選択性を利用したレシーバのインターセプトポイントの向上

選択性を利用したレシーバのインターセプトポイントの向上

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要約

レシーバの相互変調(IM)スプリアス応答減衰とは、2つの無変調妨害波(CW)トーンが存在するときに、レシーバが割り当てられたチャネル周波数上で、変調RF信号周波数を受信する能力の尺度のことです。スプリアス応答干渉に対するレシーバの防護は、割り当てられた周波数における入力信号と、レシーバが受信するその他あらゆる周波数における妨害信号とを区別する能力の尺度になります。このアプリケーションノートはレシーバの直線性に影響されるRF干渉源について分析します。オフチャネル干渉応答に対し、デュアル変換レシーバを調べました。

同様の記事が「RF Design」誌の1997年12月号に掲載されました。

はじめに

ある特定の無線回路やシステムでは、レシーバの2次および3次のインターセプトポイント(IP)が、直線性に対する最も重要な2つの仕様となります。これらのインターセプトポイントによってレシーバの相互変調(IM)性能を予測することができます。この相互変調性能とは、隣接または近傍のユーザの干渉に対する無線の妨害感受性を表すものです。この記事では、2次と3次のIMの両ケースについて、これまで用いられてきたレシーバのインターセプトポイントのカスケード方程式を改良した式について紹介します。2次インターセプトポイント(IP2)と3次インターセプトポイント(IP3)のカスケード方程式をそれぞれ数学的に導き出す際に、レシーバの各段間に選択性(S)を追加し、その効果を採り入れることにより、IIP2とIIP3を向上しています。

注:この記事では、大文字で記載された変数はすべてdBまたはdBm単位、小文字で記載された変数はすべて線形単位を示します。

スプリアス応答の干渉

移動端末用に推奨される最小性能規格に関連するワイヤレス仕様では、レシーバのIM性能は、「レシーバの相互変調によるスプリアス応答の減衰量」と「スプリアス応答の干渉に対するレシーバの保護」という2つの主要な技術的事項によって規定されています。

「レシーバの相互変調によるスプリアス応答の減衰量」は、2つ無変調妨害波(CW)トーンが存在する状況において、割り当てチャネル周波数で変調された入力RF信号の周波数を受信するレシーバの能力の尺度になります。これらのトーンは入力信号の割り当て周波数から分離されているため、2つの不要信号のn次ミキシングがレシーバの非直線成分として発生し、所望の信号帯域の中に3次信号を生成する可能性があります。「スプリアス応答の干渉に対するレシーバの防護」は、割り当て周波数での入力信号と、レシーバが受信する他のあらゆる周波数での不要信号をレシーバが区別する能力の尺度になります。

3次IM積による干渉

レシーバのフロントエンドでの3次ミキシングの結果、周波数f1とf2の2つのオフチャネルCWトーンにより、(2f1 − f2)に等しい周波数(これはオンチャネルの信号通過域の範囲に現れる場合がある)の3次相互変調積が生じます(図1a)。この帯域内3次相互変調(IM3)積は、レシーバの復調器におけるキャリア対干渉比(C/I)を低減します。この入力IM3積のレベル(IIM3、単位:dBm)は、直線の傾きが3:1であるということを用いて(図1b)、レシーバの全体入力IP3 (IIP3、単位:dBm)と2つのオフチャネルCWトーンの各入力電力レベル(PI、単位:dBm)を含んだ式で求めることができます¹。

IIM3 = 3 × PI - 2 × IIP3 (dBm) (式. 1)
図1. 2つのオフチャネルCWトーンによって生じる、帯域内干渉源となるIM3積 (a)と3次インターセプトポイント(IP)の定義(b)
図1. 2つのオフチャネルCWトーンによって生じる、帯域内干渉源となるIM3積 (a)と3次インターセプトポイント(IP)の定義(b)

