- 計装アンプとは?
- 計装アンプとは?
- OPアンプ = 計装アンプ?
- 計装アンプはどのようなところで使われるのか
- 計装アンプの定義と回路構成
- 計装アンプの定義
- コモン・モード電圧(CMV)とは?
- 計装アンプの回路構成
- 実験:ディスクリートタイプとICタイプ計装アンプのCMR特性比較
- 計装アンプの注意すべき点、使い方・ノウハウ
- バイアス電流の帰還経路確保
- よくある間違い
- 計装アンプ実用例
- ブリッジセンサ(圧力センサ)
- まとめ
- 参考・引用文献・ソフトウェア
はじめに
OP アンプの陰に隠れてしまいクローズアップされることの少ない計装アンプ IC ですが、実際にはノイズの多い環境や大きな同相信号のある環境下でも直流精度・ゲインの正確さを必要とされる産業用計測アプリケーションの多くで広範囲に使用されています。
本稿では、計装アンプとは何か?OP アンプとの違いは?どんな風に使うものなのか、使用上の注意点・ノウハウ等についてご紹介していきたいと思います。
計装アンプとは?
計装アンプはイン・アンプ、インスツルメンテーション・アンプとも呼ばれています。ストレイン・ゲージ、圧力トランデューサ等の信号源からの微小な差動またはフローティング信号を計測したり増幅したりする為に設計された、特別な用途を目的としたアンプの事を指します。
実際にどのような回路構成で計装アンプが用いられるかの一例が、下記回路図になります。
圧力センサ出力値:①Vout+ = 300mV、②Vout- = 292mV
計装アンプ・ゲイン設定値:50 倍
計装アンプ・出力値:③400mV(≒ (300mV – 292mV)×50)、 気圧 1bar 時
又、この回路構成においての温度・気圧を変動させた際の実測値表が上の表となります。
このように、圧力センサと計装アンプの組み合わせで増幅した出力データを得られ、さらに AD コンバータ、又はそれを含むマイクロ・コントローラーを回路に組み込むことにより、データ測定・グラフ化・補正などのアプリケーションを含めての実験が可能となります。#実験詳細につきましては第 4 章の計装アンプ実用例に記載しております。
近年このような圧力センサ・アプリケーションの民生機器への導入が目立つようになり、それに伴い、計装アンプ自体も産業用計測アプリケーション以外でも注目されるようになってきました。そこで、まずは計装アンプと OP アンプの違いについて、図も合わせて解説したいと思います。
OP アンプ = 計装アンプ?
OP アンプを使って計装アンプを組むことはできますが、計装アンプを使って OP アンプのような多種多様な目的に向けて回路を構成することは出来ません。というのも、OP アンプは抵抗、キャパシタ等の外付け部品による帰還回路を使うことでユーザー自身が特性を変更できますが、一方、計装アンプは機能と動作ゲインの許容範囲に制約があるからです。OP アンプの動作は外付け部品により規定されますが、計装アンプでは 1 つの抵抗 か、ピンの選択により動作ゲインを設定します。要望される特性に特化し、それ以外のパーツは IC 内部のチップ上に構成されています。
OP アンプとしてみると“制限”に見えますが、計装アンプとしてそれはアプリケーションにおける要求精度を十分に満たす“仕様”となります。
複数の OP アンプを用いて計装アンプと同じような機能を持つ回路を構成することも可能ですが、これには本来の計装アンプと比較して幾つかの難点があります。
1. ゲイン設定に、入力ラインとフィードバックに抵抗が必要
2. ゲイン設定のための外部抵抗のバランス一致が必要
3. 入力インピーダンスはプラス側で R1’+R2’、マイナス 側では R1 となり一致しない
4. CMRR が抵抗器のマッチングに大きく影響される
外部で使用する抵抗器の許容誤差は良くて 0.1%程度であり、これでは回路本来の持つ CMR は得られません。その点、計装アンプは製造工程においてレーザ・トリミングされた誤差 0.01% の薄膜抵抗による IC 内部回路構成となるため、あまり労する事無く所望の CMR*特性が得られる事となります。
