東京 (2008年07月01日) -
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、同社のPulSAR®高精度16ビットSAR A/Dコンバータ・ファミリーを拡張し、16ビットで10MSPSという高速、高精度の逐次比較型レジスタ(SAR)A/Dコンバータ(ADC)「AD7626」を発表しました。最新の産業用および医用システムにおいては、データの確実性を確保しつつ、より高速に情報を処理することが求められています。ADIの新しいPulSAR A/Dコンバータは、高速で高精度のため、MRI(磁気共鳴画像装置)やデジタルX線システムにおいて、患者のMRIの検査時間を短縮したり、X線検査での被曝量を低減することに貢献します。これにより、医療従事者は、迅速でより精密、かつ患者負担が軽くなるような対応を患者に提供できるようになるのです。
AD7626 は、クラス最高レベルの15ビットENOB(有効ビット数)と、他のSAR A/Dコンバータに比べ2.5倍も高速な10MSPS(百万サンプル/秒)スループットという画期的な16ビット・データ・キャプチャ性能を実現します。動作速度が遅い他のA/Dコンバータの場合は、高速化しようとすると消費電力が増え、ACとDC性能のトレードオフになってしまいます。それに対し、AD7626 は、アーキテクチャに関係なく、どのようなA/Dコンバータよりも8dB(1.3ビット)も良好な92dBのS/N比(信号対ノイズ比)を実現します。
クラス最小サイズで最も低消費電力の10MSPS A/Dコンバータ「AD7626」について
AD7626は、競合製品より70%も小さいコンパクトな5mm × 5mmのQFN(クワッド・フラット・ノーリード)パッケージで提供しており、最高のサンプリング・レートでも消費電力はわずか130mWと、同クラスの他社製のA/Dコンバータより15%も低く抑えています。また、AD7626は、極めて低ノイズのインターフェースを提供するセルフ・クロック低電圧差動シリアル(LVDS)バスを用いているので、基板のノイズ問題の対応に必要な外付け部品の数を削減します。
ターレス・エレクトロン・デバイセズ社(Thales Electron Devices)、フィリップス・メディカル・システムズ社(Philips Medical Systems)、およびシーメンス・ヘルスケア社(Siemens Healthcare)による合弁企業で、放射線イメージング用フラットパネル・ディテクタのリーディング・ディベロッパであるトリクセル(Trixell)社のエレクトロニクスおよびASICグループのマネージャ、Stephane Rossignol氏は、次のように述べています。「ハイエンドのX線撮像装置では、精度とスループットが画像の高精細化とフレーム・レートの改善を実現するための重要な性能ベクトルです。当社は、アナログ・デバイセズ社と長年にわたり協業してきましたが、新しいPulSAR A/DコンバータであるAD7626が当社のシステムにおける設計で必要となる速度、精度、消費電力、パッケージ・サイズ、および価格に関する要求を満たしたことが、今回AD7626の採用を決定した理由です」
アナログ・デバイセズ社 高精度信号処理プロダクト・ライン・ディレクターのレオ・マヒュー(Leo McHugh)は、次のように述べています。「生産性の向上をめざす工場の自動化システムから、患者の体に負担の少ない迅速なスキャンを実現する高感度の医用撮像機器まで、あらゆるメーカーがデータ精度で一切妥協することなく、さらに高速な製品を求めています。AD7626は、サンプリング速度の大幅な向上を達成すると同時に、はるかに低スループットのコンバータに匹敵する直線性性能を提供します」
AD7626は、10MSPSというデータレートをフルに必要としないアプリケーションでは、複数のチャンネルを簡単に切り替えて使用することができます。たとえば医用撮像装置では、各チャンネルが5MSPSで動作する2チャンネル構成に対し、1個のAD7626で達成することもできます。このアプローチにより、データ・コンバータの部品点数を半減できるので、システム設計者は材料費を抑えることができ、さらに、既存のソリューションより25%も速い速度を保つことが可能です。
半導体の市場調査会社データビーンズ(Databeans, Inc)社のリサーチ・ディレクター、Susie Inouye氏は次のように述べています。「データ・コンバージョン技術は、超音波撮像機器からデジタルTV、携帯電話、そしてその他の民生機器まで、多種多様なアプリケーションにおいて、ユーザ体験の質を決定する重要な要素です。しかし、用途があまりに多様なため、良いデータ・コンバータを定義する単一の仕様はありません。現在、システム・メーカーが、信号処理上の難しい課題を解決するには、半導体設計のパートナーが必要です。ADIは、システム・メーカーが抱える問題に対して的確なコンバータを提供できる、アナログとデジタルの世界を橋渡しする上で最高の設計パートナーです」
ADIのPulSAR製品群をさらに拡張する6MSPS A/Dコンバータ「AD7625」について
ADIは、本日、6MSPSで動作する16ビットPulSAR A/Dコンバータ「AD7625」もあわせて発表しました。AD7625の投入により、PulSARファミリーの製品群は、速度範囲が1MSPSから10MSPS、そしてダイナミック・レンジが16ビットから18ビットにわたる15品種にまで拡張することになります。ADIの広範なPulSARファミリーは、データのレイテンシがないという利点も提供するA/Dコンバータのアーキテクチャに則っています。これは、高精度のデータ・アクイジション・システムには不可欠な要素です。
価格と供給について
AD7626とAD7625 は、現在量産出荷中です。AD7626は32ピンQFNパッケージで提供しており、単価は1,000個受注時で34ドルです。AD7625は32ピンQFNパッケージで提供しており、単価は1,000個受注時で32ドルです(いずれも米国における参考価格)。
PulSAR ADCは用の評価ツールもご用意しています。
アナログとデジタルの世界を橋渡しするデータ・コンバータ
今日、数え切れないほどのエレクトロニクス・システムにおいて、アナログとデジタルの世界を橋渡しするために高性能信号変換技術が欠かせないものとなっています。その高性能信号変換技術のサプライヤとして最も多く選ばれているのがアナログ・デバイセズです。ADIのコンバータ製品は、業界をリードするA/Dコンバータ(ADC)とD/Aコンバータ(DAC)製品群を備えており、産業用および計測機器、医用機器、自動車システム、通信インフラストラクチャ、および民生用電子機器で求められるサンプリング・レート、精度、低ノイズ、低消費電力、低価格、および小型パッケージ・サイズを特長としています。また、ADIは、複雑な設計を簡素化したり、開発スケジュールの短縮、部材費の削減に役立つ評価ツールを提供し、お客様が最適なデータ・コンバータを迅速に検証、選択し、システムを設計することを支援しています。ADIのADCセレクション・ガイド、ADCドライバ、ADIのDACセレクション・ガイドの各ウェブサイトをご覧ください。
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。http://www.analog.com/jp
PulSARはアナログ・デバイセズ社の登録商標です。ここの挙げたその他の商標はすべてそれぞれの所有者の財産です。