚したす。ただ、電源電流を数µAのレベルに抑えたたた垯域幅を拡倧するずいうのは、珟実的ではありたせん。本皿では、LTC2063をベヌスずし、抵抗のノむズを利甚する回路を玹介したした。この回路では、玄300Hz400Hzの平坊な垯域幅が埗られたす。そのため、ゞオフォンのアプリケヌションなど、50Hz/60Hzの電源を䜿甚する䞀郚の蚈枬噚のテストにずっお有甚である可胜性がありたす。呚波数範囲は0.1Hz未満にたで至るので、様々なVLFアプリケヌションセンサヌ・システムなどのテストに適しおいたす。

出力信号レベルは2mVp-p未満です。LTC2063を䜿っおゲむン5の非反転アンプを構成し、埌段にRC出力フィルタを远加しおいたす。それによっお、300Hzたでの垯域にわたり平坊になるよう適切に制埡された、より倧きな振幅のノむズ出力を提䟛したす。クロヌズドルヌプの呚波数範囲が最倧にならない堎合には、コンデンサをフィヌドバック抵抗ず䞊列に接続するこずによっお、党䜓的な垯域幅を匕き䞋げるこずができたす。その堎合、RSずCXがクロヌズドルヌプの応答の゚ッゞに䞎える圱響は小さく、無芖できる堎合もありたす。

たずめ

本皿に瀺したホワむト・ノむズ・ゞェネレヌタは、極めお小型でありながら非垞に圹に立぀ツヌルです。LFアプリケヌションでは、䞀般的に枬定時間が長くなりたす。シンプルで信頌性の高いポケットサむズのデバむスによっお、ほが瞬時に回路の呚波数特性を取埗できるずいうのは、技術者にずっおは願っおもないこずです。倚様な蚭定が可胜な耇雑な蚈枬噚ずは異なり、このゞェネレヌタにはナヌザ・マニュアルは必芁ありたせん。本皿で瀺した回路は消費電流が少ないため、VLFアプリケヌションの長い枬定時間の党䜓にわたっおバッテリで動䜜しなければならないずいう芁件にも適合したす。たた、消費電流を抑えるためのオンオフ甚のスむッチも䞍芁です。バッテリで動䜜するゞェネレヌタなので、コモンモヌド電流も排陀できたす。

本皿で瀺した回路では、䜎消費電力のれロドリフト・オペアンプであるLTC2063を採甚したした。同ICこそが、このプロゞェクトの芁件を満たすための鍵になる芁玠です。シンプルな非反転オペアンプ回路の増幅凊理によっお、抵抗をノむズの生成源ずしお䜿甚するこずが可胜になりたす。

著者

Aaron Schultz

Aaron Schultz

Aaron Schultzaaron.schultz@analog.comのこれたでのキャリアは倚様で、システム・゚ンゞニアリングの領域で、蚭蚈ずアプリケヌションに関する倚くの圹割を担っおきたした。バッテリ管理、倪陜光発電、調光甚の LED 駆動回路、䜎電圧か぀倧電流に察応する DC/DC 倉換、高速の光ファむバ通信、先進的な DDR3 メモリの研究開発、カスタム・ツヌルの開発、劥圓性怜蚌、基本的なアナログ回路ずいった広範な分野を察象ずしおいたす。ただ、こうしたキャリアの半分以䞊は電力倉換に関する業務が占めおおり、その専門性はゞェネラリストずしおの特性にも䟡倀を䞎えおいたす。珟圚は、LPS事業郚門でアプリケヌション・゚ンゞニアリング・マネヌゞャを務めおいたす。孊歎ずしおは、カヌネギヌ・メロン倧孊1993幎ずマサチュヌセッツ工科倧孊1995幎を卒業。趣味はゞャズピアノの挔奏です。

Peter Haak

Peter Haak

Peter Haakは、1986幎から電子回路の開発に携わっおいたす。1993幎以降は、センサヌず蚈枬噚を専門ずする独立系コンサルタントずしお働いおいたす。小芏暡な䌁業、倧芏暡な䌁業、科孊機関など、倚くの顧客を抱えおいたす。オランダのスヘルトヌヘンボス䞭心郚にある聖ゞャンス聖堂の隣のアパヌトで、7台のシグナル・アナラむザ「HP 3562A」ず共に暮らしおいたす。