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評価用ボード

型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。

  • EVAL-CN0158-EB1Z ($82.39) Universal Serial Bus USB Hub Isolator Circuit
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回路機能とその特長

USB(ユニバーサル・シリアル・バス)は、急速に広まり、ほとんどのPCの周辺装置用の、標準インターフェースになりつつあります。これは、優れた高速性、柔軟性および周辺装置とのホットスワップのサポートなどの理由で、RS232やパラレル・プリンター・ポートに置き換わっているからです。工業や医療機器の製造にも、このバスを使うことに対する強い要望がありますが、この採用は遅々としています。それは危険な電圧を制御する機械へ接続するために必要な、あるいは医療機器での低リークの耐除細動のために必要な、アイソレーションを提供する良い方法がないためでした。

あらかじめ速度が分かっていて変化しないような専用の周辺装置のインターフェースを構築するような場合と違って、ホストのアプリケーションにより適応させる必要があります。ADuM4160は、ピンを経由して単一の速度で接続されるようになっていますので、このデバイスのダウンストリーム側にプラグインした周辺装置が正確な速度を備えていれば、正常に動作しますが、誤った速度の周辺装置を接続してしまうと失敗してしまいます。このことに対処する最良の方法は、ADUM4160とハブ・コントローラを組み合わせることです。

あらかじめ速度が分かっていて変化しない専用の周辺装置のインターフェースを構築するような場合と違って、ホストのアプリケーションにより適応させる必要があります。ADUM4160は、ピンを経由して単一の速度で接続されるようになっていますので、このデバイスのダウンストリーム側にプラグインした周辺装置が正確な速度を備えていれば、正常に動作しますが、誤った速度の周辺装置を接続してしまうと失敗してしまいます。このことをに対処する最良の方法は、ADUM4160とハブ・コントローラを組み合わせることです。

ハブ・コントローラのアップストリーム側は、標準の一定速度の周辺ポートとみなすことができ、ADUM4160で容易にアイソレートすることができます、一方ダウンストリーム・ポートの速度はハブ・コントローラによって処理されます。ハブ・コントローラは、異なる速度を持った周辺装置を、アップストリーム・ポートの速度にマッチさせるように変換します。図1に示した回路は設計において2ポートのハブ・コントローラ・チップを2つのダウンストリームを備えたホスト・ポートに、どのようにしてアイソレートして使うことができるのかを示しており、これによってUSB仕様に完全な互換性を得ることができます。

図1.アイソレートUSBハブ回路

 

ADuM4160は、それほど高価でなく容易に、医療機器や工業用周辺装置向けのアイソレート・バッファを実現します。適応させねばならないこの課題は、完全に適合したホスト・ポートを作成するために、ADuM4160とハブ・チップの組み合わせる方法を使うことになります。アイソレートした、どんな周辺装置に対しても、ADuM4160とハブは以下のような機能を提供します: 

  1. ハブ・チップのUSBのD+ラインとD−ラインのアップ・ストリームにおける直接のアイソレーションによって、ハブはホスト・ポートの動作でのダウンストリーム管理を行うことができます。
  2. 外部制御ラインを使う必要なく、制御データの流れに対する自動的なスキームの導入が可能
  3. メディカル・グレードのアイソレーションを提供
  4. USB-IF認定の標準にミートする、1つまたはそれ以上のホスト・ポートの作成が可能
  5. 最大速度の信号伝送レートのサポートが可能
  6. 柔軟な電源構成をサポート

このアプリケーション回路のゴールは、たとえ最大速度を持つ周辺装置であっても、ハブをアイソレートすることです。ハブまたはホスト機能では、各ダウンストリーム・ポートへのパワーを可能にするために2.5Wのパワーを必要とします。アイソレータのダウンストリーム側を動作させるパワーと、ハブとポートのパワーはソリューションの一部として提供されます。このアプリケーション回路は、多くの医療および工業アプリケーションに、あてはまります。

