ADMC401

ADMC401 はシングルチップの DSP ベース・コントローラで、工業用アプリケーションの AC インダクション・モーター（ACIM）、永久磁石同期モーター（PMSM）、ブラシレス DC モーター（BDCM）、およびスイッチ・リラクタンス（SR）モーターの高性能制御に最適です。ADMC401 は 26 MIPS の固定小数点 DSP コアを内蔵し、モーター制御ペリフェラル一式を完備しているので、高度に集積化された環境で高速モーター制御が可能です。

ADMC401 の DSP コアは ADSP-2171 と同じで、ADSP-21xx DSP ファミリー（および ADMC3xx ファミリーの集積化された他のモーター・コントローラ製品）と完全なコード互換性があり、3 つの演算ユニット、データ・アドレス・ジェネレータ、およびプログラム・シーケンサを組み合わせています。演算ユニットは、ALU、乗算器／アキュムレータ（MAC）、およびバレル・シフタで構成されています。また、DSP コアには、ビット操作、2 乗（×2）、バイアス付き丸め処理、グローバル割込みマスク用の命令が追加されています。さらに、ADMC401 には、2 つの柔軟なダブル・バッファ付き双方向同期シリアル・ポートが装備されています。

ADMC401 は、2K × 24 ビットのプログラム・メモリ RAM、2K × 24 ビットのプログラム・メモリ ROM、および 1K × 16 ビットのデータ・メモリ RAM を内蔵しています。プログラム・メモリ RAM およびデータ・メモリ RAM は、（外部のホスト・マイクロプロセッサ、またはモーション制御デバッガからの）UART 接続を介したシリアル E²PROM、またはホスト・マイクロプロセッサからの同期シリアル・インターフェースを介して、シリアル・ポートからブート・ロードすることができます。また、内蔵のプログラム・メモリ RAM およびデータ・メモリ RAM は、アドレス・バスおよびデータ・バスを通して外部デバイスからブートすることもできます。プログラム・メモリ ROM は、シリアル・ポートを介してソフトウェア・デバッグ機能を追加するモニタを実装しています。

また、ADMC401 デバイスは、DSP コアのすべてのアドレス・バスおよびデータ・バスを利用できるようにして、重要な外部メモリおよびペリフェラル拡張機能を追加することができます。この機能により、外部のプログラム・メモリおよびデータ・メモリの両方を拡張可能で、DSP コアは最大 14K × 24 ビットの外部プログラム・メモリ、および最大 13K × 16 ビットの外部データ・メモリをアドレス指定することができます。

ADMC401 は、複数の特殊用途のモーター制御ペリフェラルを搭載しています。まず、高性能の 8 チャンネル、12 ビットの ADC システムでは、4 ペアの入力にわたるデュアル・チャンネルの同時サンプリング機能を備えています。内蔵の高精度電圧リファレンスは ADC システムの一部としても利用できます。さらに、3 相 16 ビットのセンターベース PWM 生成ユニットを使って、最小のプロセッサ・オーバーヘッドで高精度の PWM 信号を生成することができます。また、ADMC401 は、位置センサー帰還用の柔軟なインクリメンタル・エンコーダ・インターフェース・ユニット、周波数を調整可能な 2 つの補助 PWM 出力、12 ラインのデジタル I/O、2 チャンネルのイベント取得システム、16 ビットのウォッチドッグ・タイマー、2 個の 16 ビットのインターバル・タイマー（これらのうち 1 つはエンコーダ・インターフェース・ユニットに接続可能）、およびすべてのペリフェラル割込みを管理する割込みコントローラを搭載しています。最後に、ADMC401 は、統合されたパワーオン・リセット（POR）回路を搭載しており、電源投入時のデバイスに必要なリセット信号の生成に使用することができます。