図2は、従来のデュアルコンバージョンのスーパーヘテロダインレシーバのアーキテクチャを表しています。このタイプのレシーバのアーキテクチャでは、オフチャネルCW干渉源によるIM3積は、ローノイズアンプ(LNA)、第1ミキサ、IFアンプ、第2ミキサ、およびIFリミティングアンプで生成されます。すべてのIM3積が復調器の入力で加算され、レシーバ入力における等価の帯域内IM3積 (IIM3)になります。このIM3積は、帯域内干渉源として作用しますが、IFアンプ、第2ミキサ、およびIFリミティングアンプで生成されるIM3を最小限に抑えることによって低減することができます。これを実現するため、第1ミキサの後にあるIFフィルタ(IFフィルタ1)に、これらのオフチャネル干渉源に対してある一定量のIF選択性(S)を導入します。フィルタの選択性(S)とは、オンチャネルのフィルタ通過域の挿入損失(IL)を基準とした、オフチャネル干渉源の周波数でのIFフィルタ1の除去帯域における減衰量である点に注意してください。したがって、オフチャネルCWトーンの周波数でのIFフィルタ阻止域における総除去量(R) (単位:dB)は、R = -(IL + S)と定義することができます。IFフィルタの選択性(S)は、後段にあるレシーバブロックの3次歪みとダイナミックレンジの要求を低減します。このため、等価の帯域内IIM3積を最小限に抑えるようレシーバ全体のIIP3を最適化することができ、必要なレシーバのベースバンド(C/I)比を満たすことができます。

図2. 従来のスーパーヘテロダインのデュアルコンバージョンレシーバ
図2. 従来のスーパーヘテロダインのデュアルコンバージョンレシーバ

3次入力インターセプトポイント(IIP3)の改良カスケード方程式

図3では、デュアルコンバージョンレシーバのアーキテクチャ(図2)を3つのブロック、すなわちRFブロック、IFフィルタ1、およびIFブロックに分割しています。RFブロック(ブロック1)は、第1 IFフィルタの前段にあるレシーバのRF段から構成されます。IFブロック(ブロック2)は、第1 IFフィルタの後段にあるレシーバのIF段から構成されます。ブロック1には、RFでの利得G1と、等価の3次入力インターセプトポイントIIP31が含まれています。ブロック2には、IFでの利得G2と、等価の3次入力インターセプトポイントIIP32が含まれています。レシーバ入力に見られる2つのオフチャネルCW干渉源の各電力レベルはPIに等しいと仮定されています。PIは、2つのオフチャネルCWトーンのブロック1への入力レベルです。P2は、IFに変換された2つのオフチャネルCWトーンのブロック2への入力レベルです。IIM3は、2つのオフチャネルCWトーンによるIM3の総歪み電力で、レシーバの入力レベルで表されます。IIM31は、ブロック1に生成されるIM3の総歪み電力で、ブロック1の入力レベルで表されます。IIM32は、ブロック2に生成されるIM3の総歪み電力で、ブロック2の入力レベルで表されます。

図3. IP3改良カスケード方程式を導出するためのブロック図。この方程式は、2つのオフチャネルCWトーンの周波数において、レシーバ段への選択性(S)を追加することにより、その効果を採り入れています。電力記号の単位はdBm、利得はdB単位。
図3. IP3改良カスケード方程式を導出するためのブロック図。この方程式は、2つのオフチャネルCWトーンの周波数において、レシーバ段への選択性(S)を追加することにより、その効果を採り入れています。電力記号の単位はdBm、利得はdB単位。

以下に示す導出方法では、ブロック1の入力IM3の歪み電圧と、前段の電圧利得で除算したブロック2の入力IM3の歪み電圧とを、最悪条件として厳密に同相で加算することにより、IM3の総歪み電圧(これがレシーバへの入力となる)を求めています。システム特性インピーダンスを1Ωとすると、次のように表すことができます。

√iim3 = √iim31 + √(iim32/(g1/il)) (volts) (式. 2)
ここでは、IM3電力を電圧に変換するために平方根をとっています。項iim3、iim31、およびiim32の単位は、線形電力単位(ワットまたはミリワット)です。また、G1 (dB) = 10 × log10(g1)およびIL (dB) = 10 × log10(il)です。

