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評価用ボード

型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。

  • EVAL-AD7781EBZ ($71.53) Weigh Scale Design Using the AD7781 20-Bit Sigma-Delta ADC with Internal PGA
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デバイス・ドライバ

コンポーネントのデジタル・インターフェースとを介して通信するために使用されるCコードやFPGAコードなどのソフトウェアです。

AD7780 IIO Low Power Sigma-Delta ADC GitHub Linux Driver Source Code

回路機能とその特長

この回路は、AD7781を使った重量計システムです。AD7781は、ピン・プログラマブル、低消費、低ドリフトの20ビットΣΔ型A/Dコンバータで、PGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)および内部クロックを内蔵しています。したがって、このデバイスには、システムのほとんどの構成要素がチップ上に含まれていますので、重量計の設計を簡素化できます。このデバイスはわずか330μA(typ)しか消費しませんので、低パワーあるいはバッテリ・アプリケーションに最適といえます。またAD7781はパワーダウン・モードを備えているため、ブリッジ・センサーへのパワーを切断したり、AD7781が変換していないときにパワーダウンして、バッテリ寿命の長期化を図ることができます。

図1:AD7781を使った重量計システムの回路(簡易回路:全ての接続は示されていません。)

 

回路説明

AD7781は重量計に関するソリューションを集積化していますので、ロードセルと直接インターフェースできます。わずかな外付け部品、アナログ入力上のいくつかのフィルタおよびEMC対策のためのリファレンスピン上のコンデンサのみを必要とします。ロードセルからの低レベル信号は、AD7781内のPGAによって増幅されます。このPGAは128倍のゲインで動作するようにプログラムされます。その後AD7781からの変換結果が、USBインターフェースを使ってPCに送り込まれ、ここでデジタル情報が重量値に変換されます。

図2に、実際のテスト・セットアップを示します。ここでは、最適なシステム性能が得られるように、6線のロードセルが使われています。6線のロードセルは、2つのセンス・ピン、更に励起、グランドおよび2つの出力接続を備えています。2本のセンス・ピンは、ホイートストーン・ブリッジのハイサイドとローサイドに接続されています。したがって、ブリッジの両端に発生する電圧は、線抵抗によって降下する電圧に関わらず、高精度に計測することができます。更に、AD7781は差動のアナログ入力を備えており、差動のリファレンスを受けることができます。ロードセルの差動SENSEラインはAD7781のリファレンス入力に接続されており、レシオメトリック回路が構成されて、電源電圧と併用の励起電圧での低周波数の変動を除去します。

図2:AD7781を使った重量計システム

 

4線のロードセルでは、センス・ピンがありませんのでADCのリファレンス・ピンを、励起電圧とグランドに接続します。この構成の場合、システムは完全なレシオメトリックにはなりません、それは励起電圧とSENSE+ピンの間で、線抵抗による、電圧降下が起こるからです。また、同時にロー側上でも線抵抗による電圧効果が起こります。

AD7781は、アナログ電源ピンとデジタル電源ピンを別々に持っています。アナログとデジタルの電源電圧はお互いに独立していますので、AVDDとDVDDは異なる電位にすることができます。マイクロコントローラは一般的に3.3V電源を使っています。したがってDVDDも3.3Vから電源供給されます。このことは、一切の外部レベル・シフト回路を必要としないため、ADCとマイクロコントローラ間のインターフェースを簡素化します。この3.3Vのデジタル電源は、ADP3303(3.3V)レギュレータを使って生成されています。

重量計システムの電源にはいくつかの方法があります。それは、メインの電源電圧バスから供給することも可能で、またADP3303(3.3V)から供給することも可能です。重量計が5Vで励起されるときは、メインの電源電圧バスを使う必要があります。ロードセルが3.3Vで励起される場合は、メイン電源バスまたはADP3303(3.3V)のどちらかを使うことが出来ます。ADP3303(3.3V)は低ノイズのレギュレータです。更に、ノイズ低減用コンデンサを、ADP3303(3.3V)のデータシート上で推奨しているように、レギュレータの出力に配置しています。EMCを最適化するために、レギュレータ出力は、AD7781とロードセルに供給する手前で、フィルタリングされています。AD7781およびロードセルに供給するための電源を生成するには、いかなるレギュレータでも低ノイズであることが基本となります、電源電圧上、あるいはグランド・プレーン上のいかなるノイズにしろシステム内にノイズを引き起こし、回路性能を劣化させてしまうからです。

もし、2mV/Vの感度を備えた2kgのロードセルを使って、励起電圧が5Vのとき、ロードセルからのフルスケール信号は10mVとなります。ロードセルはオフセットまたはこれに関連する、TARE(風袋重量)、を持っています。この風袋重量は、ロードセルのフル・スケール出力信号の50%までの、大きさを持つことができます。またロードセルはゲイン誤差も持っており、これはフルスケールの±20%まで可能となっています。場合によっては、DACを使って、この風袋重量をキャンセルしてゼロにしたりします。AD7781が5Vのリファレンスを使う場合、そのアナログ入力範囲は、ゲインを128倍に設定した時には、±40mVに等しくなります。

ロードセルのオフセットやゲイン誤差がADCのフロントエンドでのオーバーロードにならないため、ロードセルのフルスケール信号(10mV)に関する、このAD7781の広いアナログ入力範囲は有益です。 AD7781(Cグレード)は、出力のデータレートが10Hzのとき、49nVのrmsノイズを持っています。 カウント数は次式に等しくなります。

