HFTA-14.0 GPONのFECレシーバの設計課題

HFTA-14.0 GPONのFECレシーバの設計課題

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要約

「ONTにはAPDを使用すべきか、FECを使用すべきか。それが問題だ !」これはユーザにとって問題にはなりませんが、多くのGPONシステムベンダにとっては難問です。北米をはじめとする世界中の地域でトリプルプレイサービス(ビデオ、音声、データ)を家庭に供給するために、ギガビット受動光ネットワーク(GPON)が非常に注目されています。現在、活発に議論されていることは、アバランシェフォトダイオード(APD)レシーバまたは前方誤り訂正(FEC)を備えた標準レシーバが、ユーザの所在地においてリンクバジェットやコストターゲットを満足する最適なソリューション(ONT–光加入者線終端装置)であるのかどうかということです。GPONは大量に配備されると予想されることから、これは本当に難問になります。材料コスト、テストの実施コスト、または市場投入の遅れが原因となって、数百万ドルの収益または損失が、使用する実装によって生じる可能性があるからです。

APDを実装したレシーバは感度の要件に容易に適合することができますが、コストが高くつきます。アバランシェフォトダイオードは高価で、高電圧のバイアスが必要であり、また温度補償も必要です。一方、FECは符号化と復号化を実現するためにある程度のコストと複雑さを伴いますが、通常、APDソリューションに比べて大幅に安価であると考えられています。しかし、GPONに適合するFECレシーバを設計するときには、いくつかの設計課題、および結果として伴う複雑さとコストが見落とされがちです。

この記事では、FECの機能を簡単に述べた後、FECを使用したレシーバの感度に対するジッタの影響について説明します。また、実際のテストデータも提示します。これは、2種類のレシーバ回路を使用したときに予想される性能を表しています。これによって、FECを使用したGPONシステムのONTレシーバ部品を選択するときに考慮すべき重要な問題を明らかにしています。