輸液ポンプは、患者の循環器系に入る液体を制御します。わずか100µLという微量の投与量を制御する場合もあります。こうした制御を行うために、送出チューブ経由で患者に投与される液体の圧力を測定する必要があります。携帯輸液ポンプではバッテリ寿命が重要なセリングポイトとなるので、低消費電力の素子やパワーダウン機能が必要となります。
Solution
ピエゾ抵抗センサは、p型基材またはn型基材上に構成された単純な2接点の拡散n型ウェルまたはp型ウェルからなります。ピエゾ抵抗を用いた高性能な圧力センサはホイートストン・ブリッジと呼ばれています。この回路は、ブリッジ回路の2本の脚のバランスをとって未知の電気抵抗を測定します(その脚の1本に未知の要素が含まれます)。励起電圧または励起電流はブリッジに印加されます。ピエゾ抵抗成分に加えられる圧力によって抵抗が変化し、電圧も変化します。
AD627は差動電圧を測定する高集積の計装アンプであり、消費電力はわずか85µA(max)です。バッテリが長持ちするため、携帯型インシュリン輸液ポンプに最適です。AD627は、電圧オフセット、オフセット・ドリフト、ゲイン誤差、およびゲイン・ドリフトが低いため、誤差を最小限に抑えられます。出力電圧をレベル・シフトするには、低インピーダンスの電圧源でAD627のリファレンス・ピンを駆動します。出力信号は、出力ピンの電圧とREFピンに外部から与えられた電圧との電位差として現れます。低消費電力の高精度バンドギャップ電圧リファレンス・ファミリーADR36xは、特許取得済みの温度ドリフト曲率補正技術を使って、出力をわずか300mV上回る最小限の電源から安定した出力電圧を提供します。この先進的な設計はコンデンサを外付けする必要がないため、ボード・スペースやシステム・コストをさらに低減でき、バッテリ駆動のアプリケーションにとって最適です。