CN0108_1

この式での6.6のファクタはrms電圧をピークtoピーク電圧に変換する値です。グラム単位での分解能は次式になります。

CN0108_2

ノイズ・フリーの分解能は次式になります。

CN0108_3

実際には、ロードセルは、それ自身、いくらかのノイズを引き起こします。また、AD7781のドリフトに加えて、ロードセルにも、いくらかの時間および温度によるドリフトもあります。完全なシステムの精度を判定するために、重量計をUSBコネクタでPCに接続して測定することができます。ラボビュー(LabView)ソフトを使って、重量計システムの性能を評価することができます。図3は、ロードセル上に1kgの重さを置いて500回の変換を集めて(5Vの励起電圧を使用)、計測された出力性能を示しています。システムのノイズは、ソフトによって計算され50nVrmsが得られました。.このことは、30,300のノイズ・フリー・カウントまたは14.9ビットのノイズ・フリ・コード分解能に、等しいことになります。

図3:500サンプルの測定出力コード、有効ノイズの表示

 

図4では、コードではなく重さでの性能を示します。出力でのピークtoピーク変化量は、500回のコードにわたって0.075gとなっています。したがって、この重量計システムは0.075gの精度を達成しています。

図4:500サンプルのキログラム単位での測定出力、有効ノイズの表示

 

このプロットは、ロードセルを付けたときAD7781からリードバックした、実際の(生の)変換結果を示しています。実用的には、重量計システム内にデジタルのポスト・フィルタが使われます。ポスト・フィルタで使われている追加の平均化処理によって、データレートの低下を伴いますが、カウント数の更なる改善が得られます。

バリエーション回路

注:このセクションで得られたノイズ仕様は、128倍のPGAゲインを使って得られています。

AD7781は低ノイズ、低消費の重量計設計用のADCです。その他の適切なADCとしてはAD7798AD7780があります。AD7780はほとんどAD7781と同じような機能を持っていますが、24ビットのADCです。AD7798では、出力のデータレートの幅広い選択が可能です:出力レート4.17Hzでは、rmsノイズは40nVになります。

汎用の重量計としては、AD7799が適切なデバイスとなります。4.17Hzの出力データレートで、AD7799は27nVのrmsノイズを持ちます。

高精度の重量計設計にとっては、 AD7190AD7192AD7191が当てはまります。AD7190は、出力のデータレートを4.7Hzにプログラムしたとき、8.5nVのrmsノイズを持ちます。この製品もまた、広い出力データレートを提供します。最大で4.8kHzの動作ができ、しかも良好な性能を維持します。AD7192は、AD7190とピン互換となっています。しかし、このrmsノイズは若干大きくなっています。AD7192は、出力のデータレートが4.7Hzのとき、11nVのrmsノイズを持っています。AD7191は、ピン・プログラマブル・デバイスです。この製品は、4種類の出力データレートと4種類のゲイン設定を備えています。このピン・プログラマビリティと機能セットの削減によって、非常に使い易いデバイスとなっています。AD7191のrmsノイズ性能は、AD7192のrmsノイズと同じです。

高精度回路として、正しいレイアウト、グランディング、デカプリング技術を採用する必要があります。(チュートリアルMT-031データコンバータのグランディングとAGND/DGNDの不可解さの解決、MT-101デカプリング技術を参照してください。)

この回路ノートに関する完全な設計サポート・ドキュメント・パッケージは下記のアドレスで入手できます。 http://www.analog.com/CN0108-DesignSupport.

回路の評価とテスト

外部のロードセルとPCを除外すれば、図1の回路は、A7780の評価用ボード(EVAL-AD7781EBZ)に含まれています。

標準のUSBコネクタ、J1を介して評価用ボードにインターフェースしてください。J1は、評価用ボードをPCのUSBポートに接続するために使われます。AD7781の評価用ボードには標準のUSB接続ケーブルが含まれており、評価用ボードをPCのUSBポートにインターフェースすることができます。このボードのパワーはUSBコネクタを介して供給されますので、一切の外付け電源を必要としませんが、もし必要ならばJ2を介して接続も可能です。


必要な装置


EVAL-AD7781EBZ評価用ボードとPC(Windows 2000, WindowsXP,またはWindows Vista (32-bit)、と外部ロードセルのみを必要とします。この回路ノートで表された結果を得るためには、Tedea Huntleigh社の505H-0002-F070ロードセルを使いました。このロードセルは評価用ボードと一緒に出荷されませんので、お客様によって製造業者より購入をしてください。


評価開始にあたって


EVAL-AD7781EBZ評価用ボードは、CDと一緒に出荷されます。このCDには、AD7781を制御するための、標準PCにインストールできる、ソフトが含まれています。このソフトは、ボードに添付されているUSBケーブルを通してAD7781と通信します。このソフトによって、AD7781からの変換データを読み出すことができます。AD7781から読んだデータは、表示することも、後から解析するために保存することもできます。

AD7781の評価用ボードのソフトは、供給された評価用ボードのCDを使って、ボードをPCと接続する前に、インストールしてください。完全な詳細はUG-079内に説明されています。


機能ブロック図


テスト・セットアップの基本的な機能ブロック・ダイアグラムはこの回路ノートの図1に示されています。


セットアップとテスト


D7781評価用ボードのセットアップとテストに関する完全なインストラクションは、ユーザ・ガイドUG-079にあります。

AD7781評価用ボードは、UG-079の表1に説明されているように、適切なリンク(ジャンパ)設定によって外部ロードセルを使うように構成する必要があります。評価用ボードに電源を印加する前にこのリンクを再度確認して下さい。

ロードセルを評価用ボードのヘッダJ4に接続します。重量計のデモ動作はUG-079に説明されています。