式1は、次式に置き換えることができます。

IIP3 = PI + ½(PI - IIM3) (dBm) (式. 3)
式3は、レシーバ全体の入力IP3を定義しています。式3をdBmではなく線形電力単位(ミリワット:mW)に書き換えると次のようになります。
pI/iip3 = √(iim3/pI) (式. 4)
式3の場合と同様に、ブロック1とブロック2のそれぞれについて、IIP31とIIP32を次のように定義することができます。
IIP31 = P1 + ½(P1 - IIM31) (dBm) (式. 5)
IIP32 = P2 + ½(P2 - IIM32) (dBm) (式. 6)
P1(dBm) = PI、およびP2(dBm) = PI + (G1 - IL - S)であるため、式5と式6によって次式が得られます。
IIP31 = PI + ½(PI - IIM31) (dBm) (式. 7)
IIP32 = (PI + G1 - IL - S) + ½(PI + G1 - IL - S - IIM32) (dBm) (式. 8)
式3の場合と同様に、式7と式8をdBmではなく線形電力単位に書き換えると、それぞれ式9と式10が得られます。
pI/iip31 = √(iim31/pI) (式. 9)
pI(g1/il)/(iip32 × s3/2) = √iim32/((g1/il)pI) (式. 10)
ここで、S(dB) = 10 × log10(s)、およびIL(dB) = 10 × log10(il)です。S(dB)とIL(dB)は正の数であることに留意してください。

式2に戻って、これを(pI)1/2で割ります。そうすると式11が得られます。

√(iim3/pI) = √(iim31/pI) + √(iim32/(g1/il)pI (式. 11)
式4、9、および10を用いて、式11の各項に、等価の項を代入します。項pIを取り除いて整理すると、次のIIP3の改良カスケード方程式を得ることができます。
1/iip3 = 1/iip31 + (g1/il)/(iip32 × s3/2) (式. 12)
式12から分かるように、高選択性IFフィルタ(s >> 1)を選ぶことにより、レシーバ全体の入力IP3 (IIP3)に対するIFブロックの入力IP3 (IIP32)の影響を最小限に抑えることができるので、入力全体は、ほぼRFブロックのIIP3 (IIP31)によって決定されることになります。留意すべきことですが、カスケードシステム解析では、IFブロックの入力IP3 (IIP32)は、等価の入力IP3で置き換える必要があります。この変換によってIFブロックの前に選択性を効果的に導入します。この等価IIP32は、次式で表すことができます。
IIP3e2 = IIP32 + (3/2) × S (dBm) (式. 13)
M個のカスケード段を備えたレシーバチェーンの全体入力IP3を予測する式は、式12に基づいて、より一般的な公式にすることができます。各段に、2つのオフチャネルCWトーン周波数における線形利得(gn)、入力IP3 (IIP3n、単位:ワット)、および選択性(sn)が含まれます。これらは、帯域内にIM3積を生じます(iln << snと仮定)。
1/iip3 = 1/iip31 + (g1/(iip32 × s13/2) + (g1 × g2)/(iip33 × (s1 × s2)3/2) + ... + (g1 × g2 ... gM-1)/(iip3M × (s1 × s2 ... sM-1)3/2) (式. 14)
ここで、Sn(dB) = 10 × log10(sn)です。この式は、snを1に設定すると、M段のカスケードのインターセプトポイントを計算する従来の式を単純化します。これにより、選択性Snを0dBに設定することになります¹ 。

2次IM積による干渉

レシーバのスプリアス応答は、オンチャネルRF信号の周波数とは異なる周波数ですが、それでもなお、十分な高レベルで発生した場合には、レシーバ通過域に出力干渉源を生み出します。このようなスプリアス応答の周波数の1つに、ハーフIF周波数があります。このハーフIFスプリアス応答は、2次相互変調積 (IM2)となり、レシーバのRFフロントエンドで発生します。IM2レベルは、レシーバのRFフロントエンドの2次インターセプトポイント(IP2)から予測することができます。この2次インターセプトポイント(IP2)は、レシーバチェーン内の第1ミキサまでの要素(第1ミキサも含む)によって決定されます(図2)。

