よくある質問(FAQ)
design FAQs A/Dコンバータ向けのドライバ・アンプ
著者:Don Tuite アナログ/パワー・エディタ 本文はED ONLINEに掲載されました。オリジナルはこちら(pdf)にあります。
よくある質問(FAQ)
A/Dコンバータ(ADC)の駆動にはどんなアンプが用いられますか。
シングルエンド型や差動型の入/出力アンプ、さらに制御ループ用としては、電圧帰還型(VFB)や電流帰還型(CFB)のアンプが考えられます。レベル・シフト、段間絶縁、シングルエンド/差動変換、差動/シングルエンド変換に加えて、減衰やゲイン調整を実現する特殊なアンプも存在します。
VFBアンプとCFBアンプで留意すべきことは何ですか。
CFBでは、クローズドループ・ゲインが周波数に左右されることがほとんどありません。また、VFBアンプに比べて、CFBアンプは高スルーレートと低歪みを実現しており、高ゲインでの性能に優れています。VFBアンプは、CFBアンプよりも低いノイズと優れたDC性能を提供できます。それ以外にも設計制約上のトレードオフが存在します。VFBオペアンプの場合、回路設計者は帰還抵抗の値を自由に選択できますが、高い抵抗値では安定性が制限されることがあります。CFBアンプのデータシートでは、帰還抵抗値が仕様規定されています。これにより、CFBは、高いゲイン・レベルを必要とするアプリケーションに向いています。

