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閉じる蓄電池の定義を変えるRimac Energyとアナログ・デバイセズの提携
主なポイント
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再生可能なクリーン・エネルギーへの移行には、1つの課題が伴います。太陽は常に顔を見せるわけではありませんし、風も常に吹いているわけではありません。しかし、増加する消費者需要、産業の発展、ハイパースケール・データ・センターへのAIの依存などが牽引力となり、エネルギーに対する需要は止むことなく年々増加しています。
バッテリ・エネルギー貯蔵システム(BESS)は、再生可能エネルギーを実用的なものにするための中間的な存在であり、発電量が多いときには余剰電力を貯蔵し、需要がピークに達したときにはそれを放電します。バッテリ産業が大きく発展した一方、再生可能エネルギーの浸透に伴い、従来のバッテリ・アーキテクチャは、拡張性、効率、制御性の点でいくつかのハードルに直面しています。
グリッド事業者や電力会社が太陽光発電や風力発電をより多く導入しようと競い合う中、BESS性能は次第にシステム・アーキテクチャによって左右されるようになっています。従来のストリングベースの設計は実績のあるソリューションを与えてくれますが、粒度の細かい制御をいくつか欠いている場合も多々あります。こうした制御不足が大規模に組み合わさると、効率、使用可能エネルギー、寿命、そして最終的には、ライフサイクル全体の経済性に影響を及ぼす可能性があります。
イノベーションに非インクリメンタルな手法が必要となるとき
Rimac Energyにとって、こうした制限は、新たなアプローチを必要とする技術課題、つまり、グリッド規模の貯蔵システムを構築し、拡張し、運用する方法を根本から想像し直す次世代のバッテリ・エネルギー貯蔵アーキテクチャを提示するものでした。
この構想を実現するため、Rimac Energyは、技術レベルおよびシステムレベルのパートナーとしてアナログ・デバイセズを選びました。バッテリ管理、高精度センシング、電源チェーンおよびシグナル・チェーン、ソフトウェア、更には協働的問題解決において専門性を有しているためです。
概要
会社
Rimac Energyは、同社が有する画期的な電力変換ソリューションおよびバッテリ管理ソリューションを通じて、高効率かつレジリエントなバッテリ・エネルギー貯蔵システムへの移行を先導しています。課題
現在の配備状況で発生している「活用できていない潜在電力」に取り組むことによって、設置されているエネルギー貯蔵システムの容量と実際に使用可能なエネルギーとのギャップを解消すること。目標
電力を供給する方法を変革すると共に二酸化炭素の排出を抑制。革新的なバッテリ・アーキテクチャにより、再生可能エネルギーの導入を促進し、グリッドのレジリエンスを強化すること。アナログ・デバイセズのソリューション
バッテリ管理、高精度センシング、電力チェーンおよびシグナル・チェーン、ソフトウェア、機能安全。性能に基礎を置いたパートナーシップ
Rimac EnergyのルーツはRimac Technologyにあります。当時、Rimac Technologyの技術者たちがアナログ・デバイセズと提携して電気自動車の性能の限界を押し上げ、世界で最も速い量産EVを生み出しました。この成功を基に、Rimacのチームは、定置用蓄電池を変革することに狙いを定め、Rimac Energyを設立しました。
「私たちは、エネルギー貯蔵を将来的にグリッド規模にまで拡張するためのサポートができる、相互補完的な提供価値を持った技術イノベータを探していました。大規模な市場投入を実行できると同時に、画期的な新製品を一緒に創造できるパートナーを求めていたのです」
「Rimac Energyが探していたのは、単なる部品メーカーではありませんでした。システムレベルの性能を最適化できる技術パートナーを必要としていたのです。つまり、次世代貯蔵を再形成するほどのアーキテクチャ・レベルを考えられるパートナーです」
触媒としての提携
その結果生まれたのが、実践的な提携です。この提携において、アナログ・デバイセズとRimacのチーム・メンバーは、アイルランドのリムリックにあるADI Catalystで協力して取り組み、ソフトウェアとハードウェアを統合しました。ADI Catalystはおよそ100,000平方フィート(約9,290平方メートル)の施設であり、専門家たちがイノベーションを加速し戦略的提携を強化しようと、業界の垣根を越えて集まる場所になっています。