回路説明

アップストリームのUSBコネクタに関するパワーは、USBケーブル上の5VのVBUS電圧から供給されます。ハブ・チップはすべての信号と、AduM4160がもしない場合には必要とされるプル・アップ、プル・ダウン抵抗を提供しなければなりません。ハブ・チップとして選んだのは、SMSC USB2512のUSB2512、2ポートUSBハブ・コントローラです。この製品を選んだのは、それは低価格で小型フットプリントであるからです。更に、4チャンネル・バージョンも同じフットプリントで供給されています。パワー分配スイッチMIC2026を介したチャンネル電流制限によってチャンネルをサポートし、この設計により機能が完結します。そして各ダウンストリーム・チャンネルに充分なオフラインの2.5Wの安定化されたパワーを提供します。ダウンストリーム側のパワーは、電源アダプタとADP3339LDOレギュレータ(5V用)によって供給されます。この部品は、非常に小さなドロップアウト電圧性能を持っているので、“電源アダプタ”への供給電圧安定化要求を軽減します。

この小型サイズで1.5Aの電流能力は、ダウンストリーム側の周辺機器が動作するためにフル・ケーブル・パワーを必要とするような場合、このような汎用性を必要とする回路にとっては、理想的といえます。

ADuM4160には、電力対速度と保護機能に関するいくつかのオプションがありますので、それを決める必要があります。周辺デバイスは、3種の速度、ロースピード(1.5Mbps)、フルスピード(12Mbps)、ハイスピード(480Mbps)、のうちのどれか1つで動作します。ただし、ADuM4160はハイスピード動作をサポートしません、そして速度を交渉するために使われるハンドシェーク信号をブロックします。ここで使っているハブ・チップは、ハイスピード動作をサポートしますが、このモードは、ADuM4160の動作の制限のため、使えません。ADuM4160を使う場合は、SPUおよびSPDピンの状態を介してフルスピードで、動作するように設定する必要があります。回路図中では、SPUとSPDピンはお互い3.3Vの電源電圧、VDD1とVDD2に接続されており、フルスピード動作に設定されています。

パワーは、VBUSxピンを介した5Vとして、提供されることが可能です。3.3Vの信号用電圧は、VDDxピンでの内部3.3Vレギュレータによって作られています。その他のオプションとしては、VBUSxとVDDxの両方に3.3Vを直接供給することもできます。この製品はこのような3.3Vの直接供給を使う構成を検知すると、、内部レギュレータをディスエーブルにします。説明目的のために、ADuM4160のダウンストリーム側は、3.3Vの外部電源を受け入れるように構成されており、内部レギュレータはバイパスされています。VBUS2とVDD2ピンはお互いに短絡されており、ADP3330LDOレギュレータによって安定化された外部3.3Vが供給されています。

ADuM4160は、周辺の制御の下でアップストリーム側のプルアップの投入を遅延するオプション機能を備えています。この機能は、PIN入力によって制御されます。このアプリケーションにおいては、PIN入力はハイに短絡されていますので、ハブ・チップに電源が印加されると直ちにアップストリームのプルアップが印加されます。いくつかのアプリケーションでは、これはコントローラのGPIOピンに接続することや、固定の遅延回路を与えることもでき、あるいは、ここでの回路のように接続することも可能です。どのようにこの機能を使うのかは、設計者の選択となります。

この回路ではEOS/ESD保護デバイスが付加されています。これらのデバイスは、入手可能な幅広い部品を持った製造元から選びました。特に、これらを回路からはずした場合0Ωショートによって置き換えることの可能な部品が選ばれています。保護回路の選択は設計者によって良く考慮されるべきで、外部保護が必要のない場合から、トランジエント抑圧やフィルタ素子の完全な部品を必要とする場合など、いずれにも適応できるべきです。このアプリケーションに含まれている回路素子は、標準的に使われるものの例です。

