Designed, Built, Tested
Board pictured here has been fully assembled and tested.

Overview

設計リソース

設計/統合ファイル

  • Schematic
  • PCB Layout
  • Bill of Materials
  • Software and Firmware Files
設計ファイルのダウンロード 154.18 M

評価用ボード

型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。

  • MAXREFDES82# ($406.84) EV Kit
在庫確認と購入

説明

マキシムのMAXREFDES82#は、次世代の産業用、スマート力センサーを特長とします。MAXREFDES82#は、マルチチャネル、24ビットアナログ-デジタルコンバータ(ADC)に接続された4つのロードセル上に実装され、プラットフォーム上に置かれた物体の重量と重心を検出します。この秤は最大780gのフルスケール応答を提供します。ユーザーインタフェースは、プラットフォームの重心のアクティブな表示、および総測定重量を提供します。スマート力センサーとしての機能に加えて、このデザインは力検出を備えた高耐久性のタッチインタフェースとしても非常に優れた動作を示します。システムの通常動作時の消費電流は50mA以下で、迅速な評価と統合のためのUSBインタフェースを備えています。

このボードは、迅速な評価や装着が可能な小型形状で設計されています。設計ファイルとファームウェアをダウンロードできます。

機能と利点

特長

  • 3Dヒューマンインタフェース入力
  • 高精度重量秤
  • 低電力ADC
  • 小型

競争優位性

  • 堅牢、高コスト効率、柔軟な3Dヒューマンインタフェース入力機器
  • 高精度、高分解能測定
  • 高速、低電力データ収集

Details Section

技術は進歩し続け、人間と機器の間のインタフェースの世界を絶えず抑えようもなく変化させています。モバイル機器のタッチスクリーンから体組成用の電極を備えた体重計まで、機械にはより多くの機能と、それぞれの測定値を収集するさまざまな方法が常に追加されています。時々、技術、設計、および簡素さを組み合わせた、真にエレガントなコンセプトが出現します。MAXREFDES82#は、それらのエレガントなコンセプトの1つです。

このリファレンスデザインは、産業用、スマート力センサーです。このデザインは、上に載せられた物体の質量、および質量の中心を測定します。この機能と速度の組み合わせによって、MAXREFDES82#は重量秤および力検出を備えたタッチインタフェースの両方として動作します。このシステムはプラスチックプレートで作られているため、産業用ヒューマンマシンインタフェース(HMI)のニーズに最適です。

このリファレンスデザインは、SPIインタフェース内蔵の24ビット、6チャネル、64kspsデルタシグマADCのMAX11254を特長とします。4つのロードセルが座標平面上に実装され、平らなプラスチックプレートに印加されるタッチの力を検出します。個々のロードセルに印加される力に基づいて、システムは全体の力の大きさと、力の中心の座標を表示します。力の大きさと座標は、約10msに1回スキャンされます。

システムは薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイ(LCD)モジュールを内蔵し、個々のロードセルの力と、トッププレートに印加されている全体の力を数値で表示します。また、LCDモジュールは力の大きさと力の中心の座標のグラフィック表示も行います。

MAXREFDES82#リファレンスデザインは、エネルギー消費量が最小限で、USBポートによって給電されます。ヒューマンインタフェース入力の実証および開発を容易にするPC側グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)プログラムも付属します。

MAXREFDES82#リファレンスデザインのブロック図(図1)は、タッチの力およびその動きがどのように捕捉され、3次元(3D)ヒューマンインタフェース入力機器で使用されるかを示します。デザインにはマイクロコントローラ用のソースファイルが含まれているため、開発者は最小限のファームウェアやハードウェアの変更によって特定アプリケーション向けの設計の評価とカスタマイズを迅速に行うことができます。このボードは、迅速な評価や装着が可能な小型形状で設計されています。

図1. MAXREFDES82#リファレンスデザインのブロック図

図1. MAXREFDES82#リファレンスデザインのブロック図.

図1は、MAXREFDES82#リファレンスデザインのシステムブロック図を示します。図2は、デザインの実装図を示します。回路の詳細については、回路図を参照してください。

図2. MAXREFDES82#リファレンスデザインの実装図

図2. MAXREFDES82#リファレンスデザインの実装図

タッチの力または重量がトッププレートの表面に接触すると、4つの歪みゲージロードセルが変形し、電気信号をADCのMAX11254に出力します。4つのロードセルに対する力の分布に基づいて、システムは全体の力および力の重心の位置を計算します。システムは4つのロードセルの個々の信号出力を継続的にスキャンし、高精度の力とその移動マップが取得可能です。システムは力の位置のみではなく力の大きさも収集および監視するため、このシステムは3Dヒューマンインタフェース入力アプリケーションに最適です。