これらの事から、「OP アンプ=計装アンプ」とはならず、両者の位置付けは根本で異なっているという点が見えてくるかと思います。
計装アンプはどのようなところで使われるのか
産業用計測アプリケーション制御システムのセンサ~マイコン間において、安定して精度の高い信号増幅を行う為に使用されています。センサ類、例えばストレイン・ゲージ、ロードセル(重量計)や圧力トランデューサは、その感度を増加させるために、ほとんどの場合ブリッジ型の配置で構成されます。
計装アンプは、このような小さな差動出力(VA - VB)をその入力にかかる比較的大きなコモン・モード電圧(VEXC ÷ 2)による影響を受けずに、高精度の測定を要求されるアプリケーションに用いられます。
他に、コモン・モード電圧を持った各電圧の計測や、熱電対や電流シャント抵抗間の電圧のような“フローティング”信号源の測定に計装アンプは最適といえます。
計装アンプの定義と回路構成
計装アンプの定義
計装アンプとは、一対の差動入力端子と、リファレンス入力端子(Vref)を電位基準とするシングルエンド出力で構成されています。ほとんどのデバイスにおいて、外付けとなる 1 つの抵抗(RG)によりゲイン設定を行えるようになっています。
又、AD8231 や AD825x ファミリーのような、指定デバイスピン の High/Low 設定においてマイクロ・コントローラー側からデジタル的にゲイン切り替えが可能な計装アンプもあります。
リファレンス入力は、単電源アプリケーションで使われる電源電圧の中間電位へのオフセットを持たせること(レベル・シフト)を可能としていますが、その必要が無い場合、リファレンス入力端子は必ずグラウンドに接続する必要があります。これを怠ると出力が飽和して電源電圧に張り付いてしまうので注意が必要です。
コモン・モード電圧(CMV)とは?
コモン・モード(同相モード)電圧とは、計装アンプの入力両端に同じタイミングでかかる、望ましくない AC または DC 信号の事をいいます。コモン・モード信号は、多くの場合回路から派生するか(Vcm)、あるいは浮遊容量(Cstray)を通して誘導されて生じます。
入力が大きくゆらいだとしても出力はその影響を受けてゆらぐ事があってはなりません。入力のゆらぎ、すなわち同相モード電圧の除去能力が大きいものが良い計装アンプとなります。この除去能力をパラメータ表記しているものが、同相信号除去比(Common Mode Rejection Ratio: CMRR)です。
CMRR は入力の同相モード電圧の変化に対する計装アンプ出力電圧の変化の比で表されます。(変化=電圧レベルのゆらぎ、と考えて頂くと分かりやすいかと思います)
入力同相モード電圧の変化:5V
入力に対応した出力電圧の変化:100uV
とすると、
CMRR = 1/50,000
これを、仕様書上でのパラメータ表記 CMR とすると、
CMR = 20 log CMRR
CMR = 20 log (1/50,000)
CMR = -93.9 dB
パラメータ値は 70dB ~ 100dB 以上が普通で、ゲインアップすれば数値はさらに良くなります。
計装アンプの回路構成
計装アンプにはよく使われる 2 種類の基本的な回路構成があります。 1 つは 2 個の OP アンプを用いたものであり、もう1つは 3 個の OP アンプを用いたものになります。3 つの OP アンプ を用いた回路はモノリシック(IC)やディスクリート設計の両方で最も一般的なものとなります。
♦2 個の OP アンプを使ったディスクリート計装アンプ:
長所としては、2 個のアンプしか使わないという点、入力のプラス(+)およびマイナス(-)の両方共に高い入力インピーダンスとなる点があります。
短所は、入力の同相モード電圧範囲がゲインと信号レンジに依存する(同相モードはアンプ A1 の(R3+R4)/R4 に依存する)点、 V1 入力端子から Vout 出力端子までの信号経路において位相差が生じ CMR 特性に影響を及ぼす事があります。
♦3OP アンプ構成の計装アンプ:
