iButtonデバイスとは

iButtonデバイスとは

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要約

このアプリケーションノートは、iButton®デバイスについての広範囲な序論です。このアプリケーションノートでは、iButtonデバイスの基礎、iButtonデバイスはどのように構築されているか、および何種類かのアプリケーションについての検討を行います。このアプリケーションノートでは、1-Wire®インタフェースを通じてシステムがどのようにiButtonデバイスと通信することができるのかについての解説を行います。また、このアプリケーションノートは、iButtonデバイスの種類、iButtonデバイスの耐久性、保証された固有の64ビットシリアルナンバ、そしてiButtonのアクセサリについても解説します。

はじめに

iButton Can iButtonデバイスは、厚さ16mmのステンレス缶の中に入れられたコンピュータチップです。この比類のない耐久性のある容器によって、人や物と一緒にどこへでも、最新の情報を運ぶことができます。スチール製のiButtonデバイスは、屋内外の厳しい環境に耐えるために十分に頑強であるので、実質的にはどこにでも取り付けることができます。iButtonデバイスは、キーホルダ、リング、腕時計、または他の身の回り品への取り付けのために十分に小型、またポータブルで、ビルやコンピュータの利用の制御、資産管理、および様々なデータ記録業務などに毎日使用されます。

iButtonの部品

缶およびグロメット


iButton Can iButtonデバイスは、電子通信インタフェースとしてステンレススチールの「缶」を使用します。個々の「缶」は、「リッド」と呼ばれるデータ接点、および「ベース」と呼ばれる接地接点を持っています。これらの個々の接点は、シリコンチップ内部へと接続されます。リッドは缶の上部です。ベースは缶の側面と下部を形成し、iButtonデバイスをほとんどの物に簡単に取り付けるためのフランジを含んでいます。2つの接点は、ポリプロピレン製のグロメットによって分離されます。


1-Wireインタフェース


1-Wire Interface 上記の2つの接点に単純に接触させることで、1-Wire®プロトコルを通してiButtonデバイスと通信することができます。1-Wireインタフェースには、16kbpsの標準のモード、および142kbpsのオーバドライブモードの2つの通信速度が存在します。詳細については、アプリケーションノート3989 「ひとつの接点で制御とメモリ、セキュリティ、ミックスドシグナル機能を追加」を参照してください。


アドレス


個々のiButtonデバイスは、缶の中のチップにレーザエッチングされた固有の変更不可能なアドレスを持っています。個々のiButtonデバイスに、キー、または識別子としてアドレス(例えば、2700000095C33108)を使用することができます。


iButtonバージョン


現在iButton製品ラインでは、異なる機能が基本的なButtonに加えられた、20種類以上の異なる製品を構成しています。以下の種類のiButtonデバイスが提供されています。

  • アドレスオンリー
  • メモリ
  • リアルタイムクロック
  • セキュア
  • データロガー

製品の詳細については、チュートリアル1796 「1-Wire技術の概要とその用法」を参照してください。


どのようにして情報をiButtonデバイスの中へ、またはiButtonデバイスから取得するのでしょうか?


Blue Dot Receptor 情報は、最大142kbpsの瞬間的な接続によってiButtonデバイスとPC間において転送されます。PCに接続されたBlue Dotレセプタ、または他のiButtonプローブによってiButtonデバイスと接続します。Blue Dotレセプタは、空きPCポートに取り付けられる1-Wireアダプタにケーブルによって接続されます。1-Wireアダプタには、USB、シリアル、そして、パラレルポート用があります。Blue Dotレセプタおよび1-Wireアダプタは安価です。価格および在庫については、「Maxim Direct」を参照してください。

また、iButtonデバイスは、AutoID、および多くの携帯用のアプリケーションのための究極の情報運搬装置です。すべての最新のハンドヘルドコンピュータおよびPDAは、iButtonデバイスと通信することができます。iButtonデバイスと通信することができるすべての携帯機器の詳細な一覧表については、「iButton Solution Search」へ移動してください。


iButtonデバイスには、どのくらいの耐久性がありますか?


