図1に示す回路は外付け部品数が最少の18ビット、リニア、低ノイズ、高精度バイポーラ(±10 V)電圧源です。AD5780は18ビット、バッファ無し電圧出力DACで33 Vまでの両電源で動作します。AD5780の正リファレンスの入力範囲は5 V~VDD-2.5 Vで、負リファレンスの入力範囲はVSS+2.5 V ~0 Vです。両方のリファレンス入力はチップ内でバッファされているので外付けバッファは必要ありません。AD5780の相対精度仕様は±1LSB maxで、±1LSB maxのDNL仕様でモノトニシティ(単調増加性)動作が保証されています。
高精度オペアンプAD8675は低オフセット電圧(75 μV max)、低ノイズ(2.8 nV/√Hz typ)でAD5780の出力バッファとして最適です。AD5780は2つのマッチングしたフィードフォワード抵抗とフィードバック抵抗を内蔵しておりますが、これらの抵抗をオペアンプAD8675に接続しオフセット電圧10 Vを供給する事により単一外部10 Vリファレンスで±10 Vの出力電圧スイングを可能にしています。
この回路に対するデジタル入力はシリアルで、標準SPI、QSPI、MICROWIRE®、DSPのインターフェース規格と互換性があります。高精度アプリケーション向けにコンパクトな回路は高精度だけでなく低ノイズにもなります—これは高精度部品AD5780、ADR445とAD8675の組み合わせにより確実になります。
これらの部品を組み合わせる事は業界最先端の18ビット、積分非直線性(INL)±1 LSB、微分非直線性(DNL)±0.75 LSBで単調増加性が保証されるとともに低消費電力、小さいPCB面積とコストパフォーマンスをLFCSパッケージで提供されます。
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図1. 18ビット精度、+10 V電圧源(簡略化した回路:接続及びデカップリングの全ては示されていません。)
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図1に示すD/Aコンバータ(DAC)はSPIインターフェース、高電圧、18ビット・コンバータのAD5780で、INL±1 LSB、DNL±0.75 LSBそしてノイズ・スペクトル密度は7.5 nV/√Hzです。AD5780は又0.005 LSB/°Cの超低温度ドリフトを示します。
図1に示すように単一リファレンス源で対称なバイポーラ出力電圧範囲を生成するためにAD5780はゲイン2倍の回路に設定されています。ゲインを2倍にするために、この動作モードはチップ内蔵の抵抗(AD5780データシートを参照)とともに外付けオペアンプ(A2)を使用します。これらの内蔵抵抗は熱的にお互いにそしてDACラダー抵抗ともマッチングしているので結果としてレシオメトリックな温度トラッキングをします。AD8675は低ノイズで低ドリフトなので出力バッファとして使用します。このアンプは低ノイズのADR445の+5 Vリファレンス電圧を+10 Vに増幅する(A1)として使用します。このゲイン回路のR2 とR3は誤差0.01%で温度係数0.6 ppm/°Cの高精度金属皮膜抵抗です。全温度範囲で最高の性能を得るために、R1とR2はVishay 300144やVSR144 シリーズのように単一パッケージに収納されている必要があります。システムノイズを低く保つためにR2とR3を1 kΩにします。R1とC1はカットオフ周波数が約10 Hzのローパス・フィルタを形成します。このフィルタの目的は電圧リファレンスのノイズを減衰させる事です。
直線性の測定
図1に示す回路の精度に関する性能はAgilent 3458Aマルチメータを使用した評価用ボード EVAL-AD5780SDZで示されます。図2はDACコードの関数としての積分非直線性が±1 LSBの仕様以内である事を示しています。
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図2.積分非直線性誤差対 DACコード
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図3はDACコードの関数としての微分非直線性が-0.25 LSB~+0.75 LSBの仕様以内である事を示しています。
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図3.微分非直線性対 DACコード
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ノイズ・ドリフトの測定
高精度を実現可能にするには、回路出力でのピークtoピーク・ノイズを1 LSB以下(分解能18ビットでピークtoピーク電圧範囲が20 Vの場合76.29 μVです)に保たなければなりません。
リアルタイム・ノイズ・アプリケーションには1/f ノイズを減衰させるための0.1 Hzハイパス・カットオフはなく、その通過帯域には下方向DCまでの周波数を含みます。この事を念頭におき、実測ピークtoピーク・ノイズが図4に現実的に示されています。この場合、測定で実質的に0.01 Hzまでの低い周波数を含むように、回路の出力でノイズを100秒間測定しました。上側の周波数カットオフは約14 Hzですが、測定設定によって制限されます。
