東京 (2009年05月21日) -
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、システムへの厳しい性能が求められる医用と産業用機器向けに、絶縁されたUSBポートの実装を簡素化する、業界初のシングルパッケージUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)アイソレータ「ADuM4160」を発表しました。USBポートは、システムの再起動やシャットダウンをすることなくコンピュータと周辺機器を接続したり切断することができる標準化された方式です。
USB対応の医用機器により、医療専門家は患者の命に関わるファイルやデータを、時間や場所に関係なく情報が必要なときに、効率良く簡単に利用できるようになります。またUSB対応機器によって、ヘルスケアの専門家は市販のコスト効率に優れた広範囲な周辺機器を使用できます。いまや患者のモニタリングや疾病管理、健康管理、そして投薬を目的とした機器は世界中の人々の健康を維持する上で不可欠となっており、USB対応ヘルスケア機器への需要も急成長を続けています。
ADuM4160 USBアイソレータは、ADIのiCoupler®デジタル絶縁技術を採用し、5kV rmsの医用向けレベルでの絶縁性能、アップストリーム短絡保護、完全絶縁された1.5Mbpsまたは12Mbpsデータレート(IEC 60601-1 認証申請中)を提供します。このUSB 2.0準拠の製品は、現行のデータ絶縁方式に比べ、低コストでかつ簡素化されており、完全に絶縁されたUSB機能を提供します。ADuM4160により、医用および産業用システムの設計者は、実装コストを最大25%、設計サイズを最大50%削減し、開発期間を数ヶ月から数週間に短縮できます。ADuM4160の機能を紹介するビデオは、こちらのウェブサイトをご覧ください。
ADuM4160は、高速CMOSとチップスケール・マイクロトランス技術を結合した、ADIのiCoupler技術に基づいており、ロースピード(1.5Mbps)とフルスピード(12Mbps)USB仕様準拠のシステムに簡単に実装できます。デバイスは3.3Vのシステム電源でも動作し、内蔵レギュレータを使用すれば5V USB電源でも動作します。ADuM4160は、絶縁されたプルアップ抵抗の制御も可能になっており、周辺回路によって接続のタイミングを制御することができます。また、ADuM4160は低アップストリーム・アイドル電流(最大2.5mA)なので、サスペンド(一時停止)状態にする必要もなくなります。
アナログ・デバイセズ社 アイソレータ製品事業部ディレクタ、ロン・クリガー(Ronn Kliger)は次のように述べています。「ADIの新しいUSBアイソレータは、既存の高コストで設計時間のかかるUSB絶縁方式に代わる、画期的な技術をシステム設計者に提供します。従来の方式では、USBの差動双方向信号をディスクリート素子で絶縁するためには、複雑でかつ大きな基板面積を占めるトランシーバが必要でした。ADuM4160は、USB信号の伝達機能と絶縁機能すべてを1つの小型ICに内蔵しています」
アナログ・デバイセズ社 ヘルスケア・セグメント・ディレクタ、パトリック・オドハティー(Patrick O’Doherty)は次のように述べています。「医用機器では通常、絶縁されたRS-232やイーサネット接続が用いられてきましたが、データ転送速度が制限されプラグ・アンド・プレイ機能に対応しないほか、大きなスペースが占有されていました。しかしADuM4160 USBアイソレータは医用向けに強化された性能レベルで絶縁するので、システム設計者はより優れた患者ケアに貢献するUSB対応医用機器を設計できます」
補完部品について
ADIの1/2W絶縁DC/DCコンバータ「ADuM5000」は、絶縁電源をADuM4160 USBアイソレータの2次側に供給するために用いることができます。また、Blackfin®組込みプロセッサ「ADSP-BF535」と低電圧CMOSマルチメディア・スイッチ「ADG790」も補完部品として使用できます。
価格と供給について
ADuM4160 USBアイソレータは現在サンプル出荷中で、量産出荷は2009年6月の予定です。表中の価格は米国における販売価格です。
| ADuM4160 |
iCoupler技術について
2億5千万チャンネル以上の採用実績がありその性能が実証されているADIのiCoupler技術は、フォトカプラのようにLEDやフォトダイオードをベースとしたものではなく、チップスケール・トランスを用いています。トランスは、LEDやフォトダイオードに比べて、高データ・レート、低消費電力、経年変化が少ない安定した性能を実現します。トランスは、ウェハレベル・プロセスを用いて、直接チップ上に形成され、複数のiCouplerチャンネル、または他の半導体機能を低コストで絶縁することができます。iCouplerトランスは、CMOSメタル層と金メタル層で構成された平面構造になっています。金メタル層の下にある絶縁破壊電圧の高いポリイミド層が、トランスの上部コイルと下部コイルを絶縁します。上部コイルと下部コイルに接続されたCMOS回路は、各トランスとその外部信号とのインターフェースを提供します。
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。http://www.analog.com/jp
iCouplerおよびBlackfinはアナログ・デバイセズ社の登録商標です。