第1ミキサにおけるハイサイド挿入では(図4a)、LO周波数から-fIF/2だけずれたレシーバ入力のCWトーンが、(-2.fCW + 2.fLO)のIM積によってIFにダウンコンバートされて、第1ミキサに発生します¹²。同様に、ローサイド挿入については、LO周波数から+fIF/2だけずれたCWトーンが、(2.fCW − 2.fLO)のIM積によってIFにダウンコンバートされます。この入力IM2積のレベル(IIM2、単位:dBm)は、直線の傾きが2:1であるということを用いて(図4b)、レシーバのRFフロントエンドの入力IP2 (IIP2、単位:dBm)と入力ハーフIFのCWトーンの電力レベル(PI、単位:dBm)を含んだ式で求めることができます¹。

IIM2 = 2 × PI - IIP2 (dBm) (式. 15)
図4. ハーフIFスプリアス応答によって生じる、帯域内干渉源となるIM2積 (a)と2次インターセプトポイント(IP)の定義(b)
図4. ハーフIFスプリアス応答によって生じる、帯域内干渉源となるIM2積 (a)と2次インターセプトポイント(IP)の定義(b)

このハーフIFスプリアス応答による帯域内IM2積は、第1ミキサからの2次IMの寄与分を最小限に抑えることによって、低減することができます。これを実現するには、第1ミキサの前段にあるRFフィルタ(RFフィルタ1と2)で、このオフチャネル干渉源に対してある一定量のRF選択性(S)を導入します。フィルタの選択性(S)とは、オンチャネルのフィルタ通過域の挿入損失(IL)を基準とした、スプリアス応答周波数でのRFフィルタの除去帯域における減衰量です。RFフィルタの選択性(S)は、第1ミキサの2次歪みとダイナミックレンジの要件を低減します。このため、ハーフIFトーンからの等価の帯域内IIM2積を最小限に抑えるようレシーバ全体のRFフロントエンドIIP2を最適化することができ、必要なレシーバベースバンド(C/I)比を満たすことができます。

2次入力インターセプトポイント(IIP2)の改良カスケード方程式

図5では、デュアルコンバージョンレシーバのRFフロントエンドを3つのブロック、すなわちRFフィルタ2、ブロック1 (RFフィルタ2の前段にあるすべての段から構成)、およびブロック2 (RFフィルタ2の後段で、第1ミキサを含む)に分割しています。ブロック1には、RFでの利得G1と、等価の2次入力インターセプトポイントIIP21が含まれています。ブロック2には、RFでの利得G2と、等価の2次入力インターセプトポイントIIP22が含まれています。レシーバ入力に見られる各ハーフIFのCWトーンの電力レベルはPIと等しいと仮定されています。PIは、ハーフIFのCWトーンのブロック1への入力レベルです。P2は、ハーフIFのCWトーンのブロック2への入力レベルです。IIM2は、ハーフIFのCWトーンによるIM2の総歪み電力で、レシーバ入力換算になります。IIM21は、ブロック1に生成されるIM2の総歪み電力で、ブロック1への入力換算になります。IIM22は、ブロック2に生成されるIM2の総歪み電力で、ブロック2への入力換算になります。

図5. IP2改良カスケード方程式を導出するためのブロック図(この方程式は、ハーフIFスプリアス周波数において、レシーバのRFフロントエンド段へのRF選択性(S)を追加することにより、その効果を採り入れています)。電力記号の単位はdBm、利得はdB単位。
図5. IP2改良カスケード方程式を導出するためのブロック図(この方程式は、ハーフIFスプリアス周波数において、レシーバのRFフロントエンド段へのRF選択性(S)を追加することにより、その効果を採り入れています)。電力記号の単位はdBm、利得はdB単位。