リセットスイッチ(SW1)はボードをリセットし、キャリブレーションスイッチは較正手順を開始するために使用します。

赤の発光ダイオード(LED)は、電源が正常であることを示します。緑のLEDの点滅は、ADCが変換を行っていることを示します。

MAX11254:24ビット、6チャネル、64ksps、デルタシグマADC、SPIインタフェース内蔵

MAX11254 ICは、システムの中央に配置されています。このデバイスは、6チャネル、24ビットデルタシグマADCで、非常に低い消費電力で優れた性能を達成します。最大64kspsのサンプルレートによって、高精度DC測定が可能です。MAX11254はSPIシリアルインタフェースを介して通信し、小型TQFNパッケージ(5mm x 5mm)で提供されます。

このデバイスは、1倍~128倍の利得設定を持つ6.2nV/√Hzノイズのプログラマブルゲインアンプ(PGA)を提供します。内蔵PGAは、信号入力をスイッチドキャパシタサンプリング回路から絶縁します。また、PGAによってICは利用可能なダイナミックレンジを犠牲にすることなくハイインピーダンス信号源と直接インタフェース可能です。

このデバイスは、2.7V~3.6Vの単一アナログ電源、または±1.8Vのスプリットアナログ電源で動作するため、アナログ入力をグランド以下でサンプリングすることが可能です。デジタル電源範囲は1.7V~2.0V、または2.0V~3.6Vで、1.8V、2.5V、3V、または3.3Vロジックでの通信が可能です。

このスマート力センサーのデザインでは、MAX11254は以下のように設定されます。

  • VAVDD = 3.6V、VAVSS = 0V、VDVDD = 3.6V、VREFP - VREFN = 1.8V
  • ADCサンプリングレート = 200sps
  • PGA利得 = 128
  • シングルサイクル変換モード(SCYCLE = 1)
  • シーケンサモード = 2
  • チャネルマップ = CH0、CH1、CH2、Ch3
  • マルチプレクサ遅延 = 1024µs

開発者は、提供されるファームウェア内で特定の要件に応じて設定を容易に変更することができます。

歪みゲージロードセル

歪みゲージロードセルは、4.096Vの電圧リファレンスによって励起されます。歪みゲージロードセルがそれらに作用する負荷によって変形すると、ロードセルの電気抵抗が変化するため、ロードセルは負荷に比例した電圧変化を出力します。

タッチアプリケーション用に、このデザインはPhidgets Inc.製のロードセルを備えています。ロードセルの容量は780gで、定格出力は0.8mV/Vです。非直線性は0.05% FS、非再現性は0.05% FS、スパンに対する温度の影響は0.05% FSです。特定のアプリケーションまたは精度の要件に応じて、異なるロードセルを選択し、ボード上に実装されているロードセルを置き換えることができます。

注:10秒以上にわたってロードセルに過負荷をかけないでください。

電源および電圧リファレンス

PCに接続されたMicro-USBケーブルがMAXREFDES82#に給電します。

    超低自己消費電流、リニアレギュレータ(LDO)のMAX17651が、5V入力を3.6Vに安定化します。

    4.096V出力、低ノイズ、高精度シリーズ電圧リファレンスのMAX6071が、ロードセルを励起します。

    1.8V出力電圧リファレンスのMAX6071が、ADCのMAX11254のリファレンスを駆動します。

    高効率ステップアップコンバータのMAX8574が、公称19.2VのLCDモジュールバックライト電源を生成します。

マイクロプロセッサおよびLCDモジュール

MAXREFDES82#リファレンスデザインは、STM32F429をプロセッサとして使用しています。プロセッサは、ADC、LCDモジュールを制御し、すべての計算を実行します。TFT LCDモジュールは対角3.5インチで、解像度は240x320ピクセルです。このデザインでは、上部の240x120ピクセルに負荷セルの負荷情報を数値で表示し、下部の240x240ピクセルに力の大きさおよび4つの負荷セルで構成される正方形内での相対位置をグラフィック表示します。

ファームウェアの説明

MAXREFDES82#のファームウェアは、割込み駆動設計モデルに基づいています。起動後、マイクロプロセッサは電源ドメイン、クロックドメイン、LCDモジュールコントローラ、USBスタック、仮想COMポート(VCP)、およびその他のハウスキーピング作業を設定します。次に、マイクロプロセッサはループに入り、負荷セルをスキャンしてデータを処理します。結果はLCDパネルに表示されます。また、結果をPCのGUIアプリケーションに表示することもできます。GUIアプリケーションは、VCP通信を介してボードと通信します。

