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閉じるエネルギー効率の良い状態基準保全によって、渇きを癒す
もし、大量の海水を淡水化できるとしたら、どのような変化が起きるでしょうか。おそらく、農業や、人々の生活の質、あるいは持続可能性に対して驚異的な好影響を与えられるでしょう。その一方で、エネルギーに対する需要が激増するという変化も生じるはずです。淡水化の技術は大量の電力を消費するからです。また、その種の技術を実装するには、多くの時間とリソースを費やす必要があります。
逆に、淡水化の技術の効率を高めることができれば大きなニュースになることは間違いありません。アナログ・デバイセズが開発したOtoSenseTMにより、その効率向上の機会が手の届くところまで来ています。
OtoSenseは、状態基準保全(Conditional Based Maintenance)向けの技術プラットフォーム です。機械設備などの重要な資産の健全性を継続的かつ正確に検出/監視できるように設計されています。これを利用すれば、他のどのセンシング・プラットフォームよりも高速かつ正確に機械の状態に関するデータを蓄積することができます。それらのデータをAI(人工知能)ソフトに入力すると、起こりうる事象を検出/予測/防止し、システムの保守と停止時間によって生じるコストを削減することが可能になります。同時に、システムの稼働時間を延伸し、品質を高めることができます。他に類を見ないほど強力なツールであり、様々なアプリケーションに対応できるように設計されています。
2019年10月のGlobal Water Instituteの報告によると、世界人口の約1%が日々の生活のために淡水化した水(脱塩水)を使用しています。この数字は、2025年までに14%まで増加すると予想されています。 気候の変動により、深刻な干ばつの影響を受ける国が増えるにつれ、淡水化の必要性はますます高まります。淡水化技術に対するニーズを満たすためには、導入しやすいこと、信頼性に優れること、エネルギー効率が高いことが求められます。これらの実現に役立つのが状態基準保全です。例えば、OtoSenseは、この重要なシステムの健全性や信頼性を確保するために、淡水化のプロセスで使用するポンプのテストに適用されています。OtoSenseを使用すれば、エネルギーを大量に消費する検査を23%高速に実行できます。そのため、消費エネルギーを大幅に節約できます。将来的には、同様の検査を最大50%高速に実行できる可能性があります。
状態基準保全を活用すれば、エネルギーの消費量とコストを抑えて新鮮な飲料水を入手できるようになります。これは、状態基準保全が消費電力の削減という面で発揮する能力を示す一例にすぎません。世界のエネルギー消費量のうち50%は、何らかの電気モータへの電力供給に使用されています。エネルギー、製造、農業、輸送などの分野に状態基準保全を適用し、機械が確実に最大の効率で稼働するように制御できれば、世界のCO2排出量を最大15%削減することができます。CO2の排出量については、2030年までに50%削減するという目標が掲げられていますが、状態基準保全を活用することにより、その1/3に相当する排出量を削減できることになります。
生産性の向上、品質の改善、保守の回数の削減、エネルギー消費量の低減は、すべて全体的なコスト効率の向上に寄与します。つまり、資産の健全性を監視することにより、従来はコストの問題で成り立たなかったビジネス・モデルが現実のものへと変わる可能性があるということです。それだけでなく、状態基準保全は世界に対してより大きなインパクトを与える可能性があります。というのは、状態基準保全を活用することによって、気候の変動に歯止めをかけられる可能性があるからです。アナログ・デバイセズは、世界的なリーディング・カンパニーとパートナーシップを結び、革新的かつ画期的な技術を開発しています。それらの技術は、人間の生活を改善し、地球の健全性を高めることに貢献します。