古典的かつ最も一般的な構成となる計装アンプです。
長所は、この回路構成における CMR 特性は R1,R2,R3,R4 の抵抗比マッチングで決まります。又、同相信号は設定ゲインに関わり無く、増幅されません。回路図を見ていただくとお分かりい ただけるかと思いますが、OP アンプの入力端子間がほぼ同電位となるため RG の両端に同相電圧は発生しません。その為、この抵抗には同相電流が流れない、という理想的な回路構成となっています。つまり、抵抗器のマッチングが高くできれば高い CMR 特性が得られる、という回路構成となっています。
短所としては、この構成としてもディスクリート設計においては高精度の OP アンプを 3 つ、更には許容誤差が極力少ないカスタムマッチされた抵抗器が必要になりますので、求める特性を得るにはコストがかかってしまうという点が挙げられます。
♦IC タイプ計装アンプ
3OP アンプ構成の計装アンプをモノリシック IC 化したものです。
話の流れから既にお察しの事かもしれませんがこの IC タイプ計装アンプこそ、お勧めし得る計装アンプです。
内蔵される 3 つの OP アンプの良好なマッチングはもとより、レーザ・トリミングされた許容誤差がとても小さい薄膜抵抗器が用いられる事により、優れたゲイン精度、CMR 特性を持つ計装アンプが低コスト・1 チップで実現、提供されます。
現在、IC タイプ計装アンプには、シングル・デュアルチャンネル、プログラマブル・ゲイン機能搭載タイプ、JFET 入力タイプ、励起電流・Vref 内蔵のブリッジセンサ用途特化タイプ、など様々なタイプのものがライン・アップされています。
一例として、プログラマブル・ゲイン機能搭載タイプの計装アンプを紹介します。
このデバイスは、A0,A1,A2 の外部ピンの High/Low の組み合わせにより 1 ~ 128 までのゲインをデジタル的に切り替えができる IC タイプ計装アンプです。 A4 の OP アンプは、出力にサレンキー型フィルタを構成したり、出力を差動出力としたい場合などに使用できるアンプですので、内部的に計装アンプとしての回路にはからんではいません。
実験:ディスクリートタイプと IC タイプ計装アンプの CMR 特性比較
冒頭でも少しお話しましたが、ノイズの多い環境や大きな同相信号のある環境下において高精度で動作する事が計装アンプに求められる性能です。産業用計測アプリケーションのみならず通信システムなどを搭載する民生機器などでも RF 信号の干渉等により同相信号干渉は発生します。この、計装アンプにおいて特に重要となる同相信号=コモン・モード電圧を除去する能力すなわち CMR 特性が、前述のように抵抗比マッチングに大きく依存する事について、IC タイプの計装アンプと 3 つの OP アンプ IC によるディスクリートタイプ計装アンプを使って実験、その依存性について確認を行いました。
測定条件:
Vs+ = +10V, Vs- = -10V
G = 1 (RG 端子オープン= High-Z)
Vin+, Vin- をショート、同相信号(Amplitude ±4V, Frequency 99.6Hz)入力
R1,R2,R3,R4 に 10kΩ(誤差±0.5%)のチップ抵抗を使用しましたが、実験基板上には手選別した 10kΩを R2,R3,R4 に、9.98kΩを R1 にマウントしています。
測定結果:
実験基板A(ディスクリートタイプ)
64.8 – 1.3 = 63.5dB
実験基板B(AD620)
87.3 – 1.3 = 86.0dB
ここで、計装アンプ後段 Subtractor 部における CMR の抵抗比マッチング依存を伝達関数を用いて下記のように計算してみます。
実験条件と同じく、Vcm=2V、R1=9.98kΩ、R2=R3=R4=10kΩ とします。
式1、式2を用いて Vout を算出すると、
Vout=2mV、Vcm=2V で CMR を算出。
上記伝達関数で求められた CMR と実験で得られている数値 63.5dB に近い事から、信頼できそうな実験結果であると考えられるかと思います。