図3は、MAXREFDES82#のファームウェアのメイン機能のフローチャートを示します。ファームウェアの詳細については、ソースファイルを参照してください。

図3. MAXREFDES82#のファームウェアのメイン機能のフローチャート

図3. MAXREFDES82#のファームウェアのメイン機能のフローチャート

GUIアプリケーションの説明

MAXREFDES82#ボードは、PCのGUIアプリケーションなしで単体で動作可能です。GUIアプリケーションは、結果をPCの画面上に便利な形で提供します。

図4は、MAXREFDES82#のGUIアプリケーションのスクリーンショットを示します。MAXREFDES82#ボードをPCのUSBポートに接続する前に、STマイクロエレクトロニクスのVCPドライバをインストールしてください。詳細については、「クイックスタートガイド」の項を参照してください。

リファレンスデザインボードが電力を受け取り起動時較正を完了すると、ボードは測定状態になります。GUIアプリケーションを実行してConnectボタンをクリックすると、PCのGUIはLCDパネルに表示されている情報と同じ情報を表示します。

図4. MAXREFDES82#のGUIアプリケーションのスクリーンショット

図4. MAXREFDES82#のGUIアプリケーションのスクリーンショット

図4. MAXREFDES82#のGUIアプリケーションのスクリーンショット

必要機器:

  • MAXREFDES82#リファレンスデザインボード
  • ユーザーが用意するもの:空きUSBポートのあるPCおよびMicro-USBケーブル

確認手順に従って、MAXREFDES82#が適切に機能していることを確認してください。

  • MAXREFDES82SW10.zipに含まれている適切な仮想COMポートドライバの.exeファイルを実行します。32ビットWindowsマシンの場合はVCP_V1.3.1_Setup.exeを実行し、64ビットWindowsマシンの場合はVCP_V1.3.1_Setup_x64.exeを実行してください。
  • MAXREFDES82#ボードとPCをUSBケーブルで接続します。PCがドライバのインストールを完了するまで待ちます。
  • MAXREFDES82#ボードのLCD画面の指示に従って、起動時較正を完了してください。
  • 起動時較正の完了後、ボードは測定状態になります。
  • MAXREFDES82SW10.zipに含まれているMAXREFDES82SW10.exeファイルを実行してください。
  • PCのGUI上のConnectボタンをクリックすると、PCのGUIにボードのLCD画面と同じ情報が表示されます。
  • 570g以下の力でタッチスクリーンをテストしてください。ボードには一時的に最大2kgの力までの過負荷をかけることができます。
  • PCのGUIが接続状態のときは、USBケーブルの切断またはMAXREFDES82#ボード上のSW1リセットスイッチの押下はしないでください。ケーブルの切断またはSW1リセットスイッチの押下は、PCのGUIが切断状態のとき、またはPCのGUIアプリケーションがまったく実行されていないときにのみ行ってください。

MAXREFDES82#デザインは、標準的なアプリケーションケースで検証およびテストされています。このプラットフォームは、24ビット、マルチチャネルADCのMAX11254を使用して重量秤およびタッチアプリケーションで高精度アナログ信号を捕捉するすべての開発者を対象としています。このリファレンスデザインは柔軟性が高く、重量秤アプリケーション、産業用制御/産業オートメーションアプリケーションなどの、特定アプリケーション開発用にカスタマイズすることができます。

図5は、標準ウェイトセットをトッププレートの中央に置いた場合の重量測定結果を示します。

図5. ウェイトセットをプレートの中央に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジ重量誤差

図5. ウェイトセットをプレートの中央に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジ重量誤差

図6は、標準ウェイトセットをトッププレートの中央に置いた場合の相対X軸誤差を示します。

図6. ウェイトセットをプレートの中央に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジX軸誤差

図6. ウェイトセットをプレートの中央に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジX軸誤差

図7は、標準ウェイトセットをトッププレートの中央に置いた場合の相対Y軸誤差を示します。

図7. ウェイトセットをプレートの中央に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジY軸誤差

図7. ウェイトセットをプレートの中央に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジY軸誤差

図8は、標準ウェイトセットをトッププレートの左上象限の中央に置いた場合の重量測定結果を示します。

図8. ウェイトセットを左上象限に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジ重量誤差

図8. ウェイトセットを左上象限に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジ重量誤差

図9は、標準ウェイトセットをトッププレートの左上象限の中央に置いた場合の相対X軸誤差を示します。

図9. ウェイトセットを左上象限に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジX軸誤差

図9. ウェイトセットを左上象限に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジX軸誤差

図10は、標準ウェイトセットをトッププレートの左上象限の中央に置いた場合の相対Y軸誤差を示します。

図10. ウェイトセットを左上象限に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジY軸誤差

図10. ウェイトセットを左上象限に置いた場合のMAXREFDES82#のフルレンジY軸誤差

Support & Training

Search our knowledge base for answers to your technical questions. Our dedicated team of Applications Engineers are also available to answer your technical questions.