東京 (2009年02月05日) -
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、フォトダイオード・アレイの出力信号をデジタル信号に変換する24ビットの電流/デジタル・コンバータ「ADAS1128」を発表します。現在市販されている競合他社の集積コンバータ・ソリューションが最高32チャンネルであるのに対して、ADAS1128は4倍の128のコンバージョン・チャンネルをサポートし、6kSPSから20kSPSという高速処理を実現します。この高性能と高集積により、従来の設計に比べ、CTシステムの検出部の電子回路のコストを50%低減できます。
技術の進歩により、鮮明で精密な人体画像の撮像を可能とするCTスキャンは、検査や診断に広く利用されるようになっています。同時に、医療施設ではより高品質で高速、かつ手頃な価格の診断用イメージング機器に対するニーズが高まっています。 ADIは、データ・コンバージョン技術の先駆的プロバイダとして、長年にわたり、医用イメージング業界向けに製品を提供してきました。新しい電流/デジタル・コンバータ ADAS1128は、鼓動する心臓のように動いている器官の画像を、高精度でリアルタイムにとらえる高スライス数のCTシステムの開発を実現するもので、市場のニーズに応えた製品です。
24ビット分解能、128チャンネル、低消費電力が特長の電流/デジタル・コンバータ「ADAS1128」
ADAS1128は、チャンネル集積度が低かったこれまでのコンバータ・ベースの技術を置き換える、最新の電流/デジタル・コンバータです。サンプリング・レートを最高20kSPSまでの範囲で選択できる128個の同時サンプリング・データ・コンバータ・チャンネルを備えた分解能24ビットのA/Dコンバータ(ADC)、温度センサーにリファレンス・バッファも内蔵した1 cm2のシングル・チップ・ソリューションです。市販の競合他社のソリューションに比べ、4倍のチャンネル数をサポートするのに加え、3倍以上のスループットを提供します。
消費電力は、競合他社のソリューションではフル・スピードで10mW/チャンネルに対して、ADAS1128は4.5mW/チャンネルと半分未満です。さらに、電荷損失がないことや、フル・スケール範囲の選択肢が多いこと、そして超低ノイズ(低被爆のX線システムでは0.4fCと低い)など、全体的に優れた性能仕様となっています。
ADIは、超音波診断装置向け8ch(オクタル)超音波受信器IC「AD927x」ファミリー(2008年9月9日発表)など、医用イメージング市場向けに広範囲なIC製品群を提供していますが、ADAS1128の投入により、その製品ラインアップはさらに拡充しました。ADAS1128は、CTシステムだけでなく、貨物の積載場、港や空港で用いられるX線ベースのセキュリティ撮像システムの設計にも適しています。
周辺部品について
ADAS1128の周辺相補部品としては「ADR440 XFET®」電圧リファレンスと「ADP1708」リニア・レギュレータがあります。
価格と供給について
ADAS1128電流/デジタル・コンバータは、現在量産出荷中です。ADAS1128はコンパクトな10mm×10mmのミニBGA(ボール・グリッド・アレイ)で供給しています。下の表中の価格は、米国における参考価格です。
| ADAS1128 |
世界中の医療施設や開業医向けに医用イメージング機器を供給しているニューロロジカ・コーポレーション(NeuroLogica Corporation)の会長、バーナード・ゴードン(Bernard Gordon)氏は、次のように述べています。「高スライス数に対応したCTシステムでは、画像処理のためにデータ・アクイジション・チャンネル数を増やす必要があります。ADIのADAS1128 は、高集積により、データ・アクイジション回路のチャンネルあたりのコストを低減し、より低コストのCTシステムの設計を可能にするでしょう」
CTイメージングは、X線装置と高度なコンピュータとを組み合せて、人体内部の2Dおよび3D画像を生成します。CTスキャンは、X線検査よりも詳細に内臓、骨、軟部組織、血管の画像を映し出すため、医師は、癌、循環器疾患、筋骨格系の疾病などの診断がしやすくなります。米国で行われている年間CTスキャン件数は、1980年の300万件から、今では、6,200万件を超えると推定されています(米コロンビア大学のDavid J. Brenner氏およびEric J. Hall氏が米医学誌「New England Journal of Medicine」で報告)。
アナログ・デバイセズ社 ヘルスケア・セグメント・ディレクター、パット・オドハティー(Patrick O’Doherty)は、次のように述べています。「スライス数を増やすことは、CTスキャナでより詳細な撮像を実現するための重要な条件の1つです。ADAS1128により、診断システムの設計者は全体的なスキャン時間を短縮しながら、より鮮明な画像を提供するCTスキャナを開発することができます。これは、心臓病学、神経内科や血管造影などの救命緊急診療の領域において極めて大きな意味をもちます。ADAS1128のもたらすシステムレベルの大幅なコスト削減、小型化、省電力化により、世界中の医療現場だけでなく、空港や貨物の積載場などセキュリティ・チェックが必要となる場で、世界最高レベルのCTスキャン診断をより低コストで実行できるようになります」
半導体の市場調査会社データビーンズ社(Databeans, Inc)のSusie Inouye氏は、次のように述べています。「CTスキャン・イメージング技術の進歩により、診断用の撮像のやり方と、経済的側面が抜本的に変わることになるでしょう。より高いレベルのチャンネル集積度の電流/デジタル・コンバータは、次世代のCTスキャナの設計において、極めて重要な役割を果たします。データ・コンバージョンのチャンネル数を4倍にしたADIの新しい電流/デジタル・コンバータは、CT検出システムの設計に新たな性能ベンチマークを設定するものです」
業界をリードするADIのコンバータ製品群について
今日、数え切れないほどのエレクトロニクス・システムにおいて、アナログとデジタルの世界を橋渡しするために高性能変換技術が欠かせないものとなっています。その高性能変換技術のサプライヤとして最も多く選ばれているのがアナログ・デバイセズです。ADIのコンバータ製品は、業界をリードするA/Dコンバータ(ADC)とD/Aコンバータ(DAC)製品群を備えており、産業用および計測機器、ヘルスケア機器、自動車システム、通信インフラストラクチャや民生用電子機器で求められるサンプリング・レート、精度、低ノイズ、低消費電力、低価格、小型パッケージ・サイズを特長としています。また、ADIは、設計における複雑さの低減や開発スケジュールの短縮、部材費の削減を実現する評価ツールも提供し、お客様が最適なデータ・コンバータを迅速に検証、選択し、システムを設計するのを支援しています。
ADIのADCセレクション・ガイドについては、こちらのウェブサイトをご覧下さい。ADCドライバについては、こちらのウェブサイトをご覧下さい。ADIのDACセレクション・ガイドについては、こちらのウェブサイトをご覧下さい。
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。http://www.analog.com/jp
XFETは、アナログ・デバイセズ社の登録商標です。ここに挙げたその他の商標はすべてそれぞれの所有者の財産です。