Mud Photo iButtonデバイス中のシリコンチップは、究極の耐久性を持つ材料、ステンレススチールによって保護されています。iButtonデバイスを落下させる、踏む、または削っても問題はありません。iButtonデバイスは、10年の耐久性についての実用試験が行われています。


iButtonデバイスで何ができますか。


iButtonデバイスは、人や物とともに情報が移動する必要のあるどんなアプリケーションにおいても理想的です。キーホルダ、時計や指輪に取り付けて、iButtonデバイスは、ビル、PC、設備類や自動車への所有者アクセスを認承することができます。業務バッグに取り付けられ、製造や、配送や、メンテナンスなどの効率を改善するために工程を評価することができます。輸送システム、パーキングメータや自動販売機などの小額取引のための電子現金を格納するために、いくつかのiButtonデバイスバージョンを使用することができます。 また、貴重な資本設備の動向をおさえるために必要な情報の格納に、電子資産タグとしてiButtonデバイスを使用することができます。ここをクリックして、数種類の「iButtonアプリケーション」が世界中で使用されていることを確認してください。


iButtonアプリケーションを構成するために何を必要としますか?


すべてのiButtonアプリケーションでは、以下の基本的な4つの構成要素があります。

  • iButtonデバイス
  • ホストシステム:これは、PC、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、または組込み型システムなどです。
  • 情報をButtonへ、およびButtonから取得するための読取り/書込みデバイス。これは、前記のBlue Dot、ペン型プローブ、またはハンドヘルドデバイスなどです。
  • iButtonデバイスをコンピュータに接続して、必要な形式で必要な情報を作成する階層部分のソフトウェア。いくつかのソフトウェア開発キット(SDK)一式を、このサイトから無料でダウンロードすることができます。SDKのリストとダウンロードのためのリンクは、このページを参照してください。また、すべてのiButtonデバイスの読取り/書込み/動作試験が可能なデモアプリケーションのOneWireViewerと共に、マイクロソフトプラットホーム用の1-Wireドライバが提供されます。

簡単なiButtonアプリケーションの作成に必要な費用は?


50ドル(USドル)未満とプログラミングのための時間です。

  • 1個2ドルから95ドルの間のiButtonデバイスの費用。数量が多い場合は、値引きされます。
  • 読取り/書込み装置を構成するBlue Dotレセプタと1-Wireダプタ。38ドルから43ドルの間の費用です。
  • ウェブサイトからの無料のOneWireViewerデモソフトウェアとSDK。

これらが作成を開始するために必要なすべてのものです。すべての構成要素について全製品の詳細と数量割引と共に正確なコストを得るため、製品セレクションおよびMaxim Directで再検討することができます。


他の技術に対するiButtonデバイスの利点は何ですか?


あるアプリケーションについて、iButtonソリューションを開発する場合、多くの補足技術を考慮することができます。アプリケーションの可能性の一部は、バーコード、RFIDタグ、磁気ストライプ、Prox、およびスマートカードです。バーコードや磁気ストライプと異なり、大部分のiButtonデバイスは、読取りおよび書込みを行うことができます。さらに、iButtonデバイスの通信速度、および製品の幅は、RFIDと共に通常利用することができる簡単なメモリ製品を超えた、良い方向へと向かいます。耐久性に関して、スマートカードの薄いプラスチックはステンレススチールクラッドのiButtonデバイスの強さには対抗できません。


アプリケーションの開発を行いたくありません。ターンキーソリューションは提供されますか?


マキシムは、アクセス制御、タイムアテンダンス(入退室)の追跡、給与計算、トラックの維持管理、製造コントロール、料金収集、その他多数のターンキーiButtonシステムの開発を行う Authorized Solution Developers、略してASDと呼ばれる多くの会社とパートナーを組みました。また、ASDは、カスタムiButtonアプリケーションを開発することもできます。ぜひお声をおかけください。世界中にあるパートナーのソリューションを見つけるために、[iButton Solution Search]を利用することができます。


iButtonデバイスを使用しているユーザーは?


現在1億7500万以上のiButtonデバイスが流通しており、ユーザーのリストは非常に長いものとなります。アプリケーションの多くをここで読むことができます。

また、人々がiButtonデバイスをどのように使用しているかに関しての詳しい情報については、iButtonビデオをご覧ください。