又、AD620 測定結果においては、Datasheet Figure.16 ”CMR vs. Frequency” の 100Hz において 90dB に対して 86.0dB と、これも近い数値を得られている事が確認できました。ディスクリートタイプは、OP07 が 3 つ、その OP アンプ同士のマッチングもさることながら、高い CMR 特性を実現する為には許容誤差が小さい抵抗器が必要となる反面、IC タイプ計装アンプ AD620 は単体で高い CMR 特性を得る事ができます。
結果、IC タイプ計装アンプが特性、コスト、実装面積において大きくアドバンテージを持つ事が分かるかと思います。
~実験のまとめ~
- CMR 特性は抵抗器マッチングに依存しており、ディスクリートにおいてより高い CMR 特性を得る為には許容誤差が小さいものが求められる。
- 抵抗器は許容誤差が小さいもの、つまりは IC タイプ計装アンプのようにレーザ・トリムされた許容誤差 0.01%以下となる薄膜抵抗器がベストである。
- 特性、コスト、実装面積のどの点においても IC タイプ計装アンプの持つアドバンテージは大きい。
計装アンプの注意すべき点、使い方・ノウハウ
ここでは計装アンプを使用する際の注意すべき点、サポートセンターなどでよく見かける陥りやすい使い方ミスやエラーについての原因や改善策、転ばぬ先の杖としてのノウハウ等ご紹介したいと思います。
バイアス電流の帰還経路確保
計装アンプ使用時の注意点として、バイアス電流の帰還経路確保が挙げられます。
一般的 OP アンプと同様に、計装アンプにおいてもバイアス電流のグラウンドへの帰還経路を確保する事が重要です。この処置は完全“フローティング”アプリケーションや、入力が AC カップリングされている場合など、特に重要となります。
よくある間違い
1. 計装アンプの内部電圧に注意!
計装アンプでは、ゲインは前段の差動部で行い、後段の OP アンプでレベル・シフト、差動信号→シングルエンド変換を行っています。入力電圧が最大入力電圧範囲内にあるからといって必ずしも正常に動作できないことがあります。これを回避するために、特に前段 OP アンプの出力電圧を考慮しておく必要があります。
一例として AD8231 を用いて上記注意事項について解説したいと思います。
プラス(+)側 4.5V、マイナス(-)側 3.5V、GAIN = 4 として図 4-1 を動作させる場合、出力に何V が得られるかを考えます。
この図における数値のみで単純計算すると(4.5V – 3.5V)×4 倍の、出力電圧としては 4V が期待できるかと思います。しかしながら、結論から先に言ってしまうと、実際の出力は 3V しか得られません。
何故か?
内部前段アンプの出力電圧を図 4-2 に基づいて計算してみましょう。
このケースの場合、VCM は 4.0V、G×Vsig/2 は 4×0.5=2 とな りますので、アンプ A2 の出力は 6V、アンプ A1 は 2V となり、出力は 4V と計算値としては期待値が弾き出されます。
しかしながら、内部アンプはレール to レール出力ではありますが電源電圧は 5V なので、アンプ A2 の出力は 5V のレールにおいて飽和してしまいます。したがって、実際の出力としては図 4-4 のように 3V しか得られない結果となるわけです。
こういった場合の対策としては、
入力電圧を動作範囲内にシフトして使う。
この段ではゲインを抑えて、後段で増幅を行う。
電源電圧を高くして使う。
デバイスの選択を再考する。
が挙げられます。
2. データシートのような CMRR 特性が得られない
原因として、計装アンプの入力ピンに到達するまでに同相信号が劣化してしまっているという事が考えられます。ソースインピーダンスと寄生容量の組み合わせはローパスフィルタを形成します。その為、図 4-5 のようなキャパシタンスや抵抗値のミスマッチが発生していると考えられるので、各入力ピンでのローパスフィルタはマッチングされる必要があります。
こういった場合の解決策としては、
レイアウトの改善、すなわちライン長などの見直しによりマッチングを取り寄生容量を減らす