回路が機能しているとき、パケットが検出され、データはアイソレーション・バリアの片側からもう一方に流れます。図2と図3に示されたデータは、標準的なフルスピードの伝送を、時間軸データとしての、アイ・ダイアグラムとしての両方で表示しています。リアルタイム・データで留意する特長は、パケットの始めでは受動的なアイドル状態Jであり、この状態からドライブに移行し、伝送が終了するとシングルエンドのゼロ状態のあとに続くアイドル状態Jになります。 これは制御の自動的な流れで、これらの特別なロジック状態のハンドリングを可能とするADuM4160チップは、市場では、まれな製品といえます。

図2:アップストリームADuM4160ポートによって駆動されるフルスピードのテスト・パケット・トラフィック

 

このハブ設計は、最大5kVのトランジエントに対して、アップストリーム・データの接続から完全にアイソレートされています。ダウンストリーム・ポートは、フル・パワーをサポートするために、オフラインの電源を介して電源供給されています。ロースピード、フルスピードおよびハイスピードの周辺は、どのような組み合わせであれダウンストリーム・ポートに接続することができ、ハブ・コントローラは、USB規格に基づいた速度に正しく合わせます。この設計は、また、電流スイッチングと電流制限を含んでおり、設計者の選択として導入可能な、その他の出力保護デバイスも配置可能となっています。

以下は、適応可能なテスト・リファレンスです:

  • アップストリーム・フルスピード信号品質テスト・レファレンス—USB2.0規格、セクション7.7.11、セクション7.1.2.1
  • アップストリーム・フルスピード立ち上がり時間テスト・レファレンス—USB2.0規格、セクション7.7.11、セクション7.1.2.2.
  • アップストリーム・フルスピード下がり時間テスト・レファレンス—USB2.0規格、セクション7.7.11、セクション7.1.2.2.

図3は、フルスピードのアイ・ダイアグラムで、ADUM4160が、キープアウト領域で良好な状態を継続し、充分なオープン・アイを提供していることを示しています。キープアウト・ゾーンに違反した1つのトランジエントが例外として見受けられますがこのようなタイプの弊害は、このテストにおける品質にとっては許容範囲内といえます。同じようなデータが、ロースピードの評価テストにおいても見受けられます。図4にボードの写真が示されています。この回路ノートに関する完全な設計サポート・パッケージはhttp://www.analog.com/CN0158-DesignSupportで入手できます。 

図3:禁止領域を示した、フルスピードのアイ・ダイアグラム

 

図4:ADuM4160を用いた、アイソレートUSBハブ評価用ボード

 

バリエーション回路

システムの必要に応じて、その他のリニア・レギュレータを代替として使うことも出来ます。詳細については、設計ツールADIsimPower™を参照してください。

回路の評価とテスト

ADuM4160アイソレートUSBハブ評価用ボードは、この回路ノートで説明されている回路を評価およびテストするため、特別に開発されました。

詳細な回路図と回路ボードの写真は図1と図4に示されています。


必要な装置


以下の装置類が必要になります:アップストリーム-ダウンストリームのデータ・パスを備えたUSBハブ接続、ADuM4160アイソレートUSBハブ、ADuM4160評価用ボード、USBケーブル3本、高速デジタル・オッシロスコープ


評価開始にあたって


回路に加えて、回路図、この回路ノートに説明されているテスト・セットアップのブロック・ダイアグラム、ADuM4160アイソレートUSBハブ評価用ボードに関する詳細、ガーバ・ファイル、部品表、レイアウト図、組み立て情報などはCN-0158設計サポート・パッケージに含まれています。このアイソレート回路で使われている部品に関する情報は、ADuM4160/ADP3330/ADP3339のデータシートおよびADuM4160評価用ボード・ユーザ・ガイド、UG-043、で入手できます。


機能ブロック図


説明されているテスト・セットアップの回路図に関しては図1を参照してください。