東京 (2009年04月28日) -
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、10ビットから16ビットにわたる分解能を持ち、高い電力効率を特長とする18種のA/Dコンバータ(ADC)を発表しました。ADIの新しいADCは、消費電力に厳しい要求が課せられる通信、産業、計測機器や携帯機器向けに設計されており、競合のADCと比べて、消費電力を60%低減しつつ、最高レベルのノイズ性能とダイナミック・レンジを実現します。これらの新しいADCにより、ワイヤレス基地局では電力効率が改善され、高いシステム信頼性でコスト効率の良い運用が可能になります。ポータブル医用機器には、バッテリの寿命の延長やフォーム・ファクタの小型化というメリットがもたらされます。先進的なイメージング機器では、データ・コンバージョン・チャンネルの高密度化により、電力消費量を増やすことなく、高い解像度を実現します。
このコンバータ・シリーズのフラッグシップである「AD9268」は、業界初の125MSPS(メガサンプル/秒)16ビット、デュアル・チャンネルADCで、消費電力は376mWと競合デバイスよりもチャンネル当たり60%も低減されています。システム技術者は、AD9268の高集積化と省エネルギー化により、製品の基板面積の拡大や消費電力を増加することなく、チャンネル数を増やすことが可能になります。これにより、携帯電話基地局では通話数の増加、医用磁気共鳴イメージング(MRI)機器では解像度の改善がはかれます。また、ハンドヘルド機器など消費電力に厳しい要求が課せられるアプリケーションにおいても、システム性能の改善が可能となり、ポータブル・スペクトル・アナライザにおいては、バッテリ寿命の延長が可能になります。
複数のスピード・グレードで提供するピン互換低消費電力デュアル・チャンネルADC「AD9268」と「AD9251」
「AD9268」デュアル・チャンネル16ビットADCは、80、105、125MSPSというスピード・グレードがあります。125MSPSの場合、アナログ入力周波数70MHzにおいて、78.3dBのS/N比と88dBのSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)を実現します。さらに消費電力はチャンネル当たり376mWと低くなっています。
AD9268は、Pbフリーの9mm×9mmチップ・スケール・パッケージで供給され、ADIの他の低消費電力ADCとピン互換になっています。これにより製品の仕様に対してADCの所要特性、ADCピンアウト数を個別に管理、サポートする作業が低減されるため、迅速な製品のアップグレード、デバッグ作業の簡素化が可能となり、最終製品の市場投入までの時間短縮に貢献します。
シリーズのもう1つのコンバータ「AD9251」は、デュアル・チャンネル14ビットADCで、同じ64ピンLFCSPピン互換で20、40、65、80MSPSスピード・グレード品があります。AD9251は、アナログ入力周波数70MHzにおいて、S/N比が73.5dB、SFDRが85dBで、消費電力は80MSPS時、チャンネル当たりわずか86mWと競合製品の14ビットADCに比べ電力効率が60%以上も改善されます。
ADIの新しい低消費電力デュアルADCは、高性能のサンプル&ホールド回路とオンチップ電圧リファレンスがすべて1.8V単一アナログ電源で動作することを特長としています。AD9268ファミリーは1.8VのLVDSまたはCMOS出力を提供し、AD9251ファミリーは1.8Vまたは3.3V CMOS出力を提供します。ADCコアには多段差動パイプライン・アーキテクチャを採用し、出力誤差補正ロジックを集積しています。また、これらのADCは最大の柔軟性とシステム・コストの最小化を実現するために、プログラマブル・クロックや、データ・アラインメント、プログラマブル・デジタル・テストパターン生成などの機能を内蔵しています。テスト・パターン用にランダムパターンが内蔵されているのに加え、シリアル・ポート・インターフェース(SPI)を介して、ユーザーが定義可能なテスト・パターンを入力できます。
周辺デバイスについて
ADIの新しい低消費電力ADCは、ADIの「AD8372」プログラマブル・デュアルVGAや「AD8376」IFデュアルVGAといった、デュアル・チャンネルVGA(可変ゲイン・アンプ)や、「ADL5561」差動RF/IFアンプ、「ADL5562」差動RF/IFアンプと組み合わせた使用に適しています。また、推奨クロック・ジェネレータには「AD9520」と「AD9522」などがあります。
アナログ・デバイセズ社 高速信号処理部門の戦略的マーケティング&アプリケーション・マネージャ、ジョン・ホール(Jon Hall)は、次のように述べています。「現在、市場では製品の世代ごとにトータル・システムの消費電力を低減する傾向が高まっています。一方、これまでシステム設計者は、とくに高速コンバータにおいて、消費電力対性能という面で妥協を強いられてきました。電力効率の向上とシステムの高性能化はすべてのアプリケーションに共通な要求であり、この両者を実現することは高速コンバータの課題でした。ADIがこのたび投入した18種におよぶ最新のADCは、高度な性能を犠牲にすることなく、低消費電力を実現しました。これはコンバータ市場を長年にわたり牽引するADIの技術力を駆使した結果です」
価格と供給について
ADIの新しい低消費電力デュアルADCは本日サンプル出荷を開始し、Pbフリーの9mm×9mmチップ・スケール・パッケージで供給します。量産出荷は2009年6月の予定です。表中の価格は米国における参考価格です。
アナログの世界とデジタルの世界を橋渡しするデータ・コンバータ
今日、数え切れないほどのエレクトロニクス・システムにおいて、アナログとデジタルの世界を橋渡しするために高性能信号変換技術が欠かせないものとなっています。その高性能信号変換技術のサプライヤとして最も多く選ばれているのがアナログ・デバイセズです。ADIのコンバータ製品は、業界をリードするA/Dコンバータ(ADC)とD/Aコンバータ(DAC)製品群を備えており、産業用および計測機器、医用機器、自動車システム、通信インフラストラクチャや民生用電子機器で求められるサンプリング・レート、精度、低ノイズ、低消費電力、低価格、および小型パッケージ・サイズを特長としています。オンライン評価ツールは、お客様が最適なデータ・コンバータの迅速な検証、選択、設計を行うのを助け、設計の複雑さを低減し、開発スケジュールを短縮して部材費を削減します。ADIのADCセレクション・ガイドについては、こちらのウェブサイトをご覧下さい。ADCドライバについては、こちらのウェブサイトをご覧下さい。ADIのDACセレクション・ガイドについては、こちらのウェブサイトをご覧下さい。
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。http://www.analog.com/jp