以下に示す導出方法では、ブロック1の入力IM2の歪み電圧と、前段の電圧利得で除算したブロック2の入力IM2の歪み電圧とを、最悪条件として厳密に同相で加算することにより、IM2の総歪み電圧(これがレシーバへの入力換算となる)を求めています。システム特性インピーダンスを1Ωとすると、次のように表すことができます。

√iim2 = √iim21 + √(iim22/(g1/il)) (volts) (式. 16)
ここでは、IIM2電力を電圧に変換するために平方根をとっています。項iim2、iim21、およびiim22の単位は、線形電力単位(ワットまたはミリワット)です。また、G1 (dB) = 10 × log10(g1)およびIL (dB) = 10 × log10(il)です。

式15は、次式に置き換えることができます。

IIP2 = PI + (PI - IIM2) (dBm) (式. 17)
式17は、レシーバ全体の入力IP2を定義しています。式17をdBmではなく線形電力単位(ミリワット:mW)に書き換えると次のようになります。
pI/iip2 = iim2/pI (式. 18)
式17の場合と同様に、ブロック1とブロック2のそれぞれについて、IIP21とIIP22を次のように定義することができます。
IIP21 = P1 + (P1 - IIM21) (dBm) (式. 19)
IIP22 = P2 + (P2 - IIM22) (dBm) (式. 20)
P1(dBm) = PI、およびP2(dBm) = PI + (G1 - IL - S)であるため、式19と20によって次式が得られます。
IIP21 = PI + (PI - IIM21) (dBm) (式. 21)
IIP22 = (PI + G1 - IL - S) + (PI + G1 - IL - S - IIM22) (dBm) (式. 22)
式17の場合と同様に、式21と式22をdBmではなく線形電力単位に書き換えると、それぞれ式23と式24が得られます。
pI/iip2I = iim2I/pI (式. 23)
(pI × (g1/il))/(iip22 × S²) = iim22/(g1/il) × pI) (式. 24)
ここで、S(dB) = 10 × log10(s)、およびIL(dB) = 10 × log10(il)です。S(dB)とIL(dB)は正の数であることに留意してください。

式16に戻って、これを(pI)1/2で割ると、式25が得られます。

√(iim2/pI) = √(iim2I/pI) + √(iim22/(g1/il) × pI) (式. 25)
式18、23、および24を用いて、式25の各項に、等価の項を代入します。項pIを取り除いて整理すると、次のIIP2の改良カスケード方程式を得ることができます。
√(1/iip2) = √(1/iip2I) + √((g1/il)/(iip22 × s²) (式. 26)
式12から分かるように、高選択性RFフィルタ(s >> 1)を選ぶことにより、レシーバ全体のRFフロントエンド入力IP2 (IIP2)に対する第1ミキサブロックの入力IP2 (IIP22)の影響を最小限に抑えることができます。留意すべきことですが、カスケードシステム解析では、第1ミキサブロックの入力IP2 (IIP22)は、等価の入力IP2で置き換える必要があります。これによって、RFフィルタに選択性を導入する効果を反映できます。この等価IIP22は、次式で表すことができます。
IIP2e2 = IIP22 + 2 × S (dBm) (式. 27)
M個のカスケード段を備えたレシーバのRFフロントエンドチェーンの全体入力IP2を予測する式は、式26に基づいて、より一般的な公式にすることができます。各段に、ハーフIF CWトーン周波数において線形利得(gn)、入力IP2 (iip2n、単位:ワット)、および選択性(sn)が含まれます。これらは、帯域内にIM2積を生じます(iln << snと仮定)。
√(1/iip2) = √(1/iip21) + √(g1/(iip22 × s1²)) + √((g1 × g2)/(iip23 × (s1 × s2)²) + ... + √((g1 × g2 ... gM-1)/(iip2M × (s1 × s2 ... sM-1)²) (式. 28)
ここで、Sn(dB) = 10 × log10(sn)です。

参考資料

  1. S. Maas, Microwave Mixers, Norwood, MA, Artech House, 1993.
  2. P. Vizmuller, RF Design Guide, Norwood, MA, Artech House, 1995.