端子間にコンデンサを挿入し寄生の影響を最小限にするなどが挙げられます。
3. オフセット電圧の変動
大きなオフセット電圧やその変動は、特に入力リード線を長くした場合や、ノイズの多い環境下で発生する事が予想されます。考えられる原因としては、RF 信号の整流効果が挙げられます。 RF 信号が入力部周辺の寄生接合部分などから DC 電圧成分に変調される場合や、入力のリード線がアンテナとなって影響を及ぼす事が考えられます。
解決策としては、図 4-6 赤枠のような RF 帯のフィルタを挿入する、入力リード線にツイスト・ペア線を使用しアンテナ効果を低減させる、シールドを施す、などが挙げられます。又、場合によってはデバイスそのものの選択を再考する必要性も出てくるかと思われます。
計装アンプの動作不良
電源投入直後などに出力がどちらかのレールに張り付いてしまう場合、その原因は、入力ピンからのバイアス電流の流れ先がキチンと設けられてない事が考えられます。簡易図になりますが AD8231 を例としての対策としては、図 4-7 のように高抵抗を用いてバイアス電流経路を確保させます。スイッチやマルチプレクサを併用する際、これらがオフ状態になる場合にも気をつけましょう。
計装アンプ実用例
ブリッジセンサ(圧力センサ)
実動作実験として、ブリッジセンサ、計装アンプ(AD8553)、マイクロ・コントローラー(ADuC7026)を、配線接続。市販のタッパーを改造し、とりあえずの減圧環境を作成しました。
センサ・アプリケーションにおいて最も注目すべき出力特性
ゲイン温度ドリフト
オフセット温度ドリフト
の2 点が挙げられます。
センサ・計装アンプを含めた上記特性がどの程度のものであるか、又デジタル的な補正が可能であるか、を実験の目的としました。
データ測定において、出力されてくるデータに対する気圧・温度条件をウォッチする為、タッパー内の気圧・温度測定及びデジタル表示が可能な市販のハンディタイプの大気圧計を使用しました。又、卓上の簡易実験の為、温度条件をきっちりと所望の温度にキープする事が難しく、表においては温度条件に幅を持たせての測定、気圧条件においては、市販のタッパーの加圧方向は難しく、シリンジによる減圧方向のみとなります。
第1章でも一度触れていますが、出力条件は下記になります。
圧力センサ出力値:①Vout+ = 300mV、②Vout- = 292mV
計装アンプ・ゲイン設定値:50 倍
計装アンプ・出力値:③400mV(≒ (300mV – 292mV)×50)、気圧 1bar 時
温度範囲が 0~50°Cと狭い範囲での測定の為、ゲイン温度ドリフトが観察しづらいデータとなりましたが、オフセット温度ドリフトは比較的差が見られるので、1bar のデータを用いて多項式補正を行いました(下図参照)。
この補正により、0~50°Cで約 15mV の出力差が約 5mV に収める事ができました。
結論として、ADC 後のデジタルデータ補正は可能であることが確認できました。ブリッジセンサ・アプリケーションは後段におけるデジタル補正が必須であり、又、補正レベルはアプリケーションに要求される応答特性・分解能により様々であると実感しました。
今回はデータ測定・採取、補正までが目的だったのでマイクロ・コントローラーを用いていますが、電源ボックス、計装アンプ、可変抵抗器(ブリッジ用)があれば動作確認等の実験は思うよりも簡単に行えるかと思いますので、計装アンプ入門として計装アンプ+圧力センサの実験をお勧めしたいと思います。
民生機器への圧力センサ搭載に合わせて、ブリッジ型センサ用途に特化した、励起電流源内蔵タイプの低価格計装アンプ AD8290 などもライン・アップされるようになってきています。
まとめ
高性能・高精度を要求される産業用途の計装アンプですが、実際は幅広いアプリケーションにおいても有用なデバイスです。今後、外付け部品点数の削減を求められるハンディ・アプリケーション等、様々なセンサ用途に合わせて計装アンプが採用される機会も増えてくると思いますので、是非一度動作・特性等に触れてみてください。
トランジスタ技術 2008 年 5 月号掲載