1.差動電圧帰還型アンプの中には、出力信号の同相電圧をシフトできるVOCM入力が追加されているものもあります。

2.特定のADC向けに最適化されたレベル変換ドライバを使用すれば、工業用アプリケーションで一般的な±10 Vによって励起されたセンサーの広い電圧出力を、電圧範囲の制限されたシングルエンドADC入力に正確に合わせることができます。
差動ADCドライバの利点は何ですか。
差動ADCドライバは、シングルエンド/差動変換と差動/差動変換、同相レベル・シフト、および差動信号の増幅を容易にします。また、シングルエンド・ドライバに比べて低い歪みと短いセトリング時間を実現します。
差動VFB型のADCドライバとシングルエンドのアンプでは、どのような違いがありますか。
通常の反転および非反転入力に加えて、差動VFB型ADCドライバの中には、差動出力の同相電圧をシフトするもう1つの入力(VOCM)を持つものがあります(図1)。VFBオペアンプと同様に、クローズドループ・ゲインは入力抵抗と帰還抵抗によって設定されますが、反転入力と非反転入力にはマッチング抵抗が別途必要となります。
内部同相帰還ループを使えば、厳密に一致した外付け部品を必要とすることなく、広い周波数範囲にわたって非常にバランスのとれた出力を生成します。したがって、差動出力は、振幅が等しく、位相がちょうど180°反転した、理想にきわめて近いものとなります。また、VOCM機能を活用すれば、必要に応じて、信号中のDC成分も保持することができます。
シングルエンド、減衰、レベル変換ADCドライバは、どんな場合に必要ですか。どのように動作しますか?
工業用アプリケーションでは、±10 V信号によって駆動されるセンサーを利用することがあります。小型化を追求する今日の設計基準に合わせて製造されたシングルエンド入力ADCでは、このことが問題になります。なぜなら、このようなADCは、小さな入力信号振幅に限定されるからです。レベル変換ADCドライバは、大信号を受け取り、振幅を減らし、低電圧の単電源ADCと互換性を持つように出力同相電圧をレベル・シフトします(図2)。たとえば、0Vに重畳した20 V p-p(±10 V)の入力信号を2.5 Vに重畳した4 V p-pの信号に変換するのに用いられます。
レベルの変換を行うには、この他にもいくつかの方法があります。レベル変換には、複数のアンプ、上述のようなシングル差動ドライバ、またはレベル変換用に設計されたADCドライバを使用します。シングル差動ドライバを使用する方式はマルチ・アンプ方式よりも簡単であり、レベル変換機能に特化したドライバを用いる方式はさらに簡単です。
これらのアンプは、内部的にレーザー・トリミングされた抵抗が使われており、高い同相ノイズ除去と低いオフセットに加えて、高いゲイン精度も保証します。最大の利点は、アンプとADCがADCと同じ電源電圧を使用するため、複数の電源を用意する必要がないことです。
シングルエンド、減衰、レベル変換ADCドライバは、どんな場合に必要ですか。どのように動作しますか?
工業用アプリケーションでは、±10 V信号によって駆動されるセンサーを利用することがあります。小型化を追求する今日の設計基準に合わせて製造されたシングルエンド入力ADCでは、このことが問題になります。なぜなら、このようなADCは、小さな入力信号振幅に限定されるからです。レベル変換ADCドライバは、大信号を受け取り、振幅を減らし、低電圧の単電源ADCと互換性を持つように出力同相電圧をレベル・シフトします(図2)。たとえば、0Vに重畳した20 V p-p(±10 V)の入力信号を2.5 Vに重畳した4 V p-pの信号に変換するのに用いられます。
レベルの変換を行うには、この他にもいくつかの方法があります。レベル変換には、複数のアンプ、上述のようなシングル差動ドライバ、またはレベル変換用に設計されたADCドライバを使用します。シングル差動ドライバを使用する方式はマルチ・アンプ方式よりも簡単であり、レベル変換機能に特化したドライバを用いる方式はさらに簡単です。
これらのアンプは、内部的にレーザー・トリミングされた抵抗が使われており、高い同相ノイズ除去と低いオフセットに加えて、高いゲイン精度も保証します。最大の利点は、アンプとADCがADCと同じ電源電圧を使用するため、複数の電源を用意する必要がないことです。
ドライバが1 GHzの-3 dB帯域幅を持つ場合、この周波数域でコンバータ入力を駆動できますか。
高分解能ADCを駆動している場合、-3 dBの仕様だけでなく、ゲイン平坦性(特に周波数に連動して増減する高調波歪み)に留意してください。VFBアンプでは、-3 dB帯域幅の値は、アンプのオープン・ループ・ゲインがその-6 dB/オクターブのロールオフを開始した後の半値点を反映しているに過ぎないことを思い起こしてください。これは、アンプを比較する上での大まかな目安となります。
ミックスド・シグナル回路の設計者としては、アンプ歪みがADCの有効ビット数(ENOB)性能に与える影響を最小限に抑えることに注力しなければなりません。ENOBは、アナログ・シグナル・チェーン全体にわたる信号/ノイズ比(SNR)+歪み(SINAD)の関数として表されます:ENOB = (SINAD - 1.76)/6.02。したがって、決断を下す際には、データシートに記載されている高調波歪みのグラフによく目を通してください。
パッシブ・トランスではなく、アクティブ・ドライバを使用したいと思いますが、なぜそうすべきなのでしょうか。
主な理由は、優れたパスバンド平坦性を得て、ノイズの多いADC入力から信号を絶縁するためです。トランスの周波数応答は、あまり平坦とは言えません。アンプを使用すれば、ばらつきは周波数範囲の全域で±0.1 dB(typ)に抑えることができます。設計に広帯域ゲインが必要な場合、アンプは、ADCの入力に対して、トランスよりも優れたマッチングを実現します。さらに周波数応答に着目すれば、DC結合を可能にするアンプも存在します。トランスでは、ゆるやかに変動する信号を扱うことができません。
トランスは受動素子であり、段間絶縁を提供しないため、ADC入力からのトランスの2次コイル上で発生したノイズが、トランス内を通過して元の信号源に混入してしまいます。対照的に、アンプを用いれば、低出力インピーダンスの信号源をバッファし、ADC入力から元の信号源まで70~80 dBの段間絶縁を実現します。
一方、トランスの優位点としては、高周波域において、優れたS/N比とスプリアスフリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)を維持できることが挙げられますが、1次または2次ナイキスト領域では、トランスまたはアンプのどちらも使用することができます。
product Q&As
ADC性能を最大限に発揮するためのドライバ
70 MHz域で最適な歪み/消費電力比を提供する電圧帰還型差動ADCドライバ

ADA4939-1は、70 MHzで82 dBのスプリアスフリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)を実現すると同時に、3.3 V単電源での消費電力を120 mW未満に抑えます。このデバイスは、シングルエンド/差動構成または差動/差動構成で使用することができます。
超低歪みの電流帰還型差動ADCドライバ
ADA4927は、低ノイズ、超低歪み、高速の電流帰還型差動アンプで、DC~100 MHzで最大16ビットの分解能を持つ高性能A/Dコンバータの駆動に最適です。
シングルエンド、減衰、レベル変換ADCドライバ
AD8275は、±10 Vの信号を+4 Vレベルに変換することのできる、G=0.2のディファレンス・アンプです。AD8275は、高速セトリングと低歪み特性を備えているおり、16ビットSAR ADCの駆動に最適です。
アナログ・デバイセズのADCドライバの詳細については差動アンプ / 差動増幅器のページをご覧ください。
