第4章
反射係数とインピーダンス・マッチング

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第20回 高速信号回路技術 - 異なるインピーダンス間で最大電力伝達を実現するマッチング回路の構成(集中定数編)

信号源抵抗と負荷抵抗(もしくは負荷インピーダンス)の大きさが異なる条件でマッチングを取る、「インピーダンス変換」について説明します。LCで構成されるインピーダンス変換では、特定の(目的の)周波数でしかマッチングできないことが注意点です。またマッチング条件となったとき、途中の接続点から信号源側と負荷側を見ると「複素共役」の条件になることも説明します。









第21回 高速信号回路技術 - マッチング回路の構成 伝送線路編その1

前半
今回は信号源抵抗と負荷インピーダンスが異なる条件で、伝送線路を用いてインピーダンス変換できる原理についての説明「その1」の前半部分です。その前半では伝送線路長がかわると往復伝搬する時間も変化し、反射波の位相が遅れることを説明します。それにより線路長が伸びると、反射係数面において線路入力から見た反射係数が「大きさはそのままで」位相が遅れる(時計方向に回転する)ことになる点を説明します。


後半
伝送線路を用いてインピーダンス変換する説明「その1」の後半部分です。後半では負荷抵抗が異なるときに、伝送線路長が変化させて入力端から見たインピーダンスが変化するようすを確認します。そしてマッチングをとるにはその入力インピーダンスが50Ω+リアクタンスになったとき、その線路長で共振現象を用いてリアクタンスをキャンセルすればいいだけということを説明します。「こんなの厄介!」と思われると思いますが、以降で説明するスミスチャートを用いれば、とても簡単に答えを得ることができます。

















第22回 高速信号回路技術 - マッチング回路の構成 伝送線路編その2

前半
今回は伝送線路を用いてインピーダンス変換する説明「その2」前半部分です。まず線路長に対してショート・スタブを入力端から見たリアクタンスが、どのように変化するかを説明します。また集中定数LC素子を用いることができないGHzを超える高い周波数において、ショート・スタブを用いてマッチングが取れることを説明します。線路長がλ/4未満であればショート・スタブはインダクタンスになると覚えておくとよいでしょう。


後半
今回は伝送線路を用いてインピーダンス変換する説明「その2」後半部分です。今回は線路長に対してオープン・スタブを入力端から見たリアクタンスが、どのように変化するかを説明します。またショート・スタブを用いてトランジスタに電源供給する考え方も説明します。前半・後半を通してのポイントとして、線路長がλ/4未満であれば、ショート・スタブはインダクタンス、オープン・スタブは容量になると覚えておくとよいでしょう。