図4にピークtoピーク値を示しますが、ゼロスケール出力では1.2 μV、ハーフスケールでは32 μV、フルスケール出力では64 μVです。
ノイズはゼロスケール出力電圧で最も小さくなっております。なぜならそれはDACコアからのノイズのみを表示しているからです。ゼロ・スケール・コードを選択した時、各電圧リファレンス経路からのノイズの影響はDACによって減衰されます。
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図4.フルスケール(赤)、ハーフスケール(緑)、ゼロスケール(青)について100秒間測定したDAC出力電圧ノイズ
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測定する時間を伸ばすとより低い周波数が含まれる事になりピークtoピーク値が増えます。低周波数になると、温度ドリフトと熱電対効果がノイズの要因になります。これらの影響は低温度係数の部品を選ぶ事により最小にする事が出来ます。この回路で低周波数1/f ノイズの主な要因は電圧リファレンスです。電圧リファレンスは又回路の中で最大の温度係数値3 ppm/°Cを示します。ハーフスケールとフルスケールの出力ノイズを改善するには温度制御された超低ノイズ・リファレンスが必要です。
図5はADR445を+5 Vに設定したKrohn Hite Model 523高精度リファレンスに置き換えたシグナル・チェーンの性能です。
プリント回路ボードの完全な回路とレイアウトはCN-0200設計支援パッケージ www.analog.com/CN0200-DesignSupport に載っています。
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図5.フルスケール(赤)、ハーフスケール(緑)、ゼロスケール(青)について高精度リファレンス源を使い100秒間測定したDAC出力電圧ノイズ
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AD5780は0V ~+5Vから±10 Vまでの幅広い出力範囲をサポートします。対称の出力範囲が要求される場合は図1に示すような2倍ゲイン回路を使用できます。このモードはAD5780の内部コントロール・レジスタのRBUFビットをロジック「0」に設定する事により選択されます。非対称範囲が要求される場合は、それぞれのリファレンスをVREFPとVREFNに供給して、出力バッファをAD5780のデータシートに述べられているようにユニティ・ゲインに設定する必要があります。これはAD5780の内部コントロール・レジスタのRBUFビットをロジック「1」に設定する事により行われます。
AD8676はAD8675のデュアル・バージョンですが必要に応じて回路に使用できます。
評価に必要な装置
ソフトウェアのインストール
AD5780評価キットにはCDに自己インストール型ソフトウェアが含まれています。ソフトウェアはWindows XP(SP2)そしてVista(32ビットと64ビット)とコンパチブルです。もしセットアップ・ファイルが自動的に作動しなければCDからのsetup.exeファイルを実行する事ができます。PCに接続した時評価システムが正しく認識されるように、評価用ボードとSDPボードをPCのUSBポートに接続する前に評価用ソフトウェアをインストールしてください。
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図6.評価ソフトウエア・メイン・ウインドウ
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機能図
図7にテスト・セットアップの機能図を示します。
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図7.テスト・セットアップの機能ブロック図
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電源回路
次の電源を供給する必要があります:
リンク設定のセットアップ
デフォルトのリンク・オプションを表1に示します。デフォルトでは出力範囲を±10VにするためにボードはVREFP=+10 VとVREFN=-10 Vに設定されています。
図1に示す回路のようにボードを設定するには表1のデフォルト・リンク設定に下記の変更を行わなければなりません。
EVAL-AD5780SDZテスト・セットアップについてのさらに詳しい情報はユーザーガイドUG-256(英語)を参照してください。
テスト
VOUT_BUF SMBコネクタをアジレント3458Aマルチメータに接続します。リニアリティの測定はAD5780GUIの「Measure DAC Output」タブを使って実行されます。
ノイズ・ドリフト測定は又VOUT_BUF SMBコネクタで行なわれます。出力電圧は、AD5780 GUIの「Prgram Voltage」タブを使って設定されます。ピークtoピーク・ノイズ・ドリフトは100秒間測定されます。
定義と測定データからINL、DNL、ノイズを計算する方法についての詳細はAD5780データシートの「TERMINOLOGY」セクションと又次の資料を参照してください。Data Conversion Handbook, "Testing Data Converters," Chapter 5, Analog Devices.