アナログ・デバイセズは、次世代バッテリ管理技術によって可能となった最新のシステム・デモンストレーションを示しました。これによりRimac Energyは、最先端のイノベーションを活用し、協力してソリューションを最適化する機会を早期に得たのです。
「通常、サプライヤやパートナーは、自分たちはここまでやった、あとはそちらの番だ、と言います」と、Rimac Energyのソフトウェアおよび制御の責任者であるSaud Khan氏は述べます。「反対に、私たちのチームは共同で作業を行い、記録的な短時間でソフトウェアを立ち上げ、Rimacのハードウェアで稼働させました。これこそが、私たちがパートナーに求めていた行動と結果なのです」
「Catalystの手法によって、私たちは反復的に作業できます」と、アナログ・デバイセズのシニア・アカウント・マネージャ、Pavan Buddhaは述べます。「見直しをするのに何か月も待つということはありません。ここでは、リアルタイムで課題を共有し、仮説を一緒に検証し、進行しながら設計を最適化しています。Catalystは重要なエンゲージメント・ツールとして機能し、開発の加速、両社にとってのリスク軽減、並びにパートナーシップの強化を可能にします」
課題:アーキテクチャを根本から再考する
Rimac Energyのブレークスルーを理解するためには、電力の変換および制御を管理する3種類のバッテリ・アーキテクチャ手法を比較するのが有用です。
(PCS)
主な利点
- 優れた効率
- 比類ない応答時間
- 16段階以上の細かい制御
- 適応型の健全性制御
- スタンドアロン・インバータ不要
1: 従来型セントラル・インバータ・システムのアーキテクチャでは、バッテリ・コンテナ/ブロックが1台のインバータに接続されています。システムは、バッテリを個別ではなく集合的に処理しますが、それによって、細かい制御ができなくなり、エネルギー管理の精度が低下します。
2:ストリング・インバータ・システムは、バッテリ・パックごとに1台のインバータを組み込むことで処理の細かさと制御性が向上し、現時点で最先端の技術とされています。
3:分散型組み込みインバータは、従来の設計とは根本的に異なっています。電力変換が各バッテリ・モジュールに直接統合されているため、効率、使用可能エネルギー、拡張性が向上し、それと同時に、運用寿命が延び、スペースを追加する必要もありません。このアーキテクチャによって、従来のセントラルベースやストリングベースのシステムでは実現できなかった機能と制御粒度が可能になります。
数字が語る事実
Rimac Energyの電力変換システムは、業界トップレベルの効率と使用可能エネルギーの増加を可能にします。
ACラウンドトリップ効率が向上したことにより、熱損失が最小限に抑えられて冷却要件が緩和され、部品の運用寿命が長くなります。また、分散型アーキテクチャによってシステムの冗長性が高まるため、ダウンタイムおよび保守整備の必要性が減少し、同時に、スペースに制約のある環境に合わせて物理的なフットプリントを縮小できます。
健全度のモニタリングおよび予測のための高度なアルゴリズムを分散型インバータ・アーキテクチャと組み合わせているため、Rimac Energyのシステムは、高度なSoCバランシングおよび斬新なSoH管理を実現します。これにより、どのセル・セットに対しても1サイクルあたりに取り出せるエネルギーを増加させ、サイクル寿命を延ばすことができます。
今後の展開
Rimac Energyとアナログ・デバイセズの提携は、BESSの根本的な制約に対処することによって、再生可能エネルギーの採用を加速し、グリッドのレジリエンスを強化します。システムの損失が減り、効率と信頼性が向上することで、寿命が長く、ライフサイクル全体で消費するリソースが減り、BESS所有者にとっては投資利益率が極めて大きくなるシステムが実現できます。再生可能エネルギーと信頼性のバランスを図るグリッド運用者、インフラストラクチャの更新を延長しようとする電力事業者、よりきれいな空気を求める地域社会にとって、この技術は意義のある進歩を示すものです。
エネルギー貯蔵がグリッド・インフラストラクチャおよび気候変動対策の目標達成にとって必要不可欠になっている現在、Rimac Energyとアナログ・デバイセズのパートナーシップは、戦略的な提携とアナログ・デバイセズの技術によって、より効率的でレジリエントかつ拡張可能なグリッドスケールのエネルギー貯蔵が可能であることを実証しており、将来の世代にわたってクリーン・エネルギーへの移行を促進するものになっています。