図 1に示す回路はオーディオ・コーデックにアナログMEMSマイクロフォンを2つまでインターフェースできる事を示すものです。ADMP404はMEMSマイクロフォン素子と出力アンプで構成されています。アナログ・デバイセズ社のMEMSマイクロフォンは高S/N比(SNR)で、フラットで広い周波数応答なので、高性能かつ低消費電力を要するアプリケーションには優れた選択肢となります。
最大2つまでのMEMSマイクロフォンADMP404を低消費電力コーデックADAU1761の2つのADCに入力することができます。
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図 1.アナログMEMSマイクロフォンとオーディオ・コーデックとの接続(簡略化した回路図:電源デカップリングおよび接続の全ては示されていません。)
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アナログMEMSマイクロフォンADMP404をADAU1761の入力ピンLINNとRINNに接続します。これらのピンは内蔵PGAの反転入力に接続されています。この回路で必要な受動素子は各ADMP404にひとつのバイパス・コンデンサ0.1 μFと各MEMSマイクロフォン出力に直列のコンデンサ2.2 μFのみです。バイパス・コンデンサはできるだけADMP404のVDDピン(ピン3)近くに配置する必要があります。ADAU1761のLINPとRINPをコーデックのCMピンに直接接続してください。
ADMP404の電源はADAU1761のMICBIASピンから供給されます。MICBIASは0.9 × AVDD又は0.65 × AVDDのいずれかに設定する事ができます。ここでADAU1761のAVDDの許容値は1.8 V~3.3 Vです。ADMP404のVDD電源は1.5 V~3.6 Vにする必要があります。
ADMP404の感度は−38 dBVです。ほとんどのアプリケーションでMEMSマイクロフォンの出力にはある程度の追加ゲインが必要となりますが、それはADAU1761の内蔵PGAによって提供されます。入力のPGAは0.75 dBステップで35.25 dBまでゲインを設定でき、さらにPGAの後に20 dB(固定値)が設定可能な増幅段が内蔵されています。
PGA入力とMEMSマイクロフォンとコーデック間のAC結合コンデンサでハイパス・フィルタを形成します。このフィルタの−3 dBコーナー周波数は1/(2πRC)です。ここでCはコンデンサの大きさで、Rは与えられたPGAゲイン設定でのコーデックの入力インピーダンスです。ゲイン設定が+20 dB(入力インピーダンス9.1 kΩ)でコンデンサが2.2 μFの場合、ハイパス・フィルタのコーナー周波数は8 Hzになります。PGAの設定ゲインを大きくするとフィルタのコーナー周波数が高くなり、コンデンサの値を大きくするとコーナー周波数が低くなります。違う設定での入力インピーダンスの詳細についてはADAU1761データシートを参照してください。
レジスタの設定
左チャンネルのマイクロフォン入力のためにADAU1761の下記のレジスタ・ビット・フィールドを設定してそのPGAとADCをイネーブルにする必要があります。MEMSマイクロフォンを2つ使用する場合は右チャンネルをコントロールするレジスタ・ビット・フィールドについて設定1~設定4を繰り返す必要があります。設定の流れは下記のようになります。
アナログ入力のSigmaStudio™レジスタ・コントロールのスクリーン・ショットを図 2に示します。
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図 2.ADMP404MEMSマイクロフォン入力に対するADAU1761 PGA入力部分のSigmaStudio上での設定画面
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MICBIAS出力設定はデフォルトの性能設定(MPERF = 0)で、マイクロフォンのVDD電源供給に約2 mAまでの電流を供給します。ADMP404の最大消費電流は250 μAです。従って(2つのマイクロフォンに電源を供給する場合であっても)このビットを高性能MICBIAS出力モード(MPERF = 1)に設定する必要はありません。コーデックの高性能MICBIAS出力モードは(MEMSマイクロフォンに電源供給する場合ではなく)エレクトレット・マイクロフォンをバイアスする時のみに必要とされます。
この回路ノートのための完全な設計支援パッケージは http://www.analog.com/CN0207-DesignSupportに載っています。
この回路はADAU1761の代わりにADAU1361を使用して構成することもできます。これら2つのコーデックの主な違いはADAU1761がSigmaDSP®プロセッサ・コアを内蔵しているのに対しADAU1361は内蔵していない事です。また、SigmaDSPコーデックのADAU1781を使用して構成することもできます。
片方のMEMSマイクロフォンADMP404とその関連するコンデンサを削除し、ADMP4041つだけを使用してモノラル・マイクロフォン回路をセット・アップする事もできます。このモノラル構成でも他の接続は同じです。
ADMP404を(同じアナログMEMSマイクロフォンの)ADMP401、ADMP405あるいはADMP504と置き換える事もできます。ADMP401の感度は−42 dBVで、ADMP404の感度は−38 dBVです。ADMP405はADMP404と同等です。ただしADMP405は低周波波カットオフが200 Hzなのに対し、ADMP404は低周波カットオフが100 Hzです。ADMP405は低周波カットオフが高く、低周波のウインドウ・ノイズが小さくなるので魅力的です。ADMP504の感度はADMP404と同じ−38 dBVですが、ノイズフロアは3 dB低くなっています。ADMP504とADMP404はピンとフットプリントがコンパチブルです。
ADMP404とADAU1761の評価ボードは供給可能で、以下ご紹介しますように簡単に接続できます。
必要な装置
SigmaStudioソフトウェアには下記の仕様のPCが必要です:Windows® 7、Windows Vista、又はWindows XP Professional又はHome Edition with SP2、RAM 128 MB(256 MB を推奨)、ハードディスク空き領域50 MB、ディスプレイ分解能1024 × 768、データ・ポートUSB 1.1/2.0。
さらに、ADAU1761評価ボード(EVAL-ADAU1761Z)とADMP404評価ボード(EVAL-ADMP404Z-FLEX)が必要です。
始めてみよう
EVAL-ADMP404Z-FLEXにはVDD、GND、OUTPUTの3つの出力線があります。VDD線をEVAL-ADAU1761ZボードのJ15又はJ18に接続して、ADAU1761のMICBIASピンから電源を供給する必要があります。ADMP404ボードの出力線を3.5 mmオーディオ・モノプラグのチップに接続し、グラウンドをモノプラグのリング部分に接続する事で、このモノプラグをADAU1761評価ボードの2つのアナログ入力ジャック(J20とJ22)に接続することができます。ADAU1761評価ボードにはAC結合用コンデンサとして図1に示されているコンデンサ2.2 μFの代わりにコンデンサ10 μFが使用されています。
ADAU1761評価ボードのソフトウェアのインストール、セット・アップ、システムの動作に関してはEVAL-ADAU1761Zの技術文書に従ってください。
SigmaStudioソフトウェアはADAU1761内のレジスタやSigmaDSPコアの設定と調整を行うために使用されます。SigmaStudioはhttp://www.analog.com/jp/sigmastudioからダウンロードできます。
機能ブロック図
ADAU1761評価ボード資料英語版(EVAL-ADAU1761Z)にシステムのセット・アップの説明とボードの完全な回路図が載っています。ADAU1761評価ボードで必要となる外部接続は、PCとのUSB接続とオーディオ出力のみです。
セット・アップとテスト
回路の説明、ジャンパーの設定、セット・アップとテストに関するさらに詳しい内容はVAL-ADAU1761Z評